雛の友人の『にとり』と出会う
↓
何か椛と戦闘する方向へ…(今ココ!)
椛・優「うおおおおお!!!!」ガキン!
俺と椛は激しくぶつかり、火花が散る。
椛「遅いぞ動きが!!」ヒュッ
優「そうか、これから速くなっていくよ!」キンッ
椛は右下へ斜めに降りおろし、俺はそれを受け流す。
にとり「何だあれ…」
雛「だから言ったでしょ?優さんはあの妖怪襲撃事件で出てきた巨大妖怪を倒した人なんですから」
にとり「ええ?!盟友が?!そりゃ大丈夫だったね…でも何かいつもと椛が違うと思うのは気のせい?」
雛「貴女もそう思うかしら?いつもの椛より何か好戦的に私は感じるわ」
にとり「…もしかしたら途中で無理矢理止めるかもしれないね」
雛「そうね。もしそうなったら…水を使ってあの二人を止めてちょうだい」
優「くっ…!斬撃乱れ撃ち!!」ズドドドド
俺は椛に向けて、斬撃を二本の刀から連続で放つ。だが―――
椛「…」ブワァ
『ズドーン!!』
いきなり椛の剣から出てきた黒い斬撃が全てを切り裂き、俺に向かってきた。
優「ぐおっ?!」ガキキキ
にとり「何あの黒い斬撃?!」
雛「これは予想以上に危ない状況らしいわね…」
優「ぐ…うぉりゃー!!」ガキンッ
俺は何とか黒い斬撃を上空へ跳ね返した。すると、雲が真っ二つに割れるのが見えた。
優「あの力は本当に椛のなのか?!…?!」
俺は椛の方を見ると、椛の目が黒くなっており、微かに禍々しいオーラが出ていた。
椛「…」チャキ
優「も、椛…?」
すると椛は体勢を低め、剣を薙ぎ払う体勢に構える。その瞬間、椛の剣からこれでもかと言うぐらいの黒いオーラが出てきた。
優「まずいっ?!―――」
椛「…」ザンッ
優「ぐっ、があああ?!?!!」ガギギギ
俺は二本の剣を地面に突き刺して構え、斬撃を受け止める。
優「(くっ?!このままだと力で負けちまう!!)雛さん、にとりさん伏せろ!!」ギギギ
雛「え?」
優「早く…うっ!!」ギギギ
にとり「わ、わかった!」サッ
俺は2人が伏せた事を確認すると、刀を上に力をいれる。
優「う、うおおおお、ぶっ飛べえ!!」ブンッ
『ズガッ!!』
俺が上へ受け流したとき、後ろの山が切れた。それを見てゾッとする。もし切られていたらと。
椛「…」グラッ
椛が薙ぎ払った時、剣から放出されているオーラに負けて椛が一瞬グラつく。だがその一瞬は戦いの中においてとても長い時間であった。
優「!ここだぁ!!」ザンッ
俺はその隙を逃さず、椛に斬撃を放った。斬撃はそのまま直進し、椛に直撃した。
椛「…」シュゥゥ
だが椛から薄く出ているオーラで防がれたらしく、椛は無傷だった。
優「っ…!!なんじゃそりゃ…!」
雛・にとり「…」ザッ
優「?!」
俺がさらに斬撃を放とうとした時、前ににとりと雛が現れる。
雛「椛!貴女は誇りの為、皆を護る為に力をつけるんじゃなかったの!?」
にとり「力をつける為によく私達に相談しに来てくれたけど椛はその戦い方が理想だったの!?」
椛「?!う…うがあああ!!!」バッ
雛・にとり「?!」
椛は2人の叫びを聞くと一瞬苦しんだように見えたが、直ぐに2人に向かって刀を突きだしてきた。2人は椛の速さに反応できず、斬られそうになった。が――
優「ぐっ…!!」ガシッ
俺が剣を手で掴み、2人が斬られる前に止めた。
にとり「め、盟友?!」
優「なぁ椛…強くなるのは勝手だ。だがな…戦う者と護る者を見分けてから強くなりやがれ!!」
椛「あ゙、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」バッ
優「くっ、下がったか…でも言葉だったら効くんだな…よしあの作戦にしよう。分身。雛さん、にとりさん、これから分身に作戦を説明させるんで聞き終わったら早速行動に移って下さい」ダッ
俺は分身を作り、戦う態勢に入る。
雛「優さん今行っては…!!」
