何か全員が異常を感じていたらしい
↓
黒いモヤ討伐に向かうも優がピンチ(今ココ!)
優「ぐ、うぅ…(ダメだ、体が動かない…)」
レミリア「…」ザッザッザ
とうとうレミリアが俺を攻撃できる距離までやって来た。俺はどうしたら生き残れるかボーっとする頭で必死に考える。
優(取りあえず距離を取った方が良いな…目は何とか動かせる…よし、瞬間移動――)パッ
レミリア「…」ヒュッ
『ズガァァァン!!!』
俺が先程までいた所にはレミリアの拳が落ちており、床が崩落していた。
優(あ、危ねぇぇ?!取りあえず今動かせる部分を確認しよう…指と…目だけか。さて、どうやってレミリアを倒す?もし倒す事が出来たとしても黒いモヤを倒さなければ意味がない…)
レミリア「う、ウガアアァアァァアッ?!!」ビキビキ
優「?!」
いきなりレミリアが苦しみだす。すると鎧が変形し、刺々しい見た目へ変化する。それと共にレミリアの行動も変化する。
レミリア「…」キュイン
優(ッ?!右目っ!)ギンッ
『ドゴォォン!!!』
優(くっ…軽く掠ったか…それにしても何なんだあの速さ?!取りあえず瞬間移動したから助かったけどもう次は無いぞ?!多分)
何とレミリアは俺の目で捉えきれない程の速さで攻撃してきたのだ。
レミリア「…」キュイン
優(しまった?!ん…?あれ、何かスローモーションになってる?あ、自分もだ…何だこれ、だんだん拳が俺の顔面に近づいて来てとても怖いんだけど…ああ、そっかこれは死ぬ前の前兆か…もう避けられないんだな畜生…)
俺はそう直感で感じ取り、そのまま目を閉じる。だが、レミリアの拳が俺の顔面に触れる直前、違和感を感じる。
『ブゥン』
優(?!この感じは…まさか時止め?!)
咲夜「どうやら…間に合ったようね…ぐっ!!」
優「さ、咲夜…さん…」
壊れた壁の奥から咲夜がよろめきながら時を止めて現れる。
咲夜「一体何なのこれは…お嬢様が何であのような姿に…」
優「ぐ…(何とか起き上がる所までは回復できたか…)詳しくは言えませんがレミリアさんは憑りつかれて今暴走してしまっているんです」
咲夜「お、お嬢様を何とかできないの?!」
優「大丈夫です、しっかりと方法があります。この逆刃刀でレミリアさんに攻撃するんです」
咲夜「…見た感じそれは銀じゃなさそうね」
優「はい、鉄ですから。そしてレミリアさんに攻撃して終わりじゃないんです。攻撃に成功した時、黒いモヤのような物が飛び出してきます。それを倒してやっと一件落着です」
咲夜「貴方、既に虫の息の様だけど可能なの?!」
優「…無理そうです。ですので力を貸していただけませんか?」
咲夜「…わかったわ。私は何をやればいいの?」
優「有難うございます。咲夜さんはこの逆刃刀で攻撃し、黒いモヤを倒す役割をお願いします」
咲夜「私、逆刃刀を持ってお嬢様に攻撃する事が出来るのかしら?こう見えても腕力はあまりないのよ…」
優「大丈夫です。…分裂!」ズニュゥン
俺は能力を使って逆刃刀を咲夜がよく使うサイズのナイフの大きさまで分裂させる。そうすると7本の逆刃ナイフが出来た。
咲夜「私が使っているナイフよりちょっと重いくらいね…これならいけるわ」
優「俺はあの鎧を破壊しますので破壊し終わったら咲夜さん得意のナイフ投げでレミリアさんに当ててください」
咲夜「あの鎧を破壊するって一体どうやって…」
優「…もう頭の中で策略は出来ていますので安心してください。まず準備として結界を張らせてください」
俺はレミリアから5m位離れた感覚で四角形の結界を張った。だがその時、俺も結界の範囲に入ったまんま張ったのだった。
咲夜「優?!貴方、何をやっているの?!」
優「…よし。咲夜さん、時止めと解除してください」
咲夜「本当に何を…!!ああもうっ、勝手にしなさい!ただし絶対帰ってきなさいよ!!」
優「もちろんです。いまさら死んでたまるもんか」
咲夜「…解除」ブゥン
レミリア「?」ベキッ
『ドォォン!!』
時間が動き出すとレミリアは動きだし、拳が結界にぶつかって音が響く。
優「後ろががら空きですよ」ギュッ
レミリア「?!」
俺はレミリアに後ろから抱きつく。てか刺々しいから痛いな…
優「さて、吸収!!」ズニュゥ
レミリア「…」ヒュッ
優「ぐっ?!(やっぱりだ…この力は純度が高い。怪我よりも再生の方が上回っている…そして俺の霊力ももう満タンか…)」
