錬鉄の魔術使いと魔法使い達   作:シエロティエラ

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あ、あはは(苦笑)
み、皆さんそれほどにまでロックハートが嫌いですか。

とりあえず原作よりも酷くに多数票が入ってますが、うーん。

まあそれは兎も角、更新です。
今回はマリー視点のみです。

それではごゆるりと






7. ハロウィン夜、危険の始まり

 

 

 

 

ハロウィンが近づくと同時に、クィディッチシーズンも近づいていた。私はグリフィンドールチームのシーカーなので、放課後にチームメイトと練習したり、フォーメーションの確認をしたりと、毎日勉学以外でも忙しい。

因みに防衛術の授業は、ロックハートが何度も本の内容を元にした寸劇をやろうとして、その都度シロウに沈黙させられていた。しかも授業のあとに毎回説教を受けている。もしかしてロックハート、態とシロウから説教を受けようとしてるの? もしかしてロックハートって変態さん? だとしたらドン引きだ。

 

まぁそれは兎も角。

それにしても驚いた。まさかマルフォイがスリザリンのシーカーになっていたなんて。しかもスリザリン選手の全員が最新最速の箒、『ニンバス二〇〇一』を所有していた。どうやらマルフォイの父親が購入したみたい。

 

ここで問題が起こった。

マルフォイは金の力でチームに入ったのだろう。ハーマイオニーがそれについて、グリフィンドール選手は才能で選ばれていると反論した。そこでマルフォイはハーマイオニーに、『穢れた血』と罵った。『穢れた血』とは、魔法族の血がない、純粋なマグルから生まれた魔法使いに対する、最低な侮辱だ。

その侮辱を聞いた私たちグリフィンドール選手は、全員が杖を取り出そうとした。でも瞬きしたときには、目の前からマルフォイは消えていた。

 

一瞬だった。

マルフォイの姿が消えたと思ったら、シロウによって壁に押し付けられていた。その方向にいち早く目を向けたのは、夏休みにシロウの動きを見た人たちだけで、他の人は何が起こったかわかっていなかった。

マルフォイは顔面蒼白になって、シロウに命乞いをしていた。シロウの顔には表情がなかった。それほどにシロウは怒っていた。そのときマグゴナガル先生が駆けつけなかったら、マルフォイはどうなってただろう? 考えたくもない。

 

クィディッチの今年初練習の日は、そのまま練習をせずにお開きになったことは、記憶に新しい。マルフォイもシロウも罰則を受けていた。ただ、マルフォイの罰則のほうが重かったけど。

 

 

でもそんな嫌なことばかりではない。

なんと私に新しい家族ができたのだ。その生き物は、ハグリッドが偶々森で見つけて保護したらしい。でも今まで見たことも聞いたこともない生き物だった。博識のマグゴナガル先生やスネイプ先生、ダンブルドア先生でさえ知らない生物。どういうわけか、私になついてしまったので、ならいっそのことペットにしようということになった。

で、その生き物はというと、

 

 

「パムパム~」

 

 

ダックスフント程の大きさで、全身は基本黄色のふわふわな毛に包まれている。大きな耳に大きな青い目。パタパタと羽ばたく翼。体に入る黒い縞模様。そしてフワフワな尻尾。

そして驚きなのが、私たちの言葉を理解、応答が出来る高スペック。一度テストしてみたら、なんと人間の8歳知能は普通に有していて、これならペットという扱いは、ってことで家族になった。

 

名前は私とロン、ハーマイオニーにシロウの四人が候補を出し、この子が気に入ったものに決められた。そして付いた名前が『ハネジロー』。因みに他の候補は、『パム(by.シロウ)』、『ブルー(by.ハーマイオニー)』、『ウィング(by.ロン)』といったものだった。

 

 

「ハネジロー、おいで」

 

「パムパム~、マリーと散歩」

 

 

パタパタと飛んできて、私の腕に収まるハネジロー。結論、可愛い。

 

 

「本当に不思議な生き物だよね」

 

「ええ、今でも驚きが治まらないわ」

 

「しかも生活能力は人間と然程変わらないときた」

 

 

そうなのだ。

ハネジローは基本的に私たちと同じものを食べるし、なんとトイレも態々お手洗いに行く。しかも男子トイレ。寝る時間帯も私たちと一緒。もうペットなんて言えないよね。因みにハネジローの大好物はピーナッツ。

 

ハネジローの登場によって、グリフィンドールの寮内だけでなく、ホグワーツ内がほんわかな雰囲気に包まれるようになった。スリザリンの生徒でさえ、女生徒はハネジローの影響で他寮差別を控えるほど。ハネジローって凄い。

 

 

そんなハネジローを連れて今はお散歩中。ハネジローに自由に行動させて、私が着いていく形を取ってる。だってその方がいいじゃん? それに、日中は基本的に自由に行動させてるし。

 

と、そこにゴーストのニコラスさんと出会った。

ニコラスさんはグリフィンドールのゴースト。何でも亡くなるときに、とても切れ味の悪い斧を使って処刑されたせいで、首の皮一枚だけ繋がったままゴーストになったらしい。そのことから、ホグワーツの生徒からは『ほとんど首無しニック』と呼ばれている。私はニコラスさんと呼んでるけどね。

 

 

「ニコラスさん、こんにちは」

 

「パム、コンニチハ」

 

「おお、これはこれは。ご機嫌ようマリー殿、そしてハネジロー殿」

 

 

ニコラスさんは明るく返事をしてくれたけど、どこか空元気を出している感じがした。先程からウンウンと頻りに唸って悩んでいる様子だ。

 

 

「ニコラスさん、どうされたんですか?」

 

「パム~、悩み事」

 

「ああ、いや。大したことでは無いのですが……」

 

 

ニコラスさんは言葉を濁す。

 

 

「……実は来週末、丁度ハロウィンの日が私の絶命日でして。その記念のパーティーを開くのです」

 

「は、はあ。絶命日、ですか」

 

「左様。それでゲストを呼ばねばならんのです。すみませんがマリー殿、もし宜しければ来ては下さらんか? 無論ご学友もハネジロー殿も一緒に来ていただいても大丈夫ですぞ」

 

 

絶命日パーティーって言うのか。たぶん参加者はほぼ全員ゴーストだろう。そこに自分等のような生者がいても、場違いにはならないだろうか?

