中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
幽香と戦った
 ↓
優の姿が消えた(今ココ!)

~注意~
※グロイ表現が存在しますので心してお読みください!


#111 強羅 麟

~幻想郷のどこか~

 

優「はぁ…あんな新聞出されたら皆が許したとしても、俺が恥ずかしくて死んじまうよ…。あの鴉は今度、再起不能になるまで炙ってやる…!!」

 

覇奈「…」フワフワ

 

優「まぁでも、覇奈さんが居てくれるからあまり寂しくは無いのですけどね」

 

覇奈「♪」

 

優は覇奈と共に行動し、幻想郷の何処かを歩いている。

 

優「それにしても…最近は一気に冷えたな。これは霜とか降るんじゃないか?さらには雪がふったり…」

 

覇奈と会話(?)をして歩いていると、微かに音が聞こえた。

 

優(ん?何だ、この音…あっちから聞こえる…)ザッザッザ

 

優はまるで導かれるかのように、音のする方へと歩いていく。覇奈もつられて飛んで行く。

 

優「…綺麗な歌声だ…。そして演奏も…。一体誰がこんな素晴らしい曲を奏でているんだ…?」ザッザッザ

 

覇奈「…」ヒューン

 

茂みを超えて進んでいくと、7人の人影が見えた。その人影に見覚えがある者と、ない者が居た。

 

優「あれはプリズムリバー三姉妹!…あと誰だろう?」

 

ルナサ達はわかるのだが、他の3人がわからない。でも、その中の歌っている子はチルノ達と一緒に居た子のような気がする。あと2人は弦楽器を弾いており、もう1人は太鼓を叩いている。

 

歌い手「~♪~~♪あら…?私の声につられて人間がやってきちゃったのかしら?!照れるわねぇ~!!」

 

ルナサ「人間…?ああ、優じゃないか!冥界以来だな!」

 

リリカ「またピアノの事教えてよー♪」ダッ

 

優「いや、もうずっとやってないんで教える事なんてできませんよ…」

 

演奏者1「この人とお知り合い?」

 

メルラン「ええ!前に私達の演奏を気持ちよさそうに聞いてくれたの!」

 

演奏者2「そうなんだ…(それよりも身長デカッ?!180cmあるんじゃないの?!)」

 

太鼓「…(あら、私好みの顔ね…!)貴方が噂の外来人かしら?」

 

優「噂じゃないけど俺は外来人です」

 

雷鼓「へぇ…私は『堀川 雷鼓(ホリカワ ライコ)』、和太鼓の付喪神よ」

 

八橋「私はお琴の付喪神、『九十九 八橋(ツクモ ヤツハシ)』よ!」

 

弁々「私は琵琶の付喪神、『九十九 弁々』だ」

 

ミスティア「そして~貴方をここに誘い出した私が、歌う夜雀の『ミスティア・ローレライ』よ!!」バーン

 

優「俺は佐藤優と言います。宜しくお願いします、皆さん」

 

ミスティア(この決めポーズを無視?!…うぅ、恥ずかしい…)

 

優(最近、付喪神と知り合う機会が多いなぁ…幻想郷って本当に広いな…)

 

自己紹介が終えた所で、雷鼓が優に近づく。

 

雷鼓「ねぇ…貴方は私の事を見てどう思う…?」

 

優「どうって…うーん、ショートヘアーが可愛いんじゃないですか?」

 

雷鼓「ホントッ?!最近、私が他の人からどう見ているのか気になっていたのよねー!」ズイズイ

 

優「そ、そんなんですか…?」ザッザッ

 

八橋「…雷鼓ってあんな感じだったけ??」

 

弁々「…きっと飢えているんだろう」

 

雷鼓はじりじりと優に近づき、優はじりじりと後退する。すると雷鼓が大きく踏み出し、優の手を掴む。

 

雷鼓「今度、一緒に食事とかどうでしょう?私、おいしい店を知っているんですよ!」

 

優「そ、そうなんですか?ッ?!危ない!」ガバッ

 

雷鼓「うぇ?!!」バッ

 

優は何かに気付き、雷鼓を片手で抱きしめ、もう片方の手で逆刃刀を握る。

 

優「弾け…逆刃刀!!」ヒュッ

 

 

『バァァン!!!』

 

