中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
フランが狂気を制御しようと、対立する。
 ↓
何故か優がフランの精神世界に現れた(今ココ!)


#128 メインは貴方だ…!!

フラン「ま、マサル?!」

 

優「はい、何ですか?フランさん」

 

フランは状況が理解できていなかった。本来なら自分以外入る事の許されない世界。その世界に 何故優が居るのがわからなかった。

 

フラン「…」ボーッ

 

優「すいません、フランさん。時間が無いので俺がどうして此処にいるかは終わってから話しますから!」

 

フラン「あっうん…」

 

優「正直、この問題に俺がいっぱい手を出すといけないけど…どうします、フランさん。俺は貴女の意思で動きますよ」

 

フラン「えっ?」

 

優「あー…簡単に言うと、狂気の制御に俺も協力するか、それとも自力で頑張るかという2つの選択肢です」

 

フラン(…今の私じゃ狂気に太刀打ち出来ないって事が分かった。じゃあ優に協力してもらえばいけるかな?でもこれは自分の問題だから他人に頼ってもいいのかな?それも何か違うような…)

 

フランは数秒間沈黙していた。狂気は起き上がり、今にも襲い掛かって来そうだった。

 

優「…フランさん、早く決断を!!」

 

フラン「…よし、決めた!優、私に力を貸して!確実に狂気を制御するために!!」

 

優「分かりました!狂気が来ますよ!!」

 

フラン狂「お前は…私を封印した忌々しい人間ね…!!どうしてここに居るか分からないけど、返り討ちにしてやるわ!!」ダンッ

 

狂気が優へ突進してくるも、間にフランが入り攻撃を仕掛ける。

 

フラン「えいっ!!」ガッ

 

フラン狂「ぐっ!!小賢しいよ!!」カッ

 

フラン「くっ!?」サッ

 

フラン狂「ハアッ!!」ヒュッ

 

優「空間移動!」ブゥン

 

 

『パッ!』

 

 

フラン「わっ?!」パッ

 

優は能力でフランが狂気に攻撃される寸前に、目の前に移動させる。

 

優「…やっぱりこの世界には本来存在する事が出来ない俺。その分力も制限されてしまっている…」

 

フラン「ううん、それだけでも助かるよ!」

 

優「フランさん…。よし、狂気の攻撃は大体俺が防ぎます!フランさんは攻撃する事だけを考えてください!」バッ

 

フラン「分かった!ハアアッ!!!」ゴオッ

 

 

 

 

~現実世界~

 

優・フラン「…」

 

レミリア「…また優に救われたわね…」

 

パチュリー「ホントよ。まさかあの封印した時に、自分の霊力も少し混ぜておいただなんてね。そのお蔭でフランの精神世界には何とか入れたみたいね」

 

そう、優はフランの狂気を封印した際に、自分の霊力を少し混ぜ、もしもの時の為に侵入できるようにしていたのだった。

 

美鈴「凄いですね…。手足だけじゃなく、腹部の傷まで精神世界で治していますよ…」

 

咲夜「でも一体何故優は妹様の状況を知って駆け付ける事が出来たのでしょうか?」

 

パチュリー「それは本人に聞いた方がいいわよ。推測しづらいからね」

 

 

『ザシュッ!!』

 

 

小悪魔「あっ!優さんの額に切り傷が…!?」

 

 

 

 

 

~精神世界~

 

優「ぐっ?!」ズパッ

 

フラン「マサル?!」キキッ

 

優「止まってはいけません、そのまま行ってください!!」

 

フラン狂「んん~~…貴方の血は霊力が濃くていいわぁ~♪」ペロッ

 

狂気は俺の血が付いた指を舐めて、俺を見る。

 

優「ぐっ…!(力が…)」ガクッ

 

フラン狂「もう1口頂戴――」ガパッ

 

優「へっ!かかったな、くらえ!!『波紋疾走(オーバードライブ)』!」バチッ

 

フラン狂「ああっ?!(何これ…熱い?!!)」ジュワァ

 

フラン「でぇやあああ!!(レーヴァーテイン!)」ブンブンブンッ

 

フラン狂「ぐふっ?!」ドドドッ

 

優「縛道の六十一『六杖光牢』!」パッ

 

優は狂気が空中でふっとばされている所に、六杖光牢を当て、拘束する。

 

フラン狂「しまっ――?!(身動きが出来ない?!)」

 

フラン「くらいなさい!!」ドスッ

 

フラン狂「ア゙ア゙ア゙?!!」ドシュッ

 

