ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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アニメ鑑賞編 アバン流究極奥義

   ―魔界の城内―

 

  ビシ!!

 

【グオッフォフォフォ

どうした この程度でもう音を上げるか!

お前たちが戦う相手は拳を握る力が残っていれば

たとえ心臓が止まっても自ら動かして戦い続けるぞ!!】

 

サンシャインが竹刀を振り回し

 

     バスバスバス!

 

【カーカカカカ

なんだそのぬるいパンチは!

腐り落ちる寸前のテリーマンにすら遠く及ばんぞ!!】

 

アシュラマンが6本の腕で3つのサンドバッグを支え

 

   ズン!

 

「ククククッ

この世界の悪魔の力はこんなものか

これでは汗一つかかんぞ」

 

オレがリングでこの世界の若い悪魔たちをまとめて倒していた

 

この世界で知己を得たはぐれ悪魔サンシャインに誘われ

魔界で若い悪魔たちを悪魔超人に育て上げる訓練に参加している

まだ数日程度の付き合いだが実に面白い

若い悪魔はまだ十人にも満たないが

既に正義超人を相手に実戦を経験しているようだ

結果的に全員既に敗北しているがそれを糧にギラギラとした目で

日々の精進を怠らないやつらだ

 

「どうだレックスキング 自慢のパワーが通じない気分は?

上には上がいることがわかったようだな

そこでうずくまっているMAXマンよ

その祖父ゆずりの自慢の強靭なボディがオレの拳の一撃で沈んでどうする

そして抜け目なく死んだふりで隙をうかがうテルテルボーイよ

殺気が隠しきれていないようではまだまだだ」

 

【重心を常に意識しろ!

超人パワーに振り回されるな!】

 

   \\ハァ ハァ ハァ・・・//

 

【デーモンシードどもよ!

ジェネラルストーンで得た力は仮初のものだが

感覚は忘れるな!!

サタンの誘惑とは言えおまえ達の潜在能力の一端であることは違いない

自分の肉体を鍛えあげればそれ以上の力を揮うことができる

そのときこそ力に溺れず完全に使いこなせるのだ!!】

 

    \\オウ!//

 

   ゴーーーン!!

 

【この鐘は・・・ もうそんな時間か

フン!】

 

    カァ

 

  グワグワ

 

  バァァン

 

サンシャインが壁に拳を向け光線を放つと

 

『映像がでましたね・・・

これは あの過去映像の最新話でしょうか』

 

「冒頭の映像と歌が変わったようだが

たしかにあれだな 今日はドヨウの日だったか?」

 

【お前さんたちの戦いの映像はワシらも注目している

観戦することで参考になることも少なくない

リングを降りて共に見ようではないか

おまえ達はスクワットをしながら見ろ!】

 

   \\ハッ!サンシャイン首領ヘッド//

 

【カーカカカカ アバン流究極奥義か

今日はタイトルから期待できそうだな

おっと いきなりハドラーが血を吐いているではないか】

 

「あの時か・・・」

 

『やっぱり神に逆らう所業とも言える超魔生物の改造は

リスクが大きすぎるようですね』

 

「当時のオレもそう思っていたのだがな・・・」

 

【強さとはむなしいもの か、このときのハドラーはこう言っているが

今もハドラーは強さを求め己を鍛え上げ続けているではないか?】

 

「このときのオレも言っているが

宿敵に負けたままでいたくない それだけのことよ」

 

【なるほど 実によくわかることだ

ム おまえさんの息子の目に涙が

これはつまり・・・】

 

【だれかのために流す涙 あの小僧も一皮むけるか】

 

「目を潰されたフェンブレンが帰還したか・・・

このときはあえて不利を承知で

あやつはオレが目の修復をしようとしたのを断った」

 

【ドヘッドへッ 断った?何故だ?】

 

スクワットをしながらボルトマンが当然の疑問を口にした

そういえばこやつフェンブレンと目が似ている

 

