中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
優の狂気、陰が出てきて悪を圧倒させる
 ↓
優が最終形態となって悪の前に再び立ちはばかる(今ココ!)


#140 弾幕ごっこと殺し合い

霊夢「ど、どうしたのその姿…?!」

 

霊夢は優の姿を見て息を飲む。形は人だとしても、全身が黒く、紅い管が通っている外観となっているからだ。

 

優「!霊夢、俺は俺の意志で動けるから安心しろ。…あととんでもない事がわかったぞ!」

 

魔理沙「とんでもない事?何なんだ、内容は?」

 

優「お前ら2人、俺が倒れている時に悪に向けてスペカを放ったよな?」

 

霊夢「ええ、そうだけど…」

 

優「それで傷つかない、ましてや怯みもしないなんて異常だとは思わないか?」

 

魔理沙「そうか…?アイツがとても強い奴だったから別に考えた事もなかったな…」

 

優「今のアイツは…『無敵』だ」

 

霊夢「どういう事?」

 

優「悪はここに来る前に、湖にいる皆を吸収してやって来た。そして悪は異世界の俺。俺以外が悪に攻撃すると、吸収された皆がダメージを受ける」

 

魔理沙「そ、そうか!吸収したって事は悪と1つになっているから、攻撃した時に悪と同時にダメージを…汚い奴だぜ!!」

 

優「それならまだいい方だ。悪のダメージ判定はこの世界に存在しないと言ってもいいだろう」

 

霊夢「なっ?!じゃあ吸収した奴にしか攻撃が届かないって言うの?!」

 

優「ああ。この世界に存在している悪の体は殆どが、吸収した者の判定で、悪自体のダメージ判定は異世界にある」

 

魔理沙「そ、そんな…じゃあ打つ手がないって事か?!」

 

優「いや、ある。俺の攻撃は吸収された皆には届かずに悪へ届く。何故なら同じ『優同士』だからな」

 

魔理沙「よ、良かった…まだ可能性はあるんだな」

 

霊夢「ねぇ優…私達は何も出来ないの?ただ優が敵と戦っているのを見ていなくちゃいけないの…?」

 

優「いや、あんた等にはやってもらいたい事がある。それは創造者、破壊者の相手だ。陰の狂気との戦闘でさっきよりは弱っている筈だ」

 

魔理沙「そうか…なら私は破壊者とやるぜ」

 

霊夢「なら私は創造者ね。…ありがとう、優」

 

優「お礼を言うなら俺からもだよ。引き受けてくれて有難う。そうだ、2人共、手を出してくれ」

 

霊夢・魔理沙「?」

 

魔理沙と霊夢は優に言われた通り手を出す。優は2人の手の上に、自分の手を乗せる。

 

優「少しだけ霊力を分ける。これで弾幕の威力も上がって破壊者達と互角になれる筈だ。…よし、それじゃあ散ッ!」

 

 

『バッ!』

 

 

優、魔理沙、霊夢は各々に別れて向かう。

 

優「覇奈さん!!」クワッ

 

覇奈「!」ヒューンッ

 

優が覇奈の名を叫ぶと、林に隠れていた覇奈が姿を現す。そして優の前に浮遊する。

 

優「まずは幽々子さんの元に行って、その次に幽々子さんと一緒にどこかへ吹き飛ばされた人、妖夢さんや慧音さんを見つけて、連れてきてください」

 

覇奈「!!」ヒューンッ

 

覇奈は冥界へと向かって行った。

 

悪「くっ…貴様、気付いたようだな俺の体のしくみが…!」ググッ

 

悪は風穴の開いた腹を手で押さえながら、立ち上がる。

 

優「さて、と…今まで吸収してきた皆を返してもらうぞ、悪…!!」

 

悪「ふっ…その姿、力、まるで別人だな。だが、だからといって俺は負ける気など無い。何故ならもう勝算はあるからだ」

 

優「ほう…是非ともその内容を聞いてみたいものだなっ!!!」ヒュッ

 

 

