シリアルに生きたい   作:ゴーイングマイペース

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 原作3巻編、開幕。


良くも悪くもここから色々始まるんだぜ! 第2章!
24時間目 : こいつはくせえッー! あちらこちらから濃厚なラブ臭がプンプンするぜッーーーーッ!!


「祝ッ! 新年度ッ!! 男の敵全殺しパーティイイイイイイイイ!!!」

 

『イエーッ!!!!!!!!』

 

「どういうことなの……」

 

 あやかの弟の誕生日や木乃香のお見合いなどの諸々をこなし、春休みも終了して新学期。となるとつまり俺も学園長(じっちゃん)に頼まれたネギのフォロー期間も終了した以上女子中等部に居座る理由も無い。というわけで俺が本来所属している男子中等部に戻ってこれたと思ったところに冒頭のクラスメイト達の咆哮である。なんなのコイツラ。

 

「とぼけてんじゃねぇぞ火星ィ……! 男の身の上でありながら女子中等部にて一学期分の期間過ごすというその所業、同じ男子として捨て置いたままでいるわけにはいかねえんだよォ……!!」

 

「貴様のような羨まもといけしからん体験をしてきたヤツを放っといて一緒に並んで授業を受けれるほど俺たちは腑抜けちゃいねぇんだよォ……!」

 

「それに加えて先日僕ら『《ピー》クラブ』の二大天使、風香ちゃんと史伽ちゃんが君と世界樹に登って以降、今までまるで見せることの無かった表情を見せるようになったと報告が上がっている。何があったか吐いてもらうよォ……!」

 

「いちいち無駄に伸ばして締めるのはなんなの、示し合わせてるのお前ら」

 

 あと最後のお前、あとで詳しく話を聞かせてもらうからな。

 

「うるせぇッ! 麻帆良学園の最終兵器がなんぼのもんだッ!! いくぞ野郎共ォオオオオオオオ!!!!!」

 

『ヒャッハァアアアアア!!!』

 

 

 

 ○ △ □ ☆

 

 

 

「――っていうのがウチのクラスの春休み明けの光景でしたとさ」

 

「まあウチのクラスみたいなトップクラス美少女の巣窟からの出戻りだし、その男子たちの行動も妥当っちゃ妥当だよねー、アハハハハ!」

 

「どこもかしこもアホばっかです」

 

「ア、アハハハハ……。大変だったね、世界くん」

 

「そんでせかい君、その男の子たちその後どうなったん?」

 

「今頃生徒指導室で広域指導員の誰かしらに監督されながら反省文作成の真っ最中だな」

 

 クラスの大半が意識を失ったことにより欠席のまま始業式という前代未聞のイベントを終え現在は放課後、今日は図書館探検部に顔を出しに来た。ちなみに特に理由は無いよ。無いったら無いんだよ。

 

「しっかし世界君ももったいないことしたよねー。3学期だけなんて言わずにずっとウチのクラスにいればよかったのに。私もアシ頼みやすかったりだとか色々楽だったしさー」

 

「イヤ元々3学期だけだって話だったし。ていうか別に同じ教室にいなくたって言われりゃ引き受けるよ」

 

 むしろ同じ教室で頼むのをやめて欲しかった。何故なら、ハルナの趣味嗜好を知ってるクラスメイトからの視線が凄まじいことになったからだ。もしあのまま誤解を解けていなかったらと考えたら……よし、この話はやめよう。ハイ! やめやめ。

 

「ありがとねー♪ まあそれは置いといて、単純に世界君がいなくなったことで残念がってたり寂しがってるのが結構いるのよねぇ。ねー、夕映ー? のどかー?」

 

「……何をニヤニヤしているですかハルナ。世界さんは元から私たちの友人で部活仲間、会おうと思えばいつでも会う事など容易なのですからそんな寂しがったりする必要などどこにもないのです。ですよね、のどか?」

 

「えっ……。えっとー、あのー。わ、私は、その……世界くんがクラスからいなくなって、その……寂しい、ですー。……ゆえだって、本当は、そうでしょー……?」

 

「なっ、のどか!? え、あの、ち、違うです。私は別に世界さんがクラスから去ろうともなんとも。あ、いえ、別に世界さんのことが邪魔だったとかそういうことではなくてですね!? あのその、あくまで世界さんが私たちと再び校舎を別にしたとはいえ近しい友人であるという事実は依然ゆるぎなくこれまで通りの交友を続ける分にはなんら支障は無いということを言いたかったわけでして」

 

「はーいゆえー、またいつも通りの暴走癖が出てるえー? パルもあんまり引っ掻きまわしたらダメやゆーてるやんか、もー」

 

