フランと優が協力して、狂気を制御した。
↓
狂気も1人の人として認められるように…(今ココ!)
~戦争まで残り2日の朝~
優「…よし、出来た!」カパッ
優は朝早くから作業台と睨めっこをして、何かを作っていた。
優「戦争前に作れて良かった~…(あとはこころさんに、今出来たお面を渡すだけだな…)」
そう、優は前にこころから頼まれていた『面作り』をしていて、完成した所だった。
優「ふぅ…(ちょっと疲れたし外の空気を吸うか)」
そして俺は出来た面を台に置き、外へ空気を吸いに向かった。
外に出ると、朝の清々しい風を感じ取れる。
優(そう言えば今日は戦争に向けての待機、という事で各自の持ち場に向かわなきゃいけないんだっけ?その間にこころさんにお面を渡さなきゃな…)
華仙「あ、優さん此処に居ましたか。もう朝ごはん出来てますよ」
優「あ、分かりました。今行きます」スタスタ
俺は華仙に呼ばれたので、朝食を食べに向かう。今日のメニューは味噌汁に、焼き魚、ご飯と定番中の定番メニューだった。
華仙「そうだ、霖之助さんから貴方への贈り物を受け取っているから、朝食後に取りに来てください」
優「わかりました(霖之助さんからの贈り物…新しい武器とかそこら辺かな?)」
俺は贈り物の内容を楽しみにしながら朝食を食べ終え、華仙が待っている元へと向かう。
優「華仙さん、お待たせしました」
華仙「来たわね…!…じゃじゃーん!!」バッ
華仙はそう言って、フード付きの黒いマントを広げる。
優「これは…」
華仙「これは羽織り物よ。霖之助さんの話によると、毒を無効化させたり、衝撃を和らげるなどの効果があるらしいの」
優「何か凄いマントだなぁ…。着ても良いですか?」
華仙「もちろん!」
優「じゃあ…よいしょっと」バサッ
華仙「うん、中々似合っているわよ!」
優「そうですか、有難うございます。それじゃあ俺は先に戦争の持ち場へ向かいますね」
華仙「私は師匠と行くから先に行ってて!」
優は家を後にする。すると、移動していて気付いた。このマントを羽織っていると身軽にもなれるのだ。
優「…!体が軽い!よし、飛ばすか」ギュン
飛行する速度を速め、現地へより早く向かう。すると湖が見えてきた。
~霧の湖~
魔理沙「ん?おい勇義、その包帯どうした?」
勇義「いやぁ、優と戦った時に負った傷でよぉ、アイツいきなり強くなったんだよ」
さとり「あの人は人間なのですか…?」
優「あっ、もう既に殆どの人が来ているんですね…」
幽香「あら、久しぶりじゃない。前会った時何で逃げたのよ?次も戦いたくなっちゃうじゃない…!」ゾゾクッ
優「さすがに今の時期の戦闘は避けさせてもらいます」
幽香「釣れないわねぇ。まぁいいわ、戦争が終わったら嫌という程付き合ってもらうんだから」
優「そうですか…(ここにはこころさんは見当たらないな…人里かな?)」ダッ
魔理沙「あっおい、何処に行くんだよ?!」
優「人里に行ってくるー!!」ギューン
魔理沙「忙しい奴だぜ…」
~人里~
慧音「…念のために戦争中は私の能力で、人里を隠しておいた方が良いか…」
聖「…!この感じは…優さん、ですか」
優「さすが聖さんですね。感知能力が高い」ザッ
ぬえ「げっ、アイツは…?!」
星「あれ、優さんは湖専属ではありませんでしたか?」
優「確かにそうですけど…今回は人探しでこちらに来たんですよ。こころさんを何処かで見ませんでしたか?」
ナズーリン「あの面の付喪神なら、あそこの仙界の奴らの所に居ると思うよ」スッ
ナズーリンが指を指した方向には、神子達と一緒にいるこころの姿が見えた。
優「本当だ、有難うございます。ナズーリンさん」
ナズーリン「ん?別にいいさ」
俺はナズーリンにお礼を言って、こころの元へと向かう。
優「こころさーん!!」スタスタ
こころ「!優だ、どうしたの?」
布都「おおっ優じゃないか!どうして此処におるのじゃ?」
優「こころさんにちょっと用事があって…。はいこころさん、頼まれていた物です」スッ
こころ「これって…木でできた面!!」
俺はこころに今朝作り終えた面を渡す。こころはまじまじと面を見た後、装着してみる。
優「…どうですかね、面の付け心地は?」
こころ「付け心地は普通と変わらないけど、何だろう…。『最終的に勝てばよかろうなのだぁぁ!!』って言いたくなる…!」
優「え…(面を付けるだけで、言いたくなることってあるの?!)」
こころ「ありがとう。とても嬉しいよ!」
優「そうですか、喜んで頂けたなら嬉しいです!じゃあ目的は果たしたので、持ち場へ帰りますね」バッ
こころ「じゃーねー」
俺は飛び上がり、そのまま霧の湖へ向かおうとする。だが、いきなり後ろから何かが襲い掛かってきて阻止される。
優「ぐうっ?!」ギィンッ
椛「さすが優だな。私の一撃をしっかりと受け止めるとは…」ガキキキ
優「ちょちょちょ、不意打ちは反則でしょう?!」ギチチチ
椛「でも見ててください…!!私はあのモヤに憑りつかれてから変わったんだ!!」ブゥワ
優「な、何っ?!!(あの時のモヤが…再び椛から放出されている?!また憑りつかれたのか?!)」
椛「ハアッ!!」ゴオッ
優「(力で無理矢理―――)ぐわっ?!」ガンッ