『パッ!』

 

 

優「消えた?!」

 

悪へ殴りかかった瞬間、目の前から悪は消えた。そして後ろから悪の声が聞こえる。

 

悪「…?!まさか、右目が使えないのか?」

 

優「何――――(まさか…この状態では右目が使えないのか?!それじゃあ時止めなどの対処が…)」

 

悪「力を求めすぎた故の退化か…。ますます勝機が見えて来たぞ…!」

 

優「…お前、もう攻撃受けてるぞ」

 

悪「は?」メギッ

 

優が悪に向けてそう言うと、悪の右肩から鈍い音が聞こえる。

 

悪「うあああーー?!!か、肩が潰れてる?!!」

 

優「例え時が止まって対処できなかろうと…止まる前に倒せばいいだけだ!!」バッ

 

悪「くっ(奴の拳が見えなかった…!!)――――『悪の世界』」グググ...ピタァ

 

悪は時を止めて優に対抗する。だが優も、悪が宣言した瞬間に霊力の壁で殆ど防御していた。

 

悪「こんなもの、避けて攻撃すればいいだけの事―――?!なっ、これは…」

 

悪は移動しようと、周りを見た時に驚く。何故なら360度、上からも弾幕が所狭しと放たれていたからだ。

 

悪「(これでは時を止めている間でも動けない!)これが狙いか、優…!!だが、下が空いているぞ!!」ヒュッ

 

 

『ズガンッ!!』

 

 

悪は地面を殴り、穴を作った。そして時が動き出すギリギリのタイミングで穴へと身を隠す。

 

悪「そして時は動き出す―――」グググ...

 

優「…だよなぁ、下しか道はないよなぁ!!」ブワァ

 

悪「なにっ?!(下へ行くことを読まれていたか!!まずい!)」バッ

 

優「遅い!」

 

優は全方向から迫ってくる弾幕を自分の霊力の壁で悪ごと包み込む。そしてその壁が一気に膨張する。

 

 

『ボゴゴゴッ!!!』

 

 

優「まだだ…!!―――(にじ)()混濁(こんだく)紋章(もんしょう) 不遜(ふそん)なる狂気(きょうき)(うつわ) ()きあがり・否定(ひてい)し (しび)れ・(まばた)き (ねむ)りを(さまた)げる 爬行(はこう)する(てつ)王女(おうじょ) ()えず自壊(じかい)する(どろ)人形(にんぎょう) 結合(けつごう)せよ 反発(はんぱつ)せよ ()()(おのれ)無力(むりょく)()れ――破道(はどう)九十(きゅうじゅう)黒棺(くろひつぎ)』!!!」ズンッ

 

優は追撃を加えていく。黒棺が消えるまでにも攻撃を仕掛ける。

 

優「邪王炎殺(じゃおうえんさつ)――――」ダッ

 

拳に力を溜め、一気に黒棺の前へ踏み込む。そして連続で拳を放つ事により、溜められた力は猛威を振るう。

 

優「――煉獄焦(れんごくしょう)!!!」ズドドドドドッ

 

 

『バキキキキッ!!!』

 

 

優が作った、黒棺や霊力の壁がガラスの様に砕け散る。中から悪がこれでもかというぐらい、拳をくらいながら出てきた。

 

優「最後にアッパーだ!!」ヒュッ

 

悪「ぐはっ?!」ガッ

 

悪は顎を思いっきり下から殴られ、空を舞う。だが優はこれでも終わらなかった。

 

優「この状態も長く続けていたら俺の命が持たない…一気にかたを付ける!」キュィィィ

 

優は掌に狂気の力を回転させながら圧縮して、玉を作る。

 

優「これが俺の…今の全力だ、うおおおっ!!!狂気『螺旋丸』」ガッ

 

 

『バンッ―――』

 

 

悪「くっ?!(『運命を操る程度の能力』と『吸収する程度の能力』を発ど―――――

 

悪に押し付けた黒い螺旋丸は悪と共に空高く打ちあがり、そして大爆発を起こす。

 

