ハドラー子育て日記 異世界家族旅行編   作:ウジョー

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アニメ鑑賞編 ダイの秘密

 

      ドヨウの日の朝 東京女子プロレスの道場

 

恒例となったダイ達の映像を見る集まりに

最前列でジゼルをひざに乗せ参加した

 

「ダイの秘密、か」

 

『ダイ本人も知らなかったことですね』

 

お前も知らなかったのか?

 

『当時はまったく 知るすべもなかったですし』

 

〔あ 牢屋スタートだ〕

 

〔ドラクエの主人公って大抵一回は牢屋に入れられるよね〕

 

〔あー 言われてみれば・・・そんな気がする〕

 

「しかし バランを迎え打つのに

まともに戦えるのがクロコダイン一人か」

 

『・・・バランの出世が困るのなら

あなたが正体を隠して共に戦うわけにはいかなかったのですか?』

 

その発想はなかったが あの時点で共闘か・・・

自分の保身のために命がけで戦う選択が当時のオレにあるかは別として  

クロコダインと共闘し 竜騎衆を倒したヒュンケルとポップが合流し・・・

正体がバレなければ 或いは・・・?

 

〔レオナ姫がダイ君にナイフを渡してるけど

ダイ君ビビりすぎてない?〕

 

〔あ・・・〕

 

[?]

 

〔意外とやることやってたんだね

これってダイ君おぼえてるのかな〕

 

[なんのことですか?ハドラー様]

 

「オレに聞くな マネされても面倒だ」

 

場面が変わって戦場へ そこでは

かつてバルジ島でオレが不覚をとるほどの実力を示したヒュンケルが

バランの配下ラーハルトに圧倒されていた

 

〔強かったね・・・〕

 

〔ひょっとしてハドラーさんより強いんじゃ・・・〕

 

「スピードだけならこのときのオレよりも速いだろうが

一対一なら負ける気はせんぞ」

 

バランと二人ならこのときのオレは絶対に戦いたくはなかったがな

 

『そんなことを考えていたから

魔軍司令の地位が危なかったのでは?』

 

うるさいぞ聖母竜

 

〔先週も思ったけど

あの声としゃべりかたのせいでどうしてもヅラに聞こえる〕

 

〔ヅラじゃない カツ、 ラーハルトだ〕

 

〔ますますそうとしか聞こえなくなるよ マジメなところなのに

今年は映画もあったし〕

 

『何の話でしょうか?』

 

大方似た声のやつがいるのだろう

よくあることだ

それよりも倒れ伏したヒュンケルに対しラーハルトが

バランの過去 そしてダイの出生の秘密を語りだした

 

「このあたりはまだジゼルには紙芝居で見せたことはないな」

 

『私もバランから聞いただけなのでこういった映像で見れるのは興味深いですね』

 

[あ!?お母様!?]

 

〔え!?ジゼルのお母さんって聖母竜なの!?〕

 

〔じゃあジゼルも竜の騎士!?〕

 

「いや そうではない ジゼルは紋章をもたずに生まれた」

 

『そうですね しかし・・・

まさか私がここで出てくるとは思いませんでした』

 

「竜の騎士が死体となった後にあらわれて紋章を回収し

産み落とした後は放任か」

 

『ええ それが私の

竜の騎士の生と死を司る神の使いとしての仕事ですから』

 

だから何人産もうとも子育てレベルは上がらぬはずだ

どうやらお前の出番はもう終わりのようだな

 

[あ!ハドラー様だ❤]

 

〔今度はジゼルのパパが出た!〕

 

「懐かしいな 魔王時代のオレか」

 

[ハドラー様!!?]

