紅魔館に帰って来た!
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レミリアを元気づけた(今ココ!)
~翌日の朝~
優「話とはなんでしょうかレミリアさん」
全員で朝食を食べ終えた後、俺はレミリアに呼ばれて今はその話を聞こうとしている。
レミリア「昨日、寝る前に能力がいきなり発動されてこの先の運命を視たわ」
優「成程、つまりその見た運命が俺に関係していたと言う事ですね」
レミリア「ええ、その通りよ。私が視た運命は『貴方が新たな力を手に入れる』というものだったわ」
優「新しい力か…そんなに頻繁に手に入れても困るんだよな…」
レミリア「それで貴方はどうしたいの?力を手に入れたいのかしら?」
俺はその場でうーん…と数秒悩む。だが、直ぐに決心する。
優「(…今の俺じゃあ力不足かも知れない。だったらもう答えは決まっている!)俺は…力を身に着けたいです!」
レミリア「そう、じゃあ急いで紅魔館から出る準備をしなさい」
優「えっ?」
レミリア「私がその時に視た場所は違う場所よ。そうね…白玉楼。そこへ行きなさい」
優「白玉楼…わかりました、直ぐに準備します!失礼しましたっ!」ダッ
俺はレミリアの部屋から出て、急いで自室へ向かい、旅立つ準備をする。荷物は少ないので5分もかからなかった。
優「よしっ、こんな感じかな…?レミリアさん、泊めて頂き有難うございました!」
レミリア「貴方ならいつ来ても歓迎するわ。またいらっしゃい」
優「はい!それでは」ダッ
俺が走り出した瞬間、レミリアがある事を思い出し、優を呼び止める。
レミリア「あっ優!」
優「何ですかー?」
レミリア「右目に気を付けなさい!白玉楼までは右目を意識して向かうのよ!」
優「?わかりましたー、気を付けまーす!!」
レミリア「(ふぅ…これで大丈夫かしらね。安心したら喉が渇いて来たわね…)咲夜、紅茶を用意して頂戴」
レミリアがそう言うと、何処からともなく咲夜が現れて『畏まりました』と言ったら再び消え、数秒で紅茶を用意してレミリアの元へやってくる。
咲夜「どうぞ紅茶です」カチャ
レミリア「有難う。…うん、いつも通りおいしいわ。この調子で頑張りなさい」
咲夜「お褒めに頂き光栄です。それでは私は仕事へ戻ります」パッ
レミリア「ズズ…(後は貴方次第よ、優。頑張りなさい)アチッ?!…舌火傷しちゃった…」ショボーン
~優サイド~
優「う~ん、やっぱり晴れている時に外に出るのは気持ちいいなぁ…!」ヒューン
俺は夏空の下、白玉楼へ今飛んでいる。あれ?そう言えば俺は去年の夏に幻想郷にいつの間にかに居たんだからもう1年は在住しているのか?
優「時間って言うのはあっという間だなぁ…もう幻想郷に来て1年経つのか…ん?」
俺は飛んでいる最中に何故か違和感を感じる。そしてその次の瞬間には今まで感じた事もない悪寒を感じ、俺は無意識に高度を下げる。
優「な、何だ今のは?!あの感じからしてただ事ではない…!!上に一体何が…っ?!」
俺は上を向くと、極太レーザーがさっき俺のいた所に放たれていた。俺は発射元を見てみると…
幽香「貴女、忌々しい取材をする所か花までも傷つけたわね!!」ゴゴゴ
文「あやややっ?!!あれは事故なんですよ~!!!」サッ
幽香が文にマスパを放っていた。なるほど、先程のマスパは幽香の流れ弾みたいな奴か。幻想郷来て1年…本当によく生きて来たものだな…。
優「(あれは文さんの自業自得だから助けなくてもいいよな?)さてと、巻き添えくらったらたまったもんじゃないし急ぐか」ギューン
俺は速度を上げて白玉楼を目指す。
青年全力で移動中…
優「ふぅ…辿り着いた…」
俺は白玉楼の門前でなだれ込むように座る。だってあんなに天気がいいのに雷に当たりかけるわ、箒が俺の右目を貫こうと言わんばかりに高速で飛んで来たし…外は気持ち良いけどやっぱり危ないな、うん。
