リアスになって   作:浅紙弥

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金の幼女と黒の少女と金の聖女

 駒王町のおさんぽ1日目

 

 まだ一人で出歩くのは危ないとお母さんに言われたので、今日は、遊びに来てくれたオーフィスちゃんとおさんぽを始めます!見た目は、あたしより背が高いからお姉さんなんだけどね!・・・年上みたいだし。

 まだこっちの言葉は、キチンと話せないので、お母さんに魔法を掛けて貰った。いろんな言葉が、喋れるし、理解出来るって便利だよね。

 

「よろしくね!オーフィスちゃん!」

「ん、我、ここ、長く住んでる。まかせる」 

 

 二人で手を繋いで歩きだす。

 まだ子どもに見えるオーフィスちゃんだけど、リアスお父さん・・・違った、リアスお姉さんと仲良しさんで、お仕事以外でもよく一緒にいるみたい。

 オーフィスちゃんの携帯の待ち受けに、港で大きな口をしたサメ?お魚?を吊るしたリアスお姉さんとオーフィスちゃんの姿があった。お魚の名前は、ダンクルオステウスって言うらしいんだけど、何処で釣ったんだろう。頭についてる岩みたいな鎧兜が格好いい。

 オーフィスちゃんが、リアスお姉さんの腰辺りにしがみついてる姿が、まるで姉妹みたいでちょっと可愛いな、と思ったのは内緒。

 

 いろいろお話しながら歩いていると、オーフィスちゃんのオススメのお店に連れてきて貰った。

 ここのお店のシュークリームとコーヒーが、オーフィスちゃんのオススメみたい。

 サクサクのシューをかじると、すぐ内側一杯につまったクリームが溢れてきて、少し厚目のシューと口の中で蕩けて、幸せを爆発させるんだって!

 

 オーフィスちゃんと二人でテーブルに案内してもらう。お店の中は、お昼御飯を食べるお姉さんたちで一杯だった。おしゃれなお店で、喫茶店って言うらしい。

 

「お金、気にしなくていい、リアス、用意してくれた」

「あれっ、おさんぽするって言うどころか、昨日の夜帰ってきてすらいないのに!?」

 

 リアスお姉さんスゴい!“えすぱー”ってヤツだね。

 

 あたしが、リアスお姉さんのえすぱーに驚いていると、店員さんがやってきた。ウェイターさんって言うらしい。あ、ウェイターさんって仕事の名前か、お兄さんの名前は、きょーやさん?学校?昨日こっちに来たばかりだから、よくわかんない、とだけ言っておいた。

 

 オーフィスちゃんは、デカ盛り(!?)パスタセットとシュークリーム2つ、飲み物はコーヒー。

 あたしは、シュークリーム2つとオレンジジュース。コーヒーは、まだ飲めない!苦いんだよっ!・・・オーフィスちゃんは、大人だね。

 

 オーフィスちゃんの前に置かれた山盛りのカルボナーラ。クリームの甘い香りと、厚切りベーコンの焼けた香りが混ざり合って、とっても美味しそうだ。

 オーフィスちゃんは、フォークを突き刺して、パスタをぐるぐる巻き始めた。でかっ!あたしの手のひらよりデカい繭みたいになってるよ、オーフィスちゃん!!えぇっ!呑み込んだ!?口に入れた瞬間が見えなかったよっ!?もきゅもきゅ、てハムスターみたいに頬っぺた膨らませて食べるもんじゃなかったとおもうんだけど!?

 

 

 

 

 

 

 

シュークリームがとっても美味しかった。幸せってこのお店で売ってるんだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 オーフィスちゃんとの御飯も終わり、おさんぽを再開します。

 

 あっ、事件発生!公園の前で金髪のお姉さんが、お尻だして倒れてる!

 

「オーフィスちゃん、事件だよ!」

「落ち着く、アリシア。あの娘は大丈夫・・・・・・ドジなだけ」

「え、そ、そうなの?」

 

 救急車はいらないの?

 ミッドチルダにいた頃に作った“きんきゅうマニュアル”の出番はまだなのかなー。

 

 名探偵アリシア&オーフィス、始まらない!!