フランは六杖光牢で動けなくなっている狂気の胸に、レーヴァーテインを突き刺す。

 

フラン「やった…!」

 

フラン狂「ヴ…ヴア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」ゴオオッ

 

優・フラン「ッ?!!」ググッ

 

フラン狂「コレクライデ…ワタシニ勝ッタと思ウナァァァ!!!」バキッ

 

優「な…?!(六杖光牢が砕かれた?!同時にフランさんのレーヴァーテインまで!!)」

 

フラン「――危ない、下がってマサル!!」

 

優「もう下がってます!!」バッ

 

フラン狂「ヴア゙ア゙ア゙!!!」ヒュッ

 

 

『ビィィィン!!!!』

 

 

優「ぐおっ?!(何だこの波動は!!体に、内臓に、脳に直接響いてくる?!)」

 

フラン「あれは『狂動派』!地面を叩き付ける事によって起きる衝撃の波動に狂気の力を流し込んで攻撃する、広範囲技よ!」

 

優「ぐ…!?近づけない…!!」

 

フラン「ねぇマサル、さっきのオーバー何とかって出来る?」

 

優「『波紋疾走(オーバードライブ)』の事ですか?それならできますよ」

 

フラン「そう、じゃあ私が囮になるから、マサルは狂気にトドメの一撃(波紋疾走)をやっちゃって!」ズズズ

 

フランはそう言って、掌に妖力を圧縮させた球体を作る。螺旋丸に似ているが、威力は遥かに凌ぐ程だった。

 

フラン「しかも狂気は私がトドメを刺すと思っているから尚更その方がいいよね…!」

 

優「待ってください、フランさん!!メインは貴女何ですから…」

 

フラン「そろそろ波動が止む頃ね…。優、お願いね!」バッ

 

優「フランさん!!(くそ、怖いけどアレをするしかない!!)『空間移動』!」

 

 

フラン狂「キタワネ…ムカイウッテヤルワ!!」バッ

 

フラン「ハァァ!!」バッ

 

狂気はカウンターを入れようと構え、フランは残り5m程を物凄いスピードで突進し、掌の妖力玉を当てようとする。だが予期せぬ事が起きる。

 

優「くっ…!」パッ

 

フラン・フラン狂「?!」

 

何とフランと狂気の間に優が移動したのだった。まるでフランを止めるかのように。だが、すぐに状況は一変する。

 

優「(メインは貴女だ…!!)空間移動!」パッ

 

フラン狂「エッ?グハァッ?!!」ガッ

 

優は何と狂気の一瞬の動揺を利用して、自分と狂気の位置を入れ替える。狂気はすぐ目の前にある妖力玉には対処できなかった。

 

優「ふぅ…(何とか成功か!)フランさん、そのまま行ってください!!」

 

フラン「あっ…。う、うああああ!!!!」グッ

 

 

『ヒュルルルル…ズガァァン!!』

 

 

フランは妖力玉を力いっぱい押し込み、狂気を玉ごと吹っ飛ばして爆発させる。

 

フラン狂「グ、アガッ…?!!(そんな…私の負け…?)」ビキイッ

 

狂気の腹に大きな亀裂が入ると、その亀裂からかなりの量の黒いオーラが放出される。

 

フラン「何っ?!」バッ

 

優「…いや、あれは狂気が負けを認めた時と同じ現象ですね…。つまり、成功したみたいですよ」

 

フラン「ホントッ?!」

 

優「おそらく。あ、ほら空中で大きな玉となりましたよ。あれに触れてください」

 

フラン「う、うん…」フッ

 

フランは恐る恐る、球体のオーラに触れる。すると、狂気のオーラがフランの体へと入っていった。

 

フラン「こ、これって…」ブワァ

 

優「ッ!?(何て力だ…俺の倍、いやそれ以上か!)ん?すいません、どうやら俺がこの世界に滞在できるのはここまでの様です。フランさん、良く頑張りましたね!」フッ

 

優はそう言い残すとフランの精神世界から消えた。

 

 

 

 

~現実世界~

 

優「…ブハッ?!」バサッ

 

レミリア「優?!急にフランの妖力が溢れ出したけど何があったの?!まさか…」

 

優「…すいませんがそれを言うのは俺じゃないですよ。本人から聞いた方が宜しいと思いますよ」

 

 

 

 

~精神世界~

 

フラン狂「う、そ…私が負けるなんて…」

 

フラン「…ねぇ貴女、寂しかったんでしょ?」

 

フラン狂「?!何を…」

 

フラン「だって貴女の感情を流し込まれた時に来たのが、孤独感だったもん!」

 