 

 

「確かに参加者にはゴーストが多い。ですが生きてるか死んでるかなど、余り気にしませんぞ」

 

「そうですか。なら喜んで参加させていただきます」

 

「おお、それは誠ですか!! いやはや嬉しいことだ、是非いらしてくだされ」

 

 

どうやらニコラスさんの機嫌は良くなったようだ。彼はそのまま壁をすり抜けて消えていった。

 

結論から言うと、他の三人もハネジローもパーティーに参加した。料理はゴースト専用のものしかなかったけど、寮にシロウが軽食を用意したみたいだから、私たちは帰ってからそれを食べることにした。

因みにパーティー参加した、ホグワーツの外からきたゴーストたちは、シロウを一目見ると畏怖したような視線を向け、同時に羨望と敬服した態度を示していた。シロウは嫌そうにしていたけど。

 

で、パーティーから退場し、私たちは寮に向かっていた。パーシーとマグゴナガル先生には、絶命日パーティーに参加する旨は伝えてあるので、大広間には行かない。

 

 

━━ ……す ……殺す

 

 

「なに?」

 

「どうしたの、マリー?」

 

「……何か声が……」

 

「声だと?」

 

 

━━ ……殺す……殺す……

 

 

「ほら、また!! 三人とも聞こえないの?」

 

「いえ、私は」

 

「僕も何も」

 

「……」

 

 

おかしいな。私には今はっきりと聞こえた。ついでに何かが這い進むような音も聞こえる。ハーマイオニーとロンはきょとんとした表情を浮かべ、シロウは何か考え込む顔をしていた。ハネジローは私の肩に降りてじっとしている。

 

 

━━ ……殺す……殺す!!

 

 

「!! 誰かが殺される!!」

 

 

私は今の声を聞き、その声の向かった方向に走り出した。後ろからハーマイオニーたちが呼び止める声が聞こえるけど、私は無視した。ハネジローは私の背中に捕まり、シロウは私に並走している。

廊下を走っている途中、その床が水浸しになっているのに気がつき、私は足を止めた。何で床がこんなことに。手掛かりを探すために周りを見渡すと、奇妙なものを見つけた。小さな蜘蛛が列を成して外へと向かっている。

 

 

「……蜘蛛?」

 

「何で外へ逃げて……ロンどうしたのよ?」

 

「あ、いやその……僕蜘蛛が苦手で……」

 

 

……この際ロンの蜘蛛嫌いは置いておこう。それよりもこの状況だ。他に何か情報はないのだろうか?

 

 

「マリー、壁、モジ」

 

「壁? 文字?」

 

「パーム」

 

 

ハネジローに言われ、壁を見た。そこには鮮やかな赤で、壁に文字が書かれていた。

 

 

『秘密の部屋・開か・たり。継承━━敵━━つけ・』

 

 

文章はあとの方にいくと、何を書いているかわからなかった。でもどこか書くのを止めようとしている感じだった。誰かが無理矢理書かされたのだろうか? でも近くに人影はない。

ん? あれは……ッ!?

 

 

「……そんな」

 

「なんで?」

 

「……石化してるな」

 

 

フィルチさんの飼い猫、ミセス・ノリスが石になり、壁のランプに引っ掛かっていた。そこに夕食を終えた生徒がやって来た。

不味い。

今のこの状況は、端から見れば私たちがやったように見られる。それだけは避けたい。でも現実は無情か、後ろからも前からも生徒の集団が来てしまった。そして皆壁の文字と石化した猫を見てざわめき出した。

 

 

「秘密の部屋、継承者、敵。成る程ね。次はお前たちだぞ、『穢れた血』め」

 

 

マルフォイは壁の文字をみて、私たちに言いはなった。教師たちも駆け付け、私たちに質問をした。猫を石にされたフィルチさんは冷静でなくなり、私を犯人と決めつけて、先生たちの制止も聞かずに私を連行しようとした。

そのときハネジローの目が青く光り、その目からホログラムのようにここ数時間の私たちの映像が流れた。まずハネジローのその力に物凄く驚いたけど、同時に私たちの無罪が立証されたので、私たちはそのまま寮に戻った。

 

それにしても、秘密の部屋か。まさかドビーが夏休みに言っていた危険って、これのこと? ということは、今回で終わりではないってこと? それに継承者って何だろう。謎は深まるばかりだ。

 

 

 

 






はい、ここまでです。
こんな中途半端な終わり方ですみません。現在スランプ気味です。

さて、初登場のマリーのペット、もとい家族のハネジロー。
最初は機動で戦士なOOに出てくるボール型ロボ、『ハロ』にしようと思ったのですが、流石に五月蝿くなると思い、第二候補だったハネジローを投入しました。
このハネジローは、所謂平行世界のハネジローであって、ファビラス星人は関係ありません。


さて、次回は狂ったブラッジャーです。

それでは今回はこの辺で。


最近スランプ気味、fateのほうが思い付く今日この頃。



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