 

 でも、そっか。このお姉さんは、治らない病気なんだね。テレビでも、ドジっ娘は永遠に無くならないって言ってたし・・・・・・かわいそうな人なんだね。

 

「はうぅぅ、なんで何もないところで転んでしまうんでしょうか」

 

 あぁ、しかも自分が病気だってわかってないなんて。

 

「あっ、あれ?私、どうして小さな女の子に哀れみの視線を送られてるのでしょうか」

 

 おっといけない。可哀想な人は、自分を見る気配に敏感だってお母さんが言ってた。だから、ちゃんとした人として見ないとイケないって。

 

「こんにちは、お姉さん、大丈夫?怪我してない?」

「えっ、は、はい、大丈夫ですよ。あの、貴女は言葉が解るんですか?・・・よかったぁ、あの、この町の教会に『ダメだよお姉さん!!』はっ、はいぃ?」

 

 教会って事は、お葬式でも始めるのかな?お姉さん、黒い服を着てるし。

 

「お姉さんは、ドジっ娘って病気なんだよ!?病院じゃなくて、教会に行くなんて・・・お姉さん死ぬ気なの!?」

「死!?」

 

 ダメだ、ばいおはざーどの怖さがわからないのかな・・・ドジっ娘ゾンビで一杯になるのに。

 そんな死体だらけの場所にいったら、ドジっ娘ウイルスが、Dウイルスが、教会に広まっちゃうんだよ!!

 そして、お墓からわらわらと出てくるゾンビたち、よく転けては立ち上がり、ボロボロになりながら近付いてくる。・・・・・・かなり、不気味な気がする。

 

「はうっ!わ、私、ドジっ娘って病気なんですか!」

「そうだよ、病院でお薬貰わないと、皆に移って、教会の人が、ゾンビになって全員何もないところで転ぶ病気になっちゃうよ!?」

「ふええぇぇ、ど、どうすればいいのでしょうか。あぁ、主よ、私はどうすれば・・・」

 

 むむ、しゅって誰だろう。だれでもいいけど、お姉さんの病気をずっとほったらかしにしているヤツだ。悪いヤツかズルいヤツに決まってる。もしくは、もういない人なのかな。

 

「あ、そうだよ、お姉さん。あたしのお姉さんがいろんなお薬持ってるの。みんなでお願いすれば分けて貰えるかも!オーフィスちゃん、一緒に来てくれる?お姉さんも家においでよ」

「ん、わかった」

「あれっ、だけどドジっ娘って病気だったでしょうか?・・・・・・あの、やっぱり」

「おっと、そうだ、忘れてたよ」

「教会に・・・・・・はい?」

「名前だよ、あたしの名前は、アリシア・テスタロッサです!」

 

 自己紹介は、あいさつの基本だよね、お母さんに教えて貰ったけど忘れてたや。

 

「我、オーフィス」

「あ、アーシア・アルジェントです。そ、それでですね」

「よし、じゃあ、出発ー!友を助ける為に、走れアリシアになるよー!」

「おー」

 

 アリシアはげきどしたー・・・・・げきどってなんだろう。後で、お母さんに聞いてみよう。

 オーフィスちゃんと一緒に、アーシアお姉さんの手を引きながら走りだす。転ばないように気を付けないと。

 

「お、お友達ですか!?私とテスタロッサちゃんが・・・・」

「アリシアでいいよ、アーシアお姉さん。一度会ったら、お友達だよー」

「オーフィスでいい、アーシア、アリシア、我、友達、ちがう?」

 

 アーシアお姉さんが、突然泣き始めた。

 

「アリシアちゃんっ、ぐすっ、オーフィスちゃんっ・・・ぐすっ・・・こ、こんな私と本当にお友達になってくれるんですか」

「アーシアお姉さんとは、ちょっとお話しただけだけど、お姉さんが優しくて、好い人だって思うんだ」

「アリシアちゃん・・・」

 

 そうだ、アーシアお姉さんの持つ空気?っていうのかな、感じがいい。傍にいると、ホッとするんだよね。

 あと、ほっとけない感じもする。ものすごく守ってあげたい気がするんだよ。これがオーラか!

 

「だから、友達になりたいかなって思ったし、病気でも一緒にいるからね!さあ、行こう!アーシアお姉さん」

「は、はい。よろしくお願いします、アリシアちゃん、オーフィスちゃん。私、初めてのお友達が出来ました!」

「よろしくね、アーシアお姉さん!!」

「よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちなみに、我、ドラゴン、ウロボロス」

 

「え!?」

 

「あ、あたしは、お母さんが、昨日悪魔になったんだー。だから、あたしは悪魔の子だよ?」

 

「ええっ!!・・・・・・・・・・・・はうぅぅ」

 

 

 

 

 あ、倒れちゃった。悪夢(ユメ)は、視れたかな?ってね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回も短めですね。

駄文?何を今更、半世紀ほど言うのが遅いぞ!

と言える少佐殿みたいになりたい。

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