中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
目覚めると月にいた
 ↓
実験された所に創造者が乱入し、力が暴走
 ↓
月人と優の戦いが始まった(今ココ!)



#86 薬、ダメ!絶対!!

依姫・豊姫「私達に戦いを挑んだ事、それが『罪』!罪人はおとなしく地獄へ行ってなさい!」

 

2人が同時に言うと依姫から攻めてきた。

 

優「そぉらぁ!!」ヒュッ

 

依姫「はああッ!!」キュイン

 

 

『ガキン!!』

 

 

依姫の長刀と優の木刀がぶつかり合って衝撃波が生じ、お互い屋敷外へと吹っ飛ばされる。

 

優「何だぁその力!!いいぞ、もっと踊れぇ!!」

 

豊姫「残念だけど、一瞬で終わるわ」ザッザッザ

 

優へ豊姫が歩いて行った。豊姫は笑っていた、何かを隠しているように。

 

優「ん?豊姫は強いのかぁ?」バッ

 

優が豊姫に飛びかかった瞬間、目の前に依姫が現れた。いや、依姫の前に移動したと言った方が正しいだろう。

 

依姫「ハッ!」

 

そして俺は対応仕切れる筈もなく―――

 

『シュババババン!!!』

 

粉々に斬られた。だが超高速再生薬のお蔭で直ぐに元通りになる。

 

優「何て速さだ…!刀を全く捕えられなかったぞ…!!」

 

依姫「なるほど…超高速再生剤か。厄介な薬だ…」

 

優「じゃあ次は俺の番だ…月符『ムーンライト』」ズドドド

 

俺は中くらいの弾幕を高速に展開するスペカを発動した。月にいるからなのか、力が暴走しているからなのかはわからないが、通常の20倍以上もの数、そして威力で発射されていった。

 

依姫「フン…遅い。そして密度が薄い」サッサッ

 

だが依姫はそれを物ともせず、全てを避ける。

 

優「?!」

 

依姫「『天津甕星』」ピカァァ

 

優「ぐおっ?!眩しっ?!」

 

いきなり辺りを強く照らす光。その光は目を閉じてさえも眩しく感じる程であった。

 

依姫「これは大気に遮られない本来の星の輝きだ。どうだ、美しいだろ?だが愚民共はこれを遮ってしまう」

 

優「おいおいおいおい、眩しいなぁ!!この光はいつ治まるんだぁ?!」

 

依姫「フッ…聞いた私が馬鹿だったな。終わりだ…塵すら残らぬと思え!『火雷神』」ズガガガ

 

優「ごはっ?!」

 

俺は一瞬何が起こったのかわからなかった。気付けば自分の体が焦げていた。そして所々消滅していて一気に再生している。

 

優「ぐっ…?!(木刀と逆刃刀の能力で俺本体へのダメージを瞬間的になくしたか!!)」

 

依姫「ほう…貴様はかなり頑丈なようだな…」

 

優「そりゃどーも!!くらえや…!!」ゴオオ

 

俺は依姫を掴み、掌に力を限界まで一気に溜める。そして直ぐにそれを零距離で放出する。

 

優「はあッ!!」ピカッ

 

 

『ズガァァァン!!!!』

 

 

辺りには轟音が響き、星を揺らす。そして地面にはかなり特大のクレーターが出来る。そしてその中心に2人の人影が見える。

 

優「…」

 

依姫「やはり到底敵わんな。例え今の様に全力で攻撃しても私の服にすら傷がつかない」

 

優「硬すぎるだろ…!!」

 

豊姫「あらあら激しいわねぇ」

 

優「強ぇな…能力を全開で使うか…【俺から半径100mは俺の空間だ】」ブゥン

 

俺は自分の空間を展開する。

 

依姫「貴様の能力は『空間操作』か…人間にしては大層な能力だな」

 

優「…これからお前らは俺に手も足も出せなくなるぞ」

 

豊姫「まぁそれは怖い事…自分の状況を理解できていないことがね」

 

優「『時間停止』」ブゥン

 

次の瞬間、その空間内のだけが止まる。

 

優「…(霊力の消費が激しい…時止めはあと2回ぐらいしかできないな)炎符『業火の槍』」ボオッ

 

俺は連続で槍を創造し、豊姫と依姫の周りに10万本というありえない単位で隙間なくびっしりとセットする。

 

優「貴女達はどれだけ繰り返せますか?『時は動き出す』」パッ

 

豊姫・依姫「?!!?!」

 

