中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
幻想郷御一行が月に来た
 ↓
優と激突―――。(今ココ!)


#119 幻想郷中が驚いた

アリス・魔理沙「蒼符『博愛の仏蘭西人形』  魔符『ミルキーウェイ』」

 

優「…(前方から星の弾幕、左右から人形から放たれる弾幕か…)よし、あの作戦にするか!」

 

思いついた作戦を実行しようとしたその時、いきなり俺の周りにナイフが現れ、俺に向かってくる。

 

優「くっ…咲夜か!だが、空間移動」パッ

 

俺は2m程上空に移動し、ナイフを避ける。そして左右にいる人形へ向かう。弾幕は常時放っているが、覇気で感じ取って避ける。そしてそのまま人形に神睡を当てる。

 

 

『ドカッ!』

 

 

人形は力が抜けたかのように、ヘタァとその場に蹲る。

 

優「空間移動!」

 

人形「!」パッ

 

俺は能力を使って人形を手前まで移動させ、神睡を当てる。すると同じようにヘタァとその場に蹲る。

 

優「そして…火符『すべて焼き尽くす大華炎』!」ボオッ

 

俺は直ぐにスペカを発動する。そのスペカは、小さな炎の弾幕が広範囲に広がり、かつ高密度だった。するとその弾幕に魔理沙が放つ弾幕と接触し、次々に爆発が起こる。

爆発の規模は大きく、相手を黙視する事が出来なかった。

 

魔理沙「うおおっ?!!!」

 

 

『バァンバァンバァンッ!!!』

 

 

アリス・魔理沙「っ?!」

 

するといきなり爆炎の中から斬撃が大量に放たれる。2人は間一髪で空へと逃げる。

 

魔理沙「ふぅ、危なかったぜ…」

 

アリス「…?!魔理沙、上!!」

 

魔理沙「え?うええっ?!」

 

優「遅い!!龍槌閃!」ギュンッ

 

魔理沙「くっ!」バッ

 

魔理沙に刀が当たる瞬間、優はそこから消えた。すると後ろから「あぁっ!?」と声がする。

 

優「残念だが狙いはこっちだ…!!」

 

アリス「あ…うぅ…」ガクッ

 

【気絶により、ア リ ス  再 起 不 能(リ タ イ ヤ)

 

魔理沙「ア、アリスーー!!」

 

優「(ここだ!)ハッ!」パァンッ

 

魔理沙「っ!!?」ビキィッ

 

優は魔理沙の顔のすぐ近くでネコだましをする。直接攻撃したわけでもないのに、魔理沙はそのまま体が硬直し、落ちていく。優はアリス、魔理沙を受け止めて地へ降りる。そして2人を寝かせるのであった。

 

【行動不能により、魔 理 沙  再 起 不 能(リ タ イ ヤ)

 

 

 

~アーレスの方は~

 

神奈子「ぐぬぬぬ…!!」グッ

 

諏訪子「やっぱり腕切っちゃおうよ…」

 

神奈子「だからヤメロ…!!」

 

早苗「今度こそ奇跡で…」

 

神奈子「これ以上でかくなったらどうしようもないから別にしなくていいぞ、うん!」

 

アーレス「フフフ…困っているようだな。って大きくなっていないか?」

 

神奈子「あ、おい!これどうやって外すんだよ?!」

 

アーレス「…さてと、俺は表に命令されたからお前らを押さえに来たぞ。さて…やっぱり遊ぶには全力でやった方がいいよな?」

 

神奈子「おい、神の話を―――」

 

 

『バキンッ!!』

 

 

諏訪子「あ、壊れた」

 

アーレスが手をかざした時、神奈子についてあった重りが砕けた。

 

アーレス「さて…全力で遊ぼうかァ!!!」ゴゴゴ

 

諏訪子・神奈子・早苗「っ?!」

 

アーレスから放たれる闘気は、神に鳥肌を立たせる程のものだった。

 

神奈子「いつ以来かね、この感じ…!!」

 

諏訪子「確かに。こんな気を感じたのは久しぶりだよ」

 

早苗「すごい…ヒシヒシと肌に突き刺さるような感じが…!」

 

アーレス「言っとくが、もう攻撃はしているぞ…!」スッ

 

神奈子「(下…?)う、ぐぅ…?!!」ググッ

 