優「さてと、ずっと座っている訳にはいかないからお邪魔させてもらいますか…すいませーん、開けてくれませんかー?」ドンドン
『シーン…』
…反応がない、どうやらただの留守のようだ。それか幽々子の『ご飯ちょうだい攻撃』にあっているか。
優「うーん…勝手に入ったら迷惑だろうし、ここは待っておくか」ポスッ
俺は階段に座る。そして顔を見上げ、冥界の真っ暗な空を眺める。
優「冥界の空は何だろうな…何か吸い寄せられる感じになる…」
そして空を眺めていた時、後ろから戸が開く音がする。
『ギイィ…』
優「ん?(妖夢さんかな…?)すいません、白玉楼に泊まりに―――」
妖夢「この賊めッ!!!」ズバッ
優「グッハァッ?!!」ザッシュワァ
妖夢「幽々子様を討つなんてこの魂魄妖夢が許さんっ!!」ズバァ
優「グオオッ?!!」ザシュッ
妖夢「これでトドメ――」
妖夢がトドメを刺そうと刀を突きたてた時――後ろから声がする。
???「妖夢」
妖夢「っ?!」ピキッ
一切温かみのない声が辺りを一瞬で凍りつかせる。妖夢はこの声の主を知っている。何故ならトラウマとなっているからだ。
妖夢「(こっこの体を串刺しにするような声は…!!)ゆ、幽々子様…?!」
幽々子「貴方は誰を切っているのですか?」
この口調はヤバい。本気で怒っている時の口調だ…。
妖夢「わっ私は、幽々子様のお命を狙う賊を倒そうとして…」
幽々子「賊…?その人は本当に賊って言っていたの…?」
妖夢「おっ仰ってはおりませんでしたが、あの悪意に満ちた声…欲に飲まれた非道なる感じ…正しく賊と判断できるような――」
幽々子「…はぁ。妖夢、貴方が切った者の顔をよく見なさい」
妖夢「切った者の…顔…?」
妖夢はゆっくりと振り返り、階段に横たわる者の顔を覗き込む。
妖夢「(…この死んだ魚のようなやる気のない目…)これは…ゾンビ?!」
幽々子「…」
優「…」
辺りはさらに凍りつく。誰もが思うだろう…此処まで来てもまだ気付かないか!と。
幽々子「妖夢、もう一度見なさい。本当にゾンビなの?」
妖夢「はいっ!この死んだ魚のようなやる気のない目…これは間違いなくゾンビです!」フンッ
妖夢は自信ありげに腰に手を置き、ドヤ顔になる。
優「妖…夢さん…」
妖夢「…えっ?」キョトン
妖夢は俺の声を聞いた時、頭の中が真っ白になる。そしてその数秒後、妖夢は全てを理解する。
妖夢「ひ、ひ、ひ…ひゃあああぁぁぁ?!!ま、優さん?!わ、わわわ私何て事を…!!と、取りあえず今屋敷に運んで治療しますんそれまで耐えてくださーい!!」
優「(すいません、妖夢さん…俺は体、感情共にダメなようです…)あ、う…あ」ガクッ
幽々子「妖夢」
妖夢「な、何でしょうか?!」
妖夢が落ち着きを忘れた所に、幽々子が追い打ちをかける。
幽々子「もし優を殺したら…食 べ て や る」ゴゴゴ
妖夢「ひっヒイイッ?!!優さん、絶対に死なないでください!今、今助けますから…!!あっ?!」ガッ
妖夢は焦ってしまい、優を背負って走り出した瞬間に自分の足でひっかかって転んでしまう。そして不運な事に、優が背負い投げされたかのように思いっきり地面に叩き付けられる。
『ズダーン!!!』
妖夢「あひゃああっ?!優さんすいません、余計な傷を増やしてしまいましたー!!」
妖夢はその後、優を色んな所にぶつけながらも屋敷へ連れて行き、治療するのであった。
優(デジャブな感じがするのは俺だけなのだろうか…グフッ)チーン
優は一時、生死を彷徨ったが何とか戻ってくる事が出来たとさ。
この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は白玉楼への移動でしたね。何か移動しただけで終わってしまった…これではダメだ…読者様に呆れられてしまう!!次回から気を付けなくては…!!
幻想郷はいつも通りカオスでした。と言う事で97話でした。
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!