 

ジゼルの悲鳴があがり オレに強くしがみついてきた

 

「いきなり死んだか

よりにもよってアバンストラッシュを食らったあのときか」

 

〔なんかごめんなさいハドラーさん〕

 

「気にするな

オレが不甲斐なかっただけだ」

 

思えば このとき たしかにオレは一度死んだ

失ったものは 体だけでは、ない

 

〔若いときのバランもでた〕

 

『冥竜王ヴェルザーまで出てきましたね

わざわざ比較してあなたのことを黙殺してもしかたない小物なんて言われてますよ』

 

「冥竜王ヴェルザーといえば魔界では

大魔王バーンと勢力を2分するほどの大物だから無理もないが」

 

〔ハドラーさん 不機嫌さが顔にでてますよ

あ!そういえば聖母竜がお母さんってことは

バランさんはジゼルのお兄さんになるのか!〕

 

「そのとおりだ」

 

[お兄ちゃんか・・・]

 

〔ってことはジゼルにとって 魔王軍軍団長にお兄さんが二人(フレイザード・バラン)

おじ、じゃなくて甥(ヒュンケル)が一人、お父さんハドラーが魔軍司令ってことか〕

 

「当時はまだジゼルは生まれてないぞ」

 

そしてバランとソアラ ダイの母でありアルキード国王女との出会いの場面となった

状況が逆ではあるがアバンとフローラの馴れ初めに似ているな

 

『そうですね』

 

城に招かれたバランがソアラとの仲を深めていくが

 

〔だんだん不穏な空気になってきましたね〕

 

『あなたのせいでもあるのでは』

 

「これはただのお家騒動・・・

人間どもの間ではよくあることだ」

 

〔たしかにそうですね

あ、城を追い出されたバランさんを追いかけてソアラさんが・・・〕

 

〔もう子供ができてるって えー・・・〕

 

「思慮が浅すぎる

どのみち世間知らずのこやつらは王には向いておらぬ

ある意味王宮の連中の見る目は正しいとも言えるほどにな

逆にアバン夫婦は思慮が深すぎて結婚するまでにバラン達の10倍以上かかったが」

 

〔人間の寿命でそれは長すぎますね〕

 

〔でもああやって駆け落ちして人知れぬ土地で親子水入らずの生活

ってのも浪漫ですよね〕

 

「しかしバランの抱き上げ方は下手だな

見ろ ダイが泣いている

バルトスの抱き上げ方ははじめてでも上手いものだったぞ」

 

『以前のあなたを思い出しますね』

 

・・・バルトスが特別だったことにしておこう

 

〔あ!?〕

 

〔囲まれてますね

王様自らおでましとか 怖いならそっとしておけばいいのに〕

 

「王の立場からすれば愛娘を魔物に攫われたのだ

放置すれば動揺が広がり国が揺れる

おなじ王女でもフローラとはその辺りの察しが・・・」

 

〔いえ ハドラーどの

たとえその結果がどうなろうとついていくと決めた

そういった御仁と出会えた・・・・・・

それ以上は無粋でゴワス〕

 

「そうか」

 

〔バランさんは抵抗せずに投降

これで親子離れ離れになったのね

そりゃダイ君が両親のことを知らないのも無理ないですね〕

 

[私は卵からでて最初に見たハドラー様をおぼえてますよ]

 

「お前は竜だからな

ナータも卵のときからマシェルと意思疎通ができたと聞く」

 

〔竜の騎士って 竜より人間に近いってことですね〕

 

『どちらかというとバランも人間ベースですよ ・・・今は』

 

〔バランさんが磔にされてますけど この先ジゼルに見せてもいいんですか?〕

 

[ハドラー様・・・]

 

オレはひざの上のジゼルにあえて何も言わなかった

 

『ジゼル自身に選ばせると?』

 

・・・バランの処刑に割り込んだソアラが死に

そのときアルキード王が竜の逆鱗に触れた

 

〔国滅びちゃったね・・・〕

 

〔怒るのは当然だけど・・・

ソアラさんの父でありダイ君にとって祖父にあたる人だったのに〕

 