諏訪子「え、え?!動けない…!!」ググッ

 

早苗「っ?!影が繋がってる?!」

 

アーレス「おっ!気付いたか、これは『影真似の術』ってやつだ。どうだ?狂気の力で縛っているから強力だろ?」

 

アーレスは3柱を拘束する。

 

アーレス(さて…ここからどうする?考えていなかった…。まぁ脅しという事にして次に移るか…)プチンッ

 

諏訪子・神奈子・早苗「あっ?!」ドササッ

 

アーレス「!(ここだ!!)3刀流、竜…」ズズズ

 

アーレスは狂気のオーラを具現化させて作った刀を口に咥え、3本の刀を横に並べ、まるで竜の様な感じとなる。そして体を回転させ、鋭利な旋風を巻き起こす。

 

アーレス「巻き!!」ビュォォォ

 

アーレスから放たれた旋風は3柱の方へと進んでいく。当たる直前、神奈子が何とか間一髪で御柱を立てて防ぐ。

 

神奈子「ふぅ…」

 

 

『ガキキキキッ!!』

 

 

アーレス「御柱か…(あれは切れないだろうな。だとすればどうする?…良い事思いついた…!!)」スカカッ

 

アーレスは狂気の刀を3回ほど地面に切りつける。すると黒い線が生まれ、神奈子達の方へと伸びてゆく。

 

神奈子(守れたのはいいが、ここからどうする?奴なら既に攻撃しそうなんだが…)

 

諏訪子「あっ!神奈子、また影真似っぽいのが来たよ!」

 

神奈子「…?何か違くないか?」

 

早苗「取りあえず、飛ぶのは危険なので後ろへ行きましょう」

 

諏訪子「そうだね。飛んであの切れる竜巻みたいなのに巻き込まれたら、動けるか分からないもんね」

 

早苗と諏訪子が後ろへ移動しようとした瞬間、地面の黒い線から刃が飛び出る。諏訪子と早苗は直ぐに感じ取り、回避しようとしたが、刃が突き出る速さの方が速く、突き刺さる。

 

早苗・諏訪子「ああっ?!」

 

神奈子「早苗、諏訪子!!」

 

アーレス「どこを見ている?『鉛弾』+『追尾弾』」ズガガガガッ

 

神奈子「ぐ、ああああ?!!」ガッゴーン

 

神奈子が2人に気を取られている間に、アーレスは目の前まで移動して完全に避ける事の出来ない距離で鉛弾を打ち込む。神奈子にも被弾するが、他の2人にも10発ほど被弾して、3人は動けなくなる。

 

アーレス「ふぅ…神様たちはこれで完了だな」

 

【行動不能により、早 苗 ・ 諏 訪 子 ・ 神 奈 子   再 起 不 能(リ タ イ ヤ)

 

優「おーい、そっちはどうだー?」

 

丁度終わった時に優が走ってくる。優の表情には若干の焦りが込められていたため、何かあったと推測する。

 

アーレス「どうした?何かあったのか?」

 

優「いや、何か藍さんを逃がしちゃって…しかも萃香さんも居たらしいんだ」

 

アーレス「おい、さっさと捕まえに…」

 

優「なんか屋敷に入ったら豊姫さんとバッタリ会っちゃったらしくて、『酸素…酸素…』って言いながら白めになってて運ばれてたんだ…」

 

アーレス「…俺、萃香と藍に戦うの楽しみだったんだけど…」

 

優「…あの人達と戦うのはちょっとヤバいよ?(まぁ戦うつもりだったけど)」

 

アーレス「…おい、霊夢と咲夜はどうした?」

 

優「…あれ?アーレス、お前が戦っておいたんじゃないのか?」

 

アーレス「いや違うが…」

 

優「…」

 

アーレス「…」

 

優・アーレス『霊夢、咲夜ーーー!!どこに行ったんだーーー!!?!』ズドドドッ

 

優とアーレスはもの凄いスピードで月の都を走り始めた。

 

 

 

 

~霊夢・咲夜サイド~

 

霊夢「ム、ムゥ…ンムッ?!(え?何、私今縛られているの?!)」

 

咲夜「ウ…ンゥ…ンッ?!(な、何?!ここ何処?!そして拘束されているの?!)」

 

霊夢と咲夜は同じ部屋で鎖に吊るされ、手足、口を縛られて、何一つ動けない状態だった。

すると目の前にあるドアが開かれる。

 

