中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
優の治療法の発表!

永遠亭で過ごす(今ココ!)


#84 不幸は度重なって起きるもの

優「…っ?!ハァ、ハァ、ハァ…ゆ、夢か…」

 

俺は朝、布団から飛び起きる。体から汗が大量に出ており、息も荒かった。何故なら夢であの光景が鮮明に出てくるからだ。そして永遠亭に泊まって既に5日間は過ぎているが、これと言った改善は見られなかった。

 

優「(これが毎日続いているから結構精神的にくるな…)また布団がびしょびしょになっちゃった…」

 

俺は汗で濡れた布団を洗いに、部屋を出て行った。

 

鈴仙「あら?また凄い汗…って優顔が真っ青よ?!」

 

洗いに行った時、鈴仙もいた。そして俺の顔を見た瞬間に鈴仙の目が丸くなる。

 

優「そ、そうですか?」

 

鈴仙「もうこれは異常よ?!早く師匠に診せなきゃ!」グイッ

 

優「うおっ?!」グンッ

 

俺は鈴仙に凄い力で引っ張られ、あっという間に永琳の所へ連れて来られた。

 

鈴仙「師匠~、師匠~!!優を診てください!」

 

永琳「…改善の効果は見られないか…それにしても今回は酷いわね。脈が速まっているし、顔色がもう誰が見てもヤバいって思うほど白いわよ?」

 

優「ちょっと今回はキツかったです…」

 

永琳「うーん…(どうしたものかしらねぇ…薬を使った方がいいのかしら…)」

 

優「トラウマを短時間で克服する事って可能ですか?」

 

永琳「…わからないわね。まず克服ができるかどうかもわからないわ」

 

優「そうですか…」

 

俺はこのあと体と心をほぐすマッサージを永琳と鈴仙にしてもらい、その日を過ごすことにした。

 

 

 

 

 

 

優「今日はどうしようかな…やっぱり手伝いで交流した方がいいよな。…ん?」

 

輝夜「…」チョイチョイ

 

廊下を歩いて予定を考えていると、輝夜が襖からちょっと出て手招いていた。おそらく部屋に入れと言う事だろう。

 

優「どうしました?」

 

輝夜「ふふふ…忘れたとは言わせないわよ」

 

優「?」

 

輝夜「○よ○よのリベンジよ!しかも今回はテ○リスともクロスしている特別版よ!」

 

優「テ、テ○リスですか?!」

 

俺は○よ○よができるが、テ○リスは全くと言っていい程できないのだ。

 

輝夜「つべこべ言わずに早速部屋で勝負よ!!」

 

優「うわああ、ちょっと待ってください!?俺はテ○リスが出来な――」

 

俺は無理矢理部屋へ入れられ、ゲームもさせられた。

 

 

青年・少女?対戦中…

 

 

さて、結果を簡潔に言おう。『完敗』

頑張って○よ○よで追い詰めたのだが、テ○リスで負けてしまった。全くできないから仕方ない。

 

輝夜「私の勝ちよ!」

 

優「何なんだ、あの強さ…敵わない…」

 

輝夜「私は満足できたから優はどっか行っていいわよ」

 

優「わ、わかりました…」

 

俺は輝夜の部屋から出て、再び廊下を歩きだした。

 

優「…今は昼だから誰も入っていないよな…?」

 

俺はゲームで汗をかいてしまったので、風呂へ入りに行った。

 

優「今度から昼に入ろうかな…」

 

服を脱ごうと上着に手をかけた瞬間、いきなり後ろから頭に強い衝撃が襲ってきた。

 

優「ぐっ?!」ベキッ

 

俺は何かと振り返ろうとしたら、その前にもう一度強い衝撃が頭に襲ってくる。しかも今度はビリッと電気が流れたような気がした。俺は耐えれる筈もなく気を失いその場でバタリと倒れる。

 

?「目標、沈黙しました」

 

?[そうか。そのまま連れて来てくれ]

 

?「了解です」ズルズル

 

優は何者かに引きずられ、永遠亭から消えて行った。

 

 

 

 

 

 

 

鈴仙「さてと、風呂場の掃除をしますか」

 

優が連れて行かれた5分後、鈴仙が脱衣所に入って来た。そして気付く、床に垂れている血を。

 

鈴仙「?!何これ血?!」ヌルッ

 

鈴仙は血の状態からまだ時間が経っていない事を確認する。

 

鈴仙「血が…伸びている?(これは明らかに引きずられた後…!そしてその傍には何者かの足跡…じゃあ一体誰が襲って、誰が襲われたの?)取りあえず全員を確認しなきゃ!」ダッ

