中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
悪達が優達と戦闘を始める
 ↓
悪が優達を次々に…(今ココ!)



#139 狂気とは一体…

悪「俺が最強だ!」

 

霊夢「何て奴…!!」

 

魔理沙「私達の全力が効いていないだと?!」

 

悪は魔理沙達のスペカを防ごうとも避けようともせずにくらう。だが、全くと言っていい程効いていなかったのだ。

悪は優が倒れている方へと、顔を向ける。

 

悪「フッ、俺が自分自身を吸収すればまたさらに強くなる…!!今、優を我が力へと変えておこう!!」ダッ

 

霊夢「なっ、待ちなさい!!」バッ

 

魔理沙「させないぜ!!こうなりゃ捨て身だ…!彗星『ブレイジングスター』!!!」ゴオオオッ

 

魔理沙が衝撃波と共に、突進してきた瞬間―――

 

 

『バキィィンッ!!!』

 

 

地面が盛り上がり、爆発する。空には土や石などが舞い上がる。

 

魔理沙「――ッ?!クソッ、このまま行ってやるぜ!」ゴオッ

 

魔理沙は、空から降ってくる土や石などお構いなく悪と突進しようとした。だが、急にグンッと止まる。

 

魔理沙「んっ?!な、何だ―――?!!」

 

創造者「行かせるか…俺はやっと『道』を見つけたんだ…!!邪魔などされてたまるか…!」ググッ

 

魔理沙「なっお前?!箒を掴んで――――」

 

創造者「うおおおおおっ!!!」ヒュッ

 

 

『バキッ!!』

 

 

魔理沙は創造者に殴られて、箒から離される。

 

霊夢「魔理沙ッ?!」

 

魔理沙「ぐ…行け霊夢!!私は大丈夫だから優を…!!」

 

霊夢「…ッ!!わかったわ…!」バッ

 

霊夢は魔理沙の言葉を受け入れ、悪へと向かう。だが、霊夢を阻む者が現れる。

 

破壊者「行かせませんよ…!!」ズガンッ

 

霊夢「くっ?!」バッ

 

横から破壊者が弾幕を放ち、霊夢の行く先を邪魔するのであった。

 

霊夢「早くどきなさいよ!!霊符『夢想封印』」ドガガガ

 

破壊者「行ってください。ここは私達で足止めします」

 

悪「良くやった。創造者、破壊者よ」ザッ

 

悪は優の前へと立ちはばかる。

 

優「ぐふっ…!!(くそ、心臓をやられたのはダメだったか…!!まだ骨も治っていない…!)」

 

悪「どうやら、自慢の細胞分裂とやらも間に合わないらしいな」ガッ

 

優「ぐっ…(首を…!!)」ググッ

 

悪は優の首を掴み、持ち上げる。そして悪の体から霊力の布が出てくる。

 

魔理沙「ぎぃ…!!(顎殴られて軽い脳震盪が起きてやがる…!!)」

 

霊夢「ダメ、間に合わない!!優、しっかりしてよ!!」

 

優(ダメ、だ…力が入らねぇ…。アーレスも回復出来てねぇし、ここまでなのか…?!)ググッ

 

悪「貰うぞ、お前の力…!!」ブワァッ

 

優が悪の布に殆ど包み込まれた瞬間だった。

 

 

 

 

            『俺が力を貸してやろう。全てを無にしてやる』

 

 

 

 

悪「ッ?!」バンッ

 

なんと悪の霊力で作られた布が、破壊されたのだった。

 

優「…」ググッ

 

そして優は無言で立ち上がる。すると優の体から黒く、禍々しいオーラが溢れ出す。

 

 

『ブワッ!!!』

 

 

悪「くっ?!(このオーラ、俺を追跡するのか?!)」バッバッ

 

悪は優から放たれたオーラに追跡され、30m程後退する。するとオーラは25m程の所でピタッと止まる。

そして途中で止まったオーラは優へと戻っていき、優の全身を包み込む。

 

 

『ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!』

 

 

霊夢「これって…紫がブチ切れした時と同じ現象?!」

 

魔理沙「まさか…空気を振動させる程の霊力が発生しているって事か?!」

 

創造者「この感じ…まさか!?いや、ありえない!?」

 

創造者はこのピリピリとした霊力を読み取って、後ずさりする。

優を包み込んでいたオーラは徐々に人の形へと形成されていった。そして最終的には色が付き、人の姿となった。

 

破壊者「何だ、急に霊圧が上昇したと思えば、髪が伸びただけで変わりないじゃないか、優」

 

優「…」グッ...グッ...

