中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
創造者が再び現れた
 ↓
創造者が優を…(今ココ!)



#65 優?の暴走

布都「優ー!どこじゃー!」ヒューン

 

布都達は先程まで動けなかったが、急に動くようになり、優の元へと向かっている。

 

神子「はっ!」ギュン!

 

だが、神子は布都達よりも先に行ってしまった。

 

布都「神子様!屠自古、童達も急ぐぞ!」

 

屠自古「ああ!」

 

青娥「芳香ちゃん、急ぐわよ!」

 

芳香「わかったぞー!!」

 

大分、下へ落ちていると、創造者のピンクの髪がチラチラと見えた。

 

神子「あそこか!!」ギュン

 

 

創造者「ん?ああ、貴女達もいましたねぇ。忘れていましたよ。優のあの姿を見たらどうなりますかねぇ…ああ考えただけでも楽しいなぁ…」

 

神子「優はどこですか!!」

 

創造者「あちらですよ」スッ

 

神子「あちらですね! …!?」

 

布都「まさ…?!」

 

屠自古「これは…あまりにも…」

 

青娥「…」

 

芳香「何だこれはー!」

 

神子達が見ているのは、両肩が潰され、胸に穴が開いて血まみれになった優だった。

 

優「…」ドクドク

 

布都「おい優!死んでおらぬよな?!」

 

創造者「何をいっているんですか?ちゃんと触ったり見たりしてくださいよ。冷たくなっていく体!白くなっていく皮膚を!」

 

神子「すみません…君を…助ける事ができませんでしたね…」

 

創造者「…もうちょっと面白い反応があると思ったらつまらないですね…さような――」

 

布都「逃がさん!投皿『物部の八十瓮』」ヒュンヒュンヒュン

 

布都は皿を創造者に投げる。だが創造者は結界を作り、防いでしまう。

 

創造者「はぁ、私は帰りたいんですよ?」ピキーン

 

神子「秘宝『斑鳩寺の天球儀』」ズドドド

 

屠自古「雷矢『ガゴウジサイクロン』」ヒュヒュヒュヒュ

 

青娥「芳香ちゃん!」

 

芳香「わかったぞー!!毒爪『死なない殺人鬼』」ブンッ

 

三人は創造者に向けてスペルを発動するが…

 

創造者「秘宝『斑鳩寺の天球儀』、雷矢『ガゴウジサイクロン』、毒爪『死なない殺人鬼』」

 

創造者は同じ技を出し、相殺した。

 

創造者「私は創造者ですよ?いざとなればスペルでも人でも創造する事が出来るんですよ」

 

屠自古「くっ…!!」

 

布都「?!優、大丈夫か?!」

 

創造者「何っ?!さっき止めをさしたはず!」

 

優「…」ググッ

 

体に穴が開き、両肩も潰れ、とても立てる程の血などないはずだが、優は起き上がっていた。ゆっくりと、静かに。

 

神子「?(何かがおかしい…)」

 

だが、それを見ている神子は違和感を感じた。そして優は完全に立ち上がった。

 

創造者「何故立てているかはわかりませんが、もう一度殺せばいい事!!」バッ

 

創造者が優へ接近しようとした瞬間――

 

優「ウオオオオオ!!!!」ビリビリ

 

優が、恐ろしい声で吠えた。そしてどんどん優から黒いオーラが出てきて体に纏っていった。

 

創造者「…(何だ?あの黒いオーラから何も感じられない…)」

 

優?「ウゥ…」ズズズ

 

優は完全に黒いオーラに包まれ、姿が見えなくなった。そして今度は黒いオーラが具現化してだんだん皮膚へと変化していった。

 

優?「そぉらぁっ!!」バンッ

 

完全に皮膚ができると余ったオーラを吹き飛ばした。優には先程の怪我がなく、上半身裸で、髪が腰部分まで伸びていた。

 

優?「ふぅ…妖怪の群れを潰した以来だぜ…創造者、感謝する。クソ親父に掛けられた封印を壊してくれて」

 

創造者「…(何も感じない…恐怖など感情が感じられない…)困りますねぇ。折角殺してあげたのに再生するとは」

 

神子「?!(優から『破壊』『支配』『殺戮』の欲しか伝わってこない?!)布都、優から離れなさい!」

 

布都「ど、どうしたのじゃ?神子様?」

 

神子「いいから速く!!」

 

優?「うるせぇよ。黙れ」

 

優?は神子を睨みつけ、怒鳴りつける。

 

神子「?!(この威圧力は何?!何も抵抗ができない…)」プルプル

 

創造者「また余所見しましたね?」バッ

 

優?「してねぇよ」ズドド

 

優は向かってきた創造者に、連続で高速のパンチを放つ。

 

創造者「ぐっ?!」ドガガガ

 

