リアスになって   作:浅紙弥

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眠くて、頭がいつも以上に、ヤバいです。

まだ大丈夫、大丈夫だ。


本日のネコと依頼人は(改)

 放課後、オレは、いつものように旧校舎にあるオカルト研究部の部室で紅茶を楽しんでいた。

 駒王学園、オレたちの通っている学校であり、悪魔勢力の出資により建てられた学校の一つだ。学園の上層部がほぼ悪魔関係者で占められている為、この土地の管理者であるオレ、グレモリー家やシトリー家が強い影響力を持っており、何かと融通がきくのである。

 学園の理事、生徒会と交渉して手に入れたオレの部室。オカルト研究部、グレモリー眷属の為の集会所、溜まり場である。

 悪魔は、人間の願いを叶え、それに対して何らかの対価を戴く契約を行う。これは、悪魔であれば誰にでも当てはまる事で、下級悪魔から上級悪魔、果ては魔王たちまで適応される。無論、オレや我がグレモリー眷属たちにも同じことが当てはまり、使い魔に悪魔召喚の出来るチラシを配らせ、顧客の要望に応じ、オレや眷属悪魔たちは夜な夜な仕事をしている。

 殆ど毎日オカルト研究部の部室に集まって、これからの予定の確認や契約についての報告などを行っているのだが女子高生、いや、女が三人寄れば姦しいとはよくいったもので、すぐに、お茶と噂話の会に早変わりしてしまう。

 改装された部屋には、オカルト研究部らしく魔方陣の描かれた絨毯が敷いてあり、何処かの部族が使っていたナニカの頭蓋骨の仮面や石仮面などが壁に掛けられている。

 また、悪魔の契約や管理者としての仕事で遅くまで部室にいる事が多いため、簡単な仮眠スペースやシャワールームも用意されている。冷蔵庫には、白音と黒歌が持ち込んだお菓子や食料が詰め込まれおり、夜食やお茶請けとして振る舞われる。

 そして、オレたちの好みを把握し、紅茶やハーブティーを用意してくれるのが、リアス・グレモリー眷属の女王であり、駒王学園において、オレと並び二大御姉様と呼ばれる姫島朱乃である。

 悪魔の駒(イービル・ピース)、悪魔以外の種族を悪魔に転生させる魔道具(マジックアイテム)だ。チェスに見立てた駒を使い、上級悪魔たちに支給されている。王の駒である自身が見込んだ相手に使用すると、その者に相応しい駒が自動的に選び出され、相手を悪魔に転生させる。そして、転生した悪魔のことを眷属悪魔、下僕悪魔と呼ぶ。

 眷属悪魔における女王というのは、公私共にオレを支える伴侶のような存在だ。

 幼馴染みとして見せる子供っぽい仕草。

 学園の御姉様として見せる、淑やかな振舞い。

 女王としてオレを支え、他の眷属たちをまとめている時の凛とした表情。

 そして身内、というよりオレの前で見せる艶やかな牝の顔。

 オレにとっての朱乃は、可愛いらしい女の子なのだが、学校の皆からの評価は違うようだ。なんでも、その美しい黒髪や淑やか仕草から大和撫子と呼ばれているらしい。

 

「んっ、はっはぁ、ふっは、んぅ、はぃ」

「そういえば、朱乃って大和撫子って言われてるんだっけ。ふふ、四つん這いで私の椅子になって、トロ顔さらしてる貴女がねぇ」

 

 今まさに、黒革のボンテージに身を包み、絨毯の上で身悶える姿は、とても美しく蠱惑的だ。

 同じタイミングで教室を出て、二人で話ながら歩いているのに、いつも部室に入ると水着やボンテージに着替えた朱乃が犬のようにお座りの姿勢で出迎えてくる。瞬間移動とかそんなチャチなもんじゃない、もっと(略)。

 

「ふうっ、いっはっ、はっ、もっとですわんっ、つぅ」

 

 他の子達が来るまでの短い間ではあるが、彼女との大事なスキンシップの時間だ。しっかり相手してあげよう。

 