「やつにはじめて芽生えた感情・・・執念

それを薄れさせず磨くためだ」

 

【執念か・・・

我ら悪魔超人の原動力は 反骨心 劣等感 憎悪

そういった強い負の情念だ

そして正義超人との戦いを通じて僅かながらも浄化され新たな強みも得たがな】

 

「なるほどヒムとフェンブレンはその力に目覚める素養ができたと言える」

 

現在のヒムはまさにそれを体現しオレの駒から

一個の独立した男となっている

やはりサンシャインやアシュラマンは伊達に歳をとっていない

 

【カンラカンラカンラ

ハドラー殿 オレは体内に内臓したからくり人形を操り

戦いに使用する技を得意としている

本来チェスの駒でしかなかった物をあのような戦士にしたのは

ハドラー殿の力によるものなのだろう

オレに何か助言をもらえないだろうか】

 

この男はたしかザ・タトゥーマンだったか

 

『大きな体に見合わない戦い方をするのですね』

 

肉体能力もなかなか見所はあったがな

今もスクワットにキレがある

 

「いいだろう 禁呪法を教えるわけにはいかんが

この映像を見終わった後に手ほどきをしてやろう」

 

【おお・・・ 感謝いたします】

 

『よろしいのですか 適当なことを言って』

 

今はこの映像に集中したい

バラン対クロコダインとヒュンケルか

全員元魔王軍軍団長ではあるが

まともに戦えばバランに分があるはず

 

「バランの口から大魔王バーン打倒を公言したか」

 

『本来の竜の騎士の使命から考えれば当然なのですが・・・

せっかくならこの機会にダイと和解すればよいのに』

 

クロコダインもそう思ったのかバランに歩み寄りを提案するが拒否し

戦闘態勢に入ってなかったとはいえクロコダインとヒュンケルを力で圧倒した

 

【圧倒的だな竜の騎士の力というのは】

 

「いや あれはバランも本気ではない

その気になれば剣を使っている」

 

【カーカカカカ

何かを隠そうと振舞っているようにも見える】

 

「たしかに どうやらヒュンケルもそれに感づいたか」

 

『照れ隠しでしょうか?』

 

あながち間違ってはいないだろうが・・・

それでクロコダインが吹き飛んだぞ

 

「ム ヒュンケルのあの構えは・・・まさか」

 

不覚にも冷や汗が流れるのを感じだ

 

【武器を捨てた? 素手でのとっておきがあるということか

これは期待できそうだ】

 

武器を捨てヒュンケルが闘気を消し

バランも自らの闘気を抑えながら技の正体を読み当てる

当時のオレにこのような冷静な洞察力があれば

 

【捨て身のカウンター狙いか

アバン流究極奥義無刀陣

たしかに強大な力を前には有効だが・・・】

 

『あなたとアバンの過去話が入りましたね

あ、また死んで・・・』

 

言っておくが オレが死んだのはこれが最初だ

 

『ジゼルがまたこれを見て泣いているのでしょうか』

 

・・・・・・

 

【・・・このヒュンケルという男

恐ろしい領域に達しているな】

 

【ああ・・・

我らの宿敵 正義超人のリーダー格キン肉マン

やつの火事場のクソ力 それをかなり高いレベルで習得したようだ】

 

「ヒュンケルが・・・」

 

【恐怖を乗り越え無我の境地にいたり己の限界を引き出し

仲間や守るべきものの為に限界を超える友情パワー

そして敵のためにその力を尽くす寛容の精神で更なる力を得る

そこにあの若さで到達した ・・・これは見逃せん】

 

あのバルトスが酔狂にも拾った赤子だったヒュンケルが

この悪魔超人の首領らが認めるほどの猛者になったか

 

『誇らしいのですか?』

 

別にオレが誇ることではないが

・・・あいつもオレを殺した一人であり

オレの最初の子バルトスの息子であり

宿敵アバンの誇る一番弟子

オレにとっても因縁浅からぬ男だ

 

