銀魂 真選組の新隊員   作:残月

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社会見学とキャバ嬢

 

 

 

 

「社会……見学?」

「そうよ、刹那ちゃんも剣ばかりじゃなくて他の事にも目を向けなきゃ」

 

 

とある日、刹那は九兵衛と共にお妙が働いているキャバクラに来たのだが急にお妙に手を取られるとそんな事を力説された。

話を聞くと今夜、キャバクラに上客が来店するらしいのだが働いていたキャバ嬢達は尽く夏風邪でダウンしてしまった。そこで急遽、人集めとなった際に丁度、差し入れを持ってきた九兵衛と東城。更に付き添いで偶々一緒に来た刹那。これ幸いと手伝ってほしいとお妙は九兵衛と刹那に目を付けたのだ。

 

 

「おい、剣道場の娘が『剣以外の事に興味を持て』とか言ってんぞ」

「姉上……道場復興の為に金貯めてんのに剣を捨てろは無いよ……」

 

 

銀時のツッコミも新八の嘆きも妥当である。

 

 

「さあさあ、そうと決まったら二人共着替えましょう!」

「え、あ、ちょっと……」

「私はまだ、うんとは……」

 

 

お妙は九兵衛と刹那の返事も待たずに店の奥へと二人を連れていってしまう。

 

 

「大丈夫なんでしょうか……特に刹那ちゃんは真撰組で近藤さんが保護者なんですよ。バレたら何を言われるか……」

「大丈夫だって。あのゴリラも着飾った刹那の写真でも撮っておけばコロッと許すだろうよ」

 

 

刹那の立場を考えるとキャバ嬢をやらせるのは不安と思う新八だが銀時は楽観的だった。

 

 

 

そして着替えを終えた九兵衛が姿を表した。

九兵衛は男装の服からミニスカートの着物にニーソックス。更に髪型をポニーテールからツインテールに変更され、眼帯は可愛らしい花柄の物に変更された。

 

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!九ちゃん可愛い!」

「いいよコレ!いけるよコレ!」

 

 

九兵衛の姿にお妙は歓喜の声を上げて抱きつき、キャバクラ店長も大絶賛だった。

案の定、東城は『若になんて真似をさせてんだ』とキレたが九兵衛のツッコミにより撃沈された。

恥ずかしいが以前、迷惑をかけた詫びとして九兵衛はキャバ嬢をすると言ったが九兵衛は男に触れられると反射的に殴る、投げる等の行動に出る事を東城から明かされる。少々の不安も残るがなんとかしようと話は纏まった。

 

 

「んで、刹那は?」

「あら、衣装は渡したから直ぐに……」

 

 

そこで銀時達は刹那が居ない事に気づき、辺りを見回す。お妙もあの衣装なら直ぐに着替えられると言ったのだが刹那の姿は見えなかった。

 

 

「あ、あの……」

「あら、刹那ちゃんそこに居たの?」

 

 

着替えるための衣装部屋の入り口からはピョコンとウサギの耳が生えていた。お妙がそれを確認すると刹那の手を取り、衣装部屋から刹那を引っ張り出した。

 

 

 

「…………」

「刹那ちゃんも可愛い!やっぱり超似合うわっ!」

「うん、凄く良い!」

 

 

お妙と九兵衛は刹那を抱き締めた。

刹那の現在の姿は黒のレオタードの様な服に網タイツにハイヒール。衣装のお尻の部分には白くて小さな尻尾。髪は纏める事無くストレートにしており頭部にはウサギの耳がピョコンと生えていた。

 

 

「いや、なんでバニーガール!?」

 

 

銀時は刹那の衣装にツッコミを入れた。まさかキャバ嬢の衣装を渡されてバニーガールで出てくるとは思いもしなかったのだ。

 

 

「やぁね銀さんったら。需要はいつの時代にも求められてるのよ」

「いや、銀さんもそこは解るよ!俺はどっちかと言えばナースの方がいい!」

「いや、アンタの反論も間違ってるよ」

 

 

銀時のツッコミにお妙は答え、銀時は更に言葉を重ねるが論点がズレていると新八がツッコむ。

 

 

「でもどうするんですか?いくらなんでも、この姿じゃ近藤さんも了承しませんよ?」

「あら、大丈夫よ。近藤さんには後で私が説得(脅し)するから」

「いや、変な副音声が聞こえたんですけど……」

 

 

いくらなんでもバニーガールでは近藤も許可を出さないと思った新八だがお妙が説得すると豪語した。本当に説得なのかは怪しいが。

 

 

