オーバーロード ~死を司る者~   作:かみか宮

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遅くなって誠に申し訳ない!


40.リザードマン戦

クロムとイミーナ、アルシェは転移門(ゲート)を潜り、リザードマンの集落近くに作られた指令本部に着いた。

 

「―――凄い。この魔法は私にも使うことは可能ですか?」

 

「んー、それはお前の努力次第だろ。頑張れば使えるようになるかもしれないぞ?」

 

「―――そうですか、可能性はあるんですね。これでまた一つ目標が出来ました」

 

「アルシェ、頑張るのはいいけど私達も頼ってね」

 

「―――わかった」

 

「さて、長話してる暇もなさそうだしさっさと行くぞ」

 

そう言ってクロムは鎌を取り出す。そしてクロムは鎌に跨る。

 

「クロム様、その鎌は?」

 

「気にしなくていいからさっさと乗りな。置いて行くぞ?」

 

そう言うと二人は慌てて鎌に跨った。二人が跨ったのを確認すると、ゆっくりと上昇を始めた。イミーナとアルシェは驚いていたが、早くしないと戦争が始まってしまうので気にせずに戦場へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、クロム達は今戦場の真上にいる。下ではリザードマン達とコキュートス率いるアンデッド軍との戦いを見ていた。

 

「うーん……あっさりと陥落すると思っていたが」

 

「どちらかというとこちらの方が押されてませんかクロム様?」

 

そう、イミーナの指摘する通り、アンデッド軍はリザードマン達に押されている。上から見た感じではまだリザードマンの中では強い部類の者達は戦線に出ていない。だが、それはこちらも同じこと。

コキュートスの配下は自分の主であるコキュートスのサポートの為、本部にいる。コキュートスは情報収集をしつつ、己の判断で軍を動かしているわけだが、数も力もこちらの方が上なのに押されている。

 

「まっ、分からなくもないんだがな」

 

そうクロムは呟いた。コキュートスにとって軍を指揮するのは今回が初めての事であり、その配下である彼らにもどのような戦い方が正解か解らないわけだ。コキュートスは主に自ら前線に赴き、敵を蹂躙していく戦い方だ。そのせいからか、指揮もコキュートスの戦い方と似ていた。いわゆる、策で相手を倒すのではなく力技で相手を潰そうとしているわけだ。

それに対し、リザードマンは多対一で少しずつこちらの軍の数を減らしていた。だからこそこちらが徐々に押され始めていた。

 

「―――このままでは軍は全滅する」

 

「そうだな。このまま各個撃破できればの話だがな」

 

「?どういうことですか?」

 

とイミーナが尋ねたと同時に爆音が響いた。イミーナとアルシェはその音に驚き、鎌から落ちかけたが、クロムがキャッチする。

 

「おいおい、危ないぞお前ら」

 

「あ、ありがとうございますクロム様。ですが、今の音は一体……え?」

 

イミーナは下を見て驚いた。何故なら今まで押されていたのはコチラだったのに向こうが押され始めたからだ。だが、その理由もすぐにわかった。

 

「―――あれは、死者の大魔法使い(エルダーリッチ)ですか?」

 

「そっ。一応アイツはあのリザードマン達以上の強さはある訳だが、多分まだ村で控えている連中の相手にはならないだろうな」

 

死者の大魔法使い(エルダーリッチ)でも勝てない相手なのですか?私としてはリザードマン達の方が不利に思えるんですが……」

 

「そうでもないぞ。あいつらの中に飛び抜けて強いという訳じゃないが、転生する前のお前ら並の強さを持つ奴がいるみたいだからな。チームワークさえよければ死者の大魔法使い(エルダーリッチ)なんて楽に倒せるぞ」

 

「……まあ、私達も勝てない相手という訳ではありませんが……それでも装備の差がありませんか?」

 

「―――肯定、私もそう思うのです。私達もしっかりと装備を整えたうえで戦います。それに比べて彼らの装備はとても貧相で勝てるとは思えません」

 

「そりゃそうだろ。人間が貧相な装備で死者の大魔法使い(エルダーリッチ)に勝てる訳ないだろ?だが、それは人間ならの話だ。今俺達が戦いを仕掛けている相手は人間ではない。モンスター、しかもリザードマンだ。

