中学生が幻想入り?!   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
D・RTを撃破した
 ↓
妖夢と優が白玉楼へ帰った(今ココ!)




#101 飢えた寝人

優「ん…(何だ?俺の体に何かが纏わりついている…)」

 

俺は違和感を感じ、目が覚める。辺りを見渡すと、白玉楼の部屋だと言う事がわかった。それと同時に違和感の原因もわかった。

 

優「…何で覇奈さんと妖夢さんと幽々子さんが布団の中にいるんだ…?」

 

1つの布団に何故か2、5人と1、5魂が入っていたのだ。これは違和感と言うよりも窮屈と言う方が良いだろう。まだ寝ているみたいなので、俺はそっと布団から抜け出す。

 

優「今何時だ…朝の4時くらいか。どれ、目を覚ますために風呂でも入って来ようかな…」

 

 

青年入浴中…

 

 

優「うん、風呂に入って来たけど暇だな…。妖夢さん達が起きるまでどうしようかな…」

 

俺がこれから何をしようか考えている時、後ろからポスッと衝撃がくる。

 

優「ん?誰…って幽々子さんですか。随分とお早いんですね」

 

後ろを振り返ると幽々子がいた。だが、何かフラフラしていて怪しい。

 

幽々子「ふにゅぅ…ねうたい…」

 

優「?(何だ、寝ぼけているのか…?呂律がうまく回っていない…)」

 

幽々子はどうやら寝ぼけているらしい。その所為か、呂律がうまくまわっていない。

 

優「まだ眠いのでしたら2度寝したらいいじゃないですか?」

 

幽々子「…ふわぁい」テッテッテ

 

幽々子は寝室へと戻って行った。幻想郷の女性は寝ぼけている時がとても怖いから、つい警戒してしまう。

 

優「さて、俺はどうしようかな…先に料理の下準備をしておいたら妖夢さん喜んでくれるかな?」

 

俺は台所の方へ行くと、もう既に材料が山のように積まれていた。

 

優「うひゃあ…相変わらずこの量を見たら驚かされるなぁ…。良し、頑張るか!」

 

早速、俺は材料に手を伸ばす。どんどんやっている内に、時間が経ち、妖夢が起きて来た。その頃には下準備が全て終わっていた。

 

妖夢「あっ、おはようございます。もしかして既に準備終わっちゃいました?」

 

優「はい、そうですけど…ダメでしたか…?」

 

妖夢「いえ、そんな事はありませんよ、むしろ有難いです!それよりも体の方は大丈夫ですか?」

 

優「体?ああ、もう大丈夫ですよ。今回は永遠亭に行かずに済んだのかな…」

 

妖夢「優さんは霊力を大きく消費してしまった反動で意識を失ってしまいましたからね…もう大丈夫と仰るのであれば大丈夫でしょうね!さ、ここからは私も手伝わせてもらいますよ!」

 

優「はい!」

 

俺と妖夢は素早く調理していく。そして何時もより30分程早く出来上がった。

 

妖夢「思ったより早く出来上がってしまいましたね…」

 

優「そうですね…。…妖夢さん、あの時D・RTをどうやって斬ったんですか?」

 

妖夢「えっ?」

 

妖夢はいきなりの俺の質問に戸惑うも、直ぐに答える。

 

妖夢「そうですね…あの時は何が何でも斬ってやるって思ってスペカを発動させたんですよ」

 

優「実は妖夢さんが斬った所は一番密度が高くて、とても硬い所だったんですよ」

 

妖夢「そうなんですか…」

 

優「そこでちょっとD・RTを斬った刀を見せて欲しいんですけど良いですか?」

 

妖夢「楼観剣ですね!いいですよ、着いて来てください」

 

俺は妖夢に着いていき、妖夢の部屋へ辿り着いた。

 

妖夢「これが楼観剣です」

 

優「これが…剣を抜いて刃に触ってみてもいいですか?」

 

妖夢「良いですけど、斬らないよう注意してくださいね?」

 

優「わかりました」

 

俺はゆっくりと剣を抜く。そして触ろうとした時、何かがフワッと見えた。

 

優「ん?…気のせいか。どれどれ…ッ?!」ズパッ

 

妖夢「ま、優さん?!」

 

俺が剣に触れたその時、剣から見えない斬撃が放たれた。俺は直感的に感じ取り、回避行動をしていたから避ける事が出来た。

 

優「危なかった…(どうやら斬撃は僅かな距離しか飛ばないみたいだな…)」

 

妖夢「大丈夫ですか?!」

 

優「ああ、大丈夫です。…妖夢さん、この剣は前からこんな感じなんですか?」

 