「ああ、違うよ?馬鹿している訳じゃない。実際、学校の皆の前ではそう思われるのも可笑しい話じゃない。ただね?」

「んひぎゅうぅぅぅぅぅ!!!」

「学校の皆が、今のお前を見たらどうなるのかなと想像してしまってね。大変愉快で不愉快な事になるんだろうな、と。朱乃だって解ってるだろう?男性教諭や男子生徒らの熱い視線に」

「んぎっ、あああひぃ、ぎっい、いい!!はっはっはっあいいぃぃ」

 

 もうすぐ時間のようだ。白音たちが来てしまう。

 少し乱暴だが、朱乃にとってはむしろご褒美だろう。

 オレは、彼女のボンテージに手をつっこみ、オレより大きく実った乳肉を搾るように引っ張り、また握り潰すかのように揉み始める。

 

 「はっはっ、おお、おおおぉぅ、んっんぐぅぅぅ、いい、いいでずわぁぁ、もうずぐ、あどすごじぃぃ、をぎ、ですわぁァァァァ!!!」

 では、締めとするか。お楽しみは、おしまいだっと意味を込めて、朱乃の尻を思い切り叩く。ばちん、と響いた肉を打つ音。肉付きが良く、張りがある為だろう、ぶるんっと弾む尻肉。

 感極まった朱乃は、

 

「んァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

 背に乗っていたオレを落とす勢いで身体を仰け反らせ、身体を痙攣させながら倒れてしまう。うん、いいアヘ顔(かお)してる。

 朱乃は幸せそうだが、これから白音たちが来るのだから着替えて欲しい。絨毯に大きな水溜まりが広がっていた。

 

 あれから急いで朱乃を叩き起こし、いつもの制服姿に戻ってもらうと同時に白音たちがやってきた。二人とも顔が赤い、聴かれてたな。

 白音と一緒に入室してきたのは、木場祐斗。グレモリー眷属の騎士であり、駒王学園の二年生だ。いつもなら、駒王学園のイケメン王子と呼ばれる爽やかな笑顔を浮かべているのだが、刺激が強すぎたのだろうか、顔を赤くして伏せしまった。王子なんて言われているが、女だしな。

 

 本日の悪魔稼業についての報告をさっさと済ませ、皆でお菓子を摘まみながら、お茶と噂話の会が始まる。

 白音は、一人巨大なパフェに挑戦していた。以前、グレモリー眷属みんなで名古屋に旅行にいった時、偶々入った喫茶店のデカ盛りメニューの“なんてこったい”。大食いの白音に初めての敗北を味あわせた超巨大パフェである。白音は、いつかリベンジを果たそうと同じものを家で作っては、オカ研の冷蔵庫にしまいこんでいた。

 

「あらあら、部長?」

「え、ああ、すまない。なんだって?」

「学園の変態三人衆の一人、兵藤先輩に、彼女が出来たらしいです。美人で、胸のおオキナ」

 いつの間にか白音が、オレの膝が上に座っている。目の前には空になったガラスの器が置かれていた。

 自分で言って気になるのか白音は己のちっパイをペタペタと触る。そのあと、猫耳をひょこん、と出したかと思えば白音の耳がへんにゃりしだした。やれやれ姉の黒歌を見れば、未来は明るいとわかるだろうに。

 落ち着けとばかりに、白音を抱きしめて頭を撫でる。その猫耳を優しく触りながら、時間を潰す。

 やがて日が沈み、眷属たちが、各々の呼び出し(召喚)に応じて、仕事に行ってしまった。今日はオレも仕事があったな。

 突然だが、ウチの使い魔、人間に化けて悪魔召喚のチラシを配るコウモリなのだが、何を考えているのかわからなくなる時がある。まあ、適当に街中でチラシを配っていたのだろうが、初めてその依頼主に会った時は、それはもう驚いたものだ。

 どんな光も呑み込むような虚無。動く事を忘れてしまったように、ただ此方を見詰める無表情。その光らない瞳は、正直、オレの事をきちんと認識しているのか判らない。未だ幼げな少女の肢体を包む黒のゴスロリドレスは、何故か首元から下腹部にかけて大きく開いている。僅かに膨らんだ胸部の先端を、×印の何かで隠している程度のみだ。

 無限の体現者、“無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)”オーフィス、ウチの御得意様である。

