月から今後の未来を左右する情報が…
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優がお爺さんに初めて勝った(今ココ!)
お爺さん「おーい、優。手合せやるぞ」
朝、俺が寝ている所にお爺さんがやってくる。いつもこうやって起こされるのだ。
いつもなら「わかりました」とそのまま手合せするのだが、今日は違った。
優「ああ、おはようございます。あの…今日は手合せを休ませてもらってもいいですか?」
お爺さん「…訳は何じゃ?」
優「ちょっと訪問しなくてはいけない所がありまして…」
お爺さん「ふぅむ…(また博麗神社らへんかの…なら別にいいか。それに儂も体を休めれるし…)わかった行ってこい」
優「有難うございます」
お爺さん「ちょっと待て、飯ぐらいは食べて行け。華仙が既に作っとる」
優「わかりました」
俺はその後、3人で朝食を食べ、家を出て行った。
~博麗神社~
霊夢「うっ?!」ビキッ
紫「お疲れ様。今回の記録は10分よ(さすがね、習得が思ったより早くてこのままだったら戦闘に間に合うかもね)」
優「あ、いたいた!紫さん、霊夢、おはよう!」
霊夢「ま、優…?うっ?!」ビキッ
紫「あら優じゃない。残念だけど今日の霊夢の修業は終わっちゃったのよ…また今度来てもらえないかしら?」
優「あ、今回は修業目当てじゃないです。2週間後の戦闘についての情報提供をしてもらいたくて…」
紫「随分と積極的ね、有難う!ほら、お礼にお姉さんがギューしてあげる♪」ギュー
優「うわっ?!紫さん、どうしましたか?!貴女らしくありませんよ?!」
紫「う、『うわっ?!』とは何よ?!もう、貴方はもうちょっとリアクションの練習をした方が良いわよ?」
優「は、はぁ…」
紫「えーっと…2週間後の戦闘についての情報を聞きたいんだったかしら?」
優「はい。この後も行かなくちゃいけない所があるので簡潔にお願いします」
紫「そう、実は2週間後に襲撃される、という情報を公開してからその後も月からどんどん有力な情報が来たのよ。まず戦闘場所は、『霧の湖』『人里』『博麗神社』の三か所。湖の方に3人がいて、人里で大量の死体が襲ってきて、博麗神社は…よくわかっていないわ」
優「そ、そうなんですか…(そこが一番重要な所だと思うんだけどなぁ…)」
紫「大体これぐらいよ。この幻想郷の為に、全力でお願いね♪」
優「もちろんですよ。ここは俺に再び『楽しさ』を教えてくれた、大切な場所なんですから。絶対に壊せはさせません…!!」
霊夢「優が初めて来た時は、こんな強くはなかったのにね…。あっという間に私と同じくらいの強さになっちゃう物だから、冷や汗が出てたのよ?」
優「もっと日頃から努力をしていれば冷や汗を出すこともなかったかもしれないぞ?」
霊夢「うっ…本当の事を言われると言葉が詰まるわよ…」
優「さてと、俺はそろそろ行きますね。霊夢、頑張れよ」ザッ
優は大きく跳び上がり、そのまま飛行してどこかへ向かっていった。
霊夢「…うん、夢想天生使った時の反動を軽くできるようにはなってきたわね」ムクッ
紫(?!この数日でスペル時間を延長させた上に、反動も軽減させたというの?!…これは才能ってものかしらね。本当に恐ろしい子)
~永遠亭~
『パッ!』
優「ふぅ…空間移動のお蔭で、竹林の中で迷わずに済むから便利だよな。さて、と…失礼します!永琳さん、いらっしゃいますか?」
俺は永遠亭の玄関前でそう叫ぶ。少し時間が経ったら戸が開き、鈴仙が顔を出す。
鈴仙「はいはい誰ですかー?って優じゃない。また怪我したの?」
優「やだなぁ鈴仙さん、俺が毎回毎回怪我してくる訳ないじゃないですかー」アハハハ
鈴仙「いや、貴方が来た時は必ず失血多量で死にかかっていたり、骨が折れていたりしているから」
優「まぁそんな事は置いといて…永琳さんを呼んではもらえませんか?ちょっと確かめてもらいたい事がありまして」
鈴仙「あー…ゴメン、今師匠は調合中だから手が離せないのよ…。もし良かったら私からお願いしておこうか?」
優「すいません、甘えさせていただきます。実はこれを永琳さんに、どんな効果があるか調べてもらいたくて…」
優はそう言って、鈴仙の手の上に小さな袋を渡す。
鈴仙「何かしら…」ゴソゴソ
その小さな袋から出てきたのは小さな丸薬のような物だった。
鈴仙「これって…薬?」
優「まぁ薬っていったら、薬のような気もするけど、この丸薬のような物は俺の霊力を凝縮させた物です。人体には影響がないか確かめてもらいたのでここに訪れたんです」