妖夢「いえ、前までは普通に…」

 

優「…楼観剣お返しします」

 

妖夢「ああ、はい…」

 

優「…(レミリアさんの見た運命は…俺じゃなくて、妖夢さんの方だったみたいだな。あの剣は…おそらく全てを斬れるようになったかもしれない…)」

 

重い空気が漂っていた時、台所からカチャカチャと皿がぶつかる音がする。

 

妖夢「し、しまった!!間に合え…!!」

 

優「妖夢さん?!」

 

妖夢は血相を変えた顔で台所の方へ走って行く。俺も妖夢の後を追いかける。そして台所に着いた時、驚くべき光景が広がっていた。

 

妖夢「お、遅かったか…」

 

優「何…だと?!」

 

俺達の視線の先には―――

 

幽々子「ガツガツモグモグ…!!」

 

幽々子が朝食のメニューをどんどん貪っていた。用意した量の半分が既に無くなっていた。

 

妖夢「あれは『飢えた寝人(ハングリースイーパー)』…。匂いにつられて、寝たまま動きだし、料理を食べつくすという恐ろしい現象です…あれを咎めようとする者は喰われてしまうので、誰も止める事が出来ません…」

 

優「…ワァーオ」

 

俺達はそのまま幽々子が食べていくのを見ていた。そして食べきった時、幽々子の目が覚めて

「今日の朝ごはんは何?」と聞いて来たので、俺達は再びご飯を作ってその日はもう疲れたから休んだ。

 

こんな感じで俺は楽しみながら、疲れながら2週間を過ごした。D・RTが出現してからはそれ程事件という事件は起こらず、平和な日々だった。

 

優「じゃあ俺はもうそろそろ移住しますね」

 

妖夢「また来てくださいね、優さん!」

 

幽々子「定期的に来てもいいのよぉ♪そしたら妖夢喜ぶから」

 

妖夢「ちょ、幽々子様!?」

 

優「はい、またお邪魔させてもらいますね!じゃあ行ってきます!!」バッ

 

妖夢・幽々子「行ってらっしゃい」

 

俺は白玉楼から飛び立つ。そして俺の横には…

 

覇奈「♪」ヒューン

 

覇奈がいた。これからは、『俺とずっと一緒に行動する』と言う条件で連れて行く事を、幽々子さんが許してくれた。

 

優「じゃあ取りあえず人里に行って家に帰りましょう、覇奈さん!」

 

覇奈「!」ヒューン

 

俺達は人里へ一直線に飛んで行った。

 

 

 

~人里上空~

 

優「久しぶりの実家だ…ん?何だ、1ヶ所に人が集まってる…何か霊夢も居るな。ん?もう1つ人溜まりがある…(あそこは…命蓮寺か)あれ、何か命蓮寺の人が門を抑え込んでる…ちょっと右目で見てみるか」ギンッ

 

この右目はズーム機能がついているし、透視機能もついているから便利だ。その機能を同時に使い、見てみると驚くべき事がわかった。

 

優「?!命蓮寺に襲撃しているのか、人里の人達は?!(それに命蓮寺の中にはかなりの数の妖怪がいる…俺が冥界に行っている間に何かあったな)取りあえず助けに行かないと!!覇奈さん、行きましょう!!」

 

覇奈「!」ヒューン

 

俺達は命蓮寺の敷地内に着地する。周りには妖怪達がいた。

 

妖怪1「うわぁ、人間だ!人間が居るぞ?!」

 

妖怪2「ヒイイッ、お助けー!!?」

 

優「いや、俺は…!!」

 

だが、俺を見るなり妖怪達は怯えて逃げて行く。すると奥から(しょう)とナズーリンが出てくる。

 

星「何事ですか!?」

 

ナズーリン「優かいっ!?もしかしてお前も…」

 

優「いや、だから俺は…くっ!一体…一体何があったんですか!!」

 

ナズーリン「ご主人、戦おう!ご主人と私の2人係なら倒せる!!」

 

覇奈「?!」

 

星「取りあえずそうした方がいいでしょうね…わかりました!ナズーリン、行きますよ!!」

 

優(あれ?命蓮寺の人達は争いが嫌いな筈じゃなかったけ…?)

 

 

いきなり襲われる優。何故人々は命蓮寺に押しかけ、何故2人は優を倒そうとするのか。そしてそれに対する優の行動とは――?!

 

 

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は雑に白玉楼編を終わらせてしまいました…すいません。はい、えーっと…再び、覇奈と優が一緒に行動できるようになりましたね!そして最後らへんでは2人が襲い掛かって来た。これに優はどう対応するのか…期待。
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!

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