中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
戦闘が終わった
 ↓
レミリアとパチュリーを運んだ(今ココ!)



#72 金欠中…

~妖怪の山~

ある夏の早朝、妖怪の山の川にて1人の青年が静かに釣りをしていた。

 

優「…」

 

『ググッ!』

 

優「おっ!来た来た来た!そらっ!」ブンッ

 

『バシャア!』

 

優「よっしゃあ釣れた―って何だこれ?リュック?」

 

とうとう所持金がヤバい事になったから、釣りをして魚でご飯を食べるつもりなのだが、さっきから変な物ばかり釣れる。

 

優「何だ?このリュック中に何か入っているぞ?」

 

俺は釣ったリュックを持ってみるとかなりの重さがあった。水を吸って重くなっているとはとは思えないほどの重さだった。それに振ってみると中から金属の音が聞こえる。

 

優(中に何が入っているのだろう…?)

 

俺はリュックを開けようとした時、後ろから声を掛けられた。

 

雛「あら?貴方は優さん?」

 

優「ん?あ、雛さんですか!お久しぶりです!近くに来たと言う事は今日は大丈夫な日なんですね」

 

雛「まだ致死量を超える程、厄を溜めていないからよ。だからあまり近寄らない方がいいわ。ところで何をやっていたの?わざわざ妖怪の山に来るなんて…」

 

優「いや、お金が無くなったから自給自足として釣りに来たんですよ。でもさっきからガラクタしか釣れなくて…」

 

俺は横に積んである、長靴や瓶、下着などの山を雛に見せた。

 

雛「あらあらこれは凄いわねぇ…」

 

優「それに今このリュックが釣れたんですよ」

 

雛「あー!!そのリュックはー!!」

 

優「んぎっ?!」

 

雛にリュックを見せた瞬間、雛は目を丸くして指をさした。

 

雛「ご、ごめんなさい。そのリュックは今探していた物だったからつい大声を出しちゃったわ…」

 

優「探していた?じゃあこれは雛さんの何ですか?」

 

雛「いいえ、正確に言うと私の友人よ。リュックをなくしたって言って落ち込んでいたから友人として助けてあげたかったのよ」

 

優「へぇ~、友人の……雛さんやっぱりとても優しいですね」

 

雛「え?」

 

優「だって前に俺を心配して声を掛けてきてくれて厄を取ってくれたり、友人を助ける為に物を探したりしているじゃないですか」

 

雛「あ、ええ有難う。今まで人間からは厄神として避けられていたから言われるのは初めてで…その、ちょっと慌てちゃったわ」

 

優「そうなんですか…取りあえず雛さんの友人にこのリュックを届けますか!」

 

雛「あら、釣りはもういいんですか?」

 

優「目の前で人助けをやっていると助けたくなる性分なもんで」

 

雛「貴方も優しいじゃない」

 

優「ハハッ、有難うございます。どこにいけばいいですか?」

 

雛「私が先に行くから着いて来てくれればいいわ」

 

優「わかりました、行きましょう!」

 

俺は雛さんの後をついて行った。歩いている内にだんだん水の音が聞こえてくる。

 

雛「あともうちょっと先にある滝に私の友人がいるわ」

 

優「滝?ああ、水の音は滝の音だったんだ」

 

雛「ええ、そうよ。多分もう滝が見えると思うけど…あ!あの滝よ」

 

雛が言っている滝は恐らく30m位の高さの滝だろう。遠くから見てもでかいとわかるほど、滝はでかい。

滝の近くにまで行くと、2人の人影があった。

 

椛「なぁにとり、今私が千里眼で探しているし、雛も探しに行ってくれているから見つかるって」

 

?「いや、必ず見つかるとは限らないでしょ。もしかしたらこのまま私の工具セット達が…」

 

その人影の1人は椛で、もう1人の緑の帽子をかぶった水色の髪の人が恐らく雛の友人だろう。

 

雛「にとりー!!あったわよー!」

 

?「えっ?!本当?!」

 