 

全員『?!!』

 

優が逆刃刀を下から上へ切り上げると、空に何かがぶっ飛ぶ。

 

メルラン「何あれ…?!木?!」

 

ミスティア「根っこごと引き抜かれたんだ?!」

 

優「すいません、大丈夫でしたか?」

 

雷鼓「えっ?ああ、うん、有難う…ございます…」

 

優(物凄い速さで木がぶっ飛んできた…一体どうして…)

 

すると、木が飛んで来た方向から聞き覚えのある声が聞こえる。

 

『フハハハ!!よく防いだなぁ、優…!!!』

 

優「この声は…まさか?!いや、でも地底に追放された筈じゃあ…」

 

茂みから声の主が出てくる。

 

優「やっぱりお前か…隊長!!いや、『たけし』…!!」

 

麟「フン…たけしなど人里での偽りの名だ…。本当の名は『強羅 麟(ゴウラ リン)』だ…!!まぁ別に、名前などどうでもいい…『強羅 たけし』、『強羅 麟』…好きなように呼ぶがいい」ブワワァ

 

八橋「何…アイツ。あんな禍々しい霊力をもっているなんて…」

 

リリカ「ヒィィ…?!こ、怖いよぉ…」ガタガタ

 

優「…どうして此処に来た?」

 

麟「理由は単純だ…復讐!!ただそれだけだぁ…!!」

 

優「(…あの感じ。黒いモヤに憑りつかれているのか…?今までで感じた事もない程の力だ…)皆さんは逃げてください、こいつは今、俺しか見ていない」

 

麟「おぉっと…それは困るなぁ。いざという時の人質になってもらわなきゃ…」

 

優「…殺傷は嫌いだ。だが…お前を殺す事で少なからず平和が戻ってくるのならば、少しだけでもお前を解放して快楽の道へ導けるのならば…!!俺はお前を倒す…!!」

 

麟「…力量がわかっていないみたいだな…見せてやろう!!人間も、妖怪をも超越したこの力で捻じ伏せてやる!!」

 

優「日符『ロイヤルフレア』!!!」ゴオオッ

 

優はスペルを直ぐに放つ。前よりも力が強くなっているので、ロイヤルフレアの威力が上がり、大きさもでかくなっている。だが、麟にとってそんな事関係なかった。

 

麟「フン…」ヒュッ

 

 

『ズバァ!!』

 

 

優「何…だと…?!」

 

麟は手を縦に振っただけで、ロイヤルフレアを2つに割った。

 

麟「くらえぇ!!」ズドドド

 

優「?!くそぉぉ!!!!」ガキキキン

 

麟から放たれた、針のように鋭くなった弾幕の嵐が優を襲う。優は木刀と逆刃刀を使って、全てを弾き返す。しかし、勢いは収まるどころか激しくなっていき優の体力を削っていった。

 

優「(クソッ、こうなったら多少はくらうけど…)月符『紅い満月のナイトムーン』+反則『不意打ちの空間屈折』」ズドン

 

麟「馬鹿め!!そんな弾幕はこのオーラでぶった切ってやる!!」ブワッ

 

麟のオーラが優の放った弾幕に触れる直前、弾幕が消えた。

 

麟「何っ?!」

 

優「イツツ…この弾幕、意外と威力高いんだな…」グサササ

 

麟「あの弾幕は一体何処に…?!ぐほぁっ?!!」ズガァンッ

 

弾幕が消えたかと思うと、麟の後ろに出現して爆発する。その爆発により、麟は優の方へと吹っ飛ぶ。

 

優「っ!ここだぁ!!『波紋疾走(オーバードライブ)』!」ベッキャア

 

麟「ぐああっ?!」ズドォン

 

麟は優のパンチを思いっきりくらい、ぶっ飛ぶ。

 

優「な、何だ?!この波紋に触れた黒いモヤが浄化していく…?!」

 

 

『ファアア…』

 

 

優「…日光に当たっても大丈夫なのに、波紋はダメなのか?いや、直接流し込まないとダメだと言う事か…!!」

 

麟「ぐぅ…(何だ、今の感じッ?!あの男…一体何をしたというのだッ?!ただ、普通に殴っただけに見えた…違うのか?!)