俺はレミリアに殴られようと決して離さず、例え自分の霊力が満タンになったとしても離さなかった。そしてだんだん俺の体が赤く光り出す。
優「絶対に耐えてみせる…!!レミリアさん、もうちょっと我慢してください」カァァ
咲夜「ぐ…この熱気…まさか自爆する気?!」
そう、俺はわざと許容範囲の霊力を超えてまで吸収した理由はこれだったのだ。
優「ダメだ…もう爆発が抑えられない…」カァァ
『ズガァァァン!!!!!』
そしてその時は直ぐに訪れた。優とレミリアを中心に大爆発が起きる。結界にはヒビが入り、音が漏れ、爆風も漏れてくる。そして結界が壊れると同時に爆発も収まる。そこには地面に倒れた優と膝を落とすレミリアがいた。
咲夜「よ、鎧がすべて砕けている?!これなら…!!幻世『ザ・ワールド』」ブゥン
咲夜は直ぐにスペカを発動し、レミリアの周りに逆刃ナイフを設置する。
咲夜「お嬢様、今助けます!」パチンッ
『ブゥン』
咲夜が指を鳴らすと時は動きだし、設置していた逆刃ナイフがレミリアへ飛んで行く。そして見事命中した。
レミリア「ぐあアァ…?!!」ズズズ
咲夜「あれが優の言っていた黒いモヤ!あれを倒せば…!幻符『殺人ドール』」ズザザザ
『シュゥゥ…』
咲夜は黒いモヤを確認するとスペカを発動し、切り刻む。そして黒いモヤは消滅した。
咲夜「ぐ…(私も、限界の様ね…)」ドサッ
全てを出し切った咲夜は力尽き、その場に倒れる。
そしてこの場で意識がある者は居なくなった――――
~???~
――ここは何処だ?
――前にもこの感じ体験した事がある…
『…さる、優…』
――…誰?俺を呼んでいるのは誰?
『優、しっかりしなさい』
――何だろう…この声、何処かで聞いた事あるけど思い出せない…
『思い出さなくても大丈夫。多分、また会える日はそう遠くないわ』
――…。
『そう、いい子ね。時間がないわね、手短に話すわ。そう遠くない未来に幻想郷が滅ぶ危機に見舞われるわ』
――どういう事?
『言った通り。もうちょっと細かく説明したいんだけど時間がないからね…』
――俺はどうしたらいいの?
『そうね、取りあえず【三途の川】へ行きなさい』
――…死ねって言っているの?
『そ、そういう意味じゃないわ…本当にその場所があるから幻想郷の住民に聞いて行きなさい』
――うーん、何かなぁ…
『…!ごめんなさい、時間の様だわ』
――えっ?!まだ俺、よくわかっていな――――?!
『大丈夫…また、話し合えるから安心して――――』
辺りは光に包まれ、全てが真っ白になった。
??「…なさいよ」
何だ…誰かの声が聞こえる…
??「起きなさいって言っているでしょ…!!」
声が震えている…泣いているのか…?
??「優…!!」
そうだ…俺は確か紅魔館でレミリアさんを…!!
優「レミリアさん!!」
??「うっひゃあッ?!!」ビックゥ
優「…あれ?ここは…」
永琳「おはよう、優。体調はどうかしら?」
優「…永琳さん?と言う事はここは永遠亭…」
永琳「ご名答。それと貴方のすぐ隣にいる子を気にかけてあげて頂戴。ずっと貴方の名前を叫んでいたのよ」
優「隣…?」
俺は横を見ると、鈴仙が涙を流しながら尻餅をついていた。
優「あ、あの鈴仙さん?」
鈴仙「う、うわぁぁぁん!!!何心配掛けさせているのよぉぉ!!!!」ガバッ
優「うごあああっ?!!」ビキッ
鈴仙が急に抱き着いて来たと思ったら全身に激しい激痛が走る。俺はその痛みに耐えきれず再びブラックアウトする。
優「あぅ…」ガクッ
鈴仙「きゃあああ?!!!ま、優ーー!!?」ガビーン
『ピーー』
永琳「ちょっ?!何心肺停止にさせているのよ?!今すぐ蘇生作業に移るわよ!」
鈴仙「はっはい?!(本当にゴメン、優!!)」
俺はその後、永琳さんの適切な処置により、命を取りとめました。
この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回、レミリアさんが何とかなりましたね。咲夜さんが来ていなかったら今頃は…ああ恐ろしい!!
そして鈴仙は優に止めを刺すも、永琳によって阻止されると…とんでもないな…
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!