中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
霊力、魔力の解放を始めて、成功した
 ↓
藍達との戦いが始まった(今ココ!)



#21 解放 ~後編~

俺の木刀と藍の拳がぶつかり、轟音が響いた。

 

藍「人間の力にしてはやるな…だが、」

 

優「っ?!(何だこの力は?!)」

 

藍「妖怪の力には勝てんだろう!!」ベキッ

 

藍はなんと、力ずくで木刀ごと優を殴り飛ばしたのだ。

 

優「ぐあっ?!(危ねぇ、腕が折れかけた…!)」

 

俺が吹っ飛んだ先には既に妖夢が待ち構えていた。

 

妖夢「後ろが空いていますよ」ブンッ

 

優「まずいっ?!の、能力発動!『空間移動(テレポート)』」パッ

 

妖夢「消えた?!」

 

俺は空間を操る程度の能力を使い、何とか攻撃を回避した。

 

優「おいおい…攻撃するスキすらねぇな…」

 

何か方法がないかと考えていたら、橙に目が止まった。

 

優「(そうだ、橙とは寺子屋で会ったじゃないか!)橙、俺の事を覚えているか?!この前、寺子屋に来た外来人の先生だぞ!」

 

橙「えっ?うーんと…」

 

藍「橙、戦闘に集中しなさい。相手の流れに流されるな」

 

橙「ふぇっ?!はっ、はい藍しゃま!」

 

望みは絶たれた…もうどうしたらいいの?

 

妖夢「はああ!」ブンッ

 

優「うおっ?!」ガキン

 

俺は妖夢の不意打ちにギリギリで気付き、何とか木刀で受け止めた。

 

妖夢「チッ…」ガキキ

 

優「いけるか?!霊力を吸収しろ!!」ズズズ

 

妖夢「?!(凄い勢いで霊力をとられている?!)くっ…!」ザッ

 

優「退いたか、でも結構な量を貰ったぞ!(疲れも軽くなったし、まだ余裕があるからいけるな!)俺には『分裂する程度の能力』と言うのがある。いった通り分裂し本来ならば小さくなる。だが、感情で分裂したらどうだ?能力発動!『喜怒哀楽(きどあいらく)』」

 

優はそう言うと大きさはそのままで4人に分裂した。

 

優【喜】「喜怒哀楽とは!」ポヤポヤ

 

優【怒】「その名の通り…」ムスッ

 

優【哀】「喜びと怒りと哀しみと楽しさに…」グスン

 

優【楽】「分裂する事なんです!」ウキウキ

 

幽々子「プッ、ふふふ…何か面白いわぁ…プフッ」

 

幽々子は俺たちを見て笑いを堪えている。

 

妖夢「幽々子様、しっかりしてくださいよ?」

 

橙「藍しゃま、あれは何ですか?」

 

藍「橙、あんまり見るんじゃないよ?」

 

橙「?わかりました!」

 

優【怒】「おい、何かダメな人の見本見たいになってんぞおい」

 

優【哀】「やっぱり俺はダメなんだ…」ブツブツ…

 

優【楽】「もうちょっと明るくなりなって!暗くなったってなんの意味もないよ?」

 

優【喜】「でも取り合えず前にいる敵をどうにかしようよ?」

 

優【怒】「チッ…面倒くせぇからさっさと終わらせるぞ、能力発動『空間移動』」パッ

 

優【怒】は四人の前に空間移動して奇襲を仕掛けた。

 

優【楽】「あっ、おい!一人で行くと危ないぞ!」

 

『ボゴォォン!!』

 

優【怒】「ぐああ?!」

 

優【楽】「言わんこっちゃない、って痛っ?!おい、感覚が共通しているんだからな!」

 

優【怒】「あ¨あ¨?!テメーらが俺を援護しないからいけないんだろ?!」

 

優【嬉】「でも四人の中に一人で行くとどうなるか想像できないの~?」ニヤニヤ

 

優【怒】「テメェ、ずっとニヤニヤしやがってうざいんだよ!!」ボコッ

 