 

『ギィィ…』

 

 

破壊者「おや…もう起きているとは」

 

霊夢「ムッ、ムムアッ!?(お、お前は!?)」ガシャンッ

 

咲夜「マハヒハヒヒアミオ?!(私達に何を?!)」ガッガッ

 

破壊者「そう暴れるな、自分の状況を考えてから考えろ」

 

霊夢「ウウゥ…!!(この野郎…!!)」ギロッ

 

霊夢は破壊者をギロリと睨む。だが、咲夜は周りを確認し、現在の細かい状況を確認する。

 

咲夜(この部屋の壁は鉄、扉も同じ。窓も無ければ証明もない、か。光は奴が持ってきている蝋燭の灯のみ…何もできないわね)

 

破壊者「さて、やる事はこれからやるとして…お前ら、優の現在の力を把握しているか?もし知っているなら、正直に話せ」

 

霊夢・咲夜「…」

 

破壊者「…あくまでも話さないか。ならあらゆる手段を使って吐かせてやるよ…!!」

 

そう言うと破壊者は、持ってきた箱を開いて中から怪しげな液体の入った注射器を取り出す。

 

霊夢(何あれ…私の本能が絶対に危ないって言っている?)

 

破壊者「フフフ…これが何か気になるだろう?教えてやろう…これは『ペガパンク』とか言う科学者が作った腐症剤だ…!!これを体内に入れられた者は体のある部分から腐っていく。死ぬほどではないが、想像を絶するほどの激痛に襲われる…。そしてさらにはいろんな病を発症させ、苦痛を味あわせる恐ろしい薬さ…」

 

咲夜(ぐっ?!あれだけは注射されたくない…!!でも、一体どうすれば抜け出せるの…)

 

破壊者が持っている注射器はゆっくりと霊夢と咲夜の腕へ近づいていく。そして刺される寸前に、破壊者の手が止まる。

 

破壊者「ぐ、うぅ…?!(う、動けない…?!)」

 

?「またお前か、破壊者…!!!」ゴゴゴゴ

 

破壊者の後ろには霊夢達がよく知っている者が立っていた。そしてその者は空気を振動させ、空間を歪ませる程の闘気を放っていた。

 

咲夜(あれは…)

 

霊夢(優…なの?)

 

優「…(咲夜と霊夢が拘束されているか。…ん?!アイツ等の指に持ってるのは…ほう、いい考えだ!)さて破壊者、お前にはこの右目を使おう。そして全力で捻じ伏せる…!!」

 

破壊者「ほう…私がやろうと思えばこの2人を殺せるんだぞ?」

 

優「それだけは止めておけ。俺を止められなくなるぞ…?」ペキッパキッ

 

破壊者「(確かにその通りだ…。今此処でこの2人を殺したとしても、優に背を向けているから一瞬でやられてしまうな)いいだろう。だが優、俺はお前との1対1での戦いを所望しよう」

 

優「俺にとってはとても有難いな…。だが断る」

 

破壊者「何?!何故だ、そしたらこの2人を…」

 

優「2人を殺すってか?残念だがそれは無理だ。何故なら―――」

 

霊夢「霊符『夢想封印』!」

 

咲夜「奇術『ミスディレクション』!」

 

破壊者「うがぁぁ?!!」ズガァァン

 

優「俺が2人の拘束具を破壊したからさ…!!」

 

破壊者「う、ぐ…卑怯な?!」

 

優「卑怯?それがどうした、俺はお前にだけは何をしてでも倒す、そう決めていたからな」

 

破壊者「き、貴様ァァァ!!!『オールブレイ―――」

 

優「飛天御剣流…『九頭龍閃』!!」ズドドドドッ

 

破壊者「うがぁぁぁ?!!」ズガァンッ

 

破壊者は鉄の壁を貫通して、吹っ飛んで行く。

 

優「最初はグー…」スタスタ

 

そして吹っ飛んだ破壊者を追いながら、拳にありったけの霊力を送る。

 

破壊者「クソがァァァァッ!!!」バッ

 

破壊者が目にも留まらぬスピードで優に飛びかかるも―――

 

優「ジャン、ケン―――グー!!!!」ガンッ

 

破壊者「ごはぁっ?!!」ベキベキ

 

