中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
永遠亭から退院した
 ↓
竹林の中で妖怪3人組と出会う
 ↓
永遠亭へ怪我を治しに戻ることに(今ココ!)



#55 麻酔?ナニソレ、オイシイノ?

優「リグルさん、永遠亭まであとどれくらいですかね?」

 

リグル「大体2kmぐらい先らしいよ」

 

優「あと2kmか、影狼さん頑張ってくださいね」

 

影狼「有り難う…」

 

俺達は現在、永遠亭へ向かっており、竹林の中にいる。やはりずっと景色が変わらないから不安だ。

 

優「…あ、筍が生えている」

 

リグル「そりゃあ竹林だし生えているでしょ」

 

優「リグルさん、筍を取ってきてくれませんか?ちょっと食材として持ち帰りたいんですよ」

 

リグル「別にそれは帰る時にやったらどうですか?」

 

優「そっか、それもそうですね」

 

影狼「…あれは筍じゃないわ、筍に似ている毒のある実よ」

 

優「えっ?!そーなんですか?!」

 

影狼「冬に筍は取れないはずよ、だからやめといた方がいいわよ」

 

優「そっか…冬はあんまり食材が確保できないから値段が高いんだよなぁ…」

 

リグル「…あれっ?!皆どうしたの?!」

 

優「?どうしました、リグルさん?」

 

リグル「何か虫たちが『奴が来る!』って言って逃げていっちゃったの」

 

優「なるほど、虫の知らせと言う事ですね!」

 

俺達が話し合っていると、微かに何かが歩いてくる音が聞こえた。

 

影狼「…近づいてきている?!」

 

リグル「何だ…?」

 

歩いてくる音は段々と大きくなるが、途中で音が止む。

 

優「…誰だ!、?!危ない!」ガシッ サッ

 

俺はすぐにリグルを腹に抱え、後ろへ大きく下がった。そして俺達が先程までいた場所には…

 

『ボオオ!!!』

 

火が放たれていた。そして、火が出て来た所から人が現れる。

 

妖怪1「あれを避けられるとは思っていなかったぜ」

 

優「俺達に何のようだ?」

 

妖怪1「ちょっとお前の隣の長髪のねーちゃんが可愛いから誘おうと思っただけだよ」

 

優(妖怪にもナンパというものが存在するのか)

 

妖怪1「だからさー、そのねーちゃんをこっちに渡してくれないかな?」

 

優「えーっと、影狼さんはどうするのですか?」

 

影狼「わ、私は別にいいです、他を当たってください!」

 

妖怪1「そんな事言うなよ~、ちょっとだけだからさ?俺達と遊ばない?」

 

優(『俺達』だって…?)

 

影狼「嫌です、何処かに行ってください!」

 

妖怪1「…そうか、なら仕方ねぇな。無理矢理にでも連れて行かせてもらうぜ!」ダッ

 

リグル「とりゃー!!」ズゴッ

 

妖怪1「ぶっふぉ?!」ベキッ

 

妖怪1が走りだして来た時、リグルが華麗にジャンプキックを決めた。妖怪1はゴロゴロと地面を転がった。

 

リグル「しつこいんだよ!フラれたのならさっさと帰れ!」

 

妖怪1「ぐっ…痛ぇじゃねぇか…決めた。ねーちゃんも、お前も奴隷として扱ってやる!覚悟しろぉ!!」

 

リグル「その自信は何処から湧いてくのか気になるね…」

 

妖怪1「へっ、くらいな!火炎放射!!」ボオオッ

 

リグル「?!(範囲が広い、ダメだ避けれない!)」

 

優「危ねぇ!!」ヒュッ

 

俺は急いでリグルの前まで、影狼さんを担いで行き、木刀で火を薙ぎ払った。

 

妖怪1「俺の火を薙ぎ払っただと?!(この人間…移動スピードもそうだが火を薙ぎ払うとはただ者じゃねぇ)」

 

リグル「ごめん、助かったよ」

 

優「それは良かった、影狼さんは大丈夫ですか?急に担いじゃったから足首とかは…」

 

影狼「あ、有り難う。あの、もう下ろして大丈夫です」

 

優「ん?ああ、わかりました」スッ

 

俺が影狼を下ろした瞬間、それを狙ったのかのように後ろからまた新たに妖怪が現れた。

 

妖怪2「そらぁっ!!」ブンッ

 

妖怪は細い手を振り下ろした。そして、回避が間に合わず影狼を助けようとして後ろに行ったため、影狼と俺は妖怪に叩かれたのではなく、切られてしまった。

俺は左手の甲を、影狼は服を大きく縦に切られていた。

 

影狼「あっ服が…」

 

優「くっ…!!」

 

リグル「優さん、影狼さん!」

 

