ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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神奈川県川崎市 後編

夜もふけてきて ジゼルは・・・

アニマルソルジャーたちともう寝ていた

 

『ぬいぐるみに囲まれて寝ているジゼル・・・!!』

 

わかった わかった・・・

 

〈ハドラーさん 大人のお話があるのですが・・・〉

 

「なんだヴァンプ将軍?」

 

〈あの・・・ 世界征服って興味ありませんか!?〉

 

「ほう 世界征服だと?」

 

〈はい! 考えたことありませんか世界征服?!

実はフロシャイムは世界征服を目指す悪の秘密結社なんです!

是非ともハドラーさんに入っていただきたいのです!!〉

 

「・・・・・・」

 

〈それは 私達もすぐにそんな大きなことができるとは思ってません

我が川崎支部の当面の目標はあの川崎市のヒーローであるレッドさんを抹殺です

それで一応の目鼻がたつといいますか・・・〉

 

「・・・」

 

〈あっ!? ひょっとしてハドラーさん もしかして

すでにどこかの組織の首領だったり大幹部だったりしますか?〉

 

「・・・くくく

いや たしかにそんな時期もあったが・・・な

・・・オレもかつてそんな戦いの日々の中宿敵に出会った

将軍たちにとってのサンレッドのようにな

そんなやつと今も戦い続け、

今はやつの弟子よりも優れた子を育てることがオレの戦い・・・」

 

寝息をたてるジゼルを見る

 

〈そういうことですか・・・ わかりました

このお話はここまでにして ではちゃんとお布団を敷きましょう

ハドラーさんにも丁度いいサイズの怪人用のがありますから

どうぞご遠慮なく ゆっくりしていってください

ジゼルちゃんたちの分もすぐに用意しますから〉

 

「そうだな あの修羅場で魔法力も消耗している

帰りのこともある 久しぶりに寝るとするか・・・」

 

〈おやすみなさい ハドラーさん〉

 

「ああ 将軍もな」

 

・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・・

 

ぴくっ

 

夜明けか・・・

だがオレが目を覚ましたのは夜明けの太陽ではない

このアジトの前で感じる太陽の気配のせいだ

オレが起き上がり玄関に向かっていると・・・

 

ガラッ!

 

〈はーい! だれでしょうかこんな朝早くに お客さんなんて?〉

 

すでに朝食の支度にとりかかっている様子のヴァンプ将軍が玄関に走っていた

 

〈え!? レッドさん!???

どうしたんですか?いつもお昼頃まで寝ているはずなのに?!〉

 

      ボカッ!

 

【うるせえよ!それより昨日のやつをだせ!いるんだろここに!!】

 

「やはりオレの客か」

 

すでに戦闘服を装備した昨日の仮面の男 サンレッドがあらわれた

 

【ちょっと面貸せ 昨日のようにはいかねえぜ】

 

仮面で表情は見えないが かなりの自信があるようだ

 

「よかろう 昨日と同じ場所か?」

 

【いや この近くにでかい川がある

そこの河川敷がてめえの墓場だ】

 

「フン その言葉そのままお前に返してやろう」

 

昨日空から下った川のことだろう

 

「ヴァンプ将軍 いってくるジゼルはまだ寝させておけ

朝飯前には片付くだろう」

 

〈いえ 私も行きます 気になって朝ごはんに集中できませんよ!〉

 

割烹着を脱いだヴァンプ将軍も慌てて着いてきた

 

・・・

・・・・・・

 

神奈川県川崎市 多摩川の河川敷にて

正義と悪の闘いが今! はじまろうとしていた!!

 

【だし惜しみはなしだ 変身!!】

 

 バシュ!! カッ! カッ!! カッ!!!

 

【サンレッド究極形態ファイアーバードフォーーム!!!】

 

「「説明しよう ファイアーバードフォームは

サンレッドのコロナエネルギーがフルパワーに達した時に

装着される太陽の戦士の究極形態なのだ」」

 

〈あれがファイアーバードフォーム!?

あの押入れの奥にしまい込んだあれをわざわざ出してくるなんて

めんどくさがりのレッドさんが それほど本気で!?〉

 

今ヴァンプ将軍以外の声が聞こえなかったか?

 

『そうですか?』

 

だがたしかにサンレッドはかなりパワーアップを果たしたようだ

面白くなってきたな

ニヤリと口が動くのわかる

 

【くらいやがれ!ハドラー!!】

 

サンレッドが銃を構えた

 

〈あれはサンシュート!

