ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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これは現在連載中の黒太陽さん作「東方大魔王伝 -mythology of the sun-」にて
拙作から押しかけ助っ人中のハドラーが第34話において自重せずに話しの流れを
無視して乱入したIFストーリーです。
幸いにも黒太陽さんから許可をいただいたのでIFストーリーとして投稿しております



IFストーリー 東方大魔王伝 -mythology of the sun- 第34話 名前と涙

~あらすじ~

かつてハドラーが東方サッカーを通じて縁を深めた地 幻想郷

そこに迫るかつてない脅威 太陽神ソル

それは平行世界で地上を破壊し勇者を返り討ちにした

もうひとりの大魔王バーンとその軍であった

幻想郷の危機に助っ人として参戦したハドラーは

敵軍の侵略に劣勢となる地上で指揮をとりながら

ロン・ベルクとともに最前線で戦い続けていたが

ソルがいる月を攻め込んだ先行隊を迎えうつ最強最後の戦士に・・・

 

 

-地上 幻想郷-

 

『間違いありません これはダイの竜闘気!

・・・・・・うーん、だと思うのですが

深い闇に囚われているせいか、月から感じるのですが・・・』

 

「どういうことだ聖母竜!?

月にダイがいるだと!?」

 

〝・・・なっ!!?まさか・・・

いや ヤツがいるということは

その可能性もあったか・・・最悪の可能性が〟

 

空よりもはるか先・・・月にダイが

 

『すぐに行かなければなりません

竜の騎士の生と死を司る私にはわかります・・・

いきましょうハドラー』

 

・・・おまえがそういうとは 捨ててはおけぬか

 

「ロン・ベルクよ 地上での戦は任せたぞ」

 

〝ああ 三流魔王の穴程度埋めてやる そのかわり

オレの認めた最高の使い手と最高傑作を任せたぞ

これはオレからの最後の餞別だ くれてやる〟

 

   スッ

 

酒瓶(スキットル)?!」

 

〝とっておきの一本だ 礼はいらん こいつは貸しだ〟

 

「いいだろう うけとっておこう

合流呪文(リリルーラ)!」

 

 フッ

 

〝たとえオレの知るあいつとは違うとしても

オレに輝きの日々をくれた太陽を・・・頼んだぞ

オレはオレで守るべきものを守るとするか

・・・友の背中をな

さあ くるがいい 今日のオレの剣は一味違うぞ!〟

 

 

 

 -月 ソルパレス「騎士の間」-

 

        フッ

 

〔なっ!?〕     《!!???》

 

「どうやら 間に合ったようだな」

 

オレは二人の男たちの間に割って入った

 

  ギン

 

・・・ダイ あの顔の十字傷からみて

やはりオレたちの世界のダイとは違うようだが

 

『ええ 私たちの知るダイの顔の傷はとっくに癒えて

のこっていませんから・・・

マザースキャン!!』

 

    カッ

 

ナイトバーンの

30%は絶望で出来ています

20%は悲しみで出来ています

20%は制御魔術で出来ています

19%は厳しさで出来ています

・・・・・・

 

『・・・なんということでしょう ダイから・・・

あのダイからは生気が感じられません

こんなことにならないように生と死を司る神の使いである私

・・・「聖母竜」がいるはずなのですが

あちらの世界の私は何をやっているのですか!』

 

そうだな オレの好きだったあの顔から光が失われている

竜魔人の紋章の禍々しい輝きがあるだけだ

戦いに敗れ 絶望に落とされ 闇に操られ

そして名前まで奪われたか・・・!!

 

『ハドラー あなたにお願いがあります

竜の騎士の生と死を司る神の使いとしてではなく

あの子の祖母として・・・』

 

その先を言う必要はない

 

「・・・・・・ダイ!

この場でオレと勝負してもらうぞ!!

むろん一対一正々堂々のな!!!」

 

ダイと向かい合っていた先ほどまで

戦っていたであろう男にも聞こえるように宣言する

 

『どうやら精霊ルビス様の愛し子のようですね

強い加護の力を感じます』

 

「つまりは異世界の人間の勇者か

ならばその力はこの後に控える大魔王にぶつけるがいい

闇に堕とされた勇者の相手は・・・

このオレ 元魔王ハドラーだ!!」

 

〔元魔王!?〕

 

人間の勇者は動揺しながらもダイから目線は外さないが、

近くにいる先行していた少女ルナの守護にまわるようだ

 

「そして両大魔王もとくと見よっ!!!

何人たりとも手出し無用っ!!!

寄らば生命が無いと思っていただきたいっ!!!!」

 

オレの宣言に対しダイの返答はただ一言

 

《・・・コロシテヨ》

 

!!?

