「ーーーーこんなところかな。全員速やかに模擬戦をやめて集合!」
『『『『『了解!』』』』』
俺が召集をかけ、分身たちが集まってくる。そしてそれぞれの感想を元にこれからのプランを考える。
「や、やっと終わった……」
「…まともに攻撃を与えられませんでした。」
「私の攻撃もことごとくいなされて、反対に手酷くやられたましたわ……」
「彼の規格外と呼ばれる由縁を目の当たりにしたわ……」
「僕の魔剣がああも容易く折られるなんて……自信なくすなぁ………」
「ふえぇ、凄すぎです竜也さん。」
「アーシアもお疲れだにゃ。みんなの回復にてんてこ舞いだったからにゃ。」
「いえ、そんな!皆さんに比べたら……」
「流石は我が主と言ったところか。」
「一瞬も気が抜けなかったっす…」
「少しでも隙を見出だすと情け容赦なく追撃してくるからな、竜也様は……」
「夕麻ちゃん大丈夫?」
「うん、イッセー君こそ……」
「おーい、とりあえずこれからの特訓内容は大体できたぞ。」
俺はみんなを集めてこれからの修行内容を言い渡す。
「まずはお嬢、お嬢の『滅びの魔力』は確かに強力だ。だが一撃にかかる時間が長い上に軌道も単調で読まれやすい。そこでだ、お嬢には滅びの魔力に形を持たせる特訓をしてもらう。」
「…?形を持たせる?」
「そうだ。例えば滅びの魔力を盾の形にすれば、それは強力な守りになる。さらに剣の形にすれば例え接近戦に持ち込まれても応戦することができ、一発にかける魔力を小さく分けてマシンガンの様に連射して命中率を上げるなんてこともできる。」
「なるほど……わかった、やってみるわ!」
「次に木場、お前の神器『
「うん、僕もそこは把握しているよ。」
「そこでお前の選択肢は2つ。一つ、とにかく魔剣の生成する速度を上げて質より量で攻める。もう一つは相手を一撃で葬るような“必殺の一振り”を作るかだ。さあ、どうする?」
「……決めた、僕は必殺の一振りを選ぶよ。」
「わかった。次に堕天使四人、お前たちの課題は光の槍の形状変化だ。」
「……?形状変化ですか?」
カラワーナが尋ねる。
「そうだ、お前たち堕天使はみな光の力を槍の形にする。それは何故か?単純にそれが一番作り安い形だからだ。だがそれでは槍の扱いの苦手なやつは不利だ。お前たちにはこれから自分の最も扱い安い武器を探して、なおかつその形に光の力を変化できるようになってもらう。」
「「「「了解(っす)!!!」」」」
「次にアーシア、君には俺の魔法の一つを教えたいと思う。」
「魔法…ですか?」
「ああ、君は俺たちの重要な回復役だ。真っ先に狙われる可能性がある。だから自分の身は最低限守れるようになって欲しいんだ。」
「……わかりました!皆さんのためにもわたし頑張ります!」
「ありがとうアーシア。朱乃ちゃん、アーシアのサポートを頼むよ。」
「わかりましたわ、竜也君のご指名ですもの♪」
「ありがとう。あとは白音、お前はいかんせん戦車の力に頼りすぎだな。黒歌、白音に仙術とARMの技術の指導を頼む。」
「了解にゃん♪一緒にがんばるにゃん白音♪」
「…でも先輩、私はARMは持ってないんですけど……」
「心配するな、今からお前たち全員には修練の門の中で今言った課題をやってもらう。」
「修練の門というと、昔あなたたちが修行をしたっていうものよね。」
「そうだお嬢、この中での時間は外の世界の60分の1で流れる。みんなには外の世界での3日間、中では約半年の間修行してもらう。」
「……?何で3日間だけなんですか?どうせなら10日間入ればいいんじゃ……」
「修練の門もしかり、ARMは発動させるには術者の魔力を注ぎ続けなければならないんだ。流石の俺も10日はきつい。」
「じゃあ先輩は門には入らないのですか?」
「心配するな。中には俺の分身と助っ人を二人ほど同行させる。さて、今日はみんな疲れたろ、今日のところはゆっくり休んで明日入るとしよう。俺は食事の準備をしてくる。みんなはそこの食堂行きのパネルに乗ってくれ。」
そう言い残し俺は厨房行きのパネルに乗った。
◆◆◆◆◆◆◆◆
しばらくして厨房にて
「うおお、うめぇ!!!やっぱりアニキの料理は最高だぜ!!!」
「あらあら、流石竜也君ですわ♪」
「おお、このスープのピリ辛さ、体が暖まってきたぞ!流石は我が主!」
「凄いな、食べたら1日の疲れが吹き飛んでしまったよ。」
「五臓六腑に染み渡る味っす!」
「本当に美味しいわね……女として負けた気がするわ。」
「はい、イッセー君。あ~ん♡」
「あ~ん////」
「はうぅ、思わず食べ過ぎちゃいそうですぅ……」
