中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
地底に行って勇義と戦闘した。
 ↓
気が付いたら勇義がボロボロだった(今ココ!)


#127 吸血鬼の狂気

~戦闘勃発まであと3日~

 

優「…ッ!よし、このぐらい作っておけばいいかな…!」コロンッ

 

俺は1週間ほど前に勇義と戦ってからは、ずっと力を凝縮させた『力凝縮丸』を作っていた。まとめてみるとこうだ。

 

・霊力凝縮丸×50個以上…(数えきれないぐらい作ってしまった…)

 

・魔力凝縮丸×20個程…(アリスとパチュリーの為に作ったような物だから量は少ない)

 

・妖力凝縮丸×50個以上…(上に同じく…)

 

・神力(自然エネルギー)凝縮丸×30個

 

計、150個以上である。

 

優「これって口に含んだ時に何も味がしないんだよなぁ…。そうだ、飴と似たような感じにして味をつけるか!よし、そうと決まったら…!!」

 

俺が味の元を作り始めようとしたその時、後ろから見ていたお爺さんに声を掛けられる。

 

お爺さん「優…。聞けば3日後に大規模な戦闘があるらしいな…」

 

優「はい、そうなんですよ。だから今、力不足になってしまった時の為の物を作っているんですよ!」

 

お爺さん「そかそか。それよりも今日からは手合せとか無しにする。残り3日は楽しく過ごせばいいじゃろう」

 

優「!…わかりました」

 

お爺さん「うむ。それじゃあ儂は盆栽の手入れでもしてこようかの…」スタスタスタ

 

お爺さんはそう言って庭の方へと向かっていった。そして俺は再び味付けの作業に取り掛かるのであった。

 

 

 

 

 

 

~紅魔館~

 

パチュリー「…本当にいいのね、フラン。失敗したら死ぬのと等しいのよ?」

 

フラン「うん…!マサルだって自分の狂気を扱えているんだ…!!私にも出来る筈だよ!」

 

フランは紅魔館の皆に見守られる中、結界の中に入っていた。

何がしたいのかというと、『狂気の制御』が目的だった。最初は皆、反対したけどフランの熱意に負けて、戦闘の3日前に行う事となったのだった。

 

レミリア「フラン…私は信じているわよ。だから絶対に成功させなさい…!!」

 

美鈴「そうですよ!私達が着いていますから安心して狂気と向かい合ってください!」

 

小悪魔「パチュリー様、結界の準備は完了しました」

 

パチュリー「そう有難う、下がってなさい。咲夜の方はどうかしら?

 

咲夜「此方の結界も貼り終わりました。では私は下がっていますね」サッ

 

パチュリー「フラン、行くわよ…」

 

フラン「うん!お姉様、私頑張るからね!」

 

レミリア「ええ…私達は信じているからね!(私と違ってフランは勇敢でたくましいわね…羨ましいわ、本当に…!)」

 

フラン「お姉様…」

 

レミリア「何、フラン?」

 

フラン「もし狂気に勝てたら一緒に戦おう、ね?」

 

レミリア「!…わかったわフラン、約束しましょう!」

 

フラン「うんっ!!」

 

パチュリー「封印、解放…!」ピキンッ

 

フラン「…」スッ

 

 

~フランの精神世界~

 

フラン狂「…どういうつもりよ…!!」

 

フラン「私はね、貴女を制御させるの!だから覚悟しなさい!!」フゥ

 

フランはレーヴァーテインを生成して構える。だが、狂気のフランは笑い出す。

 

フラン狂「ハハ、アハハハハハ!!」

 

フラン「な、何が可笑しいのよ!!」

 

フラン狂「アハハハ…だって今までの貴女は言われるがままで行動していたじゃない!そんなお人形状態でよく私を制御しようだなんて思ったわね!」

 

フラン「う、五月蠅い!!もう一人で行動するようになったもん!」ダッ

 

フランは狂気に向かって突進する。だがその間も狂気はずっと笑っていた。

 

フラン狂「いいえ、貴女はあの時から何も変わっちゃあいないわ♪その証拠にほら―――」

 

 

『ズガンッ!!!』

 

 

フラン「ああっ?!」ドサッ

 

フラン狂「焦りで周りが見えなくなっているのだもの!」

 

フランは真横から来た弾幕に気付く事が出来ず、被弾する。弾幕を放ってきた方向を見てみるともう1人の狂気が居た。

 