 

『ドゴォォォン!!!!!』

 

 

優「くっ…(やはり負荷が重い…!!今ので倒せたらいいんだが…)」シュゥゥ

 

優は現時点の状態を解除して、いつも通りの姿となる。

 

優「霊夢達の方は大丈夫なのだろうか…くっ?!」ガクッ

 

 

 

 

 

~魔理沙VS破壊者~

 

魔理沙「さて、と…お前はこの霧雨魔理沙様が退治してやるぜ、コノヤロー!」

 

破壊者「見た感じ、もう既にボロボロの様だが…。私も舐められた物だ…」

 

魔理沙「そうだな~~…よし、私はスペカ4枚でやる!」

 

破壊者「…フッ、この場においてもまだ『弾幕ごっこ』とやらを押し通すか。断る。これは戦争、つまり殺し合いだ。今に始まった事じゃない」

 

魔理沙「…なら私も断る。アンタが否定する『弾幕ごっこ』で完膚なきまでに負かしてやらぁ!!」バッ

 

破壊者「ギャーギャー五月蠅いなぁ…調子が狂う…。俺も暇じゃないんでな、さっさと終わらせて悪様の援護をしなくてはならない…」

 

魔理沙「先攻はいただくぜ!」バララララ

 

魔理沙は破壊者に向けて弾幕を放つ。破壊者は能力で次々に向かってくる弾幕を壊して応戦する。

 

魔理沙「ひゃぁ~…フランより正確で早いし、怖いったらありゃしないぜ…。でも、俄然やる気が出てきた…!!」パラララ

 

破壊者「(弾幕量を増やしたか。だが状況は変わらん)おい、下手な時間稼ぎはやめろ」

 

魔理沙「わかったわかった!ったく、せっかちな奴だな…。魔符『ミルキーウェイ』」ズババババ

 

破壊者「!(小さい物から大きい物までが入り組ませて放って来たか)だがこの程度、目暗ましにもならん」

 

 

『バリリリリリ…!!』

 

 

破壊者は魔理沙の弾幕をガラスの様に破壊していく。だが時間が経つにつれ、破壊者の顔にも余裕がなくなってくる。

 

破壊者「なんだ、時間経過につれて弾幕発射量が増えているのか?!(能力ではもうカバーしきれない程度だ…!!)」

 

魔理沙「…ッ!クソッ、時間切れだ…」シュゥゥ

 

破壊者の限界が見えたと同時に、魔理沙のスペカも切れる。

 

破壊者「中々やるじゃないか…では私もそろそろ攻撃へと移らせてもらおう!!くらえ、『破壊砲』!」ヒュッ

 

魔理沙「ッ?!ヤベッ――――」サッ

 

 

『ドンッ!』

 

 

破壊者は魔理沙に向けて拳を放つ。拳からの拳圧は衝撃波へと変わって、魔理沙がいた所を通り過ぎる。その時にドンッという強い音を発していた。

 

破壊者「一発で終わりじゃないぞ…ハッ、ハッ!」ドドンッ

 

魔理沙「わ、わ、うおっ?!」ギュンギュンッ

 

破壊者「ちょこまかとすばしっこい奴め…だが、これでは避ける事も出来まい!!無駄無駄無駄無駄!!」ドドドドンッ

 

魔理沙「や、ヤバいって?!(攻撃する暇がない!例え優から霊力をもらっても能力で破壊されちまうし…クソッ、どうすれば…)」ギューンッ

 

破壊者「(速い…まず移動手段から叩くべきか)ハアッ!!」ドドンッ

 

魔理沙「い゙っ?!(りょ、両手打ち?!範囲が広すぎてこれじゃあ避けれない―――)」グッ

 

魔理沙が身構えて力んだ瞬間だった。魔理沙の手から優と同じような黒い霊力が出てきて、魔理沙の腕を包み込む。

そして破壊者の『破壊砲』に当たる直前に、箒から爆発的なエネルギーが生まれ、高速で回避していた。

 

