我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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球技大会と唸る球

カキーン「レフトー!」

 

「オーライオーライっと」パシッ

 

現在俺たちは学園の球技大会に向けて料理部とオカルト研究部に合同で野球の練習をしており、現在俺がオカ研メンバーにノックをしている。ちなみに今のはイッセーだ。

 

「次、ライトー!」

 

俺はライトの木場に球を上げるのだが…

 

「!?木場行ったぞ!」

 

「へっ?のげぇ!!」

 

木場は上の空でぼーっとしており、打ち上げられた白球は木場の脳天に落ちる。

 

「木場ぁ!しゃんとしろ!!!」

 

「おおおぉぉ……う、うん、ごめん…」

 

木場は頭を抑えながら謝罪するが、その後もどこか上の空だった。

 

「……なあリアス、木場のやつはどうしたんだ?」

 

「わからないわ。この前からずっとあの調子なの。」

 

「やれやれ、あんな調子じゃこっちの意欲も削がれるぜ。」

 

俺とリアスがそんなことを話しながらキャッチボールをしていると、イッセーが木場の方に歩いて行く。

 

「イッセー?」

 

「しょうがない、俺がなんとかするよ。」

 

そう言ってイッセーは木場の前に立つ。

 

「おーい木場!キャッチボールやろうぜー!」

 

「!?う、うん、わかったよイッセー君。」

 

木場は一瞬間を開けてイッセーに答え、二人は距離をとる。

 

「よーし、それじゃいくぜー!」

 

「イッセー君、始めは軽く頼むよ?」

 

「ハハハ、わかってるわかってる。よーし、それじゃ軽くいくぞー。」

 

そう言ってイッセーは大きく振りかぶり、『赤龍帝の太陽手』を出現させる……………は?

 

『Boostboostboostboostboost transfer!!!』

 

「クタバレぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」ドギュン!!!

 

「なにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!?ぐばぁ!!」

 

倍加の力で強化され龍のオーラを纏った豪速球が放たれ、木場はキャッチしようとするがそのまま球に体を持っていかれる。

 

「グアアァァアアアァおおおおぉぉぉぉおおおあああぁぁぁアアアアアア!!!!!!!!」

 

ドガァァァァァァン!!!!!!

 

凄まじい爆音が鳴り響き、ドーム状のエネルギー波が発生する。エネルギーが収まると、そこには巨大なクレーターが出来上がり、その中心に真っ黒焦げの木場が倒れ伏していた。

 

「……………………ふぅ、」

 

「いやふぅじゃねぇだろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」ドカッ

 

「バリボゥ!!!?」

 

俺のドロップキックがイッセーに炸裂する。

 

「おのれは何をしとんのじゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「い、いや、豪速球で目を覚まさせてやろうと思って…」

 

「やかましいわ!!!目ぇ覚めるどころか永遠の眠りにつくわ!!!……はぁ、もういい、今日の練習はこれまでだ。グラウンドがこんなじゃ練習できん。みんな帰るぞ。イッセーは残ってそのクレーター埋めて元に戻しておけ。」

 

「えぇ~」

 

「えぇ~じゃねぇよ!?ったく、ちゃんとやっとけよ?」

 

そう言って俺たちは解散する。

 

「はぁ、やれやれ、それじゃあまずはトンボを《ガシッ》」

 

トンボを取りに行こうとするイッセーだが、後ろから木場に頭をわしづかみにされる。

 

「………どこへ行くんだい?うぅん?」

 

バキッ!!!ドカッ!!!ボコッ!!!

 

カンベンシテクダチャーイ♪

 

ダマレ♪

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

そして球技大会当日、雨が降ってしまい野外球技は中止となり、体育館内でドッチボールということになったのだが……

 

「ふっ、まさかこんな形で争うことになるとわなぁ。」

 

「ええ、皮肉なものね。愛する相手と争うなんて。」

 

第一回戦、俺たち料理部とリアスたちオカルト研究部がぶつかることになった。ちなみにこちらのメンバーは俺、アーシア、ミッテルト、イザベラ、カーラマインだ。

 

「だが勝負は勝負、手加減はしないぜ?」

 

「ええ、もちろんよ。何せあなただもの、全力でやらせてもらうわ。」

 

リアスはボールを構える。

 

「あっ、そうだ、もし俺を当てられたら俺のできることで何でも言うこと聞いてやるよ。」

 

瞬間、リアスたちの目が獲物を狙う野獣の目になった。

 

「………その言葉、忘れないでね?」

 

「にゃははは………ジュルル」

 

「うふふふふふふふふふふふふ」

 

「………なんか向こうすごいことになってるんすけど……」

 

「あっ、ちなみにお前らも一番相手を仕留めたやつには俺がご褒美を…」

 

「っしゃおらぁ!!!やったるっすよぉ!!!!」

 

「ご褒美……ふふふふふふふふ」

 

「ご褒美……竜也さんがわたしに…ぷはぁ!」

 

「木場殿……」

 

その後、コートで激戦が繰り広げられた。当てては取り、取っては投げ、当てられては当て、と勝負は平行線をたどっていた。

 

「はぁっ!!!」

 

「甘い!!!」

 

俺はリアスの投げた球を取る。そして俺はまた上の空のなっている木場を見逃さなかった。

 

「木場隙ありぃ!!!」

 

「!?しまっ!?」

 

「クハハハハハハ!!!もう遅いわぁ!!!」

 

俺は空中に飛び上がり、ボールを振りかぶる。

 

「クハハハハハハハハ!!!タマとったりぃぃぃぃぃぃぃ!!!!(球だけに)」

 

俺はボールを投げようとするが、急に足を誰かに捕まれる。見ると、カーラマインが俺の足をつかんでいた。

 

「!?カーラマイン、キサマぁ!!!!」

 

「申し訳ありません竜也殿、私には…私には出来ません!!!」

 

「おのれぇ!!!…だがもう遅い!!!」

 

「くそっ!逃げろ木場ぁ!!!」

 

「え?うわっ!?」

 

俺はボールを投げ、イッセーは木場を押し倒す。だが、バランスを崩した体制で投げたボールは俺の予想した軌道からずれ…

 

「ぐぱぁ!!!?」

 

ちょうどイッセーが押し倒した方向に飛び、木場のどてっぱらに炸裂して木場は盛大に吹き飛んだ。

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

体育館が静寂に包まれた。

 

「………お、おのれアニキ!よくも木場を!」

 

「君のせいだろうがぁ!!!」ズガン

 

「バケボゥ!!!?」

 

木場のバックドロップがイッセーに炸裂する。その後、イッセーは再起不能となり数の差で俺たち料理部が勝利した。




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