オーバーロード ~死を司る者~   作:かみか宮

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38.戦いの準備

アタシの名前はアウラ・ベラ・フィオーラ。ギルド、アインズ・ウール・ゴウンの第六階層の階層守護者の一人だ。

アタシは今アインズ様の命により、人間種以外の種族を探している。人間種以外の種族を探している理由は、アインズ様のアンデッド作成スキルは人間を媒介にすると下位のアンデッドしか作成できないから別の種族で実験がしてみたいとのことだった。そこで他の種族の捜索にアタシが選ばれた。捜索の為にアインズ様とクロム様から集眼の屍(アイボール・コープス)を与えられている。

そしてとうとう人間種ではない種族を見つけた。

 

「さーて、アインズ様とクロム様に報告しなくっちゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アインズ様、アウラがリザードマンの集落を見つけたとのことです」

 

「リザードマンの集落か……それはどこにある?」

 

「アゼルリシア山脈南方の方にあるらしいです」

 

アルベドが地図を広げてアインズとクロムに説明する。クロムは顎に手を当てて何かを考えながらアウラからの報告を聞く。

 

「集落はどうやら一つだけではないようです。なのでかなりの数の素体が手に入るでしょう」

 

「ふむ……そうか、分かった。アウラには集落の近くに拠点を作るように伝えてくれ」

 

「承知しました」

 

アルベドはアインズとクロムに頭を下げ、部屋を出て行った。

 

「さて、クロムさん。リザードマンの集落をどう攻めようか?」

 

「……そうだなー。ここはコキュートスに任せるとするか。ナザリックの警護だけじゃつまらないだろうし」

 

「だがコキュートスが相手だとかなり酷いことになると思うんだが……」

 

「まあ、そうだろうな。でもさ、コキュートスって自分が前線で戦うことの方が多いだろ?」

 

「ああ、そうだな」

 

「だから俺はあいつに部隊を指揮してもらおうと思ってる」

 

「コキュートスに部隊を指揮させることで学んでもらいたいという考えか?」

 

「んー……まあ、そういうことにしておいてよ。じゃ、俺はコキュートスのところ行ってくるから」

 

「わかった」

 

クロムは指輪を使って、コキュートスがいる第五階層に転移した。第五階層は氷河でできている。しかも吹雪いている。当然ダメージがある。そんな階層を普通に歩くクロム。しばらく歩いていると、刀を振っているコキュートスが見えた。

 

「おーい、コキュートス。お前にしてもらいたいことがあるんだが」

 

「ハッ、ドノヨウナコトデショウカ?」

 

「お前に部隊の指揮を任せる。部隊を使ってアウラが見つけた集落を攻めろ」

 

「部隊ノ指揮デスカ……」

 

「不満か?」

 

「滅相モゴザイマセン!タダ……何分初めてノコトナノデ上手く指揮ヲデキルノカ不安ナノデス」

 

「不安……か。まあ、確かにお前は前線で敵地に斬り込む方が似合ってる。だがな、この世界の相手は未知数だ。その為、他の守護者達も同様だが、相手に迂闊に姿を見せる訳にはいかないんだよ」

 

「失礼ダトハ思いマスガ……何故デショウカ?」

 

「簡単なことだ。仮に、お前達が戦場に何度も何度も出たとしよう。いずれはお前達の対抗策を考えるだろう。それに、俺達が以外のプレイヤーが相手だった場合、勝てる確率は半分を下回ると思ってる。別にお前達が弱いって言ってるわけじゃないぞ?俺達のギルドは有名だった分、お前達の情報も知っている連中は多い。

ヴィクティムのことは全く分からないだろうが、シャルティア、ガルガンチュア、コキュートス、アウラ、マーレ、デミウルゴスの情報はネットでかなりアップされていた。だからお前達の弱点とか、対抗策を知っているプレイヤーが居てもおかしくはない。だからこそ、あまり前線に出したくないわけだが……今回のは純粋にお前が指揮する部隊を見てみたいんだよ」

 

「ソウデスカ……ワカリマシタ。精一杯頑張りマス」

 

「うんうん、わかってくれて何よりだ。で、今の話とは全く関係はないが、手合せしようぜコキュートス」

 

「クロム様ニお相手シテイタダケルトハ……アリガタキ幸せ!」

 

そして第五階層はクロムとコキュートスの激闘によって、いろいろと大変なことになった。この後アインズにめちゃくちゃ怒られた二人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アインズはクロムに暴れた罰として、コキュートスに指揮させる部隊の兵作りを手伝わせた。二人でアンデッド作成を行っているので、ものすごい速さで兵が増えていく。

 

「アインズー、後何体作ればいいんだよー」

 

「そうですね……後千体は作ってもらいましょうか」

 

「鬼かッ!」

 

「冗談ですよ。クロムさんは動死体(ゾンビ)を後50体、骸骨(スケルトン)を50体作ってください」

 

「……あと合計で100体も作るのかよ……」

 

「ちゃんと作ってくださいね。出発の時に数が足りなかったらクロムさんは一週間程謹慎してもらいますからね?アルベドみたいに」

 

「あー、そう言えばその話聞いたなー」

 

実は数日前の話だが、アルベドが興奮のしすぎで自分を抑えきれず、アインズを襲うという事件が発生した。八肢刀の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)がどうにかしてアインズから引きはがしたらしい。そしてアルベドは三日間の謹慎処分を受けたらしい。ちなみに、指輪を渡してあるらしいが、それも没収して、尚且つ見張りまでつけたそうだ。

 

「ちなみに俺が謹慎になった場合って……」

 

「部屋には恐怖公を配置します」

 

「よし、任せろ!ちゃんと作るぜ!」

 

ハッキリ言ってクロムは恐怖公が苦手だった。そもそもゴキブリが平気な人なんて少ないと思う。冗談抜きで。しかもゴキブリの癖に二足歩行で近寄ってくる。大きさも人間と同じぐらいの大きさだ。

人間サイズのゴキブリなうえに二足歩行で近づいてくる。眷属召喚をすれば普通のサイズのゴキブリが大量に現れる。そんな状況になったら……考えたくもない。クロムは真面目にアンデッド作成に取り組むのだった。




今回は短め。
そして前回の話で明らかにおかしな部分を発見したという報告を受けたので修正しておきました。
いやー、そんなヘマをするわけないだろうと思って見てみると……Oh……ヘマしとるやないかい。はぁ……ミスするとへこむわー

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