フラン「こ、これって…【禁忌『フォーオブアカインド』】?!」

 

フラン狂「私も貴女と同じなのよ?何を驚いているの?それよりも遊びましょう!!体を賭けて、最高の遊びを!!」ヒュオッ

 

フラン「うっ!!」ガキンッ

 

狂気もレーヴァーテインを生成させ、フランに斬りかかる。フランもレーヴァーテインで受ける。

 

フラン狂「…ねぇ貴女、私があと2人居るっていうの忘れていない?」

 

フラン「あっ!」

 

フラン狂1・2「遅いよ!禁忌『クランベリートラップ』!」パラララ

 

フラン「…えいっ!」ガッ

 

フラン狂「あっ?!」グラッ

 

フランは狂気達が放った弾幕を避ける為に、まず力ずくで目の前の狂気を押し倒した。そしたらすぐに、上空へと逃げる。

 

フラン「あ、危なかった…。よし、私も―――禁忌『フォーオブアカインド』!!」ブゥゥゥン

 

フランも時を見計らって、スペルを発動し、1対1の状態へと戻す。

 

フラン「行くよ、狂気!!」ゴオッ

 

フラン狂「アハハハ♪もっともっと本能のままに!!もっともっと血を、痛みを、恐怖を!!」ゴオッ

 

 

『ガキィィン!!!』

 

 

フラン「でやあああ!!!」ヒュヒュヒュヒュ

 

フラン狂「闇雲に振り回したって無駄無駄無駄無駄ぁ!!!それに力も貧弱よ!!」ザンッ

 

フラン「ああっ?!!」ザシュッ

 

狂気が振り下ろした一筋は、フランの持っているレーヴァーテインを砕き、肌を裂く。

 

 

 

~現実世界~

 

 

『ザシュッ!!』

 

 

美鈴「妹様の腹部に切り傷が…!?」

 

パチュリー「フラン!!」ガタッ

 

レミリア「…何を慌てているの?私達はフランを信じると決めたのよ。だったら最後まで見守ってあげるのが筋ってものでしょ?」

 

パチュリー「れ、レミィ…」

 

レミリア「それに私の妹よ?そんな狂気に負けるような子じゃないわ」

 

 

 

 

 

~精神世界~

 

フラン「あうぅ…」ガクッ

 

フランは斬られた上に、その傷口から狂気の負の感情が流れ込み、脱力する。

 

フラン狂「フフフ…♪もっともっと遊びたい!っていつもは思うんだけどね…解放されたいって気持ちの方が強いからもう終わりにさせてもらうからね!キュッとして…ドカー―――」

 

フラン「ッ!うああああーーー!!!!」ヒュッ

 

 

『ドスッ!!』

 

 

フラン狂「あぐっ?!!」ザクッ

 

フランは狂気が能力を発動する寸前で、折れたレーヴァーテインを狂気の喉に突き刺した。そして連撃を叩き込む。

 

フラン「はああっ!!」ビキビキビキ

 

 

『ガッ!!!』

 

 

フラン狂「ああっ!?」ザンッ

 

フランは腕をこれでもかというぐらい力ませ、薙ぎ払う。すると、狂気の腕が肩からバッサリと切れた。

 

フラン「お姉様が言ってたよ!『勝利を確信した時、敗北へと繋がる』ってね!だから私はどんな時でも勝利を確信しないよ!」

 

フラン狂「が、あ…!!(た、確かに今『勝利』を確信して『油断』した!!けど…私に時間を作らせたわね…!!)ア゙ァ!!」ゴオッ

 

フラン「フンッ!」バチンッ

 

フラン狂「ガァ…?」グラッ

 

フランは狂気の不意打ちが来るのををまるでわかっていたかのように、狂気がもう片方の腕で殴りかかったのを叩き落とす。

 

フラン「そこ!禁弾『過去を刻む時計』」ゾゴゴゴ

 

フランがスペカを発動すると、2つの弾が放たれ、その弾から4本のレーザーが発射され、それぞれ時計回り、反時計回りで回り出す。

 

フラン2・3・4「ハアッ!!」ガッ

 

フラン狂「グアアッ?!!」スゥゥ

 

その時、他の分身が回っているレーザーに向かって殴り、蹴り飛ばされる。そのまま被弾し、狂気の分身達は消えていった。

 

フラン狂「ぐっ!!(逃げないと…!!)」バッ

 