鈴仙「へぇ…(確かに触っているとかなりのエネルギーを感じるわね…)ねぇ、これを私が試に食べてもいい?」
優「えっ?!だだだダメですよ?!もし体に影響を及ぼす何かがあったら…」
鈴仙「別に師匠が作った薬の実験体によくされるから問題ないわよ」
優「は、はぁ…鈴仙さんがそう言うなら信じますけど…無理しないでくださいね?」
鈴仙「わかっているわよ」パクッ
鈴仙はそう言って、口の中に1つ入れた。
鈴仙「…何も変化はないわね」
優「うーん…疲労回復アイテムとして作りたかったんだけど、やっぱり無理だったか…」
諦めかけたその時、鈴仙の体に変化が現れる。
『モサッ!』
優「…あれ?鈴仙さん、なんか髪の毛さっきよりも伸びていませんか?」
鈴仙「えっ?…あまり伸びていないような気がするんだけど…」
優「そうなんですか?(うーん…気のせい、だったのか?)」
『ズズ…』
優「…ん?!(あれ、なんかウサ耳が長くなってきている?!)」
鈴仙「…なんか体が火照って来たわ…(これは…エネルギー?!体からエネルギーが溢れ出てるの?!)あっあれ?!」
優「ど、どうしました?!やっぱり何か影響が…」
鈴仙「か、肩がすっごく軽い?!さっきまで肩凝りが酷かったのに?!」
優「え、ええぇぇーー?!!」
鈴仙「す、凄いわ!体が凄く軽い!今までで初めて気分だわ!」ピョンピョン
鈴仙はその場で、ジャンプする。そのジャンプはとても軽快で、素早かった。
鈴仙「ありがとう、優!早速師匠に見せてくるわ!」
優「あ、ああはい。それじゃあお願いします…」
鈴仙はそう言って屋敷の奥へと消えていった。
優「さて…まだ行かなくちゃいけない所があるんだよなぁ…」ザッ
優は再び、高く跳び上がり、空を飛行してどこかへ向かったのであった。
~太陽の畑~
優「そういえばもう夏も終わりだな…」
優は散っている向日葵を見て呟く。そして、ふと山を見てみると、もう既に紅葉が始まっている木もあった。
優「幽香さん、元気かなぁ…(火槍『獄炎』をくらわせてから、心配なんだよなぁ。まぁだから今日来たんだけど)」
幽香の家が見えてくると、玄関前に誰かが立っているのが見えた。1人…いや、2人いるようだ。
リグル「幽香さーん、様子を見に来ましたよー」
メディスン「馬鹿リグル!もし幽香が寝ていたらどうするのよ?!」
リグル「あっ!確かに」
優「久しぶり、とでも言うのですかね。リグルさん、メディスンさん」
メディスン・リグル「ひっ(うわっ)?!」
後ろから2人に挨拶をすると、2人はビクンと驚きながら後ろを振り向いた。
リグル「な、なんだ…優さんですか…」
メディスン「びびびびっくりさせないでよね、もう!」
優「あぁ、すいません…」
『ガチャ!』
リグル・メディスン・優「?!」
リグルがドアを開けようとした時、ドアの方から開くので3人はびっくりする。ドアの奥から、眠たそうな声が聞こえる。
幽香「一体誰よ…人の家の前でギャーギャー、ギャーギャー騒いでいるのは…」
メディスン「お、おはよう幽香!起こしちゃってごめんね!」
幽香「あら、リグルにメディスンに…」ニィヤ
幽香は俺を見てニヤリと笑う。何か嫌な予感がしたので咄嗟に腕を前に出す。
優「っ?!(霊力武装ッ!)」ブゥワッ
幽香「優じゃない!!」ヒュッ
『ガッ!!』
優「ぐううっ?!!(霊力を具現化させた鎧にヒビが…?!)」ピシピシ
幽香「いい反応よ…♪でも…足元の植物には気付かないでしょうね!!」
優「っ?!しまっ―――」
幽香「遅い!!」
優「ぐ、ううっ?!(足に植物が絡まって身動きが…?!)」ググッ
幽香「さて、ここからは私のターンよ!!」ズガガガガ
幽香はそう言って、優に連続で拳を叩き込む。優は壊れかけの鎧を駆使して、拳を受け止める。
『バキッ!バキャッ!ガンッ!』
優「ぐ…!!(ダメだ、鎧が持たない…!!)」
幽香「ハアアアッ!!!(さぁ、貴方が次をどう行動を取るのか試させてもらうわよ…!!)」ドドドド
霊力の鎧は徐々に砕け散る。完全に砕け散った次の瞬間、優はアーレスを体から飛び出させる。
アーレス「くぅ…!!準備っていう物が普通はあるだろ?!まぁ対処できるからいいけどなァ!!ダダダダダダ!!!」ダダダダ
幽香「?!私の拳が…負けた?!(何?今、何が起こったの?!私の拳が…弾き飛ばされた?!)」グラッ
優「『食義』+縛道の六十一『六杖光牢・連』」ズガガガガガ
幽香「あがっ?!」ガキキキキキンッ