優のカウンターが決まり、破壊者は大ダメージを負う。そして地面に打ち付けられ、宙へ浮いた瞬間―――

 

優「(時空忍術―――)『神威』!!」ギンッ

 

 

『ズズズ…』

 

 

優は右目を使い、異次元へ破壊者を送り込む。

 

破壊者「ぐ、あ…?!(場所が変わった?!)」

 

優「さて、ここは右目の世界…時間もないから一瞬で終わらせてやるよ!!くらえ、山をも塵とする熱線―――『アイ・レーザー』!!」ズガガガ

 

優の目から放たれた、極太レーザーは一瞬にして破壊者を飲み込み、地形を抉る。レーザーの軌道上には黒く焦げた破壊者が居た。

 

優「ぐっ…!!(もう右目は限界だ…!早く破壊者を外へ!)」ズズズ

 

 

『ズズズ…』

 

 

霊夢「優…貴方、右目から血が出てるわよ?!」

 

優「許容範囲内だから大丈夫だ」

 

咲夜「これが…破壊者なの?」

 

咲夜は黒くなった破壊者を見て呟く。

 

優「塵も残さねぇように頑張ったが…どうもこれ以上は無理らしい。へんな魔法陣が体に埋め込められていやがる…」

 

霊夢「そう。それよりも早く戻りましょう!!」

 

咲夜「そうね、それが最優先ね。ここが何処なのか知りたかったけど」

 

優「すまないが、それは後だ。右目がオーバーヒートしていやがる…!!2人共、俺に抱き着け」

 

霊夢「ええ、わかったわ」ギュッ

 

咲夜「…霊夢、貴女はもうちょっと抵抗したらいいと思うわ…」

 

霊夢「優が抱き着いてって言うんだから私は抱き着く。それだけよ」

 

優「咲夜、早くしてくれ。俺の目が…」

 

咲夜「わ、わかったわよ…。失礼します…!」ギュッ

 

優「(よし、これでいいな…?)豊姫さん、お願いします!!」

 

優がそう叫んだ瞬間、3人は光に包まれて消えた。

 

破壊者「…グフッ!ハァハァ…危なかったぞ。フフ、フハハハ…!!(取りあえず、咲夜と霊夢の髪の毛を採取出来た…!これで任務は完了…!!)」

 

 

 

 

 

 

『パッ!!』

 

 

優・咲夜・霊夢「ぐっ(キャッ)?!」ズゥン

 

行き成り強い衝撃が来たと思ったら、目の前には永遠亭があった。

 

豊姫「お疲れ様、どうやら成功したようね!」

 

優「はい、わざわざ幻想郷の方で行ってくれて有難うございます!それと、何か俺の目がオーバーヒートしちゃったみたいで…視てもらえますか?」

 

豊姫「あらっ?!血が出ているじゃない?!早く月へ行きましょうね!」

 

優「分かりました。2人共、必ず永遠亭に行って永琳さんに診てもらう事!もう事情は話してあるから診てもらえよ――――」パッ

 

霊夢「…」

 

咲夜「いきなり現れたと思ったら私達を助けて、そしたら状況がつかめないまま幻想郷に居て、目の前から消えるとはね…」

 

霊夢「…(久しぶりの優の温もり…!)」

 

咲夜「…霊夢、何かおかしいけど大丈夫?」

 

霊夢と咲夜はこの後、永琳に診てもらい、異常がない事を確かめた。そして永琳から月の民が破壊者や創造者達を倒すのに協力する、という協定が結ばれた事を聞き、霊夢達だけに留まらず、幻想郷中で驚かれた。

 

 

 

 

 

~その頃、優は~

 

優「イダダダダ?!!」

 

豊姫「ふぅ、何とか落ち着いたわよ」

 

右目を麻酔なしで弄られ、苦痛をあじわっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は月での戦闘が終わりましたね。てか、破壊者はいつ霊夢と咲夜を連れ去ったの?しかも連れ去った場所って何処なの?さらには優が破壊者をボッコボコにしているし…今回なんなの、本当に?
まぁストーリーが進んでいるから良いんだけど。

そして皆様にお伝えしたい事があります。今週から投稿ペースが落ちます。結構落ちます。理由は勉強です。はい。テストに向けての練習をちょいとはしておきたいもので…。
ですので今週から少しの間、投稿ペースが落ちますので、お許しください。
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

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