死のうとするが鬼に取り押さえられる
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永遠亭へ移動した(今ココ!)
優「うおおおお!!」ガシッ
俺は光を掴んだ。すると辺りは眩い光に包まれた。
永琳「?!(いきなり脈が安定した?!)」
鈴仙「薬持ってきましたって、え?!(脳波が落ち着いて平常に戻ってる?!)」
霊夢「え…」ポム
霊夢の頭に優の手がそっと乗っかる。
優「霊夢…」
霊夢「ま、優大丈夫なの?!」
優「ああ、霊夢のお蔭で何とかなった…」
霊夢「よ、良かっだ~~!!で、でも゙私は何もやっていないよ?」
優「霊夢が手を握ってくれただろ?それのお蔭で帰ってくる事が出来たんだ」
永琳「!!(確かに霊夢が優の手を握ってから症状は完全に落ち着いた。そして今ちゃんと意識がある…これは科学の域を超えた治療法ね…)」
永琳は2人を見てそう思った。そして鈴仙に「行くわよ」と言って優と霊夢を2人にさせた。
優(永琳さん有難うございます)
霊夢「優、ごめんなさい!!」
急に霊夢が頭を下げる。いきなりだったため俺はちょっと驚く。
優「ど、どうしたんだ霊夢?」
霊夢「だって私、優を…!!」
恐らく博麗神社での事だろう。だったら俺の答えは決まっている。
優「…仕方ないよ、俺だって多分そうしていると思う。でもな、またこうやって話ができるだけで俺はとても嬉しいんだ。だからそんなに泣かないでくれ、霊夢」
霊夢「ッ!!有難う…優…!!」
優「…」ギュッ
俺は霊夢をそっと抱きしめる。自分が受け入れられていると思うと再び涙が出てきそうになる。
優「ん?霊夢、お前何か前よりも痩せていないか?」
俺は霊夢の腕の細さに気付き、普通ではないと判断する。
霊夢「う、うん…最近あんまりご飯を食べれてなかったから…」
優「そうか…じゃあ今度俺の家に来てくれ。ご飯をご馳走するよ」
霊夢「(優の事を考えちゃって食べれなかったのだけどね…)有難う、そうさせてもらうわ」
霊夢が俺から離れたその時、丁度襖が開いた。
レミリア「優が寝てるって聞いたけどその部屋はここかしら?」ガララッ
優「ん?あ、レミリアさん」
レミリア「あら、起きていたの。さてと、まず貴方に謝らないとね。ごめんなさい」
優「(え?これって人と会う度に謝られるパターン?)そっそんな紅魔館当主であろう貴方が頭を下げなくても…」
レミリア「当主だからこそよ。考えてみれば貴方がそんな事をする筈がないって思うのに、そんな考えを持たずに攻撃してしまったわ。できればでいいのだけど紅魔館のメンバー、特にフランと接してくれないかしら?あの子、優が私の事を嫌いになっちゃったって閉じこもっちゃったのよ」
優「(これはやらなくちゃいけない事がたくさんありそうだ…)そんなのフランだけじゃなく全員と接しますよ」
レミリア「そう、本当に有難うね優。あ、あとこれ差し入れよ」ポンッ
レミリヤはそう言ってどこからかフルーツが入ったバスケットを取り出し、俺に渡してきた。
優「こんなに貰っちゃっていいんですか?」
レミリア「ええ。受け取ってくれると嬉しいわ」
優「じゃあお言葉に甘えて。有難うございます!」
レミリヤが「ええ」と返すと、再び襖が開いた。
アリス「ほら魔理沙、ここまで来たのだからしっかりしなさい!」
魔理沙「ま、待ってくれ!まだ心の準備が…」
何かアリスが魔理沙を引っ張って入って来た。
アリス「あら、丁度起きていたのね」
魔理沙「う、うぅ…まっ優!!」
優「はっはい!!」
何か魔理沙がいきなり大きな声で叫んだから思わず敬語で返事してしまった。
魔理沙「あ、あのな?その…」
魔理沙はどんどん顔が暗くなっていき、それに伴って帽子も深く被っていった。
アリス「はぁ…じゃあ優さん、私から言わせてもらうわね。貴方を裏切ってしまってごめんなさい。貴方がする筈じゃあないってわかっていたのにも関わらず攻撃してしまったわ」
