…ま、まあ多分? 読者の人達も分からなかったと思うし? 直せば問題ない、よね……?
さて、話の進捗的にはあまりそうでもない27話です。まー、のーんびりやっていきましょー。
「あーっ、カモ君!!」
「ネ、ネギの兄貴! そうです、貴方のアルベール・カモミールでさぁ!」
「ふーん、ホントにボウヤの知り合いだったのね」
「………………………」
「ヒィッ!? だ、だから最初から俺っちは兄貴を訪ねてはるばる英国はウェールズからやってきたんだって言ってんじゃねえか!」
「……『言ってんじゃねえか』? どうやらまだ私達とアナタの格の差ってモノを理解していないようね? …レン?」
「………………………」
「あっ、ウソですウソです。ごめんなさい食べないで!」
「レンさん達、カモ君に何したんですか……?」
門前でのプチ騒動からしばらく。とりあえず家の前でギャースカ騒がれるのも迷惑だし、何より一応話を聞いたところネギを訪ねてウチに来たとのことだったので、屋敷の中に招き入れ、ネギに『客が来ているぞ』、と早めに帰ってくるように連絡を入れた。
そしてネギが帰宅し、冒頭の会話を繰り広げたわけである。どうやら僅か数刻の内に我がペット達とこのオコジョ妖精の間では格付けが済まされてしまったらしく、白レンが嗜虐心を滲ませる笑みを隠そうともせず浮かべ、普段は物静かな黒レンでさえも白レンに言われるがままに口を『アーン』と可愛らしく開きながらカモににじりよっている。やっぱり本能的にイジメたくなるものなんだろうか。ネコとネズミ的な意味で。
「はー、ホントにおこじょが喋ってる。……それに、そっちの子たちが
「ええ、そうよ。結構長い付き合いだけど、ヒトの姿で会うのは初めてねアスナ。こうして気兼ねなく貴女とお話ができるようになるなんて私もレンも嬉しいわ」
「………………………」
「えっ、あ、うん。……ホントに魔法ってなんでもありなのねー」
ついでに、思い切り首を突っ込んできた分ネギの現状が気になっているだろうと明日菜もネギと一緒に呼び出した。
そうして我が家へとやって来た明日菜はネギと再会したことで思わず、といった様子で叫び声をあげた小動物に、そして何より昔から知っている俺のペットが目の前にいる可愛らしい少女たちと同一の存在だということに驚きを隠せない様子である。まあ面影っていったらせいぜいがそれぞれの頭のリボンと色ぐらいだしな。
「イヤ、あの。そう、なんでもねえんでさあ兄貴! レンの姐さんたちにはそれはもうよくしていただいたんスよ!」
「そ、そう? ならいいんだけど……。
――それにしてもなつかしいなあ。カモ君、大きくなったねー。それで、どうしてわざわざウェールズから麻帆良まで来たの?」
「そりゃあ色々とお世話になった恩を返しにですよ! 兄貴、ちっとも進んでねえみたいじゃないですか!」
「え? 何が?」
「パートナー選びっスよパートナー選び!! いいパートナー探さないと
そう、オコジョ妖精と言えば魔法使いに取っては《仮契約》や《本契約》などの『
「そうだったんだ、ありがとうカモ君! でも、実はね。もうパートナーとして目星をつけてる子がいるんだ」
「おおっ! さっすがは俺の兄貴だぜ! で、そりゃあいったいどんな子ですか「ちょっと黙りなさい」ぷぎゅっ!?」
「いきなり押しかけてきたかと思えば周りを置き去りにギャイギャイ騒ぎ出して。ホラ見なさい、事情が把握できてないアスナなんてすっかり困っちゃってるじゃない」
「えっ、私!? イヤまあ、せっかく来たんだから色々と教えて欲しいことがあるけど」
「そこは安心していいぞ。元々その為に呼んだんだし」
そうして明日菜に魔法使いのパートナー探しの重要性や、なぜこのオコジョ妖精がそのことについてネギに熱弁をふるうのかを説明する。するとそれを聞いた明日菜は
「へー、ミニステル・マギねえ。やっぱりそういうカッコつけとか気にするところは魔法使いも私達と変わんないのね」
「いや別にカッコつけだけの為じゃないんだけどな……。今でこそ恋人探しの口実になってるけど、元々は戦いなんかの際にサポートしてもらう為に結ぶのが『
「ふーん。……ところでさ、世界。アンタにはそのミニステル・マギっていうのがもういるの?」
