皆さんお久しぶりです。神によって転生した主人公こと雷門竜也です。早いもので、転生から9年経ちました。あれから羞恥に悶えながら乳児期を過ごし、歩けるようになってからは、友達と遊びながらその間に自分の能力の練習をしていました。
わざぼーの技名を叫べば喉を枯らしご近所の方々には生暖かい目で見られ、発電能力を使えば直列と並列のコントロールがつかずに感電し……しかし、まさか原作主人公である兵藤一誠君とご近所とは…これも神の仕業でしょうか?
そんな俺ですが、いま夜の中全力疾走しております。なぜかというと……
「待たんかクソガキィィィ!!!!」
「待つかボケェェェ!!!」
黒猫を担いで悪魔から逃走しているからです。
始まりは、俺が能力の練習をしていた帰り、近道に通った雑木林の中で傷だらけの黒猫を見つけ、家に連れて帰り治療しようと抱き上げたとき、黒服を着た男が現れ、一瞬驚愕したかと思うと、黒猫を渡すよう言われ、嫌な予感がして断ると急に悪魔の羽を生やして襲いかかってきたのだ。
どうやらこの男、ここいら一帯に人避けの結界を張っていたらしく、その中にいた俺を神器持ちか何かと勘ぐりついでに捕らえようと考えたようだ。……とか言ってる間に男に追い付かれてしまった。
「チッ手こずらせやがって、おいガキ!その猫を余越な。そうすりゃ命は助けてやるよ。」
「それではいそうですかと渡すなら最初から逃げてないよバーカ」
「ああそうかい、なら死ね」
やつはそう言うと殺気を放ち、俺はわざぼーを出したが……
「なっ!…ブアッハハハハッ!!!!なんだそのブッサイクな棒はぁ、それがお前の神器なのかぁ!」
おもいっきり笑われました…だってしょうがないじゃん、こういうデザインなんだから!俺だってもっとカッコいいのが良かったわ!!
「うっさいなあ!じゃあお前の武器は何なんだよ!」
「ハハハハ、うん?俺の武器か?いいぜ教えてやるよ。俺のはそんな気の毒なのじゃなくt「どりゃあぁぁぁぁ!!!!」
相手がなんか言ってる間に懐へ突っ込む
(ずりぃィィィ!!!!)ガビーン
チョンッ「メガトンパーンチ!!!」
シ~~ン
「……うん?ハハハハなんだ、何にも起きないじゃないか!技名だけ言っても意味なヘブッ!!?」
そんなすっとんきょうな声をあげて悪魔はぶっ飛ぶ、俺はその隙を逃さず雷の速さで近づく
「百列ビンタぁ!!!」
「オブブブブブ~~!!!?」
悪魔はビンタを喰らい頬を腫らして地面に落ちる。
「グオオ痛ぇ、てめえ!さっきからなんだその技は!!!?いきなり見えないパンチやビンタが出てくる何てどんな仕組みだよ!」
「ん?てきとー」
ズデッ
俺の返事を聞いた悪魔がずっこける
「アホかぁぁ!!!!てきとーなわけねーだろーが!!!!大人をなめんなよテメー!!!!」
悪魔はキレて叫ぶが俺は続けて話す
「い~や本当にてきとーなのさ。こいつの名は『わざぼー』相手の体に触れて、てきとーに技名を叫べば本当にその技が飛び出すのさ!!」
(………何てつごうのいいオモチャだぁぁぁぁ!!!?)ガビーン
「じ…冗談じゃない!。そんなのに勝てるか!」
悪魔はそう言って逃げようとするが逃がす気はさらさらない。
「逃がすかぁ!!伸びろ如意棒!!!」
ズドゴッ「オドオッ !!?」
「止めだ!並列エレキパーンチ!!!!」
ズピシャァァァ「ギャアアアアア!!!?」
如意棒で脳天をどつかれ、エレキパンチで黒焦げになった悪魔は力なく墜落して行く。それを見届けた後、俺は黒猫を担いで家に帰る。
帰る途中俺は思った。
(……わざぼーだけで十分オーバーキルだな…)
その後、夜遅くに出歩いたことで母からこっぴどく叱られたのは余談である。