〔国も人も一瞬で消し飛んだ これが世界最強の竜の騎士の本気・・・〕

 

『・・・結局 一番悪いのは私のような気がしてきました

私の行動次第ではこの結末避けられたのかも しれません』

 

・・・そのための【竜の保護者】なのだろう

 

『・・・今は あなたがいてくれてよかった』

 

[ハドラー様 お母様]

 

ラーハルトの語る過去話が終わり場面は再び戦場へ

 

「見ろ ヒュンケルが立つぞ

あの男が本当に厄介なのは、ここからだ」

 

〔ハドラーさん ちょっと嬉しそうですね〕

 

〔あ!今度はヒュンケル避けてる 鎧ない方が強いんじゃあ?〕

 

〔くらってもかまわん の覚悟で致命傷だけは避けつつ攻めるなんて

プロレスラーみたいですね〕

 

〔でも 押し返された ラーハルト強すぎない!?〕

 

〔いや 生身で槍の直撃受けて穴も空いてないし

生きてるヒュンケルの方がおかしい〕

 

仰向けに倒れたヒュンケルに向かって

ラーハルトが必殺のハーケンディストールでトドメを刺しにいった

 

゜・・・かかったな!

イチかバチか・・・

オレの生命を囮にした最後の罠に・・・!!!゜

 

ヒュンケルとラーハルトが描いた十字架によって

かつての恐怖がよみがえる

 

゜グランドクルス!!!!゜

 

「死んだふりで上からのトドメを誘い

渾身のカウンターで逆転する

オレも命取りとなった効果的な作戦だ」

 

〔セッシャらにとっても参考になるでゴワス〕

 

そして難敵ラーハルトを倒したヒュンケルの前に

一度は倒れながらも竜騎衆の一人ボラホーンが

ポップを人質に再び立ち塞がったところで今日の放送は終わった

次回はついにバランの対決か

 

〔ハドラーさん 何故竜の騎士は人間に近い姿を?

竜闘気なしだと あのくらいの攻撃魔法で死ぬなんて

クロコダインやヒュンケルより弱いんじゃあ・・・

戦うことだけが使命なら竜や魔族の体の方が強いと思うんだけど?〕

 

『・・・・・・』

 

「聖母竜は立場上その質問に答えることはできないが

オレの見解で答えよう

メアリ 竜は何故強いと思う?」

 

〔え!?

えーっと 元々強いから ですか?〕

 

「そうだ 怪物は生まれて間もないころから戦う力がある

どんな弱いものであろうともな

その中でも竜は特に顕著だ

このジゼルが生まれて間もない頃でも 力の制御は未熟だが

周囲に灼熱の炎をまき散らすことができた

今のように お前たちに預けるなどとてもできる状態ではないほどだった

それに比べ人間は弱い 赤子のヒュンケルを知っているが

スライムの赤子よりもはるかに弱かった

だが成長した強さは今見た通りだ」

 

〔人間は成長速度が速いってことですか?〕

 

「それもあるだろうが・・・

そもそも竜や魔族も含めるが怪物は強さを重視しながらも

自らそれを磨き伸ばそうとする意識が希薄な傾向がある

オレのように常に自分の強さを求め戦い続けるのは稀有な方だ」

 

〔そうなんですか?〕

 

「竜や魔族の力は敢えて紋章の力として限定的なものとし

人間の貪欲さともいえる心をそなえることで想定以上の

踏み込んだ強さを実現することが期待できる

ジゼルをわざわざ人化術でより人間に近くしているのも

そういった狙いもある」

 

〔じゃあ ハドラーさんも術で人間になればさらに強くなれるんですね!〕

 

  !?

 

「その発想はなかったな

たしかに人化術をオレ自身に使い修行し再び元に戻れば

さらなるレベルアップが可能かもしれんな

試してみるか・・・」

 

[ハドラー様とおそろい!]

