銀魂 真選組の新隊員 作:残月
刹那が真選組に来た次の日。
食堂で刹那は山崎と食事をしていた。
因みに部屋を貸し与えられた刹那を起こしたのは山崎で食堂まで連れて来たのも山崎だった。
「おう、山崎」
「副長。おはようございます」
「………おはよう」
其処に朝食を持った土方が現れ、山崎と刹那は挨拶をした。
「刹那、近藤さんが呼んでたから行ってこい」
土方の言葉に刹那はコクりと頷くと近藤の所へ歩いていく。
「あのガキの様子はどうだ?」
「……何とも言えなかったですよ。朝、起こしに行ったら布団じゃ無くて部屋の隅で体育座りで寝てましたよ。多分、布団で寝るのに馴れてませんね」
土方に聞かれて朝の刹那の様子を話す山崎。
「それに食事も今まで碌な物を食べさせられなかったんでしょうね……出された朝食に戸惑ってる様子でしたよ。食べ始めたら喜んでたみたいですけど」
朝食時に刹那は戸惑っていた様で食べ方から山崎が教えていた様だ。
しかも一心不乱に食べた様子。
「美味い物を食った事が無い……か。昼に『土方スペシャル』でも食わせてやるか」
「アレを美味いと言うのは味覚バカの副長だけです。刹那の味覚まで破壊しないで下さいよ」
土方が言った『土方スペシャル』とは熱々のご飯の上にマヨネーズを大量に掛ける、味覚破壊丼の事である。
それを馬鹿にした山崎は土方に殴られたがそこで刹那が近藤と共に帰ってきた。
「トシ、ザキどうよコレ?」
「わ、どうしたんですか、その服?」
近藤に促されて刹那を見る山崎。刹那を見て山崎は驚いた。
刹那の服は真選組隊士が着る服の改造版の様な制服を着ていた。
上着は真選組制服と同じだが胸元はネクタイに変更されており、下はズボンではなくスカートになっていた。黒のハイソックスを履いて靴はローファーになっている。
「可愛いだろう?真選組の女性版制服を倉庫から引っ張り出してきたんだ」
「そんなの有ったんですかい?近藤さんの趣味かと思いましたぜ」
同じく食堂に居た沖田が会話に加わった。
「一応、女性隊士が来るかもって事で準備だけはしてたんだよ。結局女性隊士が居なかったから倉庫に入れてたんだけど刹那が来たから役に立った」
真選組に女性隊士が来た場合を考えて女性版制服を用意していた様だが女性隊士が居なかったから為に無駄になった物を出してきたらしい。
「可愛いぞ、刹那」
「…………ん」
刹那の頭を撫でる近藤。刹那はくすぐったそうに目を細めた。
「なんか既に親子みたいですね」
「ありゃ親バカだな」
山崎はその光景に苦笑いをして土方はタバコに火を付けた。
刹那の制服お披露目が済んだ後、朝礼で土方は隊士達に刹那の紹介をしていた。
「えーっ……昨日の壊滅させたテロリスト組織に居たガキを保護したが……近藤さんの意向で真選組でそのまま預かる事になった」
土方の説明に隊士達はざわつく。
「因みにこの件を決めた張本人は松平のとっつぁんの所に許可を貰いに直談判しに行った」
土方はこめかみをピクピクと震わせながら現在、姿の見えない近藤の行方を話した。
「おら、挨拶しろ」
「………刹那」
土方に促されて名を言うが刹那はそれ以上は何も話さなかった。
「コイツは口下手だ。オメー等でもフォローしてやれ。以上だ、今日は俺が面倒見るが明日以降はお前達の警邏や仕事にも参加するからな。刹那、この後警邏に行くから出掛ける準備してこい」
土方は一方的に隊士達に告げる。驚きと歓喜の声が混ざっていたが土方は無視して刹那に準備だけしてこいと告げた。
刹那はコクりと頷くと与えられた部屋に戻るのだった。
刹那(せつな)
年齢:14~15歳
身長:149㎝
一人称:私
とあるテロリスト組織に兵器として育てられていた少女。
何処か儚げな雰囲気を纏った少女で感情に乏しい面が多い。
真選組に助けられ、テロリスト組織から抜け出したが一般常識を知らない為に真選組預かりとなった。
性格は大人しく、無口で無表情。
無垢な為に教えられた事を真に受けてしまう為に近藤が持ってきたメイド服に迷う事無く着てしまうなど危なげな部分も多い。
それに味を占めた近藤がお妙に贈る筈だった服を刹那の所に持って行くことになり刹那の所持するコスプレ服は増える一方となる。
腰まで有る長い銀髪をしており、間違っても天然パーマではない。
キャラクターイメージ:金色のヤミ(銀髪ver)