銀魂 真選組の新隊員   作:残月

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人は弱気になってから励まされて更にヘコむ時がある

 

 

 

 

北大路を倒した土方を連れて刹那達は庭と言うか森の中に身を隠していた。

そして土方は新八や刹那から現在の状況を聞いていた。

 

 

「そうか……総悟が……くくっざまぁねぇな」

「土方も似たような状態」

 

 

頭から血を流す土方に刹那は包帯を巻いていた。因みに近藤はトイレに入って別行動になっている。

土方は懐からタバコを取り出すと火を付ける。

 

 

「しかし、奴等は俺達を見くびっていたが俺達も奴等を見くびっていたらしい。三下であの強さとはな」

 

 

土方は柳生四天王の強さを実感していた。西野や南戸は弱い部類だったが北大路の強さは本物だった。

土方は至って真面目に話をしているのだが土方が火を灯したのはタバコではなく花火だった。土方が口に咥えた状態で綺麗な火花を散らす様はギャグにしか見えない。

 

 

「でも土方さんでさえ、この有様なら僕なんかじゃ……」

「新八、弱気になるのは厳禁」

 

 

柳生家の強さを目の当たりにした新八は弱気になっていたが刹那が励まそうとする。

 

 

「新八ならきっと風のヒューイやブロッケンJr.みたいに強くなれる」

「なんで補欠感漂う微妙なラインナップをチョイスしたのっ!?」

 

 

実力は有るが恵まれない達人を引き合いに出されて新八は更にヘコんだ。

 

 

「お前等、静かにしろ!」

「っ……来た」

 

 

土方の言葉に身を屈めて草むらから様子を窺う刹那。視線の先には九兵衛と東城が此方に向かって歩いてきていた。

 

 

「遂にお出ましか……なんで奴等は俺達の居場所が……」

「テメーが口に咥えてる物見てから言いやがれ!」

 

 

土方は自分達の居場所が知られた事に驚いたが新八のツッコミの通り、土方が口に咥えて現在も派手に火花を散らしている花火が原因なのは間違いない。

 

 

「ちっ……退くぞ!近藤さんは!?」

「それがさっきからトイレに呼び掛けても返事が無くて……」

 

 

今の状態では不利と感じた土方は一時撤退を考えた。先程トイレに入った近藤の様子を聞く土方だったが新八からの答えは近藤がトイレから戻らず行方不明との事だった。

 

 

「ちっ!仕方ねぇ……行くぞ!」

「土方……近藤は?」

 

 

土方は刹那の手を取り、撤退を開始する。刹那は土方に近藤を捜さなくて良いのかと視線を投げ掛けた。

 

 

「声を掛けて返事が無いなら既に移動したんだろ。それに近藤さんなら敵と遭遇してもなんとかするだろ!」

「……ん」

 

 

土方の言葉に刹那は納得したのか土方と並んで走り始め、新八はその後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、先程トイレに入った近藤は

 

 

 

 

「紙が……神が俺を見放したぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

入ったトイレに紙が無く、ケツも拭けずに苦しんでいた。

 

 

「トシ、新八君!刹那ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!ヘルプミー!」

 

 

 

近藤の叫びは虚しくトイレに響き渡った。


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