妖怪1「おっと、後ろを見ていていいのかな?火炎放射!!」ボオオッ

 

影狼・優・リグル「きゃあ! 熱っ?! うわあ?!」ボオオッ

 

妖怪1はスキを逃さず、火を吹いて追撃してくる。

 

妖怪1「はっはっは!ねーちゃんの服がいい感じに焼けてなくなったな!ん?なんだお前その体?毛がいっぱい生えているじゃねぇか」

 

妖怪2「へぇ、こんな事になっているとは面白いなぁ」

 

影狼「い、いやぁ!!見ないでぇ!!」

 

影狼はその場に蹲ってしまった。そうか、足首を見せなかったのは毛を見られたくなかったんだ!それをアイツらは…許せねぇ!!

俺は妖怪達に沸々と煮えたぎる何かを感じていた。そして次の瞬間には行動に出ていた。

 

優「そぉらぁっ!!」ヒュッ

 

妖怪1「ふべっ?!」

 

妖怪2「この人間…!ぶち殺してやる!」ヒュッ

 

優「遅せぇよ!」ドコッ

 

妖怪2「ぐっ?!」

 

俺は妖怪1を拳に霊力を込めて殴り飛ばし、妖怪2には木刀で切り付け、怯ませる。そしてそのまま妖怪2に追撃を加える。

 

優「斬撃派!」ズドォン

 

妖怪2「ぐああ?!」

 

妖怪2は斬撃に当たり、何本もの竹を折りながら吹っ飛んで行った。

 

妖怪3「てめぇ!!」ドゴッ

 

優「がっ?!」

 

だが、いきなり後ろから強烈な衝撃が襲う。意識が朦朧とし、そのまま俺は膝を落とす。

 

妖怪3「おい、1!2!大丈夫か?!」

 

妖怪1「ぐ、ぐぅ…俺は大丈夫だ…?!お、おい3、後ろ!」

 

妖怪3「後ろがなん―」ドゴッ

 

優「気絶させるにはもっと力を込めろ!」

 

妖怪1「3!おい?!くっ…まだだ!あとまだ1人仲間がいる!」

 

??「仲間ってのはこいつの事か?」

 

妖怪4「が…う…」

 

妖怪1「4?!」

 

優「も、妹紅さん!」

 

妹紅「よっ、優!お前また怪我しているな…頭から血出ているぞ…」

 

妖怪1「あ、あああゆ、許してくれ!もうお前らには何もしねぇ!だから…!」

 

優「それはできない相談だな、仲間もこうなっているんだ。お前だけに逃げる訳にはいかないだろ。しっかりと反省しろ!」ベキッ

 

妖怪1「ぶへぇ?!」ベキッ

 

俺は思いっきり妖怪1を殴り飛ばした。どうやら気絶したようだ。

 

影狼「つ、強い…」

 

リグル「優さん…貴方は一体…」

 

優「俺はちょっと強い人間ですよ。さ、永遠亭へ急いでいきましょう!」

 

俺達は、妹紅の案内の元から永遠亭へと行った。

 

 

 

 

鈴仙「…おかしい、おかしいわ…たったの3時間だけでこんなにボロボロになって帰ってくるなんて…」

 

優「…サーセン、また怪我して来ました!」

 

永琳「…優、貴方から治療を行うわ。ついでに話もするから、ゆっくりお話しましょうね?」ニコッ

 

優「…永琳さん、顔が怖いです。笑っているのに恐怖を感じます」

 

俺は診察室へ行くと、永琳は笑顔で待っていた。

 

永琳「あら、ごめんなさい。じゃあ治療始めるからね。優は左手の甲の切り傷が深すぎるから針で縫うわね」

 

永琳はそう言って準備をし、整った所で最初に投与する麻酔ではなく、糸を通した針を持つ。

 

優「…あれっ?永琳さん麻酔は?」

 

永琳「聞こえなーい♪聞こえなーい♪」

 

優「えっ?!ちょっ、待って永琳さん!麻酔がないのはヤバいですって! 『ブスッ!』  ああああああ、痛い痛い痛い、ストップストップ?!ぎゃあああああー!!?!」

 

この日、永遠亭に優の悲鳴が1日鳴り響いていたらしい…そしてその後、優の姿を見る者は誰もいなかったとの事…

 

 

 

 




この作品を読んでくれて有り難うございます。銀の鰹節です。
はーい、妖怪3人組編は終~了~と言う事でまた新シリーズを考えていきたいと思います。え?短すぎる?ごめんなさい、許してください。
次は何処にしようかな…まぁ優だからどこでもいいか!
それでは今回はここまでにしたいと思います。評価や感想送ってくれたら鰹節が喜びます。
次回もゆっくりしていってね!

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