「お妙……いくらなんでも……」

「大丈夫よ、刹那ちゃん。今のアナタならその格好だけでもお金を支払う人は絶対にいるわ」

 

 

恥ずかしがりながらお妙に話しかける刹那だがお妙からは求めてない答えが返ってきた。

 

 

「東城、やはり刹那ちゃんは柳生家に迎え入れたい。何か策を考えておいてくれ。後、その撮影しているのは後で僕が没収するからな」

「わ、若!そんな殺生な!?」

 

 

九兵衛は刹那のバニーガールに息を荒立てて見詰めており、更に柳生への引き抜きを真面目に考えていた。更に東城がハンディカメラで録画している映像の没収も決定された。

 

 

その後、東城もキャバ嬢になると言い出し、女装をする。更にスナックお登勢で働いているキャサリンや銀時の知り合いである猿飛あやめ、通称『さっちゃん』も加わり、最後には酷いメイクを施した神楽も加わってなんとか人数確保となった。

しかし東城とキャサリンは何故かバスタオルを巻いて、ぬるぬるのマットを持ち、さっちゃんはSM嬢の姿となっていた。

全員を整列させるとバラバラな衣装だった。

 

 

 

「ま、これで人数は揃ったな」

「いや、ただただ不安しかないんですけど」

「うん、つーか何の集団コレ?」

 

 

その光景に銀時、新八、店長は不安げな意見しか出なかった。

 

 

「お客様、来店されました!」

「行くわよ皆」

「「はい!」」

 

 

副店長が本日の上客が来店した事を伝えると、お妙の一括に皆が返事をして出迎えに上がる。

しかしここでトラブルが発生した。東城とキャサリンがぬるぬるのマットを持っていた為に階段を登れず、足を滑らして階段から落ちて頭を強打したのだ。

 

 

「おおおおおおぃっ!何してんの!」

「何なんだよコイツら!邪魔しかしてねーよ!」

「完全に気絶してる」

 

 

その光景を見た新八や店長は心の奥から叫びを上げた。刹那はすぐに東城とキャサリンの容態を診て完全に気絶した事を確認した。

 

 

 

「取り敢えず片付けるぞ。こんなんあったら不自然だ」

「気を付けてね。コイツらぬるぬるだか……らっ!?」

「店長っ!?」

 

 

銀時が東城とキャサリンを片付けようとしたと同時に店長も足を滑らせて頭を強打した。

 

 

「み、店を……店を頼……む」

「てんちょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ……よし、片付けるぞ店長も」

「わかった」

「切り替え早っ!了解早っ!」

 

 

末期の言葉のように一言発した後に店長は気絶した。

銀時は映画のワンシーンの様に叫ぶが即座に切り替えて店長を片付ける。刹那もそれに続いて店長や東城、キャサリンをさっさと片付けた。

そんな二人の切り替えの早さに新八はただただ戸惑うばかりだった。

 

 

 

「今日は女の子少ねーな。盛り上がらねーぞ、コレじゃ」

「大丈夫ですよ。あっちにまだ沢山いますから」

 

 

店の入り口側から声が聞こえる。どうやらお妙が上客の案内をしている様だ。

 

 

「マズいですよ銀さん。沢山いるって言っちゃってます!」

「ちっ……だが明らかに二人はリタイアだし、刹那一人で沢山と言うには無理がある……」

 

 

新八の言葉に焦る銀時。そしてこの状況に銀時はある決断を下した。

お妙が上客と共に店のホールに到着すると挨拶を始める。

 

 

「ど、どうもパー子でーす」

「パチ恵でーす」

「……せ、刹那です」

 

 

異様な光景だった。

銀時と新八は裸でタオルを体に巻いて、ぬるぬるのマットを持っていた。更にウィッグでツインテールと三編みを演出していた。

刹那はそこから一歩引いた位置から挨拶をする。

 

 

(だから……なんでタオル巻いてんの!)

((着替える時間が無かったんじゃぁぁぁぁぁぁっ!))

 

 

お妙がアイコンタクトで叫ぶと銀時と新八はシンクロした様にアイコンタクトで叫んだ。

そしてお妙の後に続く様に上客が姿を現した。

 

 

「あれ、今日は見覚えのない娘が多いな。新人さん……って刹那!?」

「刹那、おま……何してんだオメーは!?」

「近藤、土方!?」

 

 

お妙の後に続いて入ってきたのは近藤や土方、沖田等の真撰組の面々だった。

近藤や土方は刹那のバニーガール姿に驚き、刹那はまさかの事態にその姿を腕で隠す事しか出来なかった。




今回の刹那は『金色の闇 バニーガールver』を想像してください。

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