優の空間外は変わらず時間が動いている。優が能力を解除した時に空間内の時間は、無理矢理周りの時間に戻される。そして時を止めていた間の時間は生き物は動けないし、思考も止まっている。だが物質は違った。無理矢理時間の中で動けたのだ。なので例え豊姫達が動けなくても、業火の炎は真っ直ぐに豊姫達へ向かっていったのだ。

つまり、気付けば当たっていた。避けようがないのである。

 

豊姫「ぐっ…」

 

依姫「貴様は今何を…(月人の私でさえ…何もわからなかった…!!)」

 

優「やっと膝が付きましたね…どうですか?愚民に膝をつかされる気持ちは?」

 

依姫「くっ」ヒュッ

 

優「おっと…」バッ

 

依姫が刀を大きく振る。だが、俺は大きく下がり回避する。

 

豊姫「依姫、下がりなさい。扇子を使うわ」

 

依姫「お姉様?!こんな者何かに使ってしまっては…!!」

 

豊姫「これ以上戦うと月がどうなるか分からないもの。だから直ぐに終わらせるわ」

 

依姫「分かりました…」

 

豊姫「ありがとう。さて、覚悟はいいかしら…?」ゴゴゴ

 

優「?!(何だ…すごい嫌な感じがする…)」

 

豊姫はゆっくりと俺に歩み寄る。その姿には目の前にいる優にしかわからない威圧感が放たれていた。

 

豊姫「もう終わりにしましょう。これだけ暴れたら満足したでしょう?」

 

優「…気のせいか。本当に月人っていうのは硬いな。俺の霊力がもう3分の1しかないぞ…!!」

 

豊姫「…」ザッ

 

優「ん…?」

 

豊姫「散れ」ブンッ

 

豊姫は俺に向けて扇子を仰ぐ。その時、風が発生するのだが俺の方へ来る前に目の前の地面がフッと消える。

 

優「まずい?!空間移動―――」

 

豊姫「遅い」

 

 

『フッ…』

 

 

優がいた所は地面ごとフッと消えた。

 

豊姫「…ふぅ。まぁ強かったわね。薬の効果ごと浄化されていると思うから再生すらできないでしょう」

 

依姫「すいません…私が力を勿体ぶって抑えていなかったら…」

 

豊姫「いいえ、しょうがないわよ…さて、桃を早く食べましょう!」

 

依姫「お姉様、少しは量を考えてください…」

 

豊姫、依姫が背を向けた瞬間に空気が変わった。

 

豊姫・依姫「――ッ?!」

 

優「うらぁ!!」ズババン

 

消された筈の優が――何と存在していた。

 

依姫「ぐっ?!何故貴様が生きている?!」

 

豊姫「無事だなんてね…」

 

優「無事じゃあありませんよ」スッ

 

俺は左腕を見せる。すると肘から先が無くなっていたのだ。

 

優「どうやら薬の効果も切れたみたいでようやく自我に戻れました。数々の無礼をお詫び申し上げます」

 

依姫「今更謝罪してももう遅い…!!これだから地球人、愚民共は罪深い…!!」

 

優「…」

 

豊姫「地球人として生まれて来た時点で皆罪人。地上に住む。生きる。死ぬ。それだけで罪なのです」

 

優「そうだ…俺は罪人だ。そして愚民さ。でもな…」

 

俺は依姫と豊姫を睨み、狂気のオーラを全開で放出して言う。

 

依姫・豊姫「?!」

 

優「俺の知り合い、幻想郷、地球を馬鹿にするなら許さねぇぞ…!!」ズズズ

 

依姫(何て穢れたオーラなんだ…?!)

 

豊姫(何でこの地球人に『恐怖』と言う感情が生まれてくるの…?科学力を使ったらあんな者など一瞬で終わるのに…!!)

 

優「ああ、後貴女達疲れやすいなぁと思ってはいませんか?」

 

依姫(確かに力の消費量が明らかにおかしい…こうしてじっとしている間でも減っている…)

 

優「その原因はこれですよ」スッ

 

俺は木刀を2人に見せる。そしてその木刀の能力を伝える。

 

豊姫「でもそれではまだ条件が整っていないわよ?接触もしていないのに何故吸収できるのかしら?」

 

優「それは残念ですけど言えませんね…さて、第2回戦と行きましょうか!!」ゴゴゴ

 

豊姫、依姫と優が同時に戦闘態勢に入る。月での最終決戦が今、始まる――

 

 

 

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は戦闘回でした。やはり戦闘回を書くのは苦手です…それに説明がややこしい!わかりずれぇ!こんな酷いのは見た事がない!はぁ…道はまだまだ長いですね…
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

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