シリアルに生きたい   作:ゴーイングマイペース

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 筆がのらない……


44時間目 : 修学旅行3日目:夜その3 ~いざ敵が逃げた時、深追いしてでもその後を確認するべきかしないべきか~

「カモ君、今のって!」

 

「ああ、確かに『長』っつってたな。あのオッサンに何かあったのかもしれねえ。兄貴!」

 

「うん、行こう!」

 

 明日菜と木乃香が女性の悲鳴を聞きつけ、戸惑いの声を上げていたのと同時刻。2人と同様にその悲鳴を聞いたネギ、そしてカモは瞬時にこの関西呪術協会に何がしかの異変が発生したことを察知し、素早くその異変に対して適切な対応を取るべく行動を開始していた。

 

「兄貴、今の悲鳴が昼間の連中の仕業だとしたら、狙いは間違いなくこのか姉さんだ!」

 

「うん。だけどいいんちょさん達の事も心配だし、とりあえずこのかさんと一緒にいるはずのアスナさんに連絡をとらなきゃ!」

 

「おう……っと、噂をすればだ。兄貴、電話鳴ってるぞ。多分姐さんからだ!」

 

 手持ちの情報から状況についての整理、そして優先順位を立て、ひとまずの行動方針を立てるネギ達。と、そこでネギの電話から着信がきたことを告げるメロディが鳴り響いた。

 ネギは身体強化魔法を最大限使用し疾走しつつ、素早く懐から電話を取りだし耳に当てた。

 

『もしもし、ネギ!? 今の聴こえた!?』

 

「はいアスナさん、おそらく昼間同様、このかさんを狙った敵の襲撃です! それでこのかさんは『私と一緒にいる!』わかりました。それならアスナさんはそのままこのかさんを守りつついいんちょさん達と合流してください。アスナさんのハマノツルギ(あのアーティファクト)ならヤツ等にも引けは取らない筈です!」

 

 できるだけ手短に自身の推測、そして要望を明日菜へと伝えるネギ。敵の狙いがわかりきっている以上、最優先すべきはその対象を死守することであり、それを考えると今このかの傍に明日菜がいるこの状況は非常に運がいいとネギには思えた。敵も自分達同様『魔法使い』である以上、『魔法』を打ち消す効果を持つアーティファクト、そしてそれを常人離れした身体能力で振るえる明日菜がこの状況で木乃香の護衛に着くことは、ごく短時間なら最善に近い解答であると考えられたからである。

 

『わかった! それでアンタは?』

 

「僕も状況を出来る限り素早く確認し次第すぐに皆さんと合流します。それじゃあアスナさん、すみませんがまた後で!」

 

『うん、後でね!』

 

 そうして通話は途切れる。ネギは更に自信を強化し、今この地でいったい何が起こっているのかを一刻も早く把握するべく、もっと速く、と疾走する。確かに昼間の連中だけなら明日菜でもしばらくは大丈夫だろうが、新手が現れないとも限らない。

 そして、その時どうにかしなければならないのは、彼女らの「先生」である自分なのだ。少なくとも、今この時この場では。

 

「よし兄貴、矢継ぎ早で悪いがそのまま旦那へと連絡だ!」

 

「わかってる!」

 

 

 

 ○ △ □

 

 

 

「ん? 電話……ネギから? なんだ、こんな時間に。もしもし」

 

『世界さん! 大変です! 西の長さんが!』

 

「? どうした、詠春さんに何があった!?」

 

『そ、それが……長さん、そしてその護衛らしき女の人達がみんな石化させられているんです!』

 

「なに!?」

 

 ホテル嵐山、麻帆良中男子たちが宿泊しているエリア。

 明日菜の偽物たちのストリップショー騒動もなんとか収拾をつけ、後はもうただただ休みを取り明日に備えるだけと言う時間になった頃。

 他の同級生達がまだまだ夜はこれからだとますますテンションを上げている中、昼間の戦闘、そしてそれ以外の諸々の騒動により若干の疲れを感じていた世界のケータイへの着信。それは、世界の意識をハッキリと覚醒させるのに十分すぎる威力を持ったネギからの連絡であった。

 

「本当か? 本当に“石化”しているんだな? それ以外の人達は!?」

 

『今の所、今言った人達だけが石にさせられたみたいです。それ以外の無事だった人達は今、関西中に散らばっているっていう呪術協会の人達に連絡を取っている最中で……』

 

「……わかった。俺もすぐに本山に向かう!」

 

『はい、お願いします!』

 

 そうして途切れる通話。世界はまさかの事態に歯噛みをするも、すぐにそんなことをしている場合ではないと本山に急行すべく動き出す。

 

「(まさか、あの深手でここまでの強硬手段に出るか普通!? ……いや、深手を負っているからこそ詠春さんとその周りに不意打ちをするぐらいしかまだできていないのか)」

 

 フェイトがそうまでして木乃香を狙うとはまるで考えていなかったが故、この行動の意味がまるで推測できない世界。

 

「とにかく、急がないと。……超……ああ、本山が襲撃された。俺も今すぐ……――」

 

 とにかく動き出さなければ。そう考え、素早く自身が取れる手段を取り始める世界。

 その胸中は今、自身の考えの甘さゆえに知人たちを窮地に陥れた自責の念が溢れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




・ネギ君、テキパキ動き過ぎじゃない?
 成長したんだ(ry


・主人公、痛恨の失敗
 まさに若さゆえの過ち


 前書きでも書きましたが、今回は正直あまり筆がのりませんでした。やっぱり女の子の可愛い描写じゃないとやる気が……

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