戦闘員クラスなら一撃で倒すほどの威力を持った武器です

気をつけてくださいハドラーさん!〉

 

武器も用意してきたか たしかに本気のようだな

手のひらサイズだった銃が巨大化して大砲に姿を変えた

 

〈ええ! なんですかあれは?!〉

 

【この究極形態のときだけ使える切り札だ!

くらいやがれ!コロナバスターーー!!!!】

 

大砲の銃口以上の極太の熱線がオレに襲い掛かった

 

「ヌウウウ!!」

 

【ヘッ 一夜漬けの充電でおめえが倒せるとはおもっちゃいねえ

さあこれで! 地獄にかえるときだハドラー!!

 不    死    鳥 

    爆   炎   

ファイアーバード アターック!!!】

 

火の鳥をまとったサンレッドがむかってきた

・・・この火の鳥 見覚えがあるぞ

 

『そういえば私も・・・』

 

それにさっきの声も・・・

 

「「・・・ニマリ」」

 

そのとき背後に空間のゆらぎが!?

 

『あなた うしろに!?』

 

「いかん!まさかこのタイミングで!?」

 

         フッ

 

オレは振り返ることはせずそのまま前にでた

 

「かああああーーーーーーっ!!!」

 

      ボグアアッ!!

 

〈・・・レッドさん! ハドラーさーん!!〉

 

【はぁー・・・ はぁー・・・

ハドラーおそろしいやつだ・・・

・・・・・・これでも はー・・・  たおせねえのか・・・】

 

「・・・本来なら今の二発で黒コゲなのだろうが・・・

閃熱と火炎はこのオレの最も得意とするところ

見ろ!」

 

オレは右手にメラゾーマ 左手にべギラマをだし維持してみせる

 

【なっ!!!?】

 

「まだオレの後で寝ぼけているジゼル!」

 

[は、はい!おはようございますハドラーさま!]

 

「おとなしくヴァンプ将軍とともにいろ

見物は許してやろう」

 

[はい ごめんなさい 起きたらハドラーさまがいなかったのでつい]

 

どうやらねぼけたままリリルーラでおいかけてきたようだ

まさかこれもあのお方の仕業ではないだろうな・・・

オレが太陽をじっと見ると

・・・いつもの面白そうな顔を返しているように見える

 

【はあ はあ・・・ おい あのガキは大丈夫なのか?

オレの攻撃の余波は】

 

「あやつはああ見えて火と熱を操る火竜だ まったく問題ない

それよりも随分と息があがっているではないか

切り札が通用しなかった今 もはや問題にならんわ

死にたくなければひっこんでおれ!!」

 

【へへ・・・ なに言ってやがる

久しぶりに正義の血が滾ってきたからな~~~~

まだまだこれからなんだよ!】

 

ヘラヘラと返してくるサンレッド 仮面で顔は見えないがな

 

「ならばオレも奥の手を見せてやろう地獄の爪(ヘルズクロー)!」

 

      ジャキイイン

 

両手の呪文を解除し右手の地獄の爪をだす

 

【へっ! その白くてキラキラした爪がおまえの奥の手か?】

 

?オレの爪が白いだと 暗黒闘気と敵の血で磨かれた地獄の爪が

!爪を見るとたしかに白い

 

      マザースキャン!

 

        ピピピ

 

『・・・ヘブンズクローはアガペーで出来ています』

 

名前が変わってる! アガペーってなんだ!?

まさか

 

「地獄の鎖(ヘルズチェーン)」

 

左手の地獄の鎖を出してみると・・・ これは糸?

 

マザースキャン!

 

ピピピ

 

『・・・蜘蛛の糸は仏の慈悲で出来ています』

 

・・・オレの両手が勝手に転職してるだと?!

 

『これは転職というのでしょうか』

 

これはもしや昨日の聖人どものせいか?

 

『そうでしょうね

多分あの方たちにはそのようなつもりはないでしょうが

聖人によるちょっとした奇跡ですね』

 

随分と手軽な奇跡だな まあいい とりあえず両方ともひっこめ

 

「昨日はオレも修羅場明けでな 魔法力に余裕がなかったが・・・」

 

      ブン   ブン

 

 ジジジジッ       ジジジジ

 

「オレの得意呪文 火炎系、閃熱系はお前にも効果が期待できんが

得意呪文はもうひとつある・・・

それがこの爆裂系・・・極大呪文 そして!!」

 

  ダッ!!

 

一気にサンレッドに近づき懐に両手を当てる

 

【なにぃ!!】

 

疲労と動揺で反応が遅いッサンレッド!!!