「今映像があったがヒュンケル自身

アバンに返り討ちにあったときに無刀陣を直接受けて体が覚えている

その経験が生きているのだろう

堂々とカウンターを狙う相手にバランがどうでるか」

 

【ゲパー 魔法とやらであの構えを揺さぶれないのか?】

 

「ヒュンケルの鎧は魔法が通じぬ

電撃呪文は音が大きすぎて魔王軍に感づかれる」

 

『実際あなたの子供たち ヒムとアルビナスがもう来てますね』

 

【ブロローン 男同士の一騎討ちを横槍で潰そうなどと

いかに強かろうと所詮は命令を聞くだけの人形か】

 

「メルトダウンよ それは違う

アルビナスはオレの不興を買うことを覚悟で

オレのために介入をしている

あくまで自分の判断でオレの命令を越えだしてきた

・・・結果的にアルビナス自身かなりのダメージを負ったが

これも成長(レベルアップ)といえる」

 

【ヒュンケルも大ダメージを負ったか

魔法(ギガデイン)を使っていないからギガブレイクではなく

あくまで闘気剣としての威力のようだが よく生きていたな】

 

「あの男の不死身ぶりは筋金入りよ

あの傷でも戦線離脱するとは思えん」

 

『あなたの系譜ですからね

ジゼルもたくましく育ってほしいものです

死線を何度も経験するような生き方はしてほしくないですが』

 

『・・・バランの態度が大きく軟化しましたね

あのヒュンケルとの戦いとクロコダインの涙のおかげで

ついにバランとダイが肩を並べる日が!

このようないいところでおしまいですか!?』

 

もうそんな時間か

む 今 でた竜はお前ではないのか聖母竜よ

 

『・・・どうでしょう

あまり自分の姿は見たことがないもので

おそらく私、なのでしょうか?』

 

2匹いるが お前の同種がいたのか

 

『そのようなことはないはずですが

竜の騎士の生と死を司る役目は私だけですので

本当にどなたでしょうか?』

 

お前にもわからんのか もしや他にも竜の騎士がいるのか?

 

「今日のところはこれで終わりか」

 

【いや これはビデオだ

ステカセキングに頼んだ録画映像よ

まだ続きがあるが・・・その前におまえ達スクワットをやめい

先の戦いを検討しよう

敵がカウンターを狙い動きを止めたときどう攻めるか】

 

若い悪魔たちがそれぞれ意見を出し合う

それぞれ自らの能力を生かし 敵の体勢を崩し隙を作ろうとするもの

遠距離からの攻撃で力を削ごうとするもの

バランのようにダメージを覚悟でカウンター返しを狙うもの

掴みかかって投げ技や絞め技に持ち込もうとするもの・・・

 

【ハドラー おまえならあの無刀陣に対しどう攻める?】

 

「オレがデルムリン島でアバンと再戦したときは

壁に追いつめ腹に痛恨の一撃を見舞ってやったが・・・

その状態から脳天にメガンテ自己犠牲呪文を撃ち込まれた

あそこまで捨て身でこられては互いにただではすまん」

 

あれは忘れられん・・・

オレの体験談も踏まえて悪魔たちの議論は過熱していく

 

『早く映像の続きを見ましょうよ!』

 

しかし聖母竜のボヤキはとどかなかった

 




ダイの大冒険アニメが熱すぎて正直今回~聖母竜登場回まで毎回更新したいほどのなのに逆に諸事情で今回の更新が難産だったウジョーです
これでいくらかすっきりしましたがハドラー様最後の戦いまでにどこまで書けることか
ちなみにトリビアの泉で紹介されていた音楽用カセットテープに映像を記録再生することが可能らしいのでステカセキングならバージョンアップして映像もエアチェックしてても不思議ではない、かも・・・

令和3年も早12月 今年はコロナでダウンしたりもしましたがどうにか年を越せそうです

寒さも一層厳しくなってまいりますが年末の疲れが出るこの時期お疲れのでませんように

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