フラン「逃がさないよ、キュッとして…ドカーン!!」グッ

 

フラン狂「アアッ?!」バンッ

 

フランは能力を使って、狂気の羽を破裂させる。狂気はそのまま落ちてゆき、レーザーの餌食となる。

 

 

『ザシュシュシュシュ!!』

 

 

フラン狂「グアアアアア?!!(肌が…焼ける…!!!クソッ、舐めるなよ…!!)ハアアッ!!!」バンッ

 

フラン「ッ?!」

 

狂気はその身に秘めていた狂気の力を爆発させ、辺りを弾幕ごと吹き飛ばす。狂気の体には狂気の瘴気のような物が見えた。

 

フラン狂「フンッ!!」グッ

 

フラン「ああっ?!!」バンッ

 

狂気は両手を同時にグッと握る。するとフランの両手が破裂し、爆発する。

 

フラン狂「私を舐めやがって…!!このままいけばいけると思った?!残念でした!もうコンティニューなんて出来ない体にしてあげる!!」グッ

 

フラン「ああああーっ?!!!」バンッ

 

狂気は再び両手を握る。すると今度は、フランの両足が破裂し、辺りが赤に染まる。

 

フラン2・3・4「させない!!」バッ

 

フラン達が立ち向かうも―――

 

フラン狂「短調すぎるんだよ!!」ブワァ

 

 

『ザンッ!!!』

 

 

狂気は瘴気を密集させ、1つの刃を作る。そしてその刃を大きく薙ぎ払うと、大気ごとフランの分身達を真っ二つに切った。

 

 

『スゥゥ…』

 

 

フラン「う、あ゙…?!!」ガクガク

 

フラン狂「…これでお終いね。今まで楽しかったわよ、じゃあね…!!」ガシッ

 

フラン「あ゙…」グッ

 

狂気はフランの首を掴み、持ち上げる。すると、掴んでいる所から黒いオーラがフランに侵食していっているのが分かった。

 

フラン狂「ウフフ…♪これで今日からこの体は私の物…!!」ズズズ

 

フラン(お姉様…ゴメン。私じゃ無理だったみたい…)

 

 

 

 

 

 

~現実世界~

 

パチュリー「フランの首から黒いオーラが…!!」

 

美鈴「手足が破裂したって事は、精神世界の中でやられたっていうことですよね?!」

 

レミリア「ッ!!パチェ、私をフランの精神世界へ連れて行って!!」

 

パチュリー「無理よ…そんな事が出来ていたらもうとっくにしているわよ!!」

 

レミリア「じゃあフランの狂気を封印し直してよ!!」

 

パチュリー「だからそれが無理って言っているでしょ!!」

 

レミリア「――ッ!!フランッ!!貴女、さっさと狂気に勝ちなさいよ!!約束したでしょ、一緒に戦おうって!!」ガンガンッ

 

レミリアは結界を叩き、叫び続ける。そしてレミリアが項垂れたその時、後ろから扉が勢いよく開かれる音がする。

 

?「どけぇーーーーッ!!!!」バンッ

 

全員『?!』

 

 

 

 

~精神世界~

 

フラン狂「フフ、あと10秒もしない内に完全に乗っ取れるわ…!!――5…4…3…」ズズズ

 

フラン(ゴメン…私、約束守れなかった…お姉様…)ブワァァ

 

フラン狂「2…1…ゼ――――」

 

 

?「飛天御剣流――『九頭龍閃』!!!」ズドドドドドドッ

 

 

フラン狂「アアアアッ?!!!」ズガァァンッ

 

フランが狂気に乗っ取られる寸前に、何者かによって狂気は吹き飛ばされる。

 

?「【俺から半径3mは俺の空間だ】時よ、戻れ!!」ズズズ

 

フラン「あ、え…?何でここに…」

 

フランは行き成り目の前に現れた者に回復される。フランはまだこの状況に追いつけていなかった。

 

?「どうやら…ギリギリセーフみたいですね」

 

フラン「ま、マサル?!」

 

優「はい、何ですか?フランさん」

 

 

フランの精神世界にまで現れた優…一体どうやって入り込んだのだろうか。そしてこの戦闘の流れが、今変わったのだった―――。

 

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回はフランちゃんが狂気を制御しようと、思い切った行動に出た回でしたね。やはり狂気を操れる優が羨ましくて、今回に至ったらしいです。あ、優が何故フランの精神世界に入れていたかは、次回説明します。
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

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