フラン狂「…ッ?!」

 

フラン「周りから貴女の力を迫害されて、お姉様からもされて、誰1人認めてくれる人がいなかったから寂しかったんでしょ?」

 

フラン狂「やめろ…!!ヤメロ、ヤメロ!!!」

 

フラン「だったら私が皆に説得してみるよ!貴女の力は凄いって。ただ壊すだけの力じゃないって」

 

フラン狂「え…?」

 

フラン「貴女が皆から認識して、認めてもらえばいいんでしょ?だったら私、頑張るよ!皆は無理かもしれないけど、お姉様やマサルなら絶対にわかってくれると思うよ!」

 

フラン狂「あ、あぁ…」

 

フラン「私もフランで貴女もフラン、私に友達が出来たんだから、貴女にだって出来るんだよ!」

 

フラン狂「そう、なのかな…?」

 

フラン「絶対にそうだよ!ほら、私と一緒に行こう?」スッ

 

フランは狂気に手を差し伸べる。狂気は非常にゆっくりとだが、手を伸ばしてゆく。

 

フラン狂「…」ギュ

 

そして優しくフランの手を握る。握った時、狂気の目には涙がうっすらと浮かんでいた。

 

フラン「じゃあ行くよ!」

 

フラン狂「…うん!」パァァァ

 

 

『ピカッ!』

 

 

辺りが一気に眩しくなり、目が一時開ける事が出来なくなる。

そして光が治まり、再び目を開けると、目の前には優やレミリア達がこっちを見ていた。

 

優「へぇ…凄い事が起きてますね…!」

 

レミリア「フ、フランが2人?!どどど、どっちが本物?!」

 

そう、フランが精神世界から出て来た時、狂気も共に来たのだった。

 

フラン「お姉様ったら何を言ってるの?私達は本物だよ?」

 

レミリア「え、えぇ?!」

 

優「そうですね、フランさん達は確かに本物ですね!」

 

レミリア「ま、優まで一体どういう事?!ぱ、パチェ!」

 

パチュリー「わ、わからないわよ!フランのスペカだったらあと2人はいるし…」

 

優「ハハハ、じゃあ俺もこうしたら何故フランさんが2人居るのがわかるかな?」

 

アーレス「ん?何だ、どうした?」ズズ

 

咲夜「ま、優がもう1人?!」

 

優「ちょっ、俺が言いたいのは狂気と別れて出てきた、という事ですよ!」

 

全員(フランと優以外)『…えぇっ?!!』

 

フラン狂「…」チョコン

 

フラン「もう、やっと皆わかったの?」

 

アーレス「ほう…アンタがフランの狂気か。俺は優の狂気だ。狂気同士、仲良くしようじゃねぇか」

 

フラン狂「え、あ、うん…よろ、しくね?」

 

フラン「ほらね、優は認めてくれたでしょ?」

 

レミリア「ちょちょちょちょ、狂気が外に出てていいの?!」

 

優「…レミリアさん、貴女はフランの狂気を力としてしか見ていませんね?」

 

レミリア「え?」

 

優「これはレミリアさんだけに言う事じゃないですけど、狂気はその人の体の一部なんです。ですから力として見ては失礼極まりないのですよ」

 

レミリア「…狂気、いえフラン…ごめんなさいね。貴女の力に恐れて貴女の事を力としてしか見ていなかったわ…」

 

フラン狂「え、いや…別に、いいよ!」

 

レミリア「!(か、可愛い?!笑顔が、笑顔が眩しすぎるぅぅ…?!)」ズギュゥゥン

 

優(凄いな…狂気との分離はかなり時間がかかる筈…。俺でも3か月はかかった。でもフランさんはこれを1日足らずでこなしてしまうなんて…。これは『才能の差』って奴なのかな?)

 

その後、フランの狂気は『狂気』と呼ばれる事がなくなり、フラン様や妹様など、フランと同様に呼ばれるようになった。

でも、狂気とフランが分かれている時、どちらをどう呼べばいいか困るのであった。

 

 

 

 

~その次の日~

 

戦争まで残り2日となり、各自の持ち場で待機するようにと言われ、幻想郷各地の強者が集合するのであった。

 

 

 

 

戦争まであと、2日!!

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は前回に引き続き、フランの狂気の制御がメインでしたね。そして優の狂気とフランの狂気が狂気同士の友情を早速深めてましたね。これからフランの狂気は世界が広がっていくのでしょうね!
戦争前にフランが狂気と共に戦えるようになったのはとても心強いのかな?一体、どんな連携が見れるのやら…。
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

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