「スミマセンでした」
先ほどの問題発言のあと、このオッサンを集団リンチにしていたのだが、一時間したあたりでみんなからストップが入り渋々引き下がった。
「それで?俺たちは残りの3ヶ月間何をすればいいんだ?さっさと言えやマダオこらぁ!」
「……なんか俺の評価が段々下がっていってるんだが…まあそれは置いといて、お前らにはこれからはARMを使った修行をしてもらう。」
「?なんでARMなんだ?」
「いいか、ARMを使う際必要とされるのは魔力だけじゃない。持続させられるだけの精神力も必要なんだ。そしてそれは使えば使うほど体の中で練られ鍛えられていく。赤龍帝のボウズがいい例だな。」
「なるほど、通りで米粒程度の魔力しかなかったイッセーが魔法を維持できるようになったわけだ。」
ヴァーリが納得したように頷く。イッセーは不服そうだが、
「わかったならついて来な、次の修行場に連れてってやる。」
そう言ってアランは歩き出す。俺たちはそれについて行く。そこはまるで神殿のような場所で、中には5枚の石盤のようなものがあった。
「こいつは『割れずの門』お前らにはこいつをARMを使って砕いてもらう。いいか?割るんじゃない、砕くんだ。」
アランはそう言って葉巻を吹かし腰かける。…どこから出したその椅子?
「にゃにゃ、なら私から行くにゃん♪」
そう言って黒歌が前に出て着物の袖からARMを取り出す。
「ウェポンARM『ボールダークロー』にゃん♪」
すると黒歌の両手に石でできた巨大な爪が現れる。
「にゃん♪」
黒歌は石の爪で門を殴りつけ門には大量のヒビが入るが、門についた石像の顔が何か呪文を唱えると、門は元通り無傷の状態に戻ってしまった。
「にゃにゃ!?なんでにゃ!?」
「だから言ったろうが、割るんじゃなくて砕くんだよ。とりあえず、他の奴らもやってみな。」
そう言ってアランはまた葉巻を吹かす。
「…まあやるだけやって見るか。ウェポンARM『グリフィンランス』!!!」
俺はグリフィンランスで門を突き刺すが、砕くまでは行かず元に戻ってしまう。
「俺たちもやるか!ネイチャーARM『フレイムボール』!!!」
「ガーディアンARM『13トーテムポール』!!!」
「ネイチャーARM『エレクトリックアイ』!!!」
イッセーが炎の球を大量にぶつけ、ヴァーリが地面から出したトーテムポールをぶつけ、朱乃ちゃんが強力な雷を落とすが、やはり門は元に戻ってしまう。
「ちくしょーダメかぁ!!!」
「どうしたものか…」
「あらあら…」
「ムリゲーにゃん…」
みんなそう簡単にはいかないか。するとアランがこちらに歩いてきた。
「今のでお前らの資質は見せてもらった。とりあえず、今のところ見込みがあるのは魔源のボウズと……お前だな。」
するとアランはイッセーを指差しそう言う。
「おっ俺!?なんで!!!?」
イッセーはまさか自分が当てられるとは思わなかったのか、慌ててそう言う。
「いいか?この門には他の部分と比べて比較的もろい部分がある。そこをお前たちのARMとシンクロし、『第六感』(シックスセンス)を働かすことで見つけ出し、砕くことがこの修行だ。」
「第六感、ですか?」
朱乃ちゃんが尋ねる。
「ああ、例えば巨大な敵がいる。何をしても倒れない!だがシックスセンスで相手の弱点を感じることができたなら、小さな労力、少ない力で倒すことができる。無敵なやつなんかいない。まあ、気長にやるこった。時間はたんまりある。」
そう言いアランはまた葉巻を吹かす。シックスセンスか…やってやるか!俺たちは再びARMを構える。
アランsaid
それから18時間後
「よし!!!」
まずは魔源のボウズがクリアした。流石に早いな。
「よし、それじゃあその門をくぐりな。新たな修行場に続いている。」
「わかった!みんな先に行くぞ!!!」
「わかった!すぐに追い付く!!!」
「待っててにゃご主人様!!!」
そう言って魔源のボウズは門をくぐる。それからさらに4時間後…
「やったにゃ!!!」
「やりましたわ!!!」
黒猫の嬢ちゃんと堕天使のハーフの嬢ちゃんがクリアした。こいつは以外だった。恋する乙女というやつかねぇ。
「よし、二人とも合格だ。先に進みな。」
「にゃはは、今行くにゃご主人様♪」
「待っててね竜也君♪」
そう言って二人は門をくぐる。そしてさらにそれから3時間後…
「よし、成功だ!悪いなイッセー。」
「合格だ。門をくぐりな。」
白龍皇のボウズがクリアし、門をくぐって行く。すると赤龍帝のボウズが
「おい!オッサン!!!俺が見込みあるとか言ってなかったか!?どういうことだよ!!!?」
とかほざいてきた。
「知るか。俺は見込みがあるとは言ったが成功するとは言った覚えはない。あくまで資質の問題だ。まあ気長にやることだな。時間はたんまりある。」
「チクショーーーー!!!!!」
それから赤龍帝のボウズがクリアできたのは、結局開始から37時間経った後だった。
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