銀魂 真選組の新隊員 作:残月
「やっちゃたなぁ……やっちゃたよぉ……まさか逮捕されちゃうとは思わないもんなぁ……」
「話をややこしくするんじゃねぇ!いい加減にしろよ、そもそもお前が居なけりゃ刹那も一日局長も捕まらなかったんだよ!」
真選組が到着した後に誠ちゃんと土方の喧嘩が始まっていた。
「バカばっか」
刹那はそんな二人を見て無表情のまま呟いた。
「みんなぁ!」
「ふ、来たか真選組。解散の手続きは済ませてきたんだろうな?」
「え、今なんて言ったの?スイマセーンもう1度、大きな声でお願いしまーす!」
寺の壁際に立ち、槍をお通に向けるリーダー格の男は気取った声で真選組に話し掛ける。
しかし声が遠くて聞こえなかった様だ。
「TAKE Two」
「みんなぁ!」
「ふ、来たか真選組。解散の手続きは……って二回も言わせんな!なんか恥ずかしいだろうが!つーか、なんでお前が仕切ってんだ!?」
刹那の言葉で再び先程のやり取りが再開されたがリーダー格の男やり直しを拒んだ。
そして何気に仕切っていた刹那にツッコム。
近藤はフリップに文字を書き込むと攘夷志士にそれを見せる。今後のやり取りは筆記で行われる事に決まった様だ。
攘夷志士達の目的は真選組に逮捕された仲間達の開放と真選組の組織解散だった。
しかし、そんな要求は直ぐには通る訳も無く時間は掛かると真選組が返答する。
攘夷志士達は真選組に無茶な要求を突きつけ始めた。
最初は『腹が減ったのでカレーを作れ』との事だった。
これを見た沖田はこれ幸いと土方に『三回まわってワンと言え』と嘘を伝える。
屈辱に塗れながらも土方は実行した。
しかし、ちょっと格好良くしようとした為に周囲からは大爆笑が起こる。
刹那は顔を赤らめる顔を背けながらプルプルと震えながら笑いを堪えていた。
その後、カレー作りを始めた真選組に攘夷志士は更に難題を突きつける
食事の余興代わりにロボットダンスやモノマネをさせようとしてきたのだ。
「世直しを語る割りにはやり口が汚い……私には世直しとはとても思えない」
「ふん、子供には解るまいよ。我々のしている事は革命だ」
真選組を言いなりにさせる事に躍起になっているリーダー格の男とは別の男に話し掛ける刹那。
攘夷志士は刹那に視線を合わせながら得意気に語る。
「アナタ達はただ涙を流す人を増やしてるだけ」
「違うな我々の行動は天人に屈した幕府の犬……いや、悪霊共に犯された国を救う行為、謂わば除霊の様な物だ」
益々自分勝手な事を言い始める男に刹那は小首を傾げた。
「ジョ……レイ?……ヤクルトに居た?」
「それはジョニー・レイだろ。彼はもう国に帰った」
除霊をジョニー・レイと間違えた刹那。
何故、刹那がヤクルトスワローズに在籍していたジョニー・レイを知っていたかは誰もツッコまなかった。