俺は彼女に、恋い焦がれた。

届かないことも承知で。

彼女の瞳に映っていたのは、圭一だった。

それでも俺は、彼女を映し続ける。

いつも通りの帰り道。

いつも通りの日常。

いつまでも続くと思っていた幸せな日々。

しかし、綿流しの日から全てがおかしくなっていった。

まるで、幸せな日々が続くと信じていた俺を嘲笑うかのように、幸せな日々は、俺から遠ざかっていった。

いつの間にか俺の瞳には彼女が映ることは無くなっていった。
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