我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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今回は少し長くなりました。


踏み台と蝿

早いもので、オーフィスが我が家にやって来てから10日が経った。俺は今日の料理当番(基本的には母さんが作るのだが、土日は俺が作る)なのでオーフィスを連れて買い物に出掛けている。ちなみに、今のオーフィスは母の提供でゴスロリを着ている。

 

「オーフィス、何か食べたいせものはあるか?予算の範囲内で出来る限りのものは作るぞ。」

 

俺は俺と手をつないで歩くオーフィスに話しかける。

 

「我、卵ハンバーグを所望する。」

 

「半熟卵の乗ってるやつか?それともゆで卵の入ったやつか?」

 

「半熟卵乗せ」

 

「了解っと、となると必要な材料は豚ひき肉と玉ねぎにそれから………」

 

俺たちは料理に必要な材料とデザートに作るプリンの材料を買って、俺はオーフィスを肩車して帰路につく。

 

「どうだったオーフィス、この10日間は?」

 

「ん、我今まで知らなかったこと、たくさん知った。ママと竜也の作るごはんはとても美味しい。」

 

オーフィスは本当によく食べる。この小さな体のどこに入るのかってくらい。

 

「黒歌と一緒にお風呂に入って頭を洗ってもらってくすぐったかった。」

 

黒歌も、最初はオーフィスにおっかなびっくりだったけど、今では本当の姉のように接している。彼女の本当の妹とも、いつか和解できるといいな。

 

「時々来るヴァーリ、イッセー、朱乃とゲームして、初めて何かで負けた。だけど今はもう負けない。」

 

ヴァーリとイッセー、朱乃ちゃんも最初オーフィスのことを話したらかなり驚いていたが、今ではすっかり和解している。(ドライクとアルビオンは複雑そうだが、)

 

「アランとは昼間ゲームして、たまに修行してやるけどすぐに負ける。」

 

ふーん、たまに見ないと思ったらそんなことしていたのか。まあ、相手が無限の龍神じゃな。

 

「竜也に頭を撫でてもらったり、手をつないだりするとなんだかとても温かい。」

 

オーフィスは俺に何かとくっついて来る。まあ、一緒にいるってゆう約束のつもりらしいが、手をつないでいったのも彼女の要望だ。

 

「パパは………特にない。」

 

父よ………強く生きろ

 

「みんなといるとなんだか胸がぽかぽかする。こんな感覚は今まで感じたことがなかった。」

 

オーフィスは片手を胸に当てて言う。

 

「そうかい、だけど悪い気分じゃないだろう?」

 

「ん、悪くはない。」

 

そう言ってオーフィスは俺の顔を覗きこむ。いまだに顔は無表情だが、いつか彼女が心の底から笑顔になれる日が来るだろう。

 

「おい!お前!!!」

 

すると、なにやら金髪の男に呼び止められる。年はイッセーくらいかな?

 

「お前!何でオーフィスと一緒にいや

がる!!!」

 

どうやらオーフィスを知ってるようだ。前オーフィスが言っていた渦の団(カオスブリゲート)とかいう奴らか?

 

「オーフィス、あいつ知ってるか?」

 

「知らない、渦の団でも見たことはない。」

 

どうやら違うらしい、それならなぜオーフィスのことを……

 

「……あんた何者だ?何で渦の団でもないやつがオーフィスのことを知っている?」

 

「何者だぁ!?それはこっちのセリフなんだよ!!!!」

 

するとやつは空間から何本もの剣を打ち出した。……おいおいこんなところで

 

「オーフィス!!!」

 

「ん、もう人払いの結界ははった。ぶい」

 

「グッジョブ!!!ハンバーグ大きめにしてやるよ!ウェポンARM、エレクトリックフリスビー!!!ゴーストARM、ゴーストテイル!!!」

 

俺は雷撃を放つ何枚もの円盤と体から生やした漆黒の刃の尾で、剣を次々と打ち落とす。

 

「ARMだと?お前やっぱり転生者か!!?」

 

「ふーん、てことはお前もそうなのか。」

 

「ちっ!余計なことしやがって!!!せっかく原作介入してイッセー消してハーレム作ろうと計画してたのによお!!!!」

 

………あん、こいつ今なんて言った。イッセーを消す?

 

「……おい、その消すってのは殺すって意味か。お前、人殺すって意味がわかってるのか?」

 

「はぁ!?お前まさか情でも移ったの!!?こんなもん所詮架空の世界だろうが!!!こいつらは元々空想の住人だ!!!!んなもん知ったことかよ!!!!ギャハハハハハハ!!!!!!」

 

……ああ、ダメだ。出来れば穏便に済ませたかったけどもう我慢ならん。

 

「……ふざけるな。」

 

「は?」

「ここにいる皆は生きてる!!!架空なんかじゃない!!!!みんな血が通って心があってちゃんと生きてるんだ!!!それにイッセーは俺の弟分だ!!!!イッセーに手ぇ出す気なら容赦しねえ!!!!!!」

 

久しぶりだなこんなに怒りを感じたのは、こいつは絶対許さない!!!!

 

「ケッやってみろよ!!!この俺の『王の財宝』(ゲートオブバビロン)を破れるもんならなぁ!!!!!!