「俺? いやいないけど。今よりずっと弱っちかったガキの頃ならともかく、今となっては正直言って
「おっ、なんですか。姐さん『
「何で私がわざわざそんなワケのわからないことしなきゃいけないのよ」
「そう固い事を言わずに! ホラ、ちょーっと兄貴とブチューッとするだけで色々な特典がドサーッとですね」
「余計にイヤよエロオコジョ! 何よそれ、キスするってことじゃない!! なんでよりによってこんなガキとそんなことしなきゃいけないのよ。私にはね、もう高畑先生って言う心に決めた素敵な人がいるの!!!」
どうやらカモは明日菜に目を付けたらしくさっそくセールストークを始めた様子である。といっても速攻で断られているが、そう簡単に諦めるつもりもないのか
「いい加減にしなさいエロオコジョ。それ以上アスナを困らせるとホントに今日の夕飯のおかずとしてテーブルに並んでもらうことになるわよ?」
「ヒッ!? すみませんすみません自重しますからそれだけはヤメテッ!!?」
「あ、ありがとう白レンちゃん」
「いいのよ、貴女には普段からよくしてもらっているもの。ね、レン」
「……………………」
「どちらにしろ喋る小動物をわざわざ食べたくはないけどな……」
「あ、あはは……」
しつこく明日菜に食い下がるカモに脅しが入った台詞を投げつける白レン。そのことに明日菜がお礼をいうと、これぐらいなんてことないといった風に手を軽く振りながら応える白レンとそれに頷くことで同調する黒レン。
イヤ、どっちにしてもついさっきまで話をしていたオコジョを躊躇いなく食べることが出来るほどメンタルの強い人間がどれだけいるだろうか。少なくとも俺はごめんである。
「…でも、こうして改めて話してみるとホントに不思議よねー……。ね、世界。この子たちもこのエロオコジョと同じような、妖精、ってヤツなの?」
「あ、実は俺っちも気になっていたんスよ。
「ん? 夢魔よ」
「……………………」
「…旦那。俺っち、一生アンタについていかせてもらうっス……!」
「おいちょっと待て何を連想したエロオコジョ」
第一お前はネギの
「…? ねえネギ。むま、って何?」
「えっ!? え、えーとですね。人に夢を見せたりとか、そういう精神干渉を得意とする種族ですね」
「ふーん? ねえ白レンちゃん、せーしんかんしょうってどういう夢を見せたりするの?」
「――ふふっ。それはもう、女子中学生には聞かせられないあんなことやそんなことをする、とっても楽しい夢よ」
「っておい白レンお前よりによって「せかーいッ!? アンタこんな小さな子たちにいったい何させてるのよーッ!!?」だからお前は考える前に手を出す癖を直せって言ってんだろうがこのおサル!」
イヤ正直そういう連想するのもしょうがないかもしれないけども! 俺は誓ってこいつらとそんなことをしたこともなければさせたこともないわ!
「おーっす、ただいまーっ。今日も腹減ったわー。兄ちゃん、飯まだー……って、アスナねーちゃん? なんで兄ちゃんの襟首つかみ上げてるんや?」
「あ、コ、コタロー君おかえり。ホラ、カモ君。彼が僕がさっき言ってたパートナー候補だよ!」
「……え゛っ。あ、兄貴……!?」
「えっ?」
――よし、さっさとこの
・レンさん達、随分明日菜さんと親しげっスね。
・明日菜さん、どうしてそんなこと気にするのかなー?
どうしてかなー? やっぱり幼馴染だからじゃないかなー?
・え? だって、殴りながら魔法や氣弾ドッカンドッカン撃てばだいたい片がつくし……
なお魔法を撃てない状況ならそれはそれでどうにかするとか。
・『
血行促進精力倍増。そしてお肌もツルツルになるらしい。
…逆説的に、魔法使いはみんな絶倫であるという可能性が……?
・カモ、真の
見た目少女2人をペットにしている、と書くと字面がスゴいことに。
なお、当人にとっては風評被害以外の何物でもない模様
・あゝ勘違い。
話の流れからすると割としょうがないんじゃないかな、うん。
ちなみにこの後、主人公の誘導尋問で本来の目的を吐くことになったカモは、危うくそのまま追い出されるところをネギの擁護によって屋敷に留まることになったとかなんとか。
では感想がどっかんどっかん来る夢想をしつつ今回はここまで。それではー。