 

優はただ、自分の拳を握ったり開いたりを繰り返し、まるで力の調整をしているようだった。

 

優「フフ、フハハハ…!!アハハハハハハハハ!!!!」

 

全員『?!』

 

すると優は急に笑い出し始めた。まるで、いつもの優ではなく別人のように霊夢と魔理沙は感じ取った。

 

優「感謝しろよ、俺のオーラを具現化させた事によってお前は命を失わずに済んだんだ…!!それと引き換えに俺は少し暴れさせてもらうぜ…!!」

 

霊夢「ま、優…?」

 

悪「…(俺はこんな力を見た事も、持ってもいないぞ…?!つまり、この世界の優特有の技って事か?)」

 

破壊者「…?(一体何だというんだ?先程まで感じていた霊圧が嘘のように感じなくなり、空っぽの器のように感じる…退化したのか?)」

 

創造者「や、やはり…あの、あのアイツだと言うのか?!(前回よりもかなりパワーアップ?いや、退化した?わからん、だが危険だという事は分かる!!)」

 

全員優の方を見て分析していると、優が口を開く。

 

優「おいおい…ビビッていねぇでかかってこいや。来ないなら俺から行くぞ…!!(この中で一番強い奴は…アイツか!!)」ダンッ

 

悪「?!(速い!!)」

 

優は地面を強く蹴り、一瞬で悪の目の前へと移動する。

 

悪「『怪力乱神を持つ程度の能力』発動!ハアッ!!」ヒュッ

 

 

『パシッ!』

 

 

悪「何ッ?!!」ググッ

 

優「おいおい、何だそのヘナチョコパンチは?パンチっつう物はな…こういうモンだよ!!」ヒュッ

 

悪「ぐあっ?!」ゴキッ

 

優は悪のパンチを軽く受け止め、悪に殴り返す。そして悪は勢いよく吹っ飛ぶ。

 

 

『トンッ…』

 

 

だが、優は悪が吹っ飛ぶ方向へ先回りし、悪を受け止める。

 

優「まだ…終わっちゃあいねぇぞ!!」ヒュッ

 

悪「グフッ?!」ベキッ

 

優は左手で悪を押さえつけ、右手で何回も拳を叩き込む。

 

 

『ドゴッ!ベキッ!ガッ!ドスッ!』

 

 

悪「ぐ…この野郎がぁぁぁ!!お前ごと空間を裂いてやる!!」バッ

 

優「空間勝負でいくなら…俺の方が有利だ。『空間移動』」キュインッ

 

悪「消えた?!(一体何処に…)」

 

『下だ』ボゴッ

 

 

『ズガガガガガ!!!』

 

 

悪「しまった?!(首から下を地中に…?!)」ググッ

 

優「実はよぉ、お前の周りの地面には空間が数か所あって、その空間の中には水素をこれでもかというぐらい詰めておいたんよ。後はわかるな?」

 

悪「水素だと…?まさか?!」

 

優「そう、そのまさかだ…!!くらいな爆符『明暦の大火』」カッ―――

 

 

『ズガァァァン!!!』

 

 

優は悪を一方的に攻撃していっていた。そして悪がやられた事により、破壊者と創造者の標的が優へと切り替わる。

 

破壊者「お前は一体何者なんだぁ!!破壊『剛岩拳』」ヒュッ

 

創造者「貴様はここで倒す!!創造『封印剣・十拳剣』」ヒュッ

 

優「おいおい、俺を封印しようってか?無駄だ、例え十拳剣の速さでも瞬間移動にはついてこれねぇ」パッ

 

破壊者・創造者「何処に―――ッ?!」ガッ

 

優は一瞬、創造者達の前から姿を消し、再び前に現れる。

 

破壊者「フェ、フェイント…?!」

 

創造者「(まずい、頭を掴まれた…!?)うああああーーっ?!!!」バタバタ

 

優「…?(何だ、コイツだけさっきから妙に慌てているな…ん?)お前、もしかして俺が初めて出て来た時に戦った何だっけな…『創造者』とか言う奴だっけ?」

 

創造者「…ッ!!どうやらお前は【優の狂気の『陰』】の様だな。てっきり優に敗れたと思ったが…」

 

優(陰)「ハッ!陽が戻って来ていて陰が戻っていない訳がないだろ!!」ミシミシ...

 

優はそう言って創造者達の頭を掴んでいる手を力ませる。

 

破壊者「ぐ、あ、あぁっ?!!」メキメキッ

 

創造者「(い、嫌だ?!また…またコイツと交える事となり、死にかけるなんて?!)あ、が…!!」ミキミキッ

 

悪「俺があの程度で倒せたと思ったのか、マヌケがぁぁぁ!!!」ダッ

 

優(陰)「ほう…まだ生きているか。既にボロボロだと言うのにご苦労なこって」

 

悪「お前の体の空間ごと削り取る!!」グゥリッ

 

悪は優の体を一刀両断するかの様に、上半身と下半身に分ける。

 

悪「勝った…!!」

 

優(陰)「成程、これが右目の力、自分自身に幻術をかける『イザナギ』か…!!」

 

悪「何…?!(う、動けぬ…!!)」

 

優(陰)「さてと…ちょっとそこの2人は待っててくれよ?俺は先に悪をやる…!!」ニヤッ

 

優は悪の目の前に立って笑みを浮かべ、肩に手を置いた。

 

優(陰)「そういえば、お前は俺の攻撃が結構効くんだったよな…。『狂者の波動』」グッ

 

悪「ッ?!グ、ア、ア、ア、ア?!!」ブルブルブル...

