中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
天狗Aが頑張った
 ↓
妖怪全滅作戦を実行
 ↓
霊夢達が動いた(今ココ!)



#49 絶体絶命

優「『人心反響(じんしんはんきょう)』」ガシッ

 

文(皆さん、聞いてください、情報を手に入れました!現在進行している妖怪達は元々死んでいたようです。何者かに操られているらしく、こんなことは望んでいないらしいです。彼らが望んでいるのは元あるべき姿の死らしいです。どうかご冥福を祈って望み通りにさせてあげましょう!)

 

優「くっ…(霊力を消耗しすぎた!!)文さん、有り難うございます。これでちょっとは変わればいいんですけど…」

 

俺は予想以上の霊力の消耗により膝をついてしまった。

例えば、優の霊力が10あるとしよう。業火の槍は霊力を0,5消費して発生させる。だが今回の霊力消費量は8,5と業火の槍が17本分も発動させたのと同様だったのだ。

 

早苗「優さん大丈夫ですか?!」

 

優「大丈夫です…たださっきよりはスピードが落ちますけどね(まだ…まだアレを使うべきではない…時を待つんだ)」

 

椛「文さん、私を置いて行かないで下さいよ~。大天狗様に一緒に行動しろって言われているんですから…ってああー!!」

 

優「あ」

 

椛「いざ勝負!」

 

優「くっ…この馬鹿野郎がぁぁぁ!!」ビリビリ

 

椛「わう?!」

 

こんな時でも椛は俺と勝負しようとしてきた。そこまで必要なのか?と思い、叫んでしまった。

 

優「あんたなぁ、今こんな緊急事態なんだぞ?!今度しっかりと向き合って勝負してやるから今はこの状況をどうにかする事を考えろ!!」

 

文「椛、優さんの言う通りです。今はどうにかする事を考えて行動しましょう」

 

椛「わぅ…すいません…」

 

早苗(うひゃぁ~…何て声量なんですか…耳が痛い…)キーン

 

俺が叫んでしまったために周りに妖怪が集まって来てしまった。

 

妖怪達「グルルルル…」

 

文「あやややや…優さんの声でこっちに来ちゃいましたか…まぁいいでしょう!風の刃よ!!」ビュオ!

 

妖怪達「グガアア?!」

 

早苗「よし、私も!奇跡よ、私に力を!!…成功した!」

 

俺は早苗に何か起こったらしいが、何も変化がないためわからなかった。

 

早苗「じゃあいきますよ~!!」バッ

 

早苗は腰を屈め、後ろに手を構えた。あれ?このポーズって…

 

早苗「はぁぁぁぁ!!か~○~○~め~波ーー!!!」ドゴオオオ

 

優「ちょっ、早苗?!」

 

俺は凄い光景を見てしまった。なんと目の前で早苗が『〇めは〇波』を打っていたのだ。目の前にいた妖怪は青白い光に包まれて消滅していった。

 

早苗「さて、もういっちょ!か~○~○~め~波ーー!!!」ドゴオオオ

 

妖怪達「グシャアア!!!?」

 

早苗すげぇ…俺はちょっとずつ『〇めは〇波』を木刀で吸収し、力を溜めていった。

 

妖怪「ギャアア!!」ブンッ

 

優「うおっ危ねっ?!」サッ

 

俺は早苗に見とれていたために囲まれている事に気付けなかった。

 

優「…安らかにお眠り下さい。うおおお!!」ズババッ

 

妖怪達「グギャアア!!?」

 

このまま妖怪を狩り続けて2分が経過した。既に200体は倒している。それに伴い、俺達の体力は少なからず奪われていった。

 

優「はぁ、はぁ…俺は殺すのに慣れていないから精神にくるな…?!」

 

妖怪「クカカカカ…」

 

そんな中、俺の前に周りにいるような妖怪とは明らかに違う妖怪が出てきた。その妖怪は見た目が小さく、細い体をしていた。

 

優「何だ…?何か…嫌な感じがする…(一度距離を置いておこうかな)」バッ

 

俺はなんとなく危険を感じ後ろに下がったがその選択は間違いだった。

 

『ガブッ』

 

