銀魂 真選組の新隊員 作:残月
次の更新は早めを予定してます。
真選組が森に来てから2日目。
今日も隊士達はカブトムシ捕獲に勤しんでいた。
「山崎、カブトムシ居ない」
「うーん、大体捕まえちまったかな?」
刹那は山崎に付いてカブト狩りをしていた。
来た当初に着ていたスク水は山崎以下隊士達の説得により、いつもの制服に着替えさせられていた。
刹那のスク水に色めき立っていた隊士達だが流石に、その状態の刹那を蜂蜜塗れにするのは理性が働きを掛けたらしい。
近藤や一部の隊士は涙を流したが。
そんなこんなでカブトムシ捕獲に勤しんでいた真選組隊士達だが未だに瑠璃丸の捕獲には至らなかった。
「本当に居るの?」
「うーん、日の下で見ると黄金色に見えるって情報だけだからね」
見付からない瑠璃丸に刹那は本当にこの森に居るのかと疑問を感じ始めていた。
山崎も同意気味なのか溜息が零れていた。
「近藤達の様子見てくる」
「迷わないように気を付けるんだよ」
気分転換の為に近藤達の様子を見に行こうとする刹那。山崎は心配そうに告げると刹那はコクンと肯き、その場を後にした。
最初に刹那が見に行ったのは近藤だった。
近藤は褌一丁で全身に蜂蜜を塗ったくり森の中に立ち竦んでいた。
「銀さん、帰りましょうよ。この森恐いです」
「体中に蜂蜜塗ってたネ」
「気にするな妖精だよ妖精。樹液の妖精だ。ああして、森を守ってんだよ」
蜂蜜塗れの近藤を素通りしていく銀時と刹那の見知らぬ二人。
銀時と共に万事屋で働く眼鏡を掛けた少年『志村新八』と小柄でチャイナ風の少女『神楽』である。
近藤を素通りしていった銀時を追うように刹那も後を追っていった。
次に銀時達が次に見たのは木にマヨネーズを塗っている土方だった。
「銀さん、帰りましょうよ。やっぱりこの森、恐いです」
「マヨネーズ木に塗ってたネ」
「気にするな妖精『魔妖根衛図』だよ。ああして縄張りにマーキングしてんだよ」
銀時達は土方も近藤同様に素通りしていく。
「おい、刹那。どうしたんだ?」
「ん、様子見に来た」
ソレを眺めていた刹那だったが背後から近藤に話し掛けられる。
当然、近藤は蜂蜜塗れである。
「ん、近藤さん。刹那も一緒か」
「おお、刹那が様子を見に来たって言うんでな。一度、合流するか」
マヨネーズを木に塗っていた土方も近藤と刹那に気付き、手を止める。
近藤の言葉に従い、土方と刹那も他の隊士達と合流する為に移動した。
近藤達が他の隊士達に合流した頃には何故か沖田が銀時達に袋叩きにされていた。
「お前、こんな所で何やってるアルかぁぁぁぁぁぁっ!!」
「見たらわかるだろぃ」
「わかんねーよ、お前が馬鹿と言う事以外わかんねーよ」
神楽が沖田に向かって叫ぶ。
因みに沖田の現在の姿はカブトムシの着ぐるみを纏っていた。
そんな沖田を見て、銀時は冷たい目線の共にツッコミを入れる。
「ちょ、起こして。一人じゃ起きられないんでさぁ」
「大丈夫?」
着ぐるみの性で起き上がれない沖田を丁度、合流した刹那が支えて起き上がらせる。
「フー。仲間の振りをして奴らに接触する作戦が台無しでぇ」
「つーか、刹那。なんでテメェまで居るんだ」
起き上がりながら鼻血を拭う沖田に銀時は森に刹那が居る事に驚いていた。
「おい、なんの騒ぎだ」
「あ、お前等!こんな所で何をしてんだ!?」
更に土方や近藤も合流し始める。
「何してんだって全身蜂蜜塗れの人に言う資格が有ると思ってんですか?」
「これは立派な職務質問だ。ちゃんと答えなさい」
「職務って全身蜂蜜塗れになるってどんな職務ですかハニー?」
近藤の職務質問に新八や銀時がツッコミを入れる。
「つーか、真選組にいつの間に女の子が入ってんですか?」
「むさ苦しい野郎共の中に一輪の花が居るネ」
新八が刹那を指さしながら叫ぶ。神楽も同意する様に呟いた。
「既にお妙さんには紹介済みだ」
「俺も知ってるぞ」
「私も姉御から話は聞いてたネ」
「なんで姉上には紹介済み!?なんで僕だけ置き去り!?」
近藤が自身の腕を組みながら既に妙には刹那のことをしらせたと言うと銀時や神楽も刹那を知っていると言う。
何故か志村家や万事屋で刹那に関する事を除け者になっていた新八は叫びながらツッコミを入れる。
「近藤や銀時から新八の話は聞いてる」
「え、本当!?」
刹那の言葉にパッと明るい表情になる新八。
「近藤からは未来の義弟だって聞いてる。銀時からは人間かけた眼鏡だって」
「碌な情報伝わってねーだろ!間違った情報しか与えられてねーのかよ!」
刹那に伝わった情報が碌な物が無い事に新八の叫びは森に響き渡る。カブト狩りそっちのけで話題は刹那の話となっていた。