銀魂 真選組の新隊員   作:残月

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紅桜は今回で終了と言いましたが、アフターを含めるとまだ続きます。


居場所を得ても親は恥ずかしい存在

 

 

 

「邪魔だ、邪魔だ!」

「万事屋銀ちゃんのお通りでぃ!」

 

 

炎上する船の中、刹那達は船から脱出する為に走っていた。銀時が重傷の為に速度は遅いが、新八と神楽が先陣を切り開いていた。

 

 

「ってて……元気いーな、オメェ等よ……」

「銀時が重傷なだけ……元から怪我人なのに此処に来るから……」

 

 

傷を押さえながら呟く銀時に側に寄りそう様に歩く刹那がツッコミを入れる。

 

 

「俺だってこんなヤンチャしたかねーよ」

「そんな事してると栽培マンに抱き付かれて自爆される」

「それはヤンチャじゃなくてヤムチャだろ」

 

 

刹那に反論する銀時。刹那からは素でボケられ銀時がツッコミを入れた。

そして船内から船のデッキに上がり、桂達と合流した。

そこには高杉が呼んだ宇宙海賊『春雨』の天人達が桂達を取り囲んでいた。

 

 

「よぉ、ヅラ。どーした、その頭。失恋でもしたか?」

「黙れイメチェンだ」

 

 

銀時と桂は互いに背を預ける形になり、銀時は桂の切られてサッパリとした髪形を問う。軽口を叩きながら銀時達は周囲を警戒した。

 

 

「貴様こそどうしたそのナリは?爆撃でもされたか?」

「黙っとけよイメチェンだ」

「どんなイメチェンだ」

 

 

桂は血塗れの銀時の様子を尋ねるが銀時はイメチェンだと言い張った。

 

 

「桂さん、ご指示を!」

「引くぞ、紅桜は殲滅した。この船にもう用は無い、後方に船が来てる、急げ!」

 

 

桂の仲間がこれからどうするかを問えば桂は逃げると断言した。そして桂の言葉通り、今はまだ遠いが確かに後方から船が迫ってきていた。

 

 

「逃がすかぁぁぁぁぁぁっ!」

「全員刈り取れぇぇぇぇっ!」

 

 

逃げようとする桂達にそうはさせないと天人達が一斉に襲い掛かってきた。

それを見た、銀時と桂は同時に駆け出し襲ってきた天人を斬り伏せる。

 

 

「退路は俺達が守る!」

「サッサと行け!」

 

 

刀を構える桂と銀時。新八や神楽は異を唱えたがエリザベスが二人を抱えて船へと移動していった。

 

 

「ホントに馬鹿……二人じゃ無理がある」

「お前も行くのか!?」

 

 

刹那は落ちていた刀を拾うと刹那も銀時達の下へ行こうとする。鉄子はその事に驚き刹那を止めようと肩を掴んだ。

 

 

「少し手伝ってくるだけ。それよりも約束」

「……え」

 

 

刹那は捕まれた肩に乗る鉄子の手を重ねる。  

 

 

「帰ったら私に刀を打って」

「あ、刹那!?」

 

 

刹那は手を払うと駆け出し、桂の背後に居た天人を斬る。

 

 

「後ろががら空き。後ろ髪切られたから隙が出来た?」

「おい、刹那!」

 

 

敵を斬りながら軽口を叩く刹那を桂は咎めようとする。

 

 

「勘違いしないでよね。アナタを捕まえるのは真選組なんだから、此処で死んで欲しくないだけなんだからね」

「刹那、ツンデレしたいならまずはツン顔とデレ顔を覚えてからにしろ!そんな無表情でやられても萌ねーんだよ!」   

「なんの話をしてるんだ貴様等は!」

 

 

お決まりのツンデレ台詞を吐く刹那に銀時はツンデレの為の指摘をする。桂はそんな二人を纏めてツッコミを入れた。

そんな馬鹿な会話を続けながらも天人を斬っていく三人を春雨の船から見下ろす男が一人。

 

 

「アレが白夜叉と桂小太郎」

 

 

サングラスを掛け、ヘッドホンを付けた男は河上万斉。高杉一派の幹部の男である。

 

 

「強い……一手、死合うてもらいたい物だな」

 

 

そう言って刹那に視線を合わせる万斉。

 

 

「あの娘……もしや……」

 

 

その目は刹那の品定めをしていかの様だった。

万斉の意識が刹那に向く最中、銀時と桂は共闘して天人を倒していた。

 

 

「世の中とは思い通りにはいかないものだな!国を救う所か……友の一人の目を覚まさせる事が出来なんだ!」

「ヅラ、お前に友達なんか居たのか!それは幻だ!」

「斬り殺されたいのか貴様は!?」

 

 

銀時の発言に桂は怒鳴る。

 

 

「銀時!」

「あんだ!?」

 

 

桂と銀時は互いに背を預ける形で構える。

 

 

「お前は変わってくれるなよ。お前を斬るのは骨がいりそうだ……まっぴら御免被る」

「ヅラ……お前が変わった時には真っ先に叩斬ってやらぁ」

 

 

そう言うと銀時と桂は刀を春雨の船に向ける。その先にはキセルを噴かす高杉の姿が。

 

 

「俺達ぁ次合った時は仲間もクソも関係ねぇ!」

「全力で貴様をぶった斬る!」

「精々、町でバッタリ会わねー様に気を付けるこった!」

 

 

そう言うと桂は船の外へと走り出し、銀時は離れた場所に居た刹那を脇に抱えると桂の後を追った。

 

そして船から飛び降りた桂と銀時と刹那。

桂は用意周到にパラシュートを用意しており、落下する最中、銀時は桂にしがみつき、刹那は桂の体をよじ登ると肩車の体制になっていた。

 

 

「用意周到なこってルパンかお前は」

「ルパンじゃないヅラだ……あ、間違えた桂だ。伊達に今まで真選組の追跡をかわしてきた訳じゃ無い」

 

 

桂が脱出の為に様々な用意をしていた事に呆れる銀時。桂は己の逃げ足を自慢するが肩車をされている刹那は脚に力を入れた。

 

 

「じゃあ、このまま連行する。近藤も来たみたいだし」

「おいおい、あのゴリラ一人で来たのかよ」

 

 

刹那の言葉に銀時は港に視線を移す。そこには倉庫街から港までパトカーで爆走してきた近藤が刹那に肩車をしている桂に向かって何かを叫んでいた。

 

 

「ふ……余程、刹那が心配だったらしいな」

「ストーカーゴリラからロリコン親バカゴリラか。救いがねーな」

「………恥ずかしいから叫ばないで」

 

近藤の叫びが聞こえたのか桂と銀時は顔を綻ばせた。

対して刹那は顔を赤くして近藤から顔を背けていた。

そして刹那の頭には近藤が叫んだ言葉がリピートされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『桂ぁぁぁぁぁぁっ!俺の家族は無事なんだろうなぁぁぁぁぁぁぁっ!つーか、肩車なんて俺でもした事がねーんだぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!』


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