アイツラなら鎧は必要としないだろ。自前の鱗があるし、あの場所では圧倒的に優位にあるのはアイツラ、リザードマン達だ。アイツラは地の利を生かして戦っているわけだ」

 

「―――ですが、あの死者の大魔法使い(エルダーリッチ)飛行(フライ)を使用して飛んでいます。それなら地の利も関係ないのでは?」

 

「アルシェ、お前は頭がいい。だがな、空を飛んでいるから有利っていう訳じゃない。それにな?俺達はこの場所について詳しくは知らない。だが、アイツラは違う。地の利を生かしつつ、戦いやすい場所に誘導して叩くことも可能だ。それこそ……ほれ、あそこの森の中に引きずり込めば空を飛んでいようが関係ない」

 

クロムはリザードマン達の集落の近くにある森を指差しながら説明する。

 

死者の大魔法使い(エルダーリッチ)がいかに火球(ファイヤーボール)を連射できたとしても、あの森林じゃあターゲットに命中する確率は低いだろう。だからと言って電撃(ライトニング)を使えば木は貫通すれども、間合いを詰められるだろう。結論から言って、あの森林にさえ引きずり込んでしまえば勝てる確率は格段に跳ね上がるという訳だ」

 

「……なるほど、確かにそうですね」

 

「―――確かにそれなら勝てる見込みはありますね。ですが、負けた場合困るのはコチラなのでは?」

 

「困ると言えば困る。でもな、あの死者の大魔法使い(エルダーリッチ)が倒されるのは想定内のうちであるから別に俺もアインズも気にはしないんだよな」

 

「な、何故ですか?死者の大魔法使い(エルダーリッチ)が倒されれば、こちらの戦力は激減、向こうの士気が高まることになると思うんですが」

 

「言っておくが、今回の戦いの目的はリザードマン達の死体だ。それに付け加えてコキュートスの指揮官としての才を育てるのが俺とアインズの目的だったのさ」

 

「コキュートス様の指揮官としての才……ですか?あの御方は十分凄いと思うんですけども……違うんですか?」

 

「あいつは確かに凄い。ただし、武人としてだ。あいつは武人としてはナザリックのなかではトップだろうな。だが、あいつは今まで軍を指揮した経験がない。まあ、それを言えば一部の階層守護者にも同じことを言えるんだが……シャルティアは第一階層から第三階層を統治していることもあり、配下が沢山いるから命令をすることが多い。アウラとマーレも同様に、配下にモンスターがいるからな。そのモンスター達に命令を下したりすることがある。

が、コキュートスは違う。配下はいるが、基本的にはあまり命令を下すことはない。何故かって?自分で解決しようとするからだ。だからこそ、あいつには指揮能力を身につけて欲しいのと、もっと配下に頼ったりするべきだと俺は思うわけ。まあ、後半は俺の意見なわけだけど……」

 

二人に今回の戦いの真の目的について話し終えたと同時に死者の大魔法使い(エルダーリッチ)がリザードマン達の手によって倒された。クロムの予想していた通り、森の中に逃げ込み、木々を利用して死者の大魔法使い(エルダーリッチ)を倒したようだった。

 

「おーおー、頑張るねー。まあ、頑張っても無駄なんだけどな」

 

そう言ってクロムは伝言(メッセージ)を使用する。アインズにコキュートスの指揮するアンデッド軍の敗北を知らせる為だ。この戦いの敗北にアインズは怒ることはないだろう。そう思いながらアインズに敗北を知らせるクロムだった。

 

 

 

 




今回も遅くなってしまい申し訳ない!
……最近、更新遅いよね。東京の専門学校に行く準備等で忙しくてなかなか書けないから仕方ないよね!
……はい、いいわけです。ぶっちゃけ最近は小説を書くよりも読む方に徹してました。まあ、まだ準備が終わったわけではないので次の話を書くのはまた遅くなりそう……それに東京に行くのでPCを買わねば……ぶっちゃけスマホで書くよりもPCで書く方がやりやすい。

なので、しばらくは投稿できないかもしれません。かもですからね?ちょっと暇ができれば少しでもいいので書いていくので、楽しみにしていてください!

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