 

「ダイ・・・ 今はバランやアバン、ブラスにかわり

いや おまえの祖父としてこのオレがハドラーが!

ゲンコツを見舞ってやろう!

たっぷりと、しかりつけてくれるわ!!」

 

〔祖父!?〕〔おじいちゃんなの!??〕

 

《コロシテヨ・・・》

 

     ズオオオッ!!

 

 ザッ              ダッ

 

     シュ    シュ

       バァン!!

  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ ゴ

 

ダイとの激突から凄まじい熱気が オレたちを取り巻いた

かつてのときのだれもよせつけない真竜の闘いの再現だ

いや あのときよりも熱気が強い

オレがわざと生み出したせいでもあるが

互いにあのときよりもレベルアップをしているからだ

・・・だが

 

「ウオオオオーーー!!!」

 

《!!》

 

   バキ ドガ ガッ ズガ

 ドン  フッ  ガガガガガガガ!!!!

 

剣が使えないほどの超接近での肉弾戦にもちこんだ

 

「力も速さも大したものだ だが!」

 

    グボ メリ

 

オレの腹に刺さるダイの拳・・・!!

 

 ガッ    ぶあっ    ばしん!

 

その手首をつかみそのままダイを地面に叩きつけた

 

 ばしこ! ばしっ!    ばん! ばしん!!

 

そのままつかみあげ だらんとしたダイは・・・

 

《コロ シテ ヨ・・・》

 

「軽い! 軽すぎるぞ!!

今のおまえの口は!舌は!!

そんな言葉を吐くためだけのものか!!!」

 

 げしん!!!

 

ダイがそのままオレの顔面に蹴りをいれてきた

その反動でオレの手を逃れ 距離をとったが

 

 ダッ!

 

剣を構える前に距離を詰める

 

「おまえは底の知れぬやつだと思っていたが

こんなものが!こんな力がおまえの底ならば

おまえに敗れたフレイザードやフェンブレン

そしてだれよりもこのオレが!!

死んでも死にきれぬわぁ!!!」

 

 ドガアッ!!

            ドゴン!

 

ダイの頬を殴りつけたが その表情を変えず

すぐさま繰り出された反撃のアッパーで

オレの体がわずかに浮き上がった しかし

 

「かつて!おまえを傷つけたことにより怒りに燃えたバランの拳に

いや はじめておまえと闘った

アバンを失ったあの時のおまえの拳にも遠く及ばぬわあ!!」

 

     グボン!!

 

オレの拳がダイの腹をとらえた!!

 

《・・・バ・・・ン・・・》

 

『ダイが!?』

 

名前に 反応した!?

 

「ダイ! おまえの名はダイだ!!

おまえの名はブラスが与えたもの!

おまえのゆりかごにただひとつ残っていたDの文字

おまえの父バランが授けた名前の一字を受け継いだ

とてもよい名前だ!

おまえにはじめて闘ったあのときから

その名を一度たりとも!忘れたことはない!」

 

 ガガガガガガガガ!!!!

 

肉弾戦を続けながら呼びかけ続ける

 

「ブラスに名を与えたのはオレだ!

つまりおまえにとってオレは名付けの祖父ともいえる!」

 

『ダイ・・・』

 

 バキ!バキ!

 

ダイの蹴りをオレの拳がむかえうつ

 

《ウ》

 

「大魔王などに塗りつぶされてはならん!!

さあ思い出せ! お前の名を呼ぶブラスの声を!」

 

〈ダイ!〉

 

《!!》

 

 ブン!

 

「バランの声を!!」

 

【ダイ】

 

《!!》

 

  ドカッ

 

「アバンを!!」

 

‘ダイ君’

 

《ア・・・》

 

    ズン!

 

「ポップを!!マァムを!!レオナを!!」

 

'ダイ!!' “ダイ!”≪ダイ君!!≫

 

《ポ・・・》

 

「クロコダインを!ヒュンケルを!ヒムを!」

 

〔ダイ!〕 ゜ダイ゜ {ダイ!}

 

≪ウアア・・・≫

 

「おまえの名を呼ぶ父を!仲間を!思いだせ!

とりもどせ!おまえの名を ダイ!!!」

 

〈ダイ!〉   <ダイ様>

〔ダイ!〕     ‘ダイ君’     ゜ダイ゜

 {ダイ!}  'ダイ!!'  “ダイ!”

≪ダイ君!!≫    〈〈ダイ君〉〉    【ダイ】

「ダイ!!」『ダイ!!!』 (ダイさん)

    \ピッピィ!!/

 

《ウアアアアアアアアアアア!!!!》

 

 \\\\\\\\ダイ!!!////////

 

《・・・!》

 

 ダッ

 

距離をとった一瞬 わずかにダイの瞳に光がもどった

 

《ハ・・・ハドラー・・・・・・》

 

!!??

