起きると何故か両腕に依姫と豊姫が…
↓
治療の内容を聞いた後、子供たちの元へ(今ココ!)
優「失礼しまーす」ガチャ
『ドタドタドタ!』
優「お、おお…!みんな元気だな…!!」
扉を開けると兎の耳が生えた少女達が凄い速さでうさぎ跳びをしていた。すると、奥にいる監視役の玉兎が優に気付いて優の方へやってくる。
玉兎「優さんですね。現在、運動時間中なのでこのようにうさぎ跳びをしているんですよ。あと2分程度お待ちください」
優「あ、はい(成程、運動時間中か…それにしても数がかなり多いな…)」
俺が目で確認すると最低でも1、2、3…40匹ぐらい居るだろう。それにしても可愛らしいウサ耳を揺らしながら走る姿は癒されるなぁ…
数分後…
玉兎「そろそろかな…?スゥ…終了~~!!!お疲れ様、今日はもうありませんので後日はゆっくりと過ごしてください。見る担当として、私とこの男性が一緒に過ごします。以上!」
子兎少女達『は~い!』
子供達は一斉に動きだし、その場で寝っころがる者や、共にチェスや将棋をして遊ぶ者がいた。
優「成程…距離はかけ離れているけど遊びは地球と同じ事をするんだな…ん?」
俺はある事に気付く。ちょっと離れた所から俺の方をチラチラと見てヒソヒソと5人くらいの少女達が話をしているのだ。そして1人が俺の方に近づいてきた。
子兎A「ねぇ遊ぼ?」
優「いいよ。何をするんだ?」
子兎A「格闘ごっこウサ」
優「格闘ごっこ…(子供でも妖怪だ。おそらく大人を黙らせる程の力は持っているだろうな…注意しておこう)よし、じゃあやろうか!何時でも来い!!」サッ
子兎A「うん、えいっ」ポカッ
俺は一応身構えたが、想像していたのとは違い、本当に子供の用だった。
優「(あれ…?考え過ぎだったか…?)今のは良いパンチだったぞ…今度は俺の番だっ?!」ベキッ
いきなり俺の後頭部に衝撃が襲う。振り返るとニヤニヤと笑っている子兎がいた。
優「痛っ?!くっ、キミは…」
子兎B「ふっふっふ…敵を一人だと思ってはいけないウサ!」
優「そ、そうか…なら今度こそ俺の――がっ?!」ドカッ
今度は背中から強い衝撃が襲い、俺は地面に転がる。
子兎C・D「ここに子兎が何匹いると思っているウサ?」
優「ぐっ…(何だあの力?!やはり妖怪、身構えた方が良かったな…)こ、今度こそ――――ぐはぁっ?!」バコーン
子兎E「必殺『飛び膝蹴り』ウサ」ニヤッ
優「ぐおお…みずおちに…!!」プルプル
俺が動き出そうとすると、物凄い高速で俺のみずおちに飛び膝蹴りを入れてきた子兎。奴は…おそらく子兎達の中でも上位の強さだ…。
優「良いだろう…本気を出してやる!!行くぞ、うおお――ごはぁっ?!」ドガガガ
優が突進しようとすると、周りにいた子兎達が一斉に俺に飛びかかり襲い掛かって来た。
優「ぐぅ…やはり子供は元気が一番だ!うごあっ?!」ドゴッ
子兎達『ウサウサウサッ!!』ヒュヒュヒュ
優「(くっ?!これは結構マズイ?!)ぎょ、玉兎さん!助けて!」
玉兎「すー…すー…」コクリコックリ
優「お、起きてください?!助け――がはぁっ?!!」ドゴッ
子兎達『ウサササッ!!』ヒュヒュヒュ
俺は子兎達と一方的な遊びをやり続けた。
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豊姫「可愛い子兎達を拝もうかしら♪みんな~桃を持ってきたわよ~♪っ?!」ガチャ
豊姫は目の前の光景に思わず目を丸くする。何故なら―――
子兎達『ウサウサウササッ!!』ベキベキベキ
優「あばばばっ?!」ベキッドカッ
優が子兎達に壁まで追い込まれ、暴行を受け続けているのだ。
豊姫「な、何であんなボロボロになるまで?!玉兎がついていた筈――」バッ
玉兎「くかーっ(爆睡中…)」
豊姫「な、何で寝ているの?!と、取りあえず優さんを助けなきゃ!みんな、こっちに来て桃を食べましょう?」
