銀魂 真選組の新隊員 作:残月
上手く纏められず悩み中。
トイレで極限の戦いをしていた近藤達にも動きがあった。柳生敏木斎が紙ヤスリを持っていた。しかも両目使用で粗めのを。
これでは拭けないと悩んでいた大人が四人だったが近藤と東城が紙を持っていたのだ。
近藤はお妙と刹那の写真を。東城は九兵衛の写真を。
近藤と東城は悩んだ末に所持していた紙でケツを拭いた。近藤は紙ヤスリで、東城は写真で。
「お妙さん……アナタの笑顔が見たくてここまで来ましたが俺はここまでの様です。刹那……後は頼むぞ」
結果として近藤が勝ったが紙ヤスリでケツを拭いた代償に尻が血だらけになり、ここでリタイヤとなった。
◆◇◆◇
刹那と輿矩は木刀を構えて、睨み会う。
「柳生家も九兵衛も私が守るのだ!それは誰にも邪魔はさせん!」
「親が子を庇うのは解る。でも今の九兵衛は許されない事をしてる」
輿矩は木刀を振り、刹那に襲いかかるが刹那は木刀を横に構えて斬撃を受け止める。
「警察関係者に暴行したり、お妙を連れ去ったり……女同士で変な話」
「………気付いていたのか、九兵衛が女である事に」
木刀を振っていた輿矩は腕を止めてしまう。刹那は今までの疑問をぶつけた。
「最初に会った時から気付いた。近藤達は気付いてなかったみたいだけど時間の問題」
「私とて正しいとは思わん……だが我が子の為だ!」
輿矩はやけくその様に木刀を上段に振りかぶりながら刹那に迫った。
「親が子を守るのは親の愛だけど度が過ぎれば、それはエゴ」
刹那は木刀を顔の前で横に構えると瞳を閉じた。輿矩は木刀を振り下ろした。
「目を閉じるとは……観念したか!?」
「………みずち」
刹那は輿矩の目に見えぬ早さで木刀を振り抜き、輿矩と交差して背を見せた。
パサリと刹那の髪を止めていたヘアゴムが斬れて三つ編みにしていた刹那の髪がサラッと風に揺れた。
「今のは手加減して髪止めだけを狙った。次は怪我をするぞ」
「………」
輿矩は振り返り、刹那にドヤ顔をしながら語り、刹那は無言だった。
「私の剣に対してキミはどうだ?私の体に一撃も入らなかった。ただ涼しいそよ風が来ただけだ」
「………」
刹那は輿矩の言葉を無視するかの様に髪を揺らしながら先程、新八達が向かった方角へ歩き始めた。
「どこへ行く?勝負はまだ……」
「勝負は既に着いてる」
輿矩の言葉にようやく反応した刹那。そして刹那の口が開いたと同時に輿矩の皿にヒビが入る。
「な、いつの間に!?」
「アナタも聞いたでしょ……神風の清響を」
驚愕する輿矩を尻目に刹那が笑みを浮かべる。それと同時に
輿矩の皿は音を立てて割れてしまった。
『みずち』
『SAMURAI DEEPER KYO』の主人公『狂』が使用した技で地面を進む衝撃波が敵を斬り刻む。しかし作品前半の強敵には効かなかったり、防がれたり、避けられたりする悲しい技。
修行後の狂のみずちは、凄まじい剣速で相手を斬り刻む技。 斬られた者は痛みも感じず、絶命の瞬間には心地よささえ覚えるという。
壬生京四郎の場合、一陣の風が通り過ぎたと感じた時、相手はすでに息絶えている。
力でねじ伏せるような狂の「みずち」に対して、京四郎の技は華麗その物。