 

      パアア・・・

 

〔おお早速・・・〕

 

〔どこか お顔がスッキリしたような〕

 

「そうか?」

 

〔声も変わりましたね 若返ったというか

そういえばテレビのハドラーさんに少し似てるような〕

 

〔少し女性のような いや中性的になったように見えますね〕

 

『私が同化しているせいでしょうか

私 性別がないですし』

 

「ふむ 力が落ちている気がするが

試してみるか マルシア つきあえ」

 

〔セッシャでゴワスか 喜んで!〕

 

視聴後恒例となった手合わせだが

今日はオレの人間状態の慣らしとするか

 

・・・

 

「マルシア、リングの上では十両だったか

遠慮はいらん かかってこい

この状態でもオレはさっきのヒュンケルよりも強い」

 

〔承知!〕

 

正面からの体当たりを迎え撃つ

 

     ガシィ!!!

 

「ぬうっ!

この感触 におい これまでとは段違いだ

これが人間の感覚!」

 

〔に におい!? それはあまり気にしないでほしいでゴワス!〕

 

「ハッ!!」

 

     ズン!!

 

十両の力が弱まった隙にリングに叩きつけた

 

「さあ 次々とかかってこい!」

 

リング外で見ている他のレスラーにもリングに上がるよう促す

 

[はい!ハドラー様!!]

 

〔よーし いっくよー!!〕

 

〔よっしゃ いくぜ!〕

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ハア・・・ ハア・・・

人間の体は息が切れやすいな」

 

いつもなら軽く相手をしていたが

慣れない人間の体で乱戦の中 呼吸が乱れてきた

 

『あくまで人間に近い体ですが

それほど違うのですか?』

 

ああ これは予想以上だ

 

[ハドラー様!私もいっしょに戦います!]

 

「・・・いいだろうジゼル オレの後ろにつけ

おまえの鍛え上げてきた力を見せて見ろ!」

 

[ハイ!ハドラー様!!]

 

ジゼルが合流したことで戦い方に幅ができた

連携しての戦い これは感覚が鋭くなった今の方が都合がいい

ジゼルの呼吸や動きからこちらもつなげやすくなった

これがあやつらの感覚 戦い方か

それが知れただけでも この姿になった甲斐があったというもの

 

〔ハドラーどの 勝負!!〕 

 

正面からの十両の突進

 

「ぬん!!」

 

受け止めたが少し押し込まれた

 

     ズズズ・・・

 

\\おお!!ハドラーさんが三歩ぐらいさがった//

 

〔チャンス!〕

 

オレの踏ん張っていた足を狙って

横からメアリがタックルを仕掛けてきた

 

「ジゼル!」

 

[ハイ!]

 

メアリの動きをジゼルが止め そこに十両をなげとばした

十両の巨体をなんとかかわしたメアリとジゼルを視界の隅でとらえ

コーナー近くに控えていた3人のレスラーが向かってきた

 

『まだまだ来ますね』

 

今日はいつもより楽しめそうだ

 

 

 

 

 

ハドラーはレベルがあがった

 

ジゼルはレベルがあがった

 

れんけいわざ クロスボンバーをおぼえた




ダイの大冒険アニメ毎週楽しんでいるウジョーです

もう次回放送間近ですがどうにか書けました
ハドラー 聖母竜 アバン バラン ダイ ヒュンケルと
拙作でも重要人物たちが出揃う貴重な回なので絶対書きたいと思っていましたが
その分時間が掛かりました

旧アニメでは描かれなかったバランとのガチ戦闘 そしてポップの・・・
楽しみなような怖いような 色々と節目となる話なので印象深いです

アバン先生主役の「勇者アバンと煉獄の魔王」単行本もでて
ますます面白くなって色々創作意欲も湧くのですが くっ ガッツがたりない

緊急事態宣言再びと なかなかコロナの脅威がおさまりませんが
ご自愛 コロナ対策を心がけください

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