我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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旅行と布石

冬休みが中盤に差し掛かったある日、俺たちは部屋でカーレースゲームをしていた。

 

「突然だけど、みんなでイギリスに旅行に行こうと思う。」

 

俺はゲーム機を置いてみんなに言った。

「……本当に突然だな。」

 

ヴァーリが同じくゲーム機を置いて俺に言う。

 

「いやな、久しぶりにお前も帰って来た訳だし、みんなで久しぶりにイリナに会いに行こうと思ってな。」

幼少期、俺とヴァーリとイッセーがよく遊んだイリナは今イギリスのエクソシストの養成所にいるらしい。

 

「確かに俺も会いたいけど、俺は悪魔、朱乃ちゃんは堕天使のハーフだぜ?昔はやり過ごせたけど今会ったらバレるんじゃないか?」

 

ヴァーリが俺に尋ねる。

 

「心配するな、こんなこともあろうかと、俺とアザゼルとで共同開発したこの指輪を着ければ悪魔や堕天使の気配を完全にシャットアウトできる。さらに言語翻訳機能付き!」

俺は懐から指輪を取り出しみんなに見せる。

 

「あっ、ちなみにイリナパパ含むみんなの親には了承済みだ。」

 

「「「「根回し早!!!?」」」」

 

「それとベーやんは留守番な。」

 

「ええっ!!!?」ガビーン

 

「我は?」

 

オーフィスが俺の袖を引いて尋ねる。……可愛いと思ってしまった俺は悪くないと思う。

 

「オーフィスは蛇に変身したならいいよ。」

 

「ん、わかった。」

 

心なしかパアァという効果音が聞こえた気がする。……言っておくが、俺はロリコンではない。フェミニストだ。子供好きの

「納得いくかこるぁ!!!何で私は駄目でそいつはいいんじゃぁ!!!!ひいきだ!!!差別だ!!!悪魔にも人権はあんだぞおんどりゃぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「うるさい」バキッ

 

「ペケポン!!!?」

 

ベルゼブブを黙らせとりあえずその日は解散となった。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

あれよあれよという間に時間は過ぎ、現在俺たちはイギリスの空港に到着した。

 

「おーい!」

 

声のした方を見ると、数年ぶりのイリナとそのご両親がいた。

 

「ようイリナ、しばらく見ないうちにずいぶん女らしくなったな。」

 

「久しぶり、イリナ。」

「元気だったか?」

 

「うん!三人とも久しぶりだね!みんなにもらったプレゼント大事にしてるんだよ?」

 

そう言うとイリナは俺たちの挙げたリボン、ブレスレット、ペンダントを見せた。大事に着けているようだ。

 

「にゃにゃ、一応はじめましてかニャ?雷門家に養子としてお世話になってる黒歌にゃん♪」

 

実は黒歌は飼い猫のクーだった時に会っているのだが、イリナは知るよしもない。

 

「はじめまして、姫島朱乃と申します。三人には良くしてもらっています。」

 

「二人ともはじめましてだね!二人のことは竜也君から聞いてるよ。」

 

どうやら難なく打ち解けたようだ。流石女の子。

 

「やあみんなよく来たね。これからよろしく頼むよ?コソッ君たちのことはイリナには秘密にしているから安心したまえ。」

 

イリナパパさんが話かける。ちなみに彼は俺たちのことは知っている。曰く、「闇にいる者でも、それが絶対に悪とは限らない。」だそうだ。なかなかできた人間だと思う。ちなみに俺たちは紫藤家にホームステイすることになっている。

 

「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。」

 

「「「「よろしくお願いします。」」」」

 

「あらあら、じゃあ早速家に向かいましょうか?」

 

イリナママさんにつれられて俺たちは紫藤家に向かう。こうして、俺たちのイギリス旅行は始まった。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

ーーー深夜、イギリスのとある森の中

 

「ギャアアァァァァァァ!!!!!!」

 

「キャハハハハハ!!!!!!汚物は消毒ってね!!!!」

 

闇の中血しぶきが上がり、怪物の断末魔と白髪のエクソシストの甲高い笑い声が響いた。

 

「ほほぅ、噂に違わぬクレイジーっぷりだな、フリード・セルゼン君?」

 

「あぁん?誰ですかぁ?」

 

フリードが声のした方を見ると、木の枝に自分と近いくらいの年の男が腰掛けていた。

 

「俺かい?俺は雷門竜也。ちょっと規格外な一応人間だよ。」

 

声の主、竜也はあっけらかんと答える。

 

「ふ~ん、それで?その規格外さんがおれっちに何の用ですか?」

 

フリードもこれまたあっけらかんと返す。

 

「な~に、巷で噂の天才エクソシストがどんなものかと拝見しに来た所存だよ。」

 

「ほほぅ、そりゃご苦労♪で?おれっちフリード・セルゼンの腕前はその規格外さんのお眼鏡にはかかったのですかな?」

 

「まあね、なかなかいいものを見せてもらったよ。だけど俺ほどではないけどね?」

 

そう言って竜也はあからさまに挑発した態度をとる。

 

「……へえ~、じゃあその腕前、是非とも見せてもらおうじゃない、の!!!!」

 

フリードはそう言うと光の剣を一瞬で取りだし竜也に斬りかかる。

 

「流石に速いね、………だけど俺には遅い。」

 

そう言うと竜也は雷の速さでフリードに接近し光の剣を蹴り飛ばす。

 

「エレキナイフ&ゴーストテイル。」

 

竜也は雷をまとった手刀をフリードの首に、ゴーストテイルを眉間に突きつける。

 

「……おいおい冗談だろ……あんた本当になにもんだよ。」

 

フリードは未だ笑ってはいるが、冷や汗をだらだらと流している。

 

「だから言ったろ?お前の腕前を見に来たってね。……さて、そんなフリード君に提案だ。」

 

「提案?」

 

「……お前さん、さらに強くなる気はないかい?」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「……兄さん、二日間もどこ行ってたのさ?」

 

「いやぁなに、なかなかいい拾い物をしたもんでね?」

 

「?」

 

 




という訳で、フリード君主人公と遭遇です。彼の目的は一体何か?次回をお楽しみに

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