我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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思う所あり、勝手ながら数ヶ所加筆した上で再投稿させて頂きます。


メルヘヴン編
異世界転移と盗賊


どうも皆さん、『龍の紡ぐ絆』司令官の雷門竜也です。前回、いい加減ウザくなってきた『禍の団』を潰すためにメンバー全員で“修練の門”をくぐった。………くぐったんだが………

 

「あら?どないしてんたつやん、そないなところでボーっと黄昏なさって」

 

「あ、いや、なんでもないよ()()()

 

今俺に話しかけたのは、長い金髪の下に赤いバンダナで目元を隠した盗賊ギルド『ルベリア』のボス、ナナシ。来ちゃいましたよ、メルヘヴン。なんでこうなった?いや、大体想像はつく。門についてたあのレリーフ、今思えば完全に“門番ピエロ”じゃねぇか……なんで忘れてたよ俺……

 

また、俺の他に飛ばされたのが、イッセー、ヴァーリ、朱乃ちゃん、リアス、猫姉妹、アーシア、ゼノヴィア、夕麻、イリナ、ついでにアランと見事に主要メンバーだ。

 

おまけにグリモアも消えてるし…やはり作為的なものを感じてしまう。

 

「いや、竜也君!僕!僕もいるから!!」

 

あ、そーいやいたね木場……

ともかく、その後宛もなくたどり着いた場所が盗賊ギルド『ルベリア』の近くで、俺たちはナナシたちルベリアに、この世界において己の悪意のままに暴虐の限りを尽くすならず者集団、『チェスの兵隊』と勘違いされて攻撃された。まぁ、俺とイッセーとヴァーリで全滅させたんだけど。あ、言っとくけど殺してはないよ?

その後、殺気立つみんなを何とかなだめて状況を説明するとみんな大層驚いていた。強化合宿のつもりが異世界旅行とは夢にも思うまい。

 

因みに、この世界出身のアランに聞いたところ、チェスの駒との戦争中、“ハロウィン”という男の攻撃を受け、次元の狭間に飛ばされたらしい。原作では犬と合体させられたはずだが、パラレルワールドというやつだろうか。で、次元の狭間を漂っていたところをオオクニヌシ様に拾われて、俺たちを鍛えてやってほしいと頼まれ、俺の修練の門の中に入ったのだとか。なんでんな重要なことを言わなかったのかと聞くと…

 

「いや、だって聞かれなかったし。ぶっちゃけあっちの世界での暮らしに馴染んでてすっかり忘れてたわ。わり」

 

ぶん殴った俺は悪くないと思う。

 

ひとまず、アーシアにルベリアの連中の治癒をしてもらい、俺とこの世界で名の知れたアランの二人で、俺たちが『チェスの駒』でないことを説明した。そうしたらナナシにえらく謝られ、俺たちは行く宛もないのでルベリアに厄介になることにした。

 

その後、ヴァーリが『白龍皇の月光翼』に収納していた部品で時空観測機なるものを作り上げ(お前は某いたずら王を目指すキツネか白衣の熊かよ)、この世界の時間は修練の門の中と同じく、俺たちの世界の1/60の速度で進んでいるのだとか。それを聞いてひとまずは安心した。

 

あれから数日、俺たちは帰る方法を探すためにルベリアを拠点として世界に散らばって情報を集めていた。

「悪いなナナシ、関係のないお前にまで手伝ってもらってよ」

 

「ええねんええねん。ワイが好きでやっとるんやさかい。たつやんもアーシアちゃんもイチ坊も、『龍の紡ぐ絆』の人らはみんなええやつやし。それにワイも、異世界っちゅうのは興味あるしな」

 

あれから、俺たちはナナシを初めとしたルベリアの連中とはいい関係を築けている。ナナシは軟派なやつだが、話せば気持ちのいいやつだ。(うちの嫁事情を話したら血涙流して襲い掛かってきたが)。ルベリアの連中も、堅気の人間は襲わず、盗賊ギルドと言うだけあって、その情報網は侮れない。実際その情報に大部助かっている。そしてナナシを兄と慕い、ルベリアの砦で生活しているピルンという少女は、イルとネルとよく遊んでおり、他のメンバー、特にリアスたち女性陣に可愛がられている。

 

「取り敢えずこの辺はこんなもんだろ。行こうぜナナシ」

「さよけ、ほな行こか」

 

すると別ルートで調査中のイッセーとヴァーリから連絡が入った。

 

『なあ、なんか俺らと同じく異世界から来たっぽいやつといかにもな魔女と遭遇したんだが……どうする?』

 

『聞いてくれよアニキ!農家の親子に野菜食わしてもらったらこれがすっげえうめぇんだ!』

 

………お前ら、遭遇すんの早すぎだろ……はぁ


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