 

するとやつはさらに多くの剣を打ち出す。ゲートオブバビロン……確か異空間にしまってある財宝を取り出すとかそんなんだったかな?Fateは見たことないからよくわからん。

 

「ともかく!厄介なことこの上ないな!!!!風雷鎌鼬!!!!!!」

 

フリスビーとゴーストテイルだけでは間に合わないので、俺は風雷鎌鼬の雷の刃の嵐で剣を打ち落とす。

 

「ちっ!こんどはトリコのブランチかよ!!?しゃらくせぇ!!!!一気に決めてやる!!!!」

 

するとやつは黄色い本を取り出す。

 

「出番だ!!!やっちまえベルゼブブ!!!!」

 

「やれやれ、致し方ありませんね。悪く思わないでくださいよ。」

 

するとそこに背中に羽虫の羽の生えたペンギンのような生物……と言うか、よんでますよ、アザゼルさんのベルゼブブ優一だった。ということは……不味い!!!

 

「食らいなさい!」

 

するとやつは目から怪しげな波動を放つ。不味い!!!!やつの能力の一環である強制排便。生物に強制的に便意をよもおさせるある意味恐ろしい能力だ。便意に耐えながら戦うとか冗談じゃない。

 

「防がせてもらう、ホーリーARMイージス!!!」

 

俺は巨大な盾を出現させる。ホーリーARMの中でも屈指の防御力を持つこのARM。俺の予想は当たり、ベルゼブブの呪いを防ぐことに成功する。

 

「ほう、私の呪いを防ぎますか?」

 

「ここは勝ちに行かせてもらう。卑怯とはいうなよ!!!ディメンジョンARMサイコスペース!!!!」

 

すると俺たちは緑色のドームに包まれる。

 

「なっなんだこりゃあ!!!!?」

 

「サイコスペース、この中ではARMを発動させた者以外は強制的に魔力が二分の一になる。」

 

「なにぃ!!!?」

 

「ほほぅ、やりますねぇ。」

 

「感心してんじゃねぇよクソ鳥!!!とっととなんとかしやがれ!!!」

 

「はぁ!!?嘗めた口きいてんじゃねぇぞクソガキ!!!グリモアがなけりゃテメェなんざ用はねぇんだよ!!!」

 

どうやらベルゼブブは彼が持ち主というのは不服らしい。まあ、お互い性格的に会わないだろう。

 

「オーフィス、あのペンギンみたいなやつを相手してくれ。」

 

「ん、了解。」

 

そう言ってオーフィスはベルゼブブに向かって行く。

 

「おや?お嬢さんが相手ですか?誰であろうと手加減はしませんよ。食らいなさい!」

 

ベルゼブブはオーフィスに呪いを放つがオーフィスは何ともない。

 

「な!!!?ど、どうやら少し侮っていたようですね。ですがもう油断はしませんよ!!食らえ!!!!」

 

ベルゼブブは再び呪いを放つがやはりオーフィスは何ともない。

「な、なぜだぁぁぁぁ!!!?なぜ私の呪いが効かない!!!?」

 

「ああ、オーフィスはトイレいかないからな。」

 

「ん、我トイレいかない。」

 

流石は無限の龍神、生物の概念を越えている。

 

「そっそんなバカな!!!?排泄行為をしない生物など居るわけが……!!!!」

 

ベルゼブブは自分の呪いが効かないことに激しく動揺している。

 

「クソ鳥!!!何やってんだ!!!!」

 

「隙ありだ。」

 

「な!!!?」

 

「食らいな!!!ライト版スターライトブレイカー!!!!!!」

 

「グアァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

これぞ俺が『魔源の三つ首甲』の千の魔法を司り新たな魔法を創造する力を用いて編み出した新必殺技スターライトブレイカーである。ぶっちゃけパクりだが、硬いことはいいっこなし。威力は軽めにやったが、こいつを吹き飛ばすには十分な威力だ。

 

「殺しはしない。お前にはその価値もない。」

 

俺は倒れ伏すやつにそう言葉を投げ掛ける。

 

「!!!?……ふざけるなぁぁぁぁ!!!!!!」

やつは苦し紛れに剣を打ち出し、俺は難なくそれをはじく。弾いた剣は弧を描きながら飛んでいき……

 

「あ」

 

グリモアに刺さった

 

「あ、ああ、あぁぁアァァァァァ!!!!!!!!!!!!」

 

するとやつの体がベキバキと音を上げながら変わっていき、大きさもだんだんと縮み、そこにはもはや人はおらず、彼のいた場所から一匹のハエが飛んで行った。

 

「やれやれ、どうやら彼の出した剣が刺さったことでグリモアを破棄したと認識されたようですねぇ。」

 

いきなり聞こえた声に振り向くと、いつの間にか俺の顔の真横をベルゼブブが飛んでいた。

 

「いやはや、あなたには感謝していますよ。あんなクソ野郎にこれから先も使われるなんてゴメンでしたからねぇ。」

 

彼がハエになったことに一つも残念がらないベルゼブブ。よっぽど不満だったのだろう。

 

「だろうな。こうなると哀れに思うが自業自得だし、それで?お前はこれからどうするんだ?」

 

「そうですね、とりあえず新しい契約者でも探しましょうかね。なるべくカレーの上手い。」

 

「なら俺と契約するか。こう見えて料理の腕には自信があってね。」

 

「ん、竜也のカレーは絶品。」

 

「ほほぅ、あなたほどの実力者なら私の契約者としての資質は十分でしょう。わかりました。あなたと契約するとしましょう。」

 

こうして、俺は新たにベルゼブブのグリモアを手に入れ、今夜のメニューは卵ハンバーグカレーになった。ベルゼブブには「クソンメェェェェェェ!!!!!!」と絶賛された。

……そういえば、結局あいつの名前聞いてなかったな。今さらどうしようもないけど


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