創造者はそのままパンチをくらい怯む。

 

優?「じゃあ…さっさと遊ぼうぜ!」ズガッ

 

創造者「ぐふっ?!!」

 

そこに優?は創造者に蹴りをいれ、吹き飛ばす。

 

創造者「ぐっ、何らかのお蔭で力が上がったらしいですね!でも私には勝てない!!」キュィィン

 

創造者は霊力の極限にまで圧縮した高霊圧の弾幕を作り、放つ。

 

創造者「死ねぇ!!」ズガン

 

優?「…これで本気か?斬撃派」ズドォォン

 

優は創造者が放った弾幕を素手で弾き飛ばし、斬撃を放った。その斬撃は黒く、大きく、そして時空を歪ませるほどの威力だった。

 

創造者「ぐっ?!」サッ

 

創造者は体を反らし何とか斬撃を避ける。

 

優?「おい、つまらねぇぞ。もっと強いやつ出せるんだろう?さっさとだせよ」

 

創造者「くっ…!!舐めてくれますねぇ、いいでしょう!とっておきをやってあげますよ」パンッ

 

創造者はそう言い、再び手を合わせる。

 

創造者「いくぞ!『天碍震星(てんがいしんせい)』!!」ゴゴゴゴ

 

宣言すると突如、辺りが暗くなる。

 

神子「なっ?!」

 

屠自古「次元が…違いすぎる…」

 

芳香「大変だー!!空から岩が降って来たぞー!!」

 

優?「へぇ…やればできるんじゃねぇか」

 

何と空からかなりの大きさの大岩が降ってきたのだ。あの大きさからして大岩ではなく隕石といっても通じるだろう。

 

優?「さてどれくらいの威力だ?」ヒューン

 

優は降ってくる大岩へ飛んでいった。

 

優?「おお、でけぇな!!それっ!!」ビキン

 

そしてそのまま大岩に片手をぶつける。すると大岩は落ちずにそのまま止まった。

 

創造者「何?!受け止めるだと?!…だったら2個目はどうする?」

 

優?「ん?何だ、急に重くなったぞ?」

 

何と大岩の上にまた大岩を落としたのだった。

 

優?「なるほど。じゃあ俺もやってみるか!月符『ムーンライト』」ズガガガ

 

 

『ズドーン!!!』

 

 

優は弾幕の大きさでいうと中くらいの月属性の弾幕を放った。すると、次々に爆発が連鎖して大岩の1個目は完全に消滅し、2個目は消滅とまではいかず、かけらになって降り注いだ。

 

優?「ありゃ?簡単に消滅しちゃったな……しゃーない、飽きて来たし殺すか」キュイン

 

優はその場に残像を残す程、高速で創造者の元へ移動する。

 

創造者「あ、あの大岩を…一瞬で…」

 

優?「余所見したな?」キュイン

 

創造者「っ!!―――」

 

優?「残念、遅いぞ!」ドスッ

 

創造者「ぐほっ?!」

 

優は創造者に腕をさし、貫く。

 

創造者「ぐっ…(早く再生しなければ…)」ジュゥゥ

 

優?「おおー!!再生してる!じゃあ――」ドスッ

 

創造者「ごほっ?!」

 

優?「もう一回さしちゃえ♪」

 

辺りは創造者の血で真っ赤に染まっていた。こんな光景を見たら気絶してしまう人も出てくるかもしれない。だが優?はまるで子供が玩具で遊んでいるかのように笑って、楽しんでいた。

 

創造者「ごほっ…(そうか…この感じ奴の狂気ですか…しかも『陰』だとは…私の負けですかね…)」

 

優?「ぐっ?!」

 

もう一発殴ろうとしていた優が急に苦しみだした。

 

創造者(動きが止まった!逃げるなら今だ!)キュイン

 

優?「な、何だ?!この体はもう乗っ取ったはず…ぐああ?!」ビキキ

 

優が急に苦しみだし、胸の皮膚にヒビが入る。

 

優?「ぐっ!ひっこんでろ!」ピシッ

 

優はそれを必死に抵抗するがヒビは収まらない。

 

優?「何故だ、何故だ!何故お前はそこまでして立ち上がろうとする?!ぐ、ぐああああ?!!」バリーン

 

そしてヒビはどんどん大きくなって最終的に割れた。中から、先程の優が出てきた。

 

優「狂気…ごめんな。お前の存在に気付いてやれなくて。しっかりとしない理由で戦って、立ち上がったりして。でももう大丈夫。俺は決めたから」

 

優がそう言うと表面にあった皮膚が砂となって消えていった。

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は優がまさかの暴走?!でも最後ら辺では何とかなったみたいですね…良かった良かった!(生きていマジで良かった…)
次回なんですけど、優が暴走しちゃっている時の優の心の中で起きていた事を書こうと思います。
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

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