優「え…」

 

俺が地をけった瞬間、目の前にいた妖怪に首を噛まれていた。だが妖怪は直ぐに口を離した。離した所から赤い液体がにじみ出てくる。

 

妖怪「クケケケ…」

 

優「ぐっ…?!(噛んだけど直ぐに離した?!まずい、何かしらの事はされたな…まさか毒か?)」

 

文「優さん、助太刀しましょう!」

 

そんな時に文が来た。どうやら文の方はもう終わったらしい。

 

優「文さん気を付けてください!こいつ…普通の妖怪とは違います!」

 

文「確かにそうですね…!優さん首を噛まれたんですか?!」

 

優「はい、ですけどすぐに離したんですよ。でも、移動速度が半端じゃありません。気付けば俺はかまれていましたから」

 

文「なるほど…これは慎重に行った方が良さそうですね」

 

文と俺がゆっくりと動き出した時、鈍い音が響いた。

 

『ドカッ!』

 

優「え?」

 

文「ぐっ?!」

 

何と俺が文を殴っていたのだった。

 

文「優さん、どう言う事ですか?!」

 

優「わ、わかりません…俺にもさっぱり…うわっ?!」ブンッ

 

文「あやや?!」サッ

 

優「(体が…勝手に動いている?!まさかあの妖怪か?!そうとしか言えないな…)文さん、おそらくこれがあの妖怪の能力でしょう。体が操作できなくなっています」

 

文「操作する?!あやややや、これはまた危なっかしい妖怪がいるんですねぇ…」

 

妖怪「ガア!」ビュッ

 

優「ぐっ?!」ドスッ

 

今度は俺に手を刺してきた。だが次の瞬間――

 

『ズニュゥゥン』

 

俺の体の中に入っていった。

 

優「なっ?!」

 

文「あややや、これは本当にまずいですよ?!」

 

妖怪が入ってから数秒後、俺の体から黒い布のような物が出てきて俺を包み始めた。

 

優「ぐっ、がっ?!」ズズズ

 

だが、10秒も経たない内に俺は布に包まれた。そしてその布から顔が出てきた。その顔はさっきの紹介とまったく同じだった。

 

優?「グアアアア!!」

 

早苗「文さん、こっちが終わったので手伝いに来ましたってうわぁ…思いっきりラスボス感がしますよコレ…」

 

椛「あれは私が倒してきましょう、敵も動かないみたいなので」ダッ

 

そんな時、早苗と椛がやって来て椛が目の前の黒い奴に斬りかかった。

 

文「待ちなさい!」

 

椛「えっ?」ズバンッ

 

文が声をかけたが遅く、妖怪の腕が飛んだ。

 

文「その妖怪は優さんです!」

 

早苗「へっ?文さんは何を言っているんですか?」

 

すると優?に変化が現れ、黒かった全身がさっきの優と同じ色になった。

 

優?「ふふふ…やっと体が馴染んできたか。って腕が斬られているんじゃん、治しておこうか」ズズズ

 

椛「!」バッ

 

椛はとりあえず、後ろへ退いた。

 

早苗「ま、優さん?!」

 

優?「ん?ああ早苗さんか。そっちはもう終わりましたか?」

 

文「何を言っているんですか、優さんに何をしたんですか!」

 

優?「文さんは何を言っているんですか?俺は俺ですよ?…あれ?俺ッテダレダッケ?アレ?マサルッテダレダッケ?アアモウイイヤ、ゼンブヲコワシチャエ」

 

文「構えて下さい、来ます!」

 

優?「オレノハヤサニツイテコレマスカ?ミナサンハ」パッ

 

『ドパンッ!』

 

早苗・椛・文「がっ?!」ドサッ

 

目の前から優が消えた瞬間、すでに文たちは倒れていた。

 

優?「オソイデスヨ?ミサナン。アソビニモナラナイジャナイデスカ」

 

文たちは倒れたままピクリとも動かなかった――

 

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有り難うございます。銀の鰹節です。
今回、優がピンチになりましたね。そしてこのままだと文達もピンチ…絶体絶命の時にあの二人組が来ます。
それでは短いですけどここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

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