椛「なっ!ほら言ったでしょ、雛が持ってきてくれたからってお前は佐藤優?!」

 

優「おっ、久しぶり。てか何でフルネーム?」

 

?「ひゅい?!に、人間?!」サッ

 

雛「に、にとり?大丈夫よ?」

 

優「…」

 

なんだろう…会って直ぐに隠れられるわ、驚かれるわでちょっと悲しいな。うん。

 

優「あ、あの~俺は別に怪しくありませんからね?貴女には何もしませんから、ただリュックを返しに来ただけなんです」

 

?「…本当?」

 

優「はい」

 

雛「大丈夫よ。この人は人間の中でもかなり優しい方だから」

 

にとり「…私は『河城 にとり(カワシロ ニトリ)』だ!」

 

優「俺は佐藤優です」

 

にとり「優か!よろしくな、盟友!」

 

優「め、盟友?」

 

雛「河童は人間を盟友と言うんですよ」

 

優「そ、そうだったんだ…こちらこそよろしく、盟友」

 

にとり「ああ!私のリュックを持ってきてくれて有難うな!」

 

優「はい、どういたしまして」

 

椛「おい、優!」

 

優「はい?何、椛?」

 

椛「私と勝負しろ!」

 

にとり「なっ?!椛、優は人間だよ?!巫女とかじゃないと戦えないって!」

 

優「大丈夫ですよ、にとりさん。いいよ、戦おう椛」

 

椛「ああ。にとり、雛、ちょっと離れてて」

 

雛「ええ、分かったわ」

 

にとり「雛?!」

 

雛「大丈夫よ。優さん、強いから」

 

にとり「ううー…目の前で盟友が死ぬのは嫌だからな!優、生きて帰ってくるんだぞ!」

 

優「大丈夫だと思いますよ。多分、弾幕ごっこだと思いますし」

 

椛「?何を言っている、剣士としての真剣勝負に決まっているだろう」

 

優「…マジすか」

 

椛「行くぞ!!」キュイン

 

優「えっ消え――」

 

椛「後ろだ」ヒュン

 

優「っ?!」ザッ

 

椛が後ろから高速の抜刀切りをしてくる。俺は何とか体を反らして避けたが、大きくバランスを崩す。

 

椛「ここだっ!」ヒュッ

 

優「ぐっ?!」サッ

 

バランスを崩した所に、突きを入れ追撃する。俺は体を回転させて何とか椛の突きを回避する。

 

優「くっ…!今度は俺の番だ―っていない?!」

 

椛「上だ」ブンッ

 

優「ぐうっ?!」サッ

 

さっきから椛の猛攻を受けてばかりで刀を抜く事さえできない。

 

椛「私はあの壊滅的な事件から自分の弱さを実感し日々努力した。そして強くなった!」ブンッ

 

優「ぬおっ?!」バッ

 

椛「あの日、お前に助けられてからな!!」ヒュッ

 

優「ぐあっ?!」ベキッ

 

俺は椛の蹴りをくらい、5mくらい吹っ飛ぶ。実はこれでも両腕でガードしていた。

 

優「ぐ…う…(かなり強くなっている…わずか数か月でこんなに力がつくのか?!)」

 

椛「私は誇り高き白狼天狗!!さぁ、お前の剣を抜け!それで勝ってこそが本当の勝利だ!!」

 

優「めっちゃかっこいい事言うなよ…でもなぁ俺だって何もしていないって訳じゃねぇ!!俺も一度死にかけたけど乗り切って力を手に入れた!強くなったのは椛だけじゃねぇぞ!!」チャキ

 

椛「いくぞ…!!」チャキ

 

優「ああ…!!」スッ

 

椛は剣を構え、俺は木刀と逆刃刀を構える。そして数秒間、お互いを睨みつける。

 

椛・優「うおおおおお!!!!」ガキン!

 

そして同時に走り出し、激しくぶつかり火花をあげた。

 

 

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
にとりを今回でやっと出せました。はぁ~長かった…そして優と椛がまさかの戦闘?!どちらも強くなっている為、厳しい戦いになるでしょうね…
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

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