リアスになって   作:浅紙弥

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朝陽の攻防

 なんだろう、胸元で何かが動いている。また白音が、ベットに入ってきたのだろうか。大体オレのベットに入ってくる子と言えば、白音、黒歌姉妹か朱乃ぐらいのものだ。だが今、黒歌は「ちょっくら“世界の海竜ハンティングツアー”にいってくるにゃ」と言ってこの前から出掛けてるし、朱乃は昨日は家に泊まらなかったから違う。

 ひょっとして、アリシアか?まだ子供だし、トイレに起きて、寝惚けたまま間違ってオレの部屋に来たのかもしれない。・・・・・・・・まあいいや、寝よ。

 

 

 

 

 部屋に差し込む朝の陽射し。カーテン越しではあるものの温かな光は、少しずつ夜の間に冷えた空気を塗り替えていく。

 このまま微睡みながら、寝返りをうったり、ごろごろしたりして過ごすのが好きなんだが、

「うわあぁぁぁ!!」

「・・・うるさい」

 無遠慮な大声のせいで、無理矢理起こされてしまった。不機嫌な声色になるのは避けられない。

 目を開けなくても、どこから声がしているかぐらい解る。

 この時、オレは“声の主が誰か”という事よりも、“どうやって黙らせるか”を考えていた。

 結果、

「ど、どうしてむぎゅ、ぶっ!!!」

 抱き締めて、口を塞ぐことにした。

 自分の胸の大きさならば、白音やアリシアの顔を塞ぐ程度の事は容易い。

 暴れないように、頭を掴んで首から上を固定する。

 胸の谷間に挟み込んだら、声の主は静かになった。いやに鼻息荒いな、コイツ。

 落ち着かせるために、頭を撫でる。何か喋ろうとしているが、乳肉で唇を完全に塞いでいるため、ブルブルと肉を震わせるだけだ。・・・・・・・・・少し気持ちいいかもしれない。

 

 ん~白音にしては、髪が硬いな。いつも抱き抱えている頭より大きい気もする。なんか「ぶへへへ」って笑ってるし、アリシアな訳がない、誰だ?・・・・・・・・・・・・・あっ。

 思い出した、昨日、イッセー蘇生さして家まで運んだんだっけ。生命力が弱り切ってるから、とまだ虫の息で気絶さているイッセーを、全裸にしてオレの肌から回復させてたんだ。肌を密着させて、触れている面積が広い方がいいから、とオレも全裸になって横になったんだ。そのまま抱いてたら、寝落ちしたのか。

「おはよう、兵藤くん。・・・随分と楽しそうだね?」

 目を開けると、両人差し指を鍵みたいに曲げて、オレの乳首を引っ掻こうとしているイッセーの姿があった。

 顔を乳房に埋めていても、ナニがどの位置にあるか解るというのか。

「ぶるぶあぁぁ!!じゅっ、ぶぢゅるるっ、は、ぢゅずずっ」

「ひゃあっ、あん、こらっ、落ち着きなさい!あぁ、吸うなぁぁばか!!だ、ダメだ。な、にゃめるのも止めなさい!!呼吸もするなぁ!!」

「ぐぷぶっ、ぐじゅるるっ、ず、ずずっちゅっ、ぴちゃぴちゃ、れろっ」

 慌ててなのか興奮したのか、鼻だけではなく、口から吹き出るジットリと熱く湿った呼気、唾液。

 ちろちろと舌を出し、乳房に埋もれて、反発する感触を楽しんでいるのだろうか。

 谷間の奥から徐々に頂きを目指し、イッセーは唾液をたっぷり絡めた舌を出して暴れだす。

 即座に抱えていた頭から手を離し、オレは勢い良く上半身を起こす。それにあわせて、ぶるんっ、たぷたぷとオレの乳房が暴れてしまう。・・・うわぁ、ぬるぬるべたべただよ。

 

 

 

 

 止まれ!何故そのように荒ぶるのか!?鎮まれ、鎮まり給え、なぜ我が乳を襲う!やめろ!鎮まれ!

 

 

 

 

 イッセー、そんな血走った目で視るんじゃない!舌舐めズリしながらコッチにくるな!!その腰の物もぶらぶらさせるな!!!本当に五本目の足みたいで怖すぎる!!!

「ぐるるる、があぁぁ!!ふぎいぃぃぃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・調子にのるな、駄眷めがぁ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ、はあ、はあ、危なかった。も、もう少しで、食われるところだった」

 

 さほど広くないこの部屋で、非殺傷設定にした魔力の弾幕を全て正面から食らったイッセー。それでも真っ直ぐ進み続けた。どれだけ倒れても、立ち上がってくる姿は正にゾンビのようで畏怖すら覚えた。危うく“王の財宝”をブッ放すところだった。元一般人が10分も粘り続けるとは思わなかった。

 流石、女の乳をつついて強くなる男“赤龍帝”、いや“乳龍帝”といったところか、末恐ろしい男だ。

 

 いかん、そろそろ起こさないと。防音結界を張ってはあったが、時間が・・・。

 

「ちょっと一誠、さっさと起きなさい!もう、そろそろ起きないと遅刻す・・・」

 

 兵藤ママよ、息子の部屋に入るときはノックしてくれ。

 そしてオレ、なんでドアにまでキチンと結界張らなかったかなあ。

「おはようございます、お母様。兵藤くんは、もう少し寝かせてあげてください。今朝から大変元気に暴れていましたので・・・・・・」

「え、あっ、あ、そうね。で、でも出来るだけ早く支度しなさいね。遅刻しちゃうでしょ」

「ええ、わかりましたわお母様。私も少し汗をかきましたもの、すぐ支度しますわ」

「そ、それじゃあね。リビングで待ってるから」

 兵藤ママはドアを閉めると同時にかけ出した。

「おっ、お父さん!い、一誠がっ!一誠がぁ!!が、外人で、国際生産でぇぇ!!」

 

 よし、まずは滅びの魔力を使ったお肌の清浄化から始めよう、胸の谷間に付いた唾液がベトベトして気持ち悪い。

 イッセーを起こすのは、そのあとだな。正気に戻っていればいいが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あのあと、兵藤家で朝食をご馳走になった。

 魔力を使って催眠をかけながら、何故イッセーの寝室にいて、朝から裸になっていたか、などの説明した。

「兵藤くん、これからはイッセーって呼ばせて頂戴。昨日の彼女についても、アナタの今置かれている状況についても詳しい話は、学校でお話しましょう?」

 イッセーと腕を組ながら登校することにした。こうして触れ合っていけば、イッセーのトラウマを少しでも解消できないか、との考えたからだ。

 イッセーには、女の気持ちをキチンと正面から受け止められる男になって欲しい。

 先刻のように、色欲に狂ったり、ヘタレや鈍感なんぞ許さんよ。しっかりオトコにしてやろう。

 

 

 

 

 さて、本来ならイッセーは、このまま教室で授業を受けるのだが、そうはさせない。

 今、イッセーは命懸けの裏社会に足を突っ込んだのだから、朱乃と一緒に悪魔社会についてしっかり教え込んでおかないと・・・。

 

 オカ研メンバー全員に連絡し、イッセー共々授業をサボってもらい、オカルト研究部部室で顔合わせと、今置かれているイッセーの立場について説明することにした。プレシアとアリシア、ギャスパーについては、また後日としよう。

「ねぇイッセー、今日は教室じゃなくて付き合って欲しい所があるの。学校は一緒にお休みしましょう?私たちの此れからについて、大事なお話があるの。」

「ごくり・・・だ、大事なお話ですか。ソレって先刻の続きってことですよね、了解ですグレモリー先輩、是非お願いします!」

「ふふ、ありがとうイッセー。さ、行きましょう」

 イッセーと手を繋ぎ、駒王学園の旧校舎を歩く。

 始業のベルが鳴り響くなか、サボって異性と手を繋ぐというのは、少しくすぐったいシチュエーションではないだろうか。

 イッセーは、チラチラとこちらに目をやる。視線が顔より僅かにしたに集中しているのは、オトコの性ってヤツだろう。

 歩きながら、少し昨日の事について話を聞いてみたのだが、やはり、堕天使だったレイナーレは証拠隠滅作業を終えていたようだ。イッセーの携帯にあった天野 夕麻のアドレス、画像が無くなっていた。恐らく、イッセーの友人たちも何も覚えていないだろう。

 さて、目的地だ。扉の向こうには、オカ研メンバーらの気配がする。

 イッセーは、目の前の教室がなんであるかを知っているようだ。驚いてはいたが。

 まさしくオカルトじみた体験をしたのだし、どこか納得という感じではある。

 

 

 

 まあ、キミも今日から仲間入りだけどね。

 

 

 

 

 

「ようこそ“オカルト研究部”へ、兵藤 一誠くん。歓迎するわ、悪魔としてね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




イッセーくんは、煩悩の化身なのです。
直ぐにケダモノになります。猪です。

魔力の弾幕については、理性が飛んでいたので覚えていません。

清浄化魔法 

表皮についた汚れや雑菌、毛穴の詰まりまで滅ぼせないかと造り上げたリアスのお気に入り魔法。事後や、風呂が面倒になったとき、この魔法とシャワーだけで、全身綺麗になれる。

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