破壊者「消えた?!」

 

また、高速すぎて第三者からはまるで瞬間移動のように見える程の速さだった。

 

魔理沙「…ん?うわっ?!ななな、なんだんだこの腕はぁ?!」ヒエエェェェ

 

破壊者「…(緊急回避用の技か?…いや、使った本人も驚いているから考えにくいな。咄嗟に起こした行動だというのか?)」

 

魔理沙「ッッ…!!あれ?何も起きない…むしろ力が上がってくる?あ、そうかこれは優の力か?だったら今の弾幕は…!!」バララララ

 

破壊者「なっ?!威力が上がった?!(能力だけでは壊しきれない!!)『破壊砲』!」ドンッ

 

破壊者は弾幕を破壊砲で吹き飛ばす。だが、失速しただけで残った弾幕もちらほらとあった。

 

魔理沙「そうだ、そうだったな…私が賢く戦える訳じゃなかったな。やっぱりパワー頼りのゴリ押しで行かないとな!!星符『ドラゴンメテオ』」ズゴオオオッ

 

破壊者「ぐっ、ううっ…!!」ガンッ

 

破壊者は魔理沙のスペカを受け止める。力に負け、ジリジリと押しのけられる。

 

破壊者「ぐっ、うおおおお…!!パーフェクトブレイク!!」バンッ

 

 

『シュゥゥ…』

 

 

魔理沙「おいおい、小さな弾幕も撃っておいたぜ?」バララララ

 

破壊者「くっ?!(反動で能力が…)だが俺は負けん!!うおおおッ!!」ズガガガガ

 

魔理沙「なっ?!弾幕を拳で跳ね返してる?!(能力は使わないようだな…いや、使えないのか?だったら今しかないぜ!)彗星『ブレイジングスター』」ゴオッ

 

魔理沙は破壊者へ勢いよく突進する。その時、破壊者の周りにあった自分の弾幕を、通り過ぎた時の衝撃波で吹き飛ばしてしまった。

 

 

『グニィ…!!』

 

 

破壊者「(何だ空間が歪――――)?!」バンッ

 

魔理沙「受け止め…られた?!」ズゴォォォォ

 

破壊者「フフ、フハハハ…!!運が悪かったな…たまたま俺が瞬時に下半身を力ませたお蔭で受け止めてしまった為に、お前は負けるんだ…!!」ヒュッ

 

魔理沙「ガッ?!」グッ

 

 

『ズガァァン!!!』

 

 

破壊者は魔理沙の頭を掴み、地面へ叩き付ける。その時の力は何よりも強く、地割れを発生させる程だった。

 

破壊者「…終わったな」

 

魔理沙「…だ…ちゃ、ぇ…。まだ…終わっちゃあいねぇ!!最後のスペカをくらえ!!」キュィィィ

 

破壊者「何っ?!(今の衝撃に耐え、意識を保っているだと?!気絶してもおかしくは無い!!)くっ、死ぬがいい!!!」ヒュッ

 

破壊者から放たれた拳よりも、魔理沙の方が早かった。

 

魔理沙「恋符『マスタースパーク』!!!」ズゴゴゴゴゴ

 

破壊者「ぐぅ…!!ぐああ…!(まさか…まさかごっこ如きに負けるのか?!あ、悪様…?!!)悪様ぁぁぁ?!!」ファッ

 

 

『ズガガガガガガ…!!!ズガーン!!!』

 

 

魔理沙が放ったマスパは、破壊者を押し飛ばし、一本の大木へ一直線に爆発した。大木は倒れ、煙が晴れるとそこには気を失った破壊者が居た。

 

魔理沙「へへっ…やっぱり弾幕はパワーだぜ!」フッ

 

魔理沙はそう納得してその場で意識を手放した。

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は悪と破壊者VS優と魔理沙でしたね。創造者VS霊夢は次回に持ち越しです(集中が切れた)。何とか2人共勝つ事が出来ましたね!魔理沙に至っては気を失ってしまったけど…。
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

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