優は鬼道を改造し、幽香に向けて放った。六杖光牢・連というのは、六杖光牢をマシンガンのように連射で放つという霊力莫大消費技。その為だけあって、高確率で当てる事が出来る。
優「とあるお爺さんから教わってね…。他にも『黒棺・九十六層』や『白雷・二条千』とかやばい技も教えられているんですよ」
メディスン「――ちょ、ちょっと?!」
優「え?」
メディスン「何で私達を間に入れて殴り合いしているの?!お蔭で死ぬかと思ったわよ?!リグルなんて気を失ってるし?!」
リグル「ブクブクブク…」
幽香「ふふ、ごめんなさいね。ついやっちゃったのよ」
優「(もっと面倒臭くなりそうだから今の内に逃げておこ…)ふぅ…元気そうで良かったよ。幽香の姿を見て安心できたし、俺はどっか行くわ!(空間移動!)」パッ
メディスン「あっ逃げた!?」
幽香「さてと…メディスン、そこのゴキ○リは床に寝かせておいてあげなさい。私はこの拘束を解くから…!!」ミシミシ
メディスン「わかったわ」ペイッ
リグル「うべっ?!(僕の扱いが酷過ぎる…)」ウゥッ
~香霖堂~
優「(取りあえず、今日行きたい所はこれで最後かな…?)すいません、お邪魔します」ガララ
霖之助「おや…優君じゃないか。ひさしぶりだね」
優「お久しぶりです、霖之助さん」
霖之助「ここに来るって事は何かが欲しい、と言う訳だよね?何が欲しいんだい?」
優「はい、ちょっと小さな袋が不足している状況なので、小さな袋がないかとここに訪れたのですが、ありませんか?」
霖之助「小さい袋ねぇ…ちょっと待っててくれ」
霖之助は店の奥へと消えていった。俺は霖之助が戻ってくるまで、品物を見る事にした。
優「色々な商品があるなぁ…ん?(これって…)」スッ
俺は棚に置かれていた1つの商品に目が留まり、手に取ってみる。
優「これ…霊力専用の銃だ!実弾を込めるような仕組みじゃない!」
霖之助「お待たせ。結構たくさん見つかったんだが…おや、それに興味を持ったのかい?」
優「あ、すいません、勝手に触ってしまって!」
霖之助「いや、別に君ならいいよ。盗らないってわかっているからね…。良ければ紹介しようか?」
優「じゃ、じゃあお願いします!」
霖之助「この銃はにとりが作った物さ。弾幕ごっこに対応できるよう、霊力弾しか放たない銃さ。ただ、この銃の欠点は自分の霊力を弾にして撃つ事だ。もしも霊力が少ない者が扱うと倒れる可能性がでてくるんだ」
優「へぇ~、にとりさんって色んな物を発明しますね!」
霖之助「どうだい?今なら安くするよ?」
優「最近金欠であまり大きな買い物が出来ないんですよ…」
霖之助「そうか…なら、物々交換はどうだい?珍しい物とかと交換してもいいよ」
優「うーん…珍しいかはわからないけど…ハッ!」コロンッ
行き成り優の霊圧が上昇したと思えば、掌には小さな玉があった。
霖之助「これは…」
優「ざっくり言えば、俺の霊力を凝縮させて作った疲労回復丸薬です。これを食べて、交換する物に値するか確かめてもらえませんか?」
霖之助「疲労回復丸…ね。じゃあ頂くよ」パクッ
霖之助は玉を手に取り、口へ運んだ。すると、鈴仙の時と同様、体からエネルギーが溢れ出し、体の凝りなどが一気に解消した。
霖之助「こ、これは凄い…!実は腰痛持ちだったんだけど、その腰痛が嘘のように消えたよ!」
優「じゃ、じゃあ交換してくれますか?」
霖之助「ああ!物々交換ではないが、袋と銃を受け取ってくれ!」
優「有難うございます、霖之助さん!」
霖之助「こんなに体が軽いと思ったのはいつ以来だろうか…!あ、その銃についてだが、大きさを調節できるみたいなんだ」
優「あ、ホントだ。調節ネジがついてる」ギリギリギリ
俺はネジで大きさを調節し、20cm程の大きさの銃を5cm程にまで小さくして、ポケットの中にいれた。
優「それじゃあ俺行きますね!お邪魔しました!」
霖之助「ああ、気を付けて行くんだよ」
俺は香霖堂を出て、お爺さん達がいる家に帰った。
そして5日後、2週間後の戦いについての作戦計画が立てられるのであった。
この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は…というか、最近は優が行動活発ですね。1日の内に3ヶ所以上も回ったり、なんか自作の丸薬とかも作ったり、殴り合いしたし…。幽香と出会った瞬間が戦闘の合図になってしまうのでしょうか?一体、幽香は優の何を感じているのか…。
それでは今回はここで終わりにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!