椛「(今回はさすがにみねうちで勘弁してあげますよ!)終わりです」ヒュッ
優「くっ…分裂!!」ズパッ
椛「うぇっ?!き、斬れた?!」
椛は2つに分かれた優の姿を見て顔を青くする。どうやら自分が斬ったと思っているらしい。
文「こら椛!人里での戦闘はいけないでしょう!」
椛「あ、文様どうしましょう?!わわわ私、優を真っ二つに斬ってしまいました!?」ガシッ
文「え、えぇっ?!何をやっているんですか、貴女は!!」
椛「すすす、すいませんッ!!」
優「いや、あの…俺は別に大丈夫―――」
椛「ギィエアアアア?!!元に戻ってるーーー?!!」
優・文「やかましいっ!!」ヒュッ
椛「はうっ?!」ドスッガッ
優は椛の頭に、文はみずおちに強烈なパンチを入れる。椛はかなりのダメージを受けたようだ。
椛「こ、れは…効く!?」プルプル
文「優さん、本来ならば戦争前のインタビューという事で取材したいのですが、椛がこうですから今回はいいですよ」
優「あ、有難うございます(…なのか?)」
俺は取りあえずその場を後にして、湖へと向かった。
~霧の湖~
優「…そういえばレミリアさん達が見当たらないけど、屋敷の方にいるのかな?かなり近いし」
チルノ「ん?おーい!!マサル!マサル!アタイだよー!!」ギャーギャー
優「え?」
いきなりチルノの声が聞こえるが、周りを見回してもチルノは見当たらない。
チルノ「ちょっとー!!アタイはコッチよー!!」
優「ど、何処だ?!(今日は霧が出ていなくて視界が広がっているというのにチルノが見つけられない?!)」
チルノ「ウ・シ・ロ・の・ホ・ウ!!」
優「後ろ…?」クルッ
後ろといわれて振り向いてみるが、木や草などしかなかった。
優「…いや、ちょっと待てよ。右目、ズーム機能」キュイイン
試に視界をズームさせて、辺りを見渡してみる。すると、チルノの物らしき水色の切れ端が見えた。
優「え…ちょ、チルノ遠くない?!(大体距離が600mぐらいあるぞ?!なのに声がしっかり届くって…)」
いや、まずあの木が生い茂っている中、俺を見つけただけでも凄いか。
俺はチルノがいる所まで向かう。
優「チ、チルノ?これから1週間ぐらいは人里の方へ行って慧音先生の所で待機しててくれないか?」
チルノ「え~…なんでアタイだけ…」
優「いや、チルノの友達にも伝えてくれないか?大ちゃんとかね」
チルノ「じゃあわかった!!大ちゃーん!ドコー!!」ガササッ
チルノは森の奥へと消えていった。ちゃんと伝えれるかが不安だ…。
優「…ちょっと暇だし右目で未来でも視てみるか。断片しか視れないけどな…右目、予知眼!」ギンッ
俺は暇つぶしで未来を視てみた。だが、とんでもない事が視えてしまったのだった。
優「嘘だろ…?!(此処から人里までの距離は…3か4kmぐらいか…)【俺から5kmは俺の空間だ】『人声反響』!」
~人里~
慧音「?!この赤い空間は…優か?」
ナズーリン「まさかもう敵が攻めて来たっていうの?!」
聖「いえ…もし戦闘ならばこれ程の範囲まで能力を使わなくてもいい筈…」
『皆さん、大変です!!構えてください!!』
文「これは優さんの声?」
衣玖「人里に着いて直ぐにこれですか…」スタッ
天子「ねぇ~~衣玖~~…私達も湖行きましょうよ~…」
衣玖「今は黙ってください!!」
~霧の湖~
魔理沙「一体何だってんだ?まだ戦闘までは2日あるじゃないか…」
お空「アタイとフュージョンしない?」
妖精「え…?」
お燐「お空?!アンタ通りがかりの妖精に何を言っているの?!」
さとり「2人共、お願いだから今は静かにして頂戴…!」
『敵が…攻めてきます!!』
~紅魔館~
咲夜「お嬢様、急いでください!!」
レミリア「わかってるわよ?!(優…いきなりすぎるわよ!!)」ドタバタ
フラン「お姉様ー!私はもう行ってるよー!!」
レミリア「ちょ、待ちなさいフランっ!!」
優「(分身を1体作って博麗神社にも…!)人里に待機中の皆さん!!もうすぐ襲撃されるので気を付けてください!!俺も分身を作ってそっちに向かいます!!」
~人里~
慧音「な、何っ?!の、能力発動!!」ピキーン
慧音は直ぐに能力を使って人里を隠す。
文「椛、全体戦闘態勢に!!」
椛「もうさせました!!」
神奈子「ふぅ…遅めに行ったのが仇となったね…!!」
諏訪子「別に間に合ったし良いんじゃない?」
早苗「神奈子様、諏訪子様!私も人里に居てもいいですか?!」
神奈子「別にどっちだっていいさ。構えな!!」
『グゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!』
空気の大きな振動と共に、人里の上空にスキマと似たような、巨大な空間の裂け目が出て来たのであった。
この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は一気にズババババーン、と進みましたね(え?戦闘が始まっただけだって?それはナシネ)。若干、戦場に来ていない人もいるようですね。優が暇つぶしで未来を視ていなかったらどうなっていたのか…。
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!