 

優は悪の体に狂気の力を衝撃波として直接送り込む。

 

霊夢「これが…優なの…?!」

 

魔理沙「いや、アイツ(創造者)が言ってたけど優の狂気らしい…」

 

霊夢「優の狂気…つまり今は乗っ取られているって事?!」

 

魔理沙「例えそうだとしてもどうする事も出来ないだろ…」

 

悪はどんどん膨張していっていた。何故ならずっと衝撃波は体の中に滞積し続けているからだ。

 

優(陰)「…(かなり耐えるな…早く止めを刺しておいた方がいいな)もうそろそろ終わりにしよう…」ゴオオオッ

 

優は悪に触れながら霊圧を上昇させていく。そして溜まりにたまった霊力を一気に掌に集中させ、爆発させる。

 

優(陰)「ハアッ!!」カッ―――

 

悪「ぐ…(今だ、『吸収――――」

 

優の手が光った瞬間だった。悪が優の霊圧、衝撃派を吸収した瞬間は。

 

優(陰)「なに…?!」

 

悪「フフフ…フハハ、アハハハハ!!!!俺の能力を忘れていたようだなぁ!お前の力、もらったぞ…!!」

 

優(陰)「…20%解放、月符『一筋の月光』」カッ

 

 

『ヂュインッ!!』

 

 

魔理沙「なっ…?!!」

 

霊夢「今のは…スペカ?!(威力が次元を超えている…?!!)」

 

優は指先から放った1つの弾幕で、前方の地面や奥にある林、山などに道を作ったのだった。音などなく、スペカを発動した瞬間にはこの景色になっていたのだった。

 

優(陰)「あ~…何だって?『吸収』とか言ってたっけ?どうだ、今のを吸収できたか?」

 

悪「ぐはっ…!!(奴に近すぎたお蔭で、体を貫通しただけで済んだ…!!吸収し始める前にはもう俺の体に穴が開いていた…!!)」

 

優(陰)「無理だよな?光の速さ…とまでは言わないが、秒速がこの幻想郷の端から端まで、いや地球を半周するぐらいとでも言っておこう。気付けば穴が開いていた。それが正しいんだよ」

 

悪はその場に倒れる。だが、いきなり優の体に異変が訪れる。

 

 

『バキッ!!』

 

 

 

優(陰)「なっ?!」ビキビキッ

 

魔理沙「何だ、優の胸から手が出て来たぞ?!」

 

優(陰)「…思ったより早かったじゃねぇか、表」

 

 

『悪達の相手を有難うな、狂気の【陰】。だがこれ以上やるとお前が抑えきれなくなると思うから、自分勝手ですまないと思うがここで退場とさせてもらう』

 

 

霊夢「この声は…」

 

突如優の体から響くような声が聞こえる。

 

優(陰)「読みが凄い事…丁度今力を20%程解放させて地形に穴開けた所だ」

 

 

『危ねッ?!このタイミングで回復だ来たのが幸運だったよ…』バキバキバキッ...!

 

 

優(陰)「どうだ、蝶にの様に蛹から誕生した気分は」

 

優「そうだな…強いて言うなら空気が新鮮でおいしいって事かな?」バリィッ

 

なんと、優の体からまた優が出て来たのだった。しかも今度の優もいつもと違う外観となっていた。

 

悪「…?!何だ優…その姿は…?!」

 

その姿を見ると、悪でさえ仰天するものだった。

 

優「なに、アーレスと同時に出ているんだよ」ドクンッ

 

優の体から出てきた優は、霊力が通る『霊管』という管が紅く光り、辺りを照らしていた。そして脈を打つ度に光が強くなってチカチカしているのだ。

 

優(陰)「で、あとは俺がお前らと合体すれば終わりって訳か?」ズズズ...

 

抜け殻となった狂気(陰)の体は徐々にオーラへ戻っていき、そして1つの球体となった。

 

優「さて、と…来い!陰ッ!!」

 

 

『ズズズズ…!!!』

 

 

優が叫ぶと、球体となった狂気の陰の塊が優の体を覆う。そして出来上がったのが、全身が黒いオーラで纏って、紅く光る血管が禍々しく見える姿だった。

 

優「これが俺の『最終形態』だ!!さて…本当の勝負はこれからだ…!!」

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回の話ををする前に、嬉しい事がありました。そしてその嬉しい事を皆さんにも紹介させてもらいます!
なんと優君の絵が届いたのですよ!それがコチラです↓

【挿絵表示】

(野太刀様・作)
この絵を送ってくれた方は『東方甘味録』という作品を書いています。
内容は、とある男子高校生が幻想入りし、波乱万丈の人生を送る事となる…とのような感じです!
皆様もどうぞ、ご観覧ください!
https://novel.syosetu.org/94230/

今回は優がいっぱいですね!霊夢と魔理沙が傍観者となりつつあるのを出来るだけ回避したいのに傍観者となっている…これじゃあダメだ!という訳で、次回『魔理沙と霊夢が強くなる』のです!どのように強くなるとは言いません。
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

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