優「ははは、もう紫さんとか霊夢から謝ってもらちゃったからいいさ」
アリス「貴方本当にそれでいいの?まぁいいわ。魔理沙、貴女の番よ」
アリスはそう言い、魔理沙を無理矢理引っ張る。
魔理沙「う…うぅ…」
優「魔理沙、お前らしくないぞ。もうちょっと明るくなったらどうだ?」
魔理沙「そ、それはできないんだぜ…」
優「どうしてだ?」
魔理沙「だって私、優に酷い事したし…どうすればいいか…」
優「つまり反省している事を黙っている事で証明しようとしているんだな?」
魔理沙「…」コクン
魔理沙は下を向いたまま小さく頷く。
優「魔理沙…これは俺が言える事じゃないが、それでも言っておく」
魔理沙「?」
優「逃げるな!!態度だけで示そうとするな!」
魔理沙「うっ…」
優「いつも通りならまだ笑いながらでも『ゴメンだぜ!』とちゃんと言っていたな。まだその方がちゃんと言っているから良かったよ。もしこの先、今回のようなことが起きてしまった時に、逃げるのはダメだ!」
魔理沙「…」
俺はかなり強めに魔理沙に言う。魔理沙はまだ下を向いたままだ。
優「そうしなければ後で絶対に後悔するんだぞ…?それに俺ももうあの事は気にしていないさ。お前はとても友達思いだから、かなり自分を責めているだろう。でも、あまり自分を責めすぎないでくれ。魔理沙」ポンッ
俺は魔理沙の頭を優しく撫でる。
魔理沙「え…?」
魔理沙はキョトンとした顔で俺を見る。
優「多分魔理沙は、俺が許したとしても自分自身を許さないと思う。でもそれじゃあ魔理沙が可哀想だ。だからもう二度と心に刻みつけ、改めて今後を生活したらいいと俺は思うぞ」
魔理沙「う、うぅ…!!優、ゴメン~~!!!」
優「(全く、こんな展開が何回も起きると泣くのが我慢できないぞ…)」ジーン
俺は魔理沙が落ち着くまで撫で続けた。何だろう、何か鋭い視線を感じるような…
魔理沙「ふぅ…すまないな、優!また迷惑かけちまった」
優「調子を取り戻せたか。それでこそ魔理沙だな」
魔理沙「ハハハ!やっぱり私はこうでなくちゃな!」
『ガララッ!』
永琳「そろそろいいかしらって、いつからこんなに集まっていたの?」
再び襖が開き、誰が来たのかと思ったら永琳が戻ってきただけであった。
優「あ、永琳さん」
永琳「…見た感じさっきよりも顔色が回復したわね」
優「ええ、お蔭様で。あ、そういえば調べて欲しいものがあるんですけどいいですか?」
永琳「それはものによるわね」
優「この胸の傷痕です」バッ
俺は上着を軽く持ち上げ、黒いモヤによる傷を永琳に見せる。その場に居る者はその禍々しい傷痕を見て目を丸くする。
永琳「ああ、その傷ね。私も診察した時に気付いて検査してみたのだけどよくわからなかったのよ」
優「そうですか…」
俺はちょっとだけ気を落とすが、永琳が再び口を開く。
永琳「でも私の推測からしてその傷はおそらく、魂へ直接攻撃していた傷だと思うわ」
優「魂に、直接ですか?」
永琳「あくまで推測よ。さてとその話は後にするとして、他には異常ないかしら?」
優「…体は大丈夫ですけど心の問題ですよね」
永琳「やっぱりね…私は一応心の問題の事も想定しておいて、対策を考えておいたわ」
優「俺はどうすればいいんですか?」
永琳「やってもらうのは貴方だけではないわ。全員よ」
全員『えっ?』
永琳が考えた治療法――それは一体?!
この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は優と皆がホカホカしてましたね~。やっぱり知り合い、友達が居るのは安心できるからいいですよね。
次回、永琳が治療法を発表!!
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!