 

     ポタッ・・・

 

《ナ・・・ナミダ・・・?》

 

「!? オレが戦場で泣くか これはハナミズだ」

 

『いえ 目から流してますから

流石にそれは無理があります』

 

余計なことはいわんでいい

そんなことより ダイがオレを見ている

戦い以外のオレの行動に反応している・・・

わずかな水のひとしずくに気付けたのだ

ダイに人の心が蘇りつつあるということだ

 

『では!』

 

「ここだ ここが決着のとき!!!」

 

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

 

オレたちを取り巻く熱気もそのときを感じているようだった

 

 ジャキィィン!!!

 

オレは左手のヘルズクローをめいっぱい出し

酒瓶から一口含み・・・

 

 ブフォッ!!

 

酒を吹き付けて魔炎気を込めて構えた

 

「流石ロン・ベルクのとっておきだな

これでオリハルコンにも遅れはとるまい」

 

対するダイも剣を構えた

やや前かがみのアバンストラッシュの体勢

やはりあのときと同じか・・・

望むところだ!!

 

 カッ

 

ダイがアバンストラッシュ(アロー)を放つと同時に

アバンストラッシュ(ブレイク)で斬りかかって来た!

 

「超魔爆炎覇!!!」

 

     X

 

  ズバッ!!!!

 

〔ああっ!!そんな!?

2つの技を同時に交差して命中させるなんて!?

あれではひとたまりもない・・・!〕

 

アバンストラッシュ(クロス)がオレのヘルズ・クローと

胸を切り裂いた・・・・・・が!!

 

 クワッ  ドガッ!!!

 

「ククク!!

超魔爆炎覇さえもオトリよ!!

本命はこちらだ ヘブンズ・クロー!!!」

 

〔なんだって!!右手の輝く爪が少年の体を貫いた!?

あれほど技をうけてすぐに反撃に移れるなんて!〕

 

〔あいにくアバンストラッシュは心・技・体が

すべてそろわぬとできぬ技・・・!

心を閉ざされた今のおまえには到底完成せぬわ

断言してもよい・・・

オレはこの技をもっとも受けたことのある男

こんな紛い物でオレの命には届かん!!!

さあ!!!

竜闘気といえど この状態からは防げまい!!!!

オレの呪文を流し込み天国を見せてやるわッ!!!!〕

 

〔この輝きはまさか!!?〕

 

回復呪文(ホイミ)!!!!!」

 

 ドオオオオオオン!!!

 

《ウ、ア、アア・・・・》

 

〔す・すごいホイミどころじゃない

まるでべホマ いや蘇生呪文(ザオリク)級の力だ・・・〕

 

〔見てロランさん!

まるでゾンビのようだったあの子の体の色が・・・!〕

 

手応えあった!!

ダイが血色をとりもどしていくのが見える

 

  ヒィーーーーーーン!

 

『今です!!』

 

ダイの竜の紋章の輝きが変わったのを感じ取った

聖母竜も気付いたな!!

 

竜闘熱気拳(ドラゴニックオーラヒートナックル)!!!!」

 

 ピシィ ブシュウ・・・

 

ヘルズ・クローを失った左の拳を

ダイの紋章が輝く額にたたきこんだ!

と 同時にオレの拳ごと腕が 体が灰となっていく

 

〔そんな・・・

あれほどの力をもってしても突破できないなんて?!〕

 

「クックック・・・ ダイよ・・・

さあオレの半分を与えてやるぞ・・・!!

そしておまえたちの出番だ 聖母竜!・・・バラン!!」

 

  カアアアアァァ!!!!

 ゴアアアアアアアアアアアア!!!!

 

〔彼らを取り巻いていた凄まじい熱気が収束していく!

ルナ!僕の後ろに!!〕

 

  カッ……!

 

・・・・・・・・・

 

〔・・・あ ああ ロ、ロランさん

あれは もしかして・・・〕

   ・・・

 ・・・・・・

・・・・・・・・・

〔!? 2人とも いない・・・

今そこにのこっているのは

灰のようなものの山と二振りの剣だけ・・・

あれほどのエネルギーを浴びては

彼らでもひとたまりもなかったのか・・・〕

 

〔・・・あの ロ、ロランさん

あそこに あるもう一本の竜の剣は?

さっきまでなかったですよね?〕

 

 

・・・

・・・・・・

~~~~~~~~~~




色々と書きたいことがたまっていながら形にするのが滞り気味なウジョーです
今回は書いていたら興がのりすぎて長くなってきたのでもうちょっとだけつづきます
ダイとアバン先生のこととなるとついムキになり自重しなかったハドラーIFストーリー
何でもやっちゃってください!と言っていただいた黒太陽さんに感謝を
ありがとうございました

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