優【楽】「ちょっ、自分を殴るなよ?!」ガシッ

 

優【喜】「怒りにも痛みが伝わってくるんだよ?!」

 

優【怒】「離せ!!別にいいだろうが!!」

 

優【楽】「ちょっ、強すぎ…あ、哀!押さえるのを手伝って!!」

 

優【哀】「どうせこの世は弱肉強食、弱い奴は強い奴に食われる運命なんだ…」ブツブツ…

 

優【楽】「ちょっと哀ぃぃ?!」

 

幽々子「プクク…も、もう限界…あはははは!!」

 

妖夢「ゆ、幽々子様…プクク、しっかりしてください…プフッ!」

 

橙「同じ人同士で喧嘩してる?」

 

藍「橙、見てはいけないよ(あんなのが本当に幻想郷の脅威になるのか?)」

 

こんな感じに優たちがギャーギャー騒いでいるのを見て、藍達は呆れたり笑ったりした。

 

 

1分後…

 

 

優【怒】「ああもう!協力すればいいんだろう?わかったよ!」

 

何とか怒りを説得?させやっと戦うことになった。

 

優【楽】「さて、行くよ!」

 

優【怒】・【哀】・【喜】「ああ(うん…){了解~!}」ダッ

 

優達が藍達へ攻撃をしにいった瞬間、

 

『シュウウウ…』

 

優は元に戻ってしまった。

 

優「…あれ?!まさか力が切れたの?!」プシュウウ…

 

どうやら力を使いきってしまったらしく、強制的に元に戻されてしまった。

 

優「…」

 

幽々子「…」

 

妖夢「…」

 

橙「…」

 

藍「…」

 

辺りは静寂に包まれた。うわぁ、めっちゃっ恥ずかしい…

この静寂を破ったのは橙だった。

 

橙「…あっ!思い出した、佐藤先生ですよね?」

 

優「おっ!橙、思い出してくれたか~!!ありがとう、じゃあ俺に危険性がないのを皆にも伝えてほしいんだけどいい?」

 

橙「わかりました!藍しゃま、あの方は危険ではありません!この前話したいい先生です!」

 

藍「確かに前話していたが、演技かもしれないぞ?」

 

橙「証拠だってありますよ!佐藤先生はその時チルノちゃんを理解させたんですよ!」

 

藍「何だと?!あのバカをか?!」

 

妖夢「あ、あの氷精を…?!」

 

幽々子「あらあら、それは凄いわねぇ…」

 

え?何?チルノを理解させただけでこんなに認めてくれるの?チルノ、お前は何者なんだ?!

 

藍「…今から質問をする。その答えから決めようか。まず、お前はどんな能力を持っている?」

 

優「俺の能力は『分裂する程度の能力』と『空間を操る程度の能力』です」

 

藍「幻想郷をどう思っている?」

 

優「新たな人生を送る為の大切な場所、そして人と人が助け合える素晴らしい場所とも思っています」

 

藍「この前、お前はあんなことをやったんだ?」

 

優「それは狂気の暴走でもあり、妖怪の群れに襲われた為の防衛でもあります」

 

藍「その狂気が有る限り脅威としてみられるぞ!」

 

優「狂気ならもう既に93%の制御に成功しています。それに俺が意識を保っていたら基本は狂気は出てこないし、出しません」

 

藍「…そうか、今日の所は引き上げてやる。今度は紫様と話し合って直接判断しなければならない。お前の運命はそこで決まる」

 

優「!!有り難うございます…!!」

 

こうして何とか戦闘を回避?し、藍たちを見送った後、急いで紅魔館の住民をベッドへと運んだ。そして看病をし続けている内に夜が明けた。

 

 

 

 

 




この作品を読んでくれて有り難うございます。銀の鰹節です。
今回は戦闘回と遠くかけ離れてしまいましたね…戦闘回を楽しみにしてくれていた方、申し訳御座いませんでした!!
今回はここで終わりにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

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