「この鮭のムニエル最高にゃん♪流石はご主人様ニャん。ね~白音?」
「モグモグモグモグモグモグモグモグ…」
「白音が一心不乱に料理を味わってるにゃ!!!?」
「まだまだたくさんあるから、じゃんじゃんおかわりしてくれよ。」
『は~い!』
◆◆◆◆◆◆◆◆
その後、大浴場で入浴を済ませた後、イッセーたちは竜也に和室に集められた。何故かそこには敷き布団が敷かれていた。
「どうしたんだアニキ、みんなを集めたりして?」
イッセーが竜也に尋ねる。
「ふふふ、それはだな……これだ!!!」ブオン
ボスン「ブヘァ!!!?」
言うや否や、竜也はイッセーに枕を投げつけ、枕はイッセーの顔面にクリーンヒットする。
「ははははは!!!いっぺんやって見たかったんだこういうの!これより第一回オカルト研究部枕投げ合戦を開始する!そい!!!」
「わぷっ!?」「にゃぱ!?」
竜也は続けざまに朱乃と黒歌に枕を投げつける。
「うふふ、やりましたわね!」
「お返しにゃん!」
「ちょっ朱乃!?なんで私に投げるのよ!?」
「主よ、ここは某が壁になりましょうぞ!」
「じゃあ僕も!」
「はわわ、わたしはどうすれば…」
「ならウチらと組むっすよアーシア!」
「…頑張りましょう。」
「協力していこうぜ夕麻ちゃん!」
「オッケーイッセー君!」
「キイイ!!!こうなったらやってやるわよ!!!」
「はははは!!!返り討ちにしたらぁ!!!」
その後、枕投げ合戦は激戦と化し深夜2時まで続いた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
次の日、試合場にて
「ーーーというわけでこれから修練の門の中でみんなのサポートをしてもらう………」
「アランだ。よろしくな。」
「わたくし、ベルゼブブ931世、ベルゼブブ優一と申します。よろしくどうぞ。」
「ベッベルゼブブ!?」
「お嬢、驚く気持ちはわかるが、ベルゼブブ優一、通称べーやんはいわゆる異世界のベルゼブブなんだ。」
「いっ異世界?」
~~~~説明中~~~~
「……とまあそういうわけだ。」
「へえ、グリモアねぇ……」
べーやんのことは俺が偶然グリモアを手にいれて契約を結んだことにしておいた。さすがに転生者のことを話すわけには行かない。
「……それにしても恐ろしい本ね。悪魔が触れれば超常現象的罰が下って中には悪魔を従えさせる方法や悪魔を痛め付ける呪文がびっしり書かれているなんて……」
見ると、お嬢だけではなく悪魔組全員が顔をひきつらせていた。
「俺が眷属になるのを断ったのもこれが理由の一つだ。下手すりゃ俺が死んじゃうから。」
「ええ、よくわかったわ……」
「ああ、じゃあ話はそれたがそろそろみんなを送るぜ。頼むぜみんな。」
『『『『『了解!!』』』』』
「あいよ。」
「かしこまりました。」
「じゃあ行くぜ!ディメンジョンARM修練の門!!!」
竜也が修練の門を発動させると、リアスたちの足元に門が現れ、バカンと音を立てて開きリアスたちはそのまま落ちて行った。
「「「「えっ、ええええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!?」」」」
「「「「「「「やっぱりこういう入りかたなのおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!?」」」」」」」
彼らの声はどんどん小さくなって行き、とうとう聞こえなくなったところで扉はバタンと閉じた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そして3日後
「ようお前ら、お帰り。」
竜也の前には修練の門から帰ってきたリアスたちの姿があった。みんな3日前とはオーラが段違いに強くなっている。
「どうやら成果はあったようだな?」
「ええ、もちろん。」
「はい!」
「うふふ、アーシアちゃんは頑張りましたわよ♪」
「白音だって頑張ったにゃん♪ね~白音?」
「はい、バッチリです。」
白音は竜也にVサインをする。
「僕も必殺の一振りをなんとか完成させることができたよ。」
「我々も自分の最も扱い安い形状の光の武器を編みだしました。」
「よし、みんなよくやった!残りの6日間はその力の最終調整とする。いいな?」
『『『『『『了解(にゃ)(っす)(ですわ)!!!』』』』』』
そして時は過ぎ、いよいよレーティングゲーム当日へ………
感想等お待ちしております。
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