豊姫が大きな声を出すと、子兎達は豊姫の存在に気付いて優から離れて行く。子兎達に桃を与えてから優の元へ駆け寄る。
豊姫「ま、優さん?!大丈夫ですか?!」
優「ぐふっ…豊、姫さん…すいません、子供と言って油断しました…」
豊姫「喋らない方がいいです!ゆっくりと寝ていてください!」
優「さ、最後に…わかった事があります…子供は元気が…一番だと…言う、こ…と…」ガクッ
豊姫「き、気をしっかり!そうだ、桃を食べされれば…えいっ!」
優「ムガッ?!」モゴッ
豊姫「食べてください、多分元気になりますから!えいっ!」
優「ンゴッ?!」プルプル
豊姫が優の口へどんどん桃を入れていっている中、騒ぎを聞きつけて依姫がやって来た。
依姫「何の騒ぎだ…ってお姉様何をしているんですか?!」
豊姫「いやね、優が子兎達に暴行を振るわれて倒れちゃったから桃を食べさせたら元気になるかなー?って」
依姫「いや、お姉様。これは助けるどころか止めを刺していますよ…」
豊姫「え?」
優「…」ブクブクブク
豊姫「きゃっ?!優さん、優さん?!」
優は白めになり、口から桃と泡を吹いていた。その後、依姫が治療機器で治療を行い、一命を取り留めた。
優「うぅ…気持ち悪い…」ウーン
依姫(優を治療させてやるどころか怪我を悪化させているみたいだな…私の元に居てくれた方が良いのだろうか?)
こんな感じの出来事が毎日起こり、そして12日後――――。
依姫「うん、予定より5日ぐらい伸びてしまったが完治したぞ」
優「うぅ…すいません…」
豊姫「ご、ごめんね?まさか人間の体がそこまで脆いとは思わなくてつい…」
そう、豊姫は俺に無茶ぶりを振ってくるので怪我が絶えなかったのだ。依姫から豊姫の言う事を聞かなくていいと言われてもつい従ってしまうのだ。
依姫「どうする?もう帰るか?」
優「はい、名残惜しいですけどそうさせてもらいます。地球でもやらなくてはいけない事もあるので」
豊姫「いつでも来なさい。そしたら3人で一緒にお風呂に入りましょ?」
依姫・優「ブッ、お姉様(豊姫さん)?!」
豊姫「ふふふ~やっぱり貴方達可愛いわ~♪」
優「はぁ…依姫さん、頑張ってください…」
依姫「ああ、有難う…」
優「じゃあ俺は帰る準備をしますね」
俺は荷物を取りに部屋へ向かった。
優「木刀と、逆刃刀と…」ゴソゴソ
豊姫「優さん…?」
優「何ですか、豊姫さん。またからかおうとしているんですか?」
豊姫「いいえ、お礼を言いに来たのよ。貴方があの巻物を使ってくれなかったら私達は変われなかったわ。有難う」
優「…俺はあまりやりたくはなかったんですけどね」
豊姫「それでも私達を変えてくれたのは変わりないわ。ねぇ、目を瞑って下さらない?」
優「はい、いいですよ」スッ
俺が目を閉じると、頬に柔らかくて暖かい感触が伝わってきた。俺は慌てて目を開けると、目の前には顔を赤らめた豊姫がいた。
優「あ、あの…豊姫さん?!」
豊姫「は、早く行くわよ!帰りたいんでしょう?!」グイッ
俺は豊姫に引っ張られ、依姫の所へ戻ってきた。
依姫「用意できたか。ん?どうした、顔が赤いぞ?」
優「いっいや何でもありません!」
依姫「そうか。また月に来てくれ、歓迎するぞ」
豊姫「じゃあ行くわよ、いきなり景色が変わるから注意して」
優「はいっ!楽しかったです、有難うございました!!」ニカッ
豊姫「能力発動!!」カッ
『パッ!』
俺は2人に最高の笑顔を最後にその場から消えた。
この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回で月編終了~との事なんですけど、最後が無理矢理な感じがする…気のせいであってほしいな。
と言う訳で、次回は優が地球へ帰ります。
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!