「イヤーだってこの子たち、もう私ら中3だっていうのにほっとくといつまで経っても進展しなさそうじゃない? だからこれは背中を押してあげなきゃっていう、ひとえに私の親友たちを思いやる心からねー? ってアレ? 世界君は?」

 

 さーて、早く部室に行って新学期だし、新入生説明会の準備シナイトー。

 え、逃避? 違うヨ。逃げ込んだ先も大して変わらない現実が待ってたなんてそんな情けないこと考えてないヨ。

 

「……あっちでもこっちでもこの調子みたいやし。モテるくせしてヘタレとるなーせかい君」

 

「イヤまあよりどりみどりで少しもヘタレなかったらそれはそれで問題じゃない? まあヘタレて目の前の現実が変わるわけじゃないけど。ウヒヒヒヒ」

 

 ちくしょう、言いたい放題言いやがってっ。悔しいッ。

 

 

 

 ○ △ □ ☆

 

 

 

「……なんでアンタそんなに疲れてるのよ? なに、久しぶりの男子中等部がしんどかったの?」

 

「……あー、前門の虎、後門の狼……?」

 

「ホント今日何があったのよアンタ」

 

 すっかり日が落ち、周囲が暗闇に包まれるこの時間。あの後なにが起きるということもなく図書館探検部の活動を終えた俺たちは、美術部の活動に顔を出してきた明日菜と合流し、現在、帰宅の途についている。

 

「今日は別になんにも起きんかったえー、アスナ。まー、せかい君がもうちょっと男の子してくれたら何か起きたかもしれへんかったけどな?」

 

「ちょ、木乃香お前」

 

「……アンタ、やっぱり軟派男になってるんじゃないの」

 

「え、俺が悪いの?」

 

「自分の胸に聞いてみたらどーやー?」

 

 そういう意図はなかったとか、そういうのはダメ? ダメですよねー。

 

 そんな話をしながら帰路を進むことしばらく。なにやらこの後もそれぞれ用事があるという明日菜、木乃香、ハルナ、夕映。そして勿論女子寮に帰るわけでもない俺と違い、何も用事が無いのどかだけ先に帰宅することとなった。

 

「本当に1人で大丈夫か、のどか?」

 

「だ、大丈夫だよー。それに、世界くんに女子寮まで来てもらう訳にもいかないですしー……」

 

「お、世界君は私達の秘密の花園に興味シンシンかな?」

 

「おいコラ」

 

 まだ言うかこの愉快犯め。

 

「冗談だよ、じょーだん。じゃあ先帰っててね、のどかー」

 

「はいー。それじゃあまた、世界くん」

 

「おー、またな」

 

 そうしてのどかと別れ、もうしばらくして明日菜たちとも別れて歩くこと少し。少々遅くなってしまったことで、家族の夕飯がどうなったか心配しつつ歩を進めていた時のことである。

 

「やっべー。連絡入れといたっていっても、ここまで遅くなるとは思ってなかったからなー。ネギもなんか遅くするって言ってたし、コタに黒レン白レンに今日は出前でも取っといてくれって言っておくべきだったか。

――ん? これは……ネギの魔力と……姉ちゃんの魔力、か?」

 

 一瞬どうしようかと考えたが、流石に無視はマズいかと進路を変える。どうやら桜通りの方で何かをおっぱじめているようだ。

 ……あれ? 桜通り?

 

「あ、あー。そっか、始めたのか姉ちゃん」

 

 と、なると、急がなきゃいけないかなコレは。

 そうなると、俺がこれからしなきゃいけないことは――

 

「……あ、もしもし、白レン? さんざん待たせといて悪いけど、やっぱり今日出前取って……悪かったよ、明日はちゃんと作る。作るから!」

 

 俺の分も頼むって頼みづらいな。どうしよう……。

 などと雑事を済ませつつ、身体強化魔法を発動し、目的の魔力の元へとひた走る俺であった。




・男子たちの末路
 (あからさまな逆恨みをそのまま受け入れるような主人公じゃ)ないです。


・ラブ臭レーダーに感アリ!
 なお図書館探検部に限ったことではない模様


・主人公ヘタレ度上昇中
 女子中等部3-A連続攻勢! 主人公のメンタルは死ぬ!



 さあ原作3巻の始まりとなりました。この先の展開は大雑把には決めてあるんですが、やっぱり色々と悩み中です。おもしろくしようと展開を考えつつ、されどネギまの枠をはみ出さないように色々考えつつ……。

 それに、ここまで来るとやはり心配になるのが、知らない内に他所様のパクリにならないかどうか。イヤ、二次創作なんて書いていて何を今更と言われればそれまでなんですけどね。テンプレって言葉もありますし、意識しつつも話のおもしろさを損なわないようにしつつ、注意していきたいところです。

 それでは感想など待ちつつ今日はこの辺で。またお会いしましょう。

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