銀魂 真選組の新隊員   作:残月

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奥の手

 

 

睨み合いを続ける高杉一派と桂達。

しかしその状態も長くは続かなかった。

 

 

「………ん、来たみたい」

「来たって……何がっ!?」

 

 

睨み合いの最中、刹那は視線を別の方向に移し、それに続いて新八も視線を移した。

そこには今、自分達の居る船に突進してくる別の船が。

 

高杉一派側もそれに驚愕するが時既に遅し、高杉の船に後から来た船が横っ腹に突き刺さる。

そして船からエリザベスと桂一派の攘夷志士達が出て来た。

 

涙を流し、桂の無事を喜ぶ彼等だが、今回の一件で高杉と桂の両名の陣営の確執は明らかな物となってしまった。

桂はその事を仕方ないと告げる。

高杉は混乱に乗じて他の幹部と共に船の中へ逃げたようだ。

ソレを、追って桂や新八、神楽も船の中に入って行くが刹那は後は追わず、船の甲板に居る敵を倒し続けていた。

 

 

『真選組が我々の手助けとは何事か?』

「攘夷志士の手助けじゃない。迷子になった神楽を新八が捜してたから手伝いに来ただけ。それに……」

 

 

プラカードで尋ねるエリザベスに刹那は高杉一派の攘夷志士を斬りながら答える。

 

 

「それに桂には借りがある……早めに返したいだけ」

『だったらガキ共を頼む。奴等に何かあっては桂さんにも顔向け出来ん』

「………ん」

 

 

桂に借りを返したいと言う刹那にエリザベスは新八達を頼むとプラカードを翳す。刹那はそれを了承し、肯くと先程、桂達が向かった船内へと走って行く。

 

 

刹那が船内に入り、見たのは異様な光景だった。

紅桜に浸食された似蔵の体が膨れ上がり、敵味方関係なく暴れていたからだ。

 

 

「銀時!」

 

 

刹那は銀時が紅桜の触手の中に銀時が取り込まれている事に気付き、収刀した刀を引き抜くと暴走している似蔵に斬り掛かる。

新八や神楽は銀時を助けようと似蔵の腕に刀を差したり、顔面を殴ったりしているが効果は薄く、却って似蔵が暴れる切っ掛けになっていた。

 

 

「ぐうぅぅぅぅぅぅ……ルアァァァァァァァダァァ!」

「二度の触手プレイは……イヤ」

 

 

暴走した似蔵は機械コードの触手を刹那に放つ。

前回と違い、距離を取っていた刹那は刀で切り落としながら、銀時の助ける隙を伺ったが決め手にはならずジリ貧だった。

 

 

「新八、神楽、そこの人も離れて!」

 

 

刹那は似蔵から新八と神楽、そして見覚えが無かったが銀時を助けようとしている女性を似蔵から離せさせると逆に刹那は似蔵との距離を詰める。

似蔵が紅桜を刹那に振り下ろそうとする前に刹那が素早く動いた。

 

 

「牙突……零式!」 

 

 

刹那は刀を左手に持ち、体を捻ると間合いの無い密着状態から上半身のバネのみで牙突を繰り放った。

その威力は今正に振り下ろそうとした紅桜を弾き返し、銀時を捕らえていた右腕を大きく削り取る程だった。

 

 

「な、なんつー威力だぁぁぁぁぁぁっ!?」

「凄いネ刹那!牙突が使えるなんて!」

 

 

刹那の牙突に驚く新八と凄まじい威力を誇った刹那の牙突に賞賛を送る神楽。

 

 

「ありがとう。でもこの技は『きばづき・れいしき』他の読み方は存在しない」

 

 

新八達に僅かなドヤ顔をする刹那。

そして『がとつ・ぜろしき』ではなく『きばづき・れいしき』と念を押す。

 

 

「ガァァァァァァァァァッ!?」

「今の内に銀時を……あ……」

 

 

似蔵が右腕を再生すると共に叫びを上げる。明確にダメージを与えた事により、似蔵の動きが鈍くなっていた。

その隙に銀時を助けようとした刹那だが動きを止めてしまう。

刹那の持っていた刀は刹那の技の威力に耐えきれずに折れてしまったからだ。


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