 

優「でも、俺が使う波紋は微弱すぎる…!でも、アイツを倒す算段は出来てきた…」

 

 

 

弁々「何なんだ、あの戦い…」

 

雷鼓「か、かっこいい…!」

 

 

 

麟「…フッ、お前はもう終わった!!優ぅ…」

 

優「どういう事だ?…ッ?!(まずいッ!)」バッ

 

優は急いで上空へ飛ぶ。すると、地面から黒いモヤが刃となって突き出る。そしてその刃は優の足と体を切り離した。

 

 

『ズバッ!!!』

 

 

優「ぐっ?!ああああっ?!!」ザシュッ

 

足から鮮血を流して、地に落ちる。

 

麟「飛んでいなければ首を切り落として、直ぐに楽にさせたのに…無駄な事を」

 

優「ぐ、うう…!!」ギロリ

 

麟「そう睨むな…今楽にしてやるよッ!!!(死ね、優!!)」ヒュッ

 

麟が優の頭に、手刀を決めようとした時誰も予想できない事が起こった。

 

???「本能『イドの解放』」パラララ

 

麟「っ?!」バッ

 

突如、ハートの弾幕が麟に向けて発射され、麟はギリギリで回避する。

 

???「大丈夫、お兄ちゃん?!」

 

優「なっ?!貴女は…こいしさん?!」

 

何と、こいしが優を助けたのであった。

 

こいし「あ、足が切られてる…早く病院行こっ?!」グイグイ

 

優「こいしさん、有難うございます…!でも、まず先にアイツを倒さないと…」ググッ

 

麟「…チッ!小娘がぁ…俺の邪魔をしやがって…こうしてやる!!!『世界(ザ・ワールド)』」バッ

 

優「え…その技は――――」

 

こいし「ああっ?!!」ベキッ

 

麟「トドメだぁ!!『デス・スパーク』」ズ ゴ ゴ ゴ ゴ

 

 

『ズガァァァン!!!』

 

 

麟が『世界(ザ・ワールド)』と宣言してからは一瞬だった。気付けばこいしを殴りとばして、真っ黒な極太レーザーで包み込んでいた。

 

こいし「あ…ガハッ!!」ドサッ

 

優「こ、こいしさん…あ、ああ、あアア?!!(嘘だろ…?!アイツが、アイツがあんな技を使えるなんて?!)」

 

血まみれになり、倒れているこいしを見て俺は頭の中が真っ白になった。

 

優「アァァァ!!!!麟、貴様ぁあぁぁぁあ!!!!」バッ

 

俺は無我夢中で麟へ飛びかかる。俺の中にはもう『冷静』という文字は存在していなかった…。

 

麟「フッ、『世界(ザ・ワールド)』!!」バッ

 

麟がそう叫んだ時、優はハッとする。だが、既に殴り飛ばされていた。

 

優「ぐっほぉっ?!!!(そうだ…右目の干渉機能を停止させていたんだった…くそっ…!!)」ブシュッ

 

麟「哀れ。そして無様。フフフ…一番最初のあの威勢は何処にいったのか…フッフッフ…!!」

 

優「(俺が…殺されるならいい。けど、関係のないこいしを巻き込んでしまった…!!助けたい…こいしを、助けたい…!!)う、ウアアアアアッ!!!!」クワッ

 

麟「…トドメだ」ヒュッ

 

『ベキャアッ!!!』

 

 

辺りに不快な音が響き渡る。その場に残ったのは、血の生臭い匂いと、不気味な男の笑い声だけだった。

 

 

 

 

 

 

とある暗闇の中、一人の恐ろしい声が響く。

 

『ヨウ、久シブリだナ…チカラヲ、貸シてヤロウカ?マサル…』

 

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
皆様、隊長の名前決めに協力して頂き、有難うございました!!どれも差が無さ過ぎて少々焦りました。が、見事決まりました!
でも、何故か最終的には選択権以外の名前になってしまいました…。こんな感じでもまた協力して頂けると有難いのです。
今回は優の姿がしばらく見えなかった頃の、お話でございます。優の前に再び現れた隊長『強羅 たけし』を改め、『強羅 麟』。戦闘へ発展し、優が大ピンチ!!?と言うか死んでない、この表現?
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

(あと2日ぐらいは返信ができなさそう…)

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