 

      グッ

 

「味わうがいい我が子 騎士シグマの切り札

ライトニングバスターーーー!!!!」

 

   カッ

 

バキ ボキ バキ ボキ

 

               ダァン!!!

 

〈ああ レッドさーーん!!〉

 

この手ごたえ・・・

あの戦闘服の防御力と肉体で内臓まではつぶれていないが

たしかに腹にイオナズンが直撃した

 

「朝飯前でよかったな 仮面の中が悲惨なことになっていたところだ」

 

【ぐ あああ・・・】

 

腹をおさえ転げまわるサンレッド

もうたちあがれそうにはないが・・・

 

「今の呪文は直接おまえに叩き込んだが

本来は広範囲に大爆発させるものだ」

 

 ジジジジ         ジジジジ

 

再び両手にイオナズンを出してみせる

 

「せいぜい歯軋りするのだな その目で

破壊されていくものを見ながらな!!」

 

【!!!!】

 

サンレッドの目に光がもどった

そして借り物の太陽の力ではない やつ本来の

太陽のような光の闘気とともに立ち上がってきた

あきらかにヒザが震えてるが それでも自ら前にでてきた

オレは呪文を解除し・・・

 

【ディエエエエエー―――――ッ】

 

  ドドドドド

 

「ウオオオオオッ!!!」

 

   ドガッ

 

オレの拳がやつの腹を再びとらえた

だが今度はたおれん!

 

【・・・オリャアアア】

 

  ガッ

 

やつの拳がオレの顔をついに捉えた

 

「今のはなかなかだ」

 

互いにニヤリとしたのがわかる

 

・・・だが今の一撃でサンレッドに戦う力はもう残っていない

倒れはしないが もう腕も足も動きそうもない

 

「・・・ヴァンプ将軍 一宿一飯の礼だ

後は譲ってやろう オレはこれ以上手をださん」

 

〈ええ!? いいんですかハドラーさん?!

ありがとうございます〉

 

    ピ ピ ピ・・・

 

通信機でどこかに連絡をとっていたようだ

 

「あ ゲイラス君? 私私 今多摩川にいるんだけど

・・・そう そこそこ ・・・うん それでね

バスタオルを2枚と レッドさんが着れそうな服を一揃え持って来て

・・・うんうん あんまり他の怪人には言わないで うんじゃあ」

 

      プツッ

 

〈レッドさーん ちょっと待ってくださいね

今着替えとか手配しましたから〉

 

【・・・あん?】

 

〈だってレッドさんそのまま帰ったら かよ子さん心配しますよ

どうせ何も言わずに 出てきたんでしょう

起きたばかりでこれから仕事に行くかよ子さんに心配させちゃったら・・・〉

 

【・・・お前なあ それが悪の怪人のいうことかよ・・・

今がオレを殺す最大のチャンスなんじゃねえのか?】

 

〈いえ やっぱりレッドさんの抹殺は私たちの手でやんないと

そう必ず! いつの日か!!〉

 

【あっそ・・・】

 

・・・成る程これがやつらの敵対関係か

 

『・・・敵対とはいったい・・・』

 

[ハドラーさま 私も回復呪文をしましょうか?]

 

「お前はオレの片腕 つまりオレが手をだすことと同じだ

ひっこんでいろ」

 

[はーーい♡]

 

その後 ヴァンプ将軍らの手当てを受けサンレッドは自分の足で帰り

オレたちは朝食もフロシャイム川崎支部で馳走になった

 

・・・

・・・・・・

 

「では世話になったな」

 

〈もう帰ってしまうんですかハドラーさん〉

 

「ああ ここは居心地がよすぎる

長居するとジゼルがフロシャイムに入りかねん

そうなったらこいつの母親がうるさくてかなわん」

 

『当然です 世界征服の片棒なんて担がせません!!』

 

[あの・・・ ハドラーさま ・・・その・・・]

 

(ジゼル アニマルソルジャーの特別隊員になったんだよ)

 

『なんですって?!』

 

(今度きたときはぼくたちでレッドまっさつするんだ~)

 

(ついにアニソルも5人になったから新しいポーズ考えとくよ)

 

(交差点に進入します)

 

(ジゼルチュキ♡)

 

『・・・かわいい』

 

「・・・それでいいのか」

 




今回は黒太陽さん作「東方大魔王伝」の大魔王バーン様が高見の見物していましたが
直接は出てません 直接は・・・
コーセルテルの竜術士も単行本がでたり原作最新話が
いかにも楽しそうなイベントやっていたりと書きたいことがたまってきたので
こちらの更新は次回はいつになることやら・・・

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