優【分身】「お2人共、時間がないので直ぐに説明します。今からちょっと時間がたったら椛を抑えます。その時にやってほしい事があるんです」
にとり「やってほしい事って?」
優【分身】「俺の本体に触れて、椛を言葉で救ってあげて欲しいんです。いや言葉でしか救えないでしょう」
雛「つまり椛に語りかけて正気に戻せばいいのね」
優【分身】「理解が速くて助かります。雛さんの厄は木刀で吸収しますんで心配は無用です。じゃあ俺は消えるんで構えててください」スゥゥ
にとり「雛行くよ!!」
雛「全く、困った友人ばっかり持っているわね」
優「うおお!!」ガキンガキン
椛「…!」キンッキンッ
俺は椛に連撃を入れ一見優勢に見えるが、受け止められている時に小さく衝撃波を放たれている為どんどん体力が削られている。
『ガキンガキンッ!!』
優「あっ…」
俺は作戦の事もある為、わざと刀を弾き飛ばさせる。
椛「…」ヒュッ
そして椛は無防備になった俺に向け、剣を突き刺す。
優「ぐほっ!!」ザクッ
剣はそのまま俺に刺さり貫通して止まる。そして椛に手が届きそうな所まできたら、俺は椛をしっかりと手で掴む。
優「さぁてと…椛、お前の体の空間内に直接2人の声を聞かせてやるよ。『空間共通』」ヒュィィン
椛「…!?」ズドドド
椛は刀から手を離し、連続で俺の胸を殴る。今の椛は力が上がったいる為、恐らく鉄をも簡単に砕く力を持っているだろう。
優「がはっ!!ひ、雛さん、にとりさん今です!!」
雛「椛、聞こえる?!」スッ
にとり「私達だよ!雛とにとりだよ!!」スッ
2人は俺に触れて叫ぶ。
雛「椛!貴女は今何をしているか理解しているの?!もしそれが貴女の本心の行動だとするなら私は貴女から離れるわよ!!」
にとり「椛はさ、確かに強い力を手に入れたと思う。でも前に見せてくれた力とは違う!!こんな冷たくて気持ち悪い力じゃなかった!もっと暖かくて優しさのある力だったでしょ!!」
雛「にとりの言う通りよ!!貴女は力に支配されているのかもしれない!だったらしっかりと勝ちなさい、その支配に負けたら許さないわよ!!」
椛「ぐ…ああ…」ジュゥ
2人の声を聞いていたら椛からオーラが離れていっているのを確認した。そこにさらに俺も話しかけ、畳み掛ける。
優「なぁ椛…ここまで2人が思ってくれているじゃねぇか…だったらしっかりとそれを返せ!!」
雛・にとり・優『椛!!』
椛「あ、ああアアあ゙!!!?!」ジュゥゥ
俺達が全員で椛を呼ぶと、椛から黒いモヤが飛び出てきた。おそらくあのモヤが原因だろう。
俺は胸に椛の剣が刺さっていても無理矢理動かし、そのモヤへと斬りかかった。
優「うおおお!!日符『ソードフレア』!」ズバァン
『ジュワァァ…』
斬ると黒いモヤは何もなかったかの様になくなった。椛の方を見てみると解放されたからか気持ち良さそうな顔で寝ていた。
優「何とかなったか…」ズポッ
俺は刺さってあった剣を抜く。さっきまでで一気に血を失った為、目の前が霞んでくる。
雛「優さん大丈夫ですか?!今椛と一緒に永遠亭に…れ…き」
優(あ…耳までもダメになってきた…まぁ『永遠亭』って言っていたから運んで貰えるのだろうな。だったら大丈夫か…)ドサッ
にとり「め、盟友?!雛急ぐよ!!」
雛「ええ!」
俺の意識は此処で途切れ、視界が真っ暗になった。
この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は椛を救う回でした。椛から出てきた黒いモヤの事なのですが、近日説明する日を用意致しますのでお待ち下さい…
優…胸に剣が刺さったけど大丈夫なのかな?もし大動脈とか大静脈とかに傷がついていたらヤバいな…まぁ永遠亭だから大丈夫か!
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!