 

鈴仙は慌てて脱衣所から出て、ちゃんと全員が居るかを確認しに行った。

 

永琳「どうしたのウドンゲ。何かあったのかしら?」

 

そこに永琳が話しかけてきた。

 

 

鈴仙「師匠!脱衣所で誰かが襲われて連れ去られていたんです!それで誰がいないかを確認したら…」

 

永琳「ちょっと待って。襲われたって言った?」

 

鈴仙「はい。血痕があってそれに辺りに髪の毛がいっぱい落ちてあったので、頭部を襲われたかと」

 

永琳「…そして誰がいなかったの?」

 

鈴仙「優の…姿がありませんでした…」

 

永琳「?!!(何故優が?!もう新聞が配られて疑いは晴れた筈…!)」

 

鈴仙「師匠、どうしましょう…」

 

永琳「鈴仙、貴女は博麗神社に行ってきなさい!そして霊夢に協力を要請しなさい!私は紫に頼んで見るから!」

 

鈴仙「わかりました!」バッ

 

永琳「さてと、手紙を書いてっと…」サラサラサラ

 

永琳は書いた手紙を持っている矢に結んだ。そして何処からか弓を出して、矢を持ち構える。

 

永琳「確か方向はあっちだったわよね…頼むわよ、紫!」ヒュン

 

永琳の放った矢は物凄いスピードで飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

紫「あと10分~~」スカー

 

紫は布団にくるまり昼でも寝ていた。だがそこに―――

 

 

『ヒュン!!』

 

 

紫「ふぇっ?!」ドスッ

 

矢が飛んできて紫を射た。

 

紫「い、痛い?!矢って事は永琳ね~~!!せめて壁とかに当てなさいよ!え~っと手紙の内容は…?!」

 

『優が行方不明。捜索を頼む     永琳』

 

紫「…え?いやいや、ちょっと待ちなさい」フォン

 

紫はスキマを使って上半身だけを入れる。

 

 

 

 

 

 

『クパァ』

 

紫「ちょっと永琳?!この手紙の内容はどう言う事かしら?!」

 

永琳「書いてある通りよ。細かく言うと優が襲われて連れ去られた可能性が高いと言う事ね」

 

紫「貴女達が優と今暮らしているんじゃないの?!」

 

永琳「24時間ずっとなんて見れないのよ!」

 

紫「~~っ!!わかったわ、藍と協力して優を探すわ」フォン

 

そう言って紫はスキマの中へ消えて行った。

 

永琳「こうなると改めて自分の無力さがわかるわね…でも、だからって何もしない訳じゃないわよ」

 

永琳は調合台に向かい、何かを作り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

~博麗神社~

 

鈴仙「…と言う事になったんですよ」

 

博麗神社では鈴仙が起こった事を説明していた。そしてその場には霊夢だけでなくレミリアと咲夜、魔理沙に萃香がいた。

 

魔理沙「な、何でお前らが居るのに?!」

 

鈴仙「1人になった所を狙われたみたい…」

 

咲夜「何度も災難にあう優が可哀想ね…」

 

レミリア「…でもかなりマズイ事態よ…運命が視えたのだけど、『優が怪物となって全てを滅ぼす』と言うのが視えたわ」

 

鈴仙「ええっ?!」

 

萃香「それは面白い。全てを滅ぼすとはね…」

 

霊夢「優がどうなろうと目的は1つ…優を見つけて助け出すわよ」

 

魔理沙「じゃあ早速辺りで情報収集だぜ!」

 

霊夢「私は勘で行動するわ。それとレミリア、視えた運命で優以外に何が見えたの?」

 

レミリア「…燃え盛る炎と無限に広がる闇しか視えなかったわ」

 

萃香「無限に広がる闇ねぇ…」

 

魔理沙「闇と言えばルーミア、炎といえば妹紅だな!よし、さっそくそいつらに聞いてくるぜ!」

 

それぞれが動きだし、やがてこの問題は幻想郷全土のレベルにまで広がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~?~

優「ん…」

 

皆が優を必死に探している頃、優は見知らぬ場所で目覚める。

 

優「(くっ、頭が痛い…)確か俺は…」

 

俺は気を失った時の事を思い出そうとした時、目の前に2人の女性とその後ろにいるうさ耳の少女数名が銃を持って現れる。

 

優「あ、貴女達は…?」

 

 

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます!銀の鰹節です。
今回は優さんが連れ去られましたね。優君は人気で誰からも手が伸びてしまうようですね。次々に襲い掛かる運命と言う壁――優はどう立ち向かうのか?!
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

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