 報酬は、次元の狭間に漂うオーパーツ。または、オーフィスの見てきた世界の歴史について教えて貰うこと。これが意外と面白く、記憶を映像化する魔術をオーフィスに使って貰い、過去の英雄や国々の栄枯盛衰をオーフィスと一緒に鑑賞するのだ。 

 依頼については、個人情報保護法に基づき黙秘とさせて貰う。ただ、最初の依頼については、何回か死んでた気がするし、オーフィス抱えて、次元の狭間を逃げ回ったとだけ言っておこう。開幕ブッパで、エアを抜いて、天地開闢レベルの攻撃に無傷だった現実に絶望しつつ、龍殺しの宝具の投擲も意味無いとかあり得ないだろ、と叫んでいた。あの時、何処からか“あり得ないなんて事はあり得ない”と言われ、かなりイラッときた。

 オーフィスのお陰で、次元の狭間を自由に動けたけど、バビロンを持ってしても、奴には届かなかった。

 ちなみに、その時初めて、自分に“十二の試練(ゴッド・ハンド)”の得典(呪い?)がある事を知った。その後、オーフィスに大分興味を持たれたらしく、プライベートでも何度か会うことになっている。 

 

「ご指名、ありがとう「でりへる?」ちがう‼あなたの願いを「グレードレッ」それ以外で!!「むぅ」」

 

 まだ懲りてないのだろうかこの子は。というか、オーフィスに変な事を教えてる奴は誰だ!

 オーフィスは、いつも自分の住むマンションの一室に、オレを呼び出す。どうやって手に入れたのかは、不明だ。

 さて、今日の依頼は何だろう。

 

「我、これ欲しい」

 

 そういって、オレに突きだしたのは、魔法少女ミルキーのコスプレをした魔王少女、セラフォルー・レヴィアタン様の写真であった。

 あれ?

 

「え、待ってちょうだい、オーフィス、どれが欲しいって言ったのかしら?」

「全部」

 

 何故か、オーフィスのいつもは虚ろな瞳に、優しい光が注している気がしたんだ。

 

「いや、無理だから」

「・・・何故?」

 

 いやまて、そんな泣きそうな顔をするな。表情変わってないけど、眼の端に涙出てきてるから!

 

「リアス、我、嫌い?」

「そうじゃなくて、流石に魔王少女捕まえて、差し出すっていうのわ、ちょっと」

「リアス、できる。でも、駄目言う。なぜ?」

「アナタも大事だけれど、セラフォルー様も大事な人なのよ。幾らアナタの頼みでも私の大事な人はあげれないわよ。そうだわ、ねぇオーフィス。晩御飯作ってあげるわ、それでどうかしら?」 

「ん、わかった、がまんする。肉、昔の、ある」

 そういって、何処からか深紅の鱗に覆われた、超巨大な爬虫類の尻尾を取り出した。

「ねぇ、オーフィス。そのお肉は、どうしたのかしら?」 

「昔、拾った肉、薫製、ドライっごほん、ドラゴンの肉」

 

 ドライ?ドラゴン?ドライグなんだな!?

 

 三大勢力の戦争中に乱入してきた二天龍“赤龍帝”ドライグ、“白龍皇”アルビオン。

 彼らは、神、悪魔、堕天使の区別なく粉砕し、戦場を荒らし回ったそうだ。最後は、三大勢力が一致団結して、闘いを挑み、苦難の末、神がその魂を神器に封印した。

 当然、肉体が残っていたんだろうが、それを確保していたのかコイツ。

 

「燻製、してある、シチュー、食べたい」

 

 本日の依頼、ドラゴンテールのホワイトシチュー“赤龍帝、白濁に沈む”の完成です。 

 お料理は、二人で美味しくいただきました。

 

「代わりにコレ、あげる。次元の狭間で拾った」

「え、ちょ、拾った!?この子達を!?」

 それは、青くて小さな宝石。

 莫大な魔力を宿し、所持した者の願いを、ねじ曲げて叶える石。

 

 を、娘のクローンに集めさせていた熟女と、金髪幼女の入った巨大なフラスコ?が、オレの前に、差し